深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第36話 青葉と新聞

 いやあ、昨日の歓迎会は盛り上がった。特に、雪風、瑞鶴、摩耶、鈴谷のはしゃぎ具合は見ているこっちも楽しくなるものだった。さて、今日は起床してからはいつも通りのルーティンをこなして、書類と格闘中だ。ちなみに、朝のルーティンに金剛が加わった。あのスタイルに体操着にブルマは、童貞の俺には破壊力があり過ぎる。

 

 そんなことを考えながら、書類仕事をしていると、秘書艦の霞がこっちを見ている。

 

「どうした?霞。」

 

「今、変な事を考えていたでしょう?んー、そうね。スケベなことを。」

 

 俺はギクッとしながらも、平静を装い、

 

「いやいや、そんなことは考えていないぞ。」

 

「いーえ、絶対に考えていたわ。そうね・・・。今朝の金剛さんの姿とか、かしら。」

 

「もし、そうだとしても、手は出さないから安心してくれ。」

 

「金剛さんや鈴谷さんは、手を出して欲しそうだったけどね。」

 

「からかわんでくれ。年齢=彼女いない歴の28歳だぞ。ムリムリ。」

 

「はぁー、金剛さん達が可哀想だわ。折角、人の身体(からだ)を手に入れたのに、恋愛ができないなんて。」

 

「そ、そういう霞はどうなんだよ。」

 

「私は、そういうことは横須賀鎮守府では無かったわね。ただ、憧れはあるわね。」

 

「ほう、それは興味があるね。ちょうど1000だ。茶飲み休憩でもしよう。お茶請けは何がいいかな。」

 

「チョコがいいわね。お茶は私が用意しとくから。」

 

「了解、部屋から持ってこよう。」

 

 そう言って、席を立とうとするとノックの音が響いた。霞と顔を見合わせ「どうぞ。」と声をかけると、

 

「失礼シマース!!」

 

 と、体操着にブルマ姿の金剛が入室してきた。その手にはお盆を持ちティーポットとカップ、お茶請けが乗っていた。

 

「テートクは1000にお茶休憩をすると聞きましたので、紅茶を持って来タヨー。」

 

 笑顔で、応接机に紅茶セットを展開していく金剛。体操着にブルマがこれほど似合わない光景も無いな。

 

「金剛、基礎体力作りの最中だったのでは?」

 

「終わらせマシタ。伊達に高速戦艦を名乗ってないヨ。」

 

 明るく返された。霞を見ると、諦め顔で頷いていたので、霞と金剛の3人でお茶休憩をすることになった。俺が応接用のソファに座ると、隣に金剛が座ってきたので、動揺する。なんで、汗をかいていたはずなのに、こんなに良い匂いがするんだ。とか、髪をアップにしているからうなじが見えて色っぽいとか思ってしまう。

 

 そして、対面のソファに座った霞がジト目で俺を見てくる。いや、これは不可抗力だろ。目で訴えると、ため息をつかれた。

 

「金剛さん。司令官は女性に免疫が無いから、あまり誘惑しすぎないようにね。」

 

「エッ!?この格好のどこが誘惑になるんデスカー?」

 

「司令官、説明してあげたら。」

 

「いや、そんなん恥ずかしいだろ!?金剛も期待を込めた目で見るんじゃない!?あー、もう、折角のお茶を楽しませてもらおうかな。」

 

 そう言いながら、金剛の淹れた紅茶を飲む。思わず「美味い」と口に出してしまった。金剛が顔を輝かせながら、

 

「嬉シイネー。テートク、スコーンも食べて。間宮に聞きながら作ったから、うまく出来ているとは思うケド・・・。」

 

 スコーンに手を伸ばす。うん、美味い。

 

「美味しいよ。金剛。紅茶もお茶請けのスコーンも両方、美味しい。ありがとうな。金剛。」

 

 言いながら、金剛の頭を撫でる。「ふわあ・・・。」と言いながら、とろけた表情になる。対面の霞が、

 

「初期艦で秘書艦の私には無いのかしら?」

 

 と言ってきたので、身を乗り出し、頭を撫でる。「霞ってこんなキャラだったか?」と聞くと、「ウルサイ。あなたは黙って撫でておけばいいの」と言われ、右手で霞を、左手で金剛を撫でる時間となった。しかし、2人とも髪がサラサラだな。撫でていて心地よい。

 

 そんなところに、爆弾が現れた。ノックされたので反射的に「どうぞ。」と言ってしまった。「司令官、失礼します。」その言葉とともに青葉が入って来て、この光景を見られてしまった。青葉は即座にコンデジを取り出し、笑顔で写真を撮って、

 

「青葉、見ちゃいましたー!!」

 

 と言いながら走り去っていった。あとには、ポカンとした表情の、金剛と霞が残された。何をされたか理解し始めた2人は顔を真っ赤にして、

 

「青葉ー、待つデース!!」

 

「青葉さん、待ちなさい!!そのデータを渡しなさい!!」

 

 と言って、追いかけて行った。俺は、敷地内放送のスイッチを入れ、

 

「湊大将だ。今すぐ、青葉少佐を執務室に連れてきた者には、甘味を休暇の時に岩国で奢る。好きなだけだ。繰り返す、・・・。」

 

 スイッチを切り、金剛の淹れてくれた紅茶を飲む。うん、やっぱり美味い。放送をしてから5分後、執務室にノックの音が響く。「どうぞ。」と声をかけると、「失礼しまーす。」「失礼します!!」と島風と雪風がワイヤーでグルグル巻きにした青葉を運んできた。

 

「ご苦労様。ちょっと待っていてくれ。」

 

 A4用紙を1枚取り出し、それを半分に切り、それぞれに甘味券と書いて、俺の署名と捺印(なついん)をする。それを島風と雪風の2人に渡し、

 

「好きな時に使うといい。しかし、俺の都合で行けない場合もあるから、いくつか候補日を決めておくこと。いいね。」

 

「はーい。ありがとう。提督。」

 

「ありがとうございます。司令。」

 

「うん、行ってよろしい。」

 

 2人とも礼を言って執務室を出る。残されたのは俺と青葉だけだ。執務室の鍵をかけ、青葉の拘束を解く。「ワイヤーを素手でちぎるなんて・・・。」と言っていたが、スパルタンの力をもってすれば、このくらいの太さのワイヤーぐらいは余裕でちぎれるんだよなあ。

 

「さて、青葉。俺が言いたいのはわかるな?」

 

「はい・・・。データを消します・・・。」

 

「いや、俺はそのデータの使い道を聞きたかったのだが。」

 

「あ、そうなんですね。実は“泊地新聞”を作りたいなあと思いまして。」

 

「なるほど、その記事としてさっきの写真を使いたいと。」

 

「はい、そうなんです。」

 

「俺は、構わんが、霞と金剛にも許可を得ること。これは、今後もそのようにしてもらう。また、誹謗中傷も認めん。事実のみを書くこと。以上が守れるか?」

 

「守ります。」

 

「よろしい。ならば“泊地新聞”の発刊を認めよう。必要経費は都度、書類にて報告すること。」

 

「ありがとうございます!!司令官!!」

 

「まあ、まずは、後ろの2人の許可を得るんだな。頑張れ。」

 

 そして、青葉は霞と金剛に連れられて行った。さて、仕事の続きだ。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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