深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第38話 鬼神

 艦娘たちの初撃は全て外れた。俺の後方で盛大に水柱を立てている。逆に俺の撃った弾は白雪の顔面に命中した。真っ赤なペイント弾が白雪の顔を彩る。そのまま、白雪に向けて、弾倉1つ分撃ちきる。

 

 顔面に腹部、脚部に主砲と魚雷発射管、機関部を真っ赤にした白雪は霞によって「白雪、大破。」と判定された。俺の戦闘を見たことのある金剛たちは、すぐに主砲の攻撃に加え、中口径砲、小口径砲、果ては機銃や高角砲まで使って攻撃をしてきた。なかなかよい対処法だ。

 

 あの濃密な弾幕の中に飛び込むのは少し危険だ。だから、極力、数を減らす。次に深雪に狙いを定めると、銃口が向いたのがわかったのか、こちらに直進してきて、

 

「簡単にやられてたまるかあ!!喰らえっ、深雪スペシャル!!」

 

 と、魚雷を投擲してきた。ふむ、柔軟な発想だ。魚雷を12.7cm主砲で撃ち抜き誘爆させる。だが、避けるのも容易い。そう思っていたら、爆炎の中から深雪が飛び出してきて、そのままタックルを喰らわせにきた。5万馬力のタックルをガーディアン・シールドで受け止める。シールドに機銃が撃ち込まれる音が響く。

 

 俺は、リミッターの外れたミョルニルアーマーの性能一杯に左手を振り切った。深雪はそのまま空高く放り出されてしまった。「いかん」と思い、落下地点に先回りして、抱きとめる。深雪は目をまわしていた。取り敢えず、ハンドガンで白雪と同じ個所にペイント弾を撃ち込み、霞に回収を頼む。

 

「はあっ、なにやっているのよ。あなたは。深雪、戦闘不能。」

 

 金剛、加賀、青葉、天龍、吹雪、満潮以外の艦娘たちに動揺が走るのがわかる。次の標的は、急いで艦載機を発艦させようとしている空母勢だ。対物ライフルを連射しながら、一番近い蒼龍に接近する、直掩(ちょくえん)の摩耶が弾幕を張りながら進路妨害をしてくる。

 

 それを、(かわ)しガーディアン・シールドで受け、逆に摩耶に対物ライフルで命中弾を与えていく。「摩耶、主砲破損。機関損傷。船体損傷。中破相当。」霞の判定の声が響き、摩耶の動きに制限がかかる。その間に、横滑りし、発艦体勢をとっていた蒼龍の右舷に回り込み、対物ライフルを連射する。「蒼龍、大破。」霞の声が無慈悲に響く。

 

「そんなあ、提督、速すぎるよ~。それにペイント弾なのに痛いじゃない。」

 

「油断大敵ってことだな、痛い思いをしたくなければ、戦訓にするんだ。」

 

 そう言って、頭を撫でるとすごすごと隊列から抜けていった。此処までで90秒経っていない程度。そして、艦娘たち隊列の懐に入れた。武器をショットガンに切り替え、引き続き空母を狙う。行きがけの駄賃代わりに、摩耶にショットガンを撃ち込み、大破判定させる。「摩耶、大破。」

 

「ふっざけるなあ!!何もできなかったー!!」

 

 叫んだところで時間は戻せないぞ。摩耶よ。さて次は、2航戦繋がりで飛龍を喰らうか。俺が狙いを定めたのがわかると、飛龍は、「ヒィッ!?」と悲鳴を上げ後退を始めた。直掩の愛宕が間に入る。

 

「提督~、ここは通さないわよ~。」

 

「甘いな。愛宕。」

 

 海面に面したブースターを思いっきり吹かし、簡易的な霧の状態を作り出す。霧の向こうから、砲弾が飛んでくるが、スパルタンとミョルニルアーマーの反応速度で避ける。そして、俺は愛宕の背後にまわり、ショットガンを連射する。あっという間に愛宕は真っ赤になった。

 

「あらあら、やられちゃったわね。ちょっと、やりすぎじゃないかしら?」

 

「そういうなら、もっと訓練して強くなれ。霧が晴れるまでむやみ動くなよ。誤射されるぞ。」

 

「はあい。」

 

 さて、飛龍は・・・。いた。あの人影は間違いなく飛龍だ。霧から飛び出し、飛龍を仕留めようとすると、そこには主砲をこちらに向けた扶桑と夕張、叢雲、曙がいた。良い連携だ。一斉に主砲が吹くが、全て躱す。愛宕に飛んでいきそうな奴だけを、ガーディアン・シールドで弾いた。

 

「そんな・・・、嘘・・・。」「今のを避けるなんて。」「あー、もう、なんで機銃すら当たらないのよ。」「クソ提督、クソ提督ぅ!!」

 

 最後のはなんか違うが、格の差を、戦闘経験の差を見せつけることができたかな。飛龍は逃走に転じている。なら、先に、この4名から相手にしようか。ショットガンを構えたときに、霧が晴れ、「愛宕、大破。」と霞の声が響く。その瞬間、4人が一瞬だけ動揺した。

 

 その一瞬のうちに、扶桑の懐に飛び込み、顔に一発、腹部に一発、6基の主砲に一発ずつ、機関部にも一発を撃ち込んだ。その次に、ハンドガンを抜き、夕張に対して、扶桑と同じようにペイント弾をお見舞いする。「扶桑、夕張、大破。」響く霞の声。

 

「私、主砲の多さが自慢だったのに・・・。こんな姿じゃ・・・。」

 

「いろいろ積みすぎちゃったのかしら。ハア・・・。」

 

「退避するときは、誤射の砲弾に気を付けるんだぞ。それと、そんなに落ち込むな。」

 

 さて、これで、今の俺の目の前にいるのは叢雲と曙の2人だ。2人ともなんか涙目になっていないか?まあ、それでも、撃つんですけどね。ドンッ!!とブースターで加速し、一気に距離を詰める。

 

「沈みなさい!!」

 

「うざいのよ!!蹴散らしてやるわ!!」

 

 沈みもしないし、蹴散らされもしないさ。2人仲良く、ペイント弾で真っ赤になりなさい。そして、数秒後には、ショットガンとハンドガンによって、全身を真っ赤に染めた2人がいた。主砲と機銃で弾幕張っていたけどねえ、あれじゃあ、まだまだかな。「叢雲、曙、大破。」ちょっと、トーンにあきれた感じが含まれ始めているぞ霞。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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