深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第62話 長距離船団護衛任務部隊結成

 霞から衝撃の告白をされた翌日、よく眠れなかったが今日はFFR-41MR“メイヴ”の搭乗員とMS艤装のRGM-79SP“ジム・スナイパーⅡ”の装着員が配属される。彼らの母艦となる“おおすみ”も既にこちらへ向かって呉を出港したとの報告があった。

 

 0900になると同時に執務室の扉がノックされ入室を許可する。

 

「失礼いたします。本日付で本泊地に配属となりました隊員の方々をお連れしました。」

 

 扉を開け22名の新規隊員を引き連れ入室し敬礼した坂本大尉が元気よく報告してくれる。

 

「坂本大尉、ご苦労。通常任務に戻ってくれたまえ。他の者も楽にしたまえ。」

 

「了解しました。」

 

 そう言うと坂本大尉は部屋を出て行く。

 

「諸君。私が柱島泊地を預かる湊海軍大将だ。艦娘艦隊の提督も務めている。ああ、此処にはもう1人提督がいるので紹介を後でしよう。さて、諸君らは此処に配属された意味を理解していると考えてよろしいかな?八島空軍中佐。」

 

「はい、閣下。我々は閣下の指揮下で新型機を受領し作戦行動をとるように(めい)を受けました。」

 

「よろしい。陸軍はどうかな?中条陸軍大尉。」

 

「はい、閣下。我々も閣下の指揮下に入り、MS艤装を受領後に特務中隊として作戦行動をとるように(めい)を受けております。」

 

「よろしい。実によろしい。地獄へようこそ。共に深海棲艦どもを潰すぞ。」

 

「「了解しました。」」

 

「堅苦しいのは此処までだ。改ましてようこそ柱島泊地へ。お2人と部下の方々を歓迎します。あ、素の言葉遣いがこっちなので公の場と命令を下す時以外はこんな感じですのでよろしくお願いします。正式な着任式は“おおすみ”が到着してからです。ああ、どうぞそちらのソファにお座りください。霞大佐、お茶と菓子を頼むよ。」

 

 2人が応接ソファに座り、霞がお茶を持ってきてくれたのでそれぞれの装備品の書類を渡す。他の隊員達はパイプ椅子に腰掛けながらだ。

 

「こちらがFFR-41MR“メイヴ”のでそちらがRGM-79SP“ジム・スナイパーⅡ”に関する、まあ説明書みたいなものです。全員分用意してありますので。」

 

「ありがとうございます。“メイヴ”に関しては映像資料として“戦闘妖精 雪風”を視聴しましたがあれと遜色ないモノと考えてよろしいでしょうか?」

 

「ええ、そうです。ですから改装した“おおすみ”での運用も可能になります。大尉は何か質問がありますか?」

 

「はい。いいえ閣下。ありません。ガンダム好きが集まりましたので。」

 

「わかりました。それでは案内を呼ぶのでお茶を飲んでゆっくりしてください。」

 

 そう言うと、秘書机に戻っていた霞が電話で案内役の憲兵を呼び出した。彼女らが来るまでは新規隊員全員と歓談して過ごした。全員が渡された装備の仕様書を見てかなり驚き、喜色を浮かべていた。まあ“メイヴ”は現代技術の戦闘機ではほとんど(かな)わないだろうし、“ジム・スナイパーⅡ”も性能自体“スターク・ジェガン”には劣るものの超長距離狙撃能力はピカイチ出しな。驚くのも無理はないし、ガンダムファンならなおさらだろう。

 

 ほどなくして案内役の憲兵が2名やって来た。中佐達と大尉達はそれぞれの憲兵に案内されながら執務室を後にした。俺は大きく背伸びをして息を吐き自分の机に向かう。

 端末を開くとメールが来ていたので確認をする。霞の准将への昇進通知だった。階級章は使送便で送付済みとのことだ。霞にこの話をすると、

 

「あー、これで私も将官なのね。艦娘なのに将官。何だか不思議な感じだわ。」

 

「まあ、実際に艦娘初の将官だからなあ。なんやかんやとあるだろうが困った時は頼ってくれ。」

 

「ありがとう。ご厚意に甘えさせてもらうわ。」

 

「とりあえずは、業務中で酒はダメだが秘蔵の玉露と間宮羊羹で一杯やろう。俺がするから霞は座ったままでいいぞ。」

 

 霞と間宮羊羹を楽しんでいると卓上電話が鳴った。通常回線のほうだ。

 

「はい、湊海軍大将。」

 

『テートク、金剛デース。“おおすみ”が来ました。只今、扶桑と夕張が先導中デース。』

 

「了解した。岸壁に向かおう。」

 

『了解デース。』

 

 受話器を置くと霞と共に執務室を後にする。岸壁に着くと非番の隊員達が野次馬として集まっていた。また、森原中佐も暁達を連れて来ていた。

 “おおすみ”が着岸し乗員たちが降りてくる。最後に艦長の出原中佐が降りてきて八島中佐達と中条大尉達も含め、今日配属される全員が俺の前に整列する。

 

 俺が一歩前に出ると全員が敬礼をする。答礼をして「休め。」と号令をかける。

 

「私がこの柱島泊地を預かる湊海軍大将だ。私が諸君らに求めるのは軍人としての節度ある行動、態度、生活といった基本的な事と、深海棲艦を共に潰すことだ。よいか?」

 

「「「了解しました!!」」」

 

 指揮官3人が気を付けの姿勢で敬礼をすると他の者も同様に敬礼する。俺は答礼しながら、

 

「諸君らの着任を心より歓迎し、ここに柱島泊地長距離船団護衛任務部隊結成を宣言する。」

 

 と努めてにこやかに言った。霞たちに後から聞いたら獲物を狙う鬼のような笑顔だったと言われた。解せぬ。

 

 さて、場所を移して執務室。“おおすみ”艦長の出原中佐と改めて挨拶をする。ま、八島中佐や中条大尉にしたことと同じようなことだ。“おおすみ”の改装後の諸元表を見た出原中佐は、

 

「これだと軽空母では?」

 

 と言ってきたが、

 

「事実上“メイヴ”と艦娘、MS艤装の運用特化艦になりますね。下手な軽空母よりも打撃力はありまよ。」

 

 と言うと、乾いた笑みを浮かべてお茶をすすっている。そうなるよなぁ。波動エンジンを搭載して対空パルスレーザーにリニアカタパルトの設置、それに伴う最上甲板の延長と船体の延長。これだけでも驚くのにさらに細かい箇所を上げたらきりがないくらいだからなあ。

 

 中佐の肩に手を置いて、

 

「まあ、妖精さん達を信じてください。うちの泊地では戦死者も事故死者もゼロですから。」

 

 そう言うと中佐は長く息を吐いて、

 

「了解しました。英雄の仰ることです。信じましょう。」

 

 と言って今度は普通の笑顔を見せてくれた。

 

 中佐をドックまで案内の憲兵に引き継ぎ、霞以外に人がいなくなると俺は一気に力抜けた。だらけた状態で事務仕事をしながら、

 

「なあ、霞。昨日の話の続きなんだが、ホントに俺の指揮下にいる艦娘のみんなって俺のことが好きなのか?LIKEじゃなくてLOVEなのか?」

 

「はあ・・・。満潮姉さんと一緒に言ったでしょ。好きよ。LOVEよ。」

 

 マジだったかぁ・・・。年齢=彼女いない歴の俺からすると一挙に30人もの女性に好意を寄せられているなんて信じられん。

 

「霞が俺を好きになった理由を聞いても?」

 

「ええ、いいわよ。減るもんじゃないし。まず、最初に意識し出したのは・・・そうね、ここに着任した時かしら。坂本大尉とあんたが結構仲良く話していたじゃない。そのときにね何か悔しいというか羨ましいというか何とも言えない感情が渦巻いたの。それからは、あんたのことを意識して見るようになったわね。秘書艦だし。だからかしら、あんたを好きになっていっている自分に気付いたのよ。」

 

「なるほど、わかった。確かに霞とは付き合いが一番長いからな。そう言われると納得する。しかし、他の艦娘はどうだ?提督課程を一緒に受けたわけでもない。長い期間一緒にいたわけでもない。」

 

「それは、青葉さんね。」

 

「青葉?」

 

「ええ。青葉さんが新聞を作っているでしょう?」

 

「泊地新聞か。それがどうした?」

 

「それに“今日の司令長官”というコーナーがあるでしょう。あれと過去のあんたの特集記事でみんながあんたという人間のことを知ったのよ。あとは日常の触れ合いね。艦種や職種を問わず平等に接しているから好感度は天井知らずよ。」

 

「・・・聞かなきゃよかったかも。みんなとどんな顔をして会えばいいんだ?」

 

「とりあえず笑っておけば?あ、でもさっきの獲物を狙う鬼みたいな笑い方はダメよ?」

 

「・・・善処します。」

 

 とりあえず、柱島泊地にて俺専用の艦娘ハーレム?ができそうです。あ、あと柱島泊地指揮下の長距離船団護衛任務部隊が無事?できました。




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