深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第44話 妖精さんの本気・その2

 森原中佐と電少佐は、着任当日の歓迎会のおかげもあってか、すぐに泊地に慣れてくれた。着任2日目の本日は、艦娘の召喚建造を行い、指揮下の艦隊戦力を整えるつもりのようだ。指揮系統は違うが、明石と、なぜか工廠に教練が無いときは居付いていることの多い夕張に、力を貸すようにお願いしておいた。これで、スムーズに事が進むだろう。

 

 さて、本日の大目玉は、何といっても“しらね”と“くらま”の到着だ。楽しみで仕方がない。俺ではなくミクたち妖精さんがだが。できたばかりのドライドックにぶち込んで、改造をしようとしているらしい。

 

 そういうわけで、俺は、ミクと秘書艦の霞と共に岸壁にて両艦を迎える。右舷側に乗組員が整列して敬礼している。俺と霞はそれに対して、答礼をする。すぐに接舷作業が行われ、“しらね”の艦長が代表として、挨拶を行う。

 

「“しらね”艦長、牧原大佐です。本時刻をもちまして“しらね”及び“くらま”は柱島泊地司令部の所属となります。よろしくお願いいたします。」

 

 そう言って、敬礼をする。背後に並んだ乗組員達もだ。俺は答礼をし、

 

「両艦の着任を心より歓迎する。困難な任務が多くなると思うが、よろしく頼む。」

 

 そう返事をし、手を下ろす。

 

「さて、早速だが、両艦ともドライドックに入渠してもらいたい。妖精さん達が改造するそうだ。」

 

「了解しました。航海要員のみで行います。他の要員はどちらに?」

 

「ああ、憲兵が泊地内を案内する。中野中尉、あとは頼む。」

 

「はい、閣下。それでは、我々、柱島憲兵中隊第1小隊が皆さんをご案内します。」

 

 そう言って、憲兵たちが乗組員たちをグループ分けし始めた。

 

「それでは、閣下。小官たちは艦をドライドックに入れます。」

 

「頼む。ドック要員はいるから心配せずに操艦してほしい。」

 

「了解しました。」

 

 そして、2隻ともドックに入るため岸壁を離れる。それを見送ると、ミクと霞と一緒にヘリ格納庫へ向かう。ミクが陸軍第1ヘリコプター団隷下の第1輸送ヘリコプター群第106飛行隊から引き抜いた2機のCH-47JAを改良したと言ったのだ。いつやったのか聞くと「夜のうちにやった」と答えた。仕事早いな。それで、今からパイロット含めた第106飛行隊より来ている隊員にどこを改造したのか、説明することになっている。

 

 格納庫に着くと、既に全員が揃っているようだった。柱島泊地輸送ヘリコプター隊隊長を務めるガルム01こと青野中佐の号令で全員が敬礼をする。答礼をして、「みんな楽にしたまえ。」と言う。全員が休めの姿勢をとる。

 

 そして、チヌークを見る。うん、形が凄く変わっているね。まず、ローターが4枚となった。そして、空中給油プローブ。ここまではいい。なんで、胴体中央部から主翼が出ているんですかね。ミクに説明を求める。

 

「まず、機体は米軍で使用しているMH-47Gを元にしましたー。グラスコックピット化はもちろん、燃料タンクの大型化、空中給油プローブ、各種レーダーの追加、自衛用火器として小型化したM68ガウスキャノンをローディング・ランプと機体前部に装備していますー。エンジンも高出力化、省エネルギー化に成功しましたー。そのため航続距離は2,000km、最高速度は350km/hまで出せますー。上昇限界高度は変わりませんー。最後に主翼ですけど、これは技術実証機モデル347を元にしていますー。そのため、胴体が延長されていますー。また、先程言った速度向上にも一役買っていますー。可動式で、垂直に近くまで仰角を変えることができますー。また、予備燃料タンクとしても使えますー。また、ハードポイントを設けたのでパイロンの設置も可能ですー。勿論、航続距離を延ばすための燃料タンクも着けることができますー。ま、そのくらいですねー。飛行をしてみて問題点があれば報告書として提出してもらえたら、改良しますのでー」

 

 ミクの説明をみんなに通訳する。全員がポカンと口を開けていた。俺も立場が無ければそうしたい。青野中佐が挙手したので、頷いて了承を示す。

 

「今から、試験飛行を行っても?」

 

「よろしい。ただし、念のために1機ずつだ。改造して墜落しましたなんぞは困るから無理はしないように。」

 

「了解しました。」

 

「それでは、あとは、頼む。整備マニュアルは機内に置いてあるそうだ。よろしく頼む。」

 

 そう言って、格納庫をあとにする。背後からは歓声が聞こえる。ま、怒られるよりかはいいか。しかし、“しらね”と“くらま”にはどのような改造をするつもりなんだろうか。執務室に戻りながら、ミクに聞いてみる。

 

「あー、まずはですね、後部格納庫をヘリと艦娘の艤装の両方に対応したものにしますー。また、後部甲板両端に艦娘が発艦するためのスロープを取り付けますー。」

 

 おっ、だいぶ普通な内容だ。

 

「それと、機関を“次元波動超弦跳躍機関”、ようは“次元波動エンジン”にしますー。そして、武装の73式54口径5インチ単装速射砲を、“陽電子衝撃砲”いわゆる“ショックカノン”にしますー。もちろん、実弾も撃てるようにしときますよー。74式アスロック8連装発射機は撤去して、少しかさばりますがVLSを設置します。GMLS-3は改良してそのままですかねー。Mk.15高性能20mm機関砲は対空パルスレーザーに置き換えますー。また、防御面は“次元波動振幅防御壁”つまり“波動防壁”を使えるようにしますー。これで、深海棲艦の攻撃を無力化できますよー。」

 

「は、波動砲は?」

 

「お望みなら付けますが、陸地が射線上にあると消滅しますよー?」

 

「いや、聞いただけさ。」

 

 全然、普通じゃなかった。宇宙戦艦ヤマトじゃねえか。しかも、ショックカノンってようはビームだろ。やべえ、“しらね”と“くらま”の2隻が深海棲艦を蹂躙する様子しか思い浮かばねえ。

 

「あ、艦載機のSH-60Kも改造しないとですねー。」

 

 あー、そーですねー。ヤバい、どーしよ。




見てくださりありがとうございました。

武装面にしか出ていませんが、タグにヤマトって追加した方が良いのでしょうか?

次回は近いうちに投稿します。
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