深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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どみにおん様、36話の誤字報告ありがとうございます。訂正いたしました。


第37話 錬成開始

 昼食の時間になり、やっと青葉は解放されたようで、青い顔をしていたが、目は輝いていた。ふむ、艦娘のやる気や興味を持つことにもっと、関心を寄せる必要があるのかもしれないな。同じ人間なのだから。

 

 そう思いながら、昼食を1人で摂っていると、霞と金剛が両隣に座ってきた。2人ともほのかに(ほお)が赤くなっている。理由は聞くまい。青葉と何かしらがあったのだろう。黙々と食事を続けていると、霞が、

 

「今日の午後の予定はどうするのかしら?さっき、執務室をのぞいたら書類は全て終わっているみたいだったけど。」

 

「うーむ、どうするかな。錬成を俺がしてもいいかな、とは思っている。」

 

「テートクが相手デスカー。勝てる気がしないデース。」

 

「錬成だから勝つ必要はないさ。今後の戦闘に生かしていく何かを掴んでもらえたらよいとは思うけどな。」

 

「なら、そのようにしましょうか。紅白試合でもやろうと思っていたけど、新しく配属になったみんなに、あなたの実力をしめすには丁度いいかもね。」

 

「では、そのように。1330より始めよう。審判役は霞が、他の艦娘たちは実弾で、俺はペイント弾で行う。場所はいつも演習海域だ。他の艦娘への通達よろしく頼む。」

 

「了解したわ、司令官。」

 

「了解デース。」

 

 昼食を(たい)らげ、膳を下げると、その足で工廠に向かう。

 

「ミク、居るか?」

 

 工廠の扉を開け、声をかける。食堂にはいなかったから此処(ここ)にいるはずだが。すると、

 

「はい、ちょっと待ってくださいー。」

 

 と返事があった。フヨフヨと宙を漂いながらミクが向かってくる。手の平を差し出すと、その上にちょこんと座り聞いてきた。

 

「どうかしましたかー。」

 

「ミョルニルアーマーのリミッターを全て外してもらいたい。原子炉も同様に。1330から、霞を除く艦娘たちと演習を行う。武装は、MA5Dアサルトライフル、SRS99-5 対物ライフル、M45D タクティカルショットガン、M6H ハンドガンで全てペイント弾だ。あとは、ガーディアン・シールドだな。」

 

「了解しましたー。みんなー、やるよー。」

 

 ミクが声をかけると工廠妖精さんたちがミョルニルアーマーに集まり、ミクの指示の(もと)、各リミッターを外していく。その様子を眺めながら、またミクに声をかける。

 

「ミク、作業をしながらでいいんだが、今度、うちにも輸送隊としてCH-47JAが2機配備される。それと、満載排水量6,800tの護衛艦が2隻も配備される。ヘリポートと格納庫、1万t以上の艦が接岸できる岸壁と設備を整備してほしい。」

 

「ドライドックは必要ですかー。」

 

「あれば便利だね。しかし、無理をしてまでは必要はないね。」

 

「了解でーす。我々、妖精の力をお見せしますよー。そういえば、明石さんが何か話しがあるって言っていましたよー。お会いしました?」

 

「あー、食堂にはいたが、声はかけなかったな。ちょっと、聞いてくるよ。」

 

「はいー。あとはお任せあれー。」

 

 工廠を出て、食堂へ向かう。明石とはその途中で出会えた。大淀と会話しながら歩いてくる。

 

「明石。」

 

「あっ、提督。どうしました?」

 

「いや、ミクから明石が俺に何か話しがあると聞いたんだが。」

 

「あ、はい。大淀とも話しをしていたのですが、酒保を工廠の近くに開けないかと思いまして。お給料が貰えるんですよね?なら、それを使う場を提供したいなと思いまして。」

 

「いいんじゃないか。要望書にして提出してくれ。準備は手伝おう。」

 

「ありがとうございます!!」

 

 そう言って、右腕に抱き着いてくる。おおう、明石の豊満な胸に腕が埋まる。彼女いない歴=年齢の童貞にはキツイぞ。明石は笑顔になりながら、

 

「今から工廠ですよね?一緒に行きましょう。」

 

 と抱き着いた状態で言ってくる。大淀に助けを求めようと思い、彼女を見たら、大淀も「えいっ」という掛け声とともに左腕に抱き着いてきた。あー、なんかもう頭が一杯だ。そのまま、フラフラと工廠へ向かった。

 

 工廠に着くと、すでに霞が艤装を着ける準備をしていた。入ってきた俺を見るなり、

 

「この、クズッ。」

 

 と言われた。いや、俺から望んだ状況じゃないんだが。工廠に入れば、2人とも離れてくれた。大淀は自分の艤装のもとへ、明石は霞と大淀に艤装を着ける手伝いを始めた。俺は、ミョルニルアーマーのもとへ行き、ミクに手伝ってもらいながら、装着していく。最後にヘルメットを被り、ディスプレイの表示が正常か確認をする。よし、問題無しだ。右手に対物ライフル、腰にハンドガン、背中にアサルトライフル、左手にショットガンを懸架したガーディアン・シールドを持ち、

 

「お先に行くよ。」

 

 そう言いながら、工廠から海原へと出る。今日は天気も良く、波も穏やかだ。ホバーで移動しても揺さぶられない。

 

 時刻は1320。間宮と伊良湖、明石に審判役の霞を除く、柱島泊地に所属する艦娘たち26人と海上で対峙する。お互いの距離は2.5km。すでに艦砲の射程内だ。さて、彼女たちは数が多いからか、いささか気が緩いところがあるな。

 

 俺の戦闘を見たことがある者は、ほどよく緊張している。ふむ、やるか。霞に「準備完了。」と伝える。向こうもそう伝えたのか、霞が号砲を撃つ。すぐに発砲炎が上がる、俺は、ブースターで加速しながら、海面を滑走する。そして、対物ライフルを構え、引き金を引いた。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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