深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
ま、できてから悩めばいい。幕僚監部にもできてから報告すればいい。とりあえずは、書類仕事が俺を待っている。ミクは「工廠に行きますー。」と言って、フヨフヨと飛んでいった。「森原中佐と電少佐を頼むぞー!!」と声をかけると、サムズアップしたので大丈夫だと信じたい。
そして、数分後、工廠から内線がかかってきた。嫌な予感を覚えつつも、受話器を取る。
「はい、執務室、湊大将だが。」
「提督!!ミクさんって何者なんですか!?建造で電ちゃんが「姉妹艦がきてくれると嬉しいです。」って言っていたので、資材配分を森原中佐と夕張ちゃんと考えていたら、ミクさんが来られて、話しを聞いたらサムズアップして、建造を開始したら暁型の3人が建造できましたよ!?」
全然っ、大丈夫じゃなかった!?ミクさーん、何、本気を出しちゃっているんですかー!?先程のサムズアップは嘘だったん?
いや、待てよ。俺は、「森原中佐と電少佐を頼む。」と言った。そして、電は「姉妹艦にきてほしい。」と願った。で、俺から電のことを頼まれたミクはそれを叶えた。ということは、俺が原因ですね。執務机に“ゴンッ”と頭をぶつけ、
「明石、多分、それ、俺のせいだ。」
「えっ、提督の指示だったんですか?」
「いや、俺は「森原中佐と電少佐を頼む。」と伝えたから、電少佐のそれを実現したんだろう。」
「うわっ、凄いですね。ミクさん。・・・あっ、それじゃあ、ミクさーん、工廠に併設して立派な酒保をお願いしますー。なんて、言っても大丈夫ですかね?」
「大丈夫じゃないよ。」
「ですよねー。って、あら、ミクさんに工廠妖精さん達、みんな笑顔でサムズアップしてどうしたんですか?そっちは工廠の出入り口ですよ?って、なんか基礎作り始めている!?どどどど、どうしましょう!?提督!?」
「明石が、そんなこと言うからだ!!すぐ、そっちに行く!!」
そう言って、受話器を置いて席を立ち、駆け足で工廠に向かう。秘書官の霞もついてくる。
「霞、なんでついてくる?ついてくるなら入口の表示灯は工廠に切り替えたんだろうな?」
「もちろん、切り替えたわよ。ついてくる理由?面白そうだからよ。それに、青葉さんにも無線で知らせたわ。」
能力を無駄に使っているんじゃありません。と云うことは、現場の様子がなんとなく頭に浮かぶ。そして、現場はそれ以上、想像より上だった。すでに、酒保の建物ができていた。しかも、内装まで。簡単な服飾雑貨売り場まである。まさに、地方スーパーだ。
青葉は既に来ていて、ミクから貰ったコンデジで写真を撮っていた。後から聞いた話だと、青葉の貰ったコンデジはミク謹製らしく、性能が凄いらしい。いや、まあ喜んでいるならいいけど。
青葉は一通りの写真を撮り終わると、明石にいつ開店するのか、どのような商品を仕入れるのかなどを質問していた。俺に質問が来る前に工廠に入ろう。
工廠に入ると、夕張と森原中佐、電少佐に明石が報告してきた暁型の3人がいた。6人とも俺と霞が近づくと、すぐに気づいて敬礼をしてきた。答礼をし、楽にするように伝える。
「森原中佐。暁少佐、響少佐、雷少佐には説明は終わったのかな?」
「はい。いいえ、閣下。まだ説明をしていません。」
「ふむ、それなら、君の執務室でしたまえ。ああ、途中で食堂により、間宮から羊羹を人数分貰うといい。緊張しながらよりも甘い物を摂りながら、リラックスして話しをしたほうがいいだろからね。間宮には私から伝えておこう。」
そう言って、工廠内の電話で食堂に内線をかけて間宮に羊羹を用意するように伝える。
「ありがとうございます。閣下。」
「気にしないでいい。部下との親交を深めるのも指揮官としての役割だ。新たな部下たちを大切にしたまえ。」
「はい、閣下。それでは、失礼します。みんな、ついて来て。」
森原中佐はそう言って、電少佐たちを引き連れ工廠から出ていった。残ったのはミクと夕張と霞。しかし、ミクはすぐに、
「“しらね”と“くらま”がドライドックに入渠したみたいですー。排水も開始しているみたいなので、そちらの改造に取り掛かりますねー。」
そう言って、工廠妖精さんを連れて工廠を出て行ってしまった。入渠が終わったということは、両艦の艦長が改めて着任挨拶に来るはずだ。執務室に戻らないと。困惑している夕張に「それじゃ、後は任せた。」と言い、霞と共に執務室に戻る。
戻って、30分もしないうちに扉がノックされた。「どうぞ。」と声をかけると、坂本大尉が、
「しらね艦長の牧原大佐とくらま艦長の佐野大佐をお連れしました。」
そう言って、脇に避けると両艦長が礼をして入室し、敬礼をしながら、着任挨拶をする。
「しらね艦長、牧原大佐です。改めてよろしくお願いいたします。」
「くらま艦長、佐野大佐です。着任いたしました。よろしくお願いいたします。」
俺も答礼をし、挨拶をする。
「はい、これからよろしくお願いします。2人とも席に着いてください。坂本大尉、ご苦労でした。業務に戻ってください。霞中佐は2人にお茶を。」
「はい、閣下。失礼いたします。」
「了解しました。司令官」
敬礼をした彼女に、答礼を返し、霞にお茶の準備を始めに行った。俺は、2人の対面のソファに腰かける。男3人となった執務室で最初に発言したのは佐野大佐だった。
「失礼ですが、岸壁での際とお言葉遣いが違いますね。」
「ああ、こちらが素ですね。まだ、28の若造なので、年上の方に命令口調はなかなか難しいですね。ああ、キレたりした時はまた違いますが。まあ、ああいう公式の場ではちゃんとしますよ。見ていたでしょう?」
「ええ、立派な司令官ぶりでした。“鬼神”と噂になっていますので、戦々恐々としていたのですよ。元護衛艦乗りの閣下なら我々を上手く使ってくださるでしょう。期待しています。」
「ありがとうございます。佐野大佐。それでですね。お2人に見ていただきたものが。時間が無く、即興ですが、両艦の改造箇所をまとめた資料です。どうぞ。」
そう言って、資料を2人に渡す。2人とも最後までパラパラと斜め読みすると、
「「冗談でしょう?」」
と声を合わせて言ってきた。冗談じゃないんだよなあ。これが。
いつも拙作をお読みいただきありがとうございます。さて、世間はGWですが、私の周りはそういかないようでして、更新がさらに遅れるかもしれません。
個人的なことで恐縮ですが、身内が昨日の午前2時頃に救急搬送されまして、手術をしたのですが、予断を許さない状況にあります。それがどのような結果に終わるかはわかりませんが、まあ、そのような事情のため、投稿が遅れるということですね。
仮眠をとっていますが2時から起きているので乱文になっております。お許しいただけたらと思います。皆さまも体調にはお気をつけください。