深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第79話 海戦終了

 一発目の“シャイニングフィンガー”でレ級集団を引き裂いた。そのおかげといっては何だが第1特機中隊の2個小隊と合流できた。

 

「先程のは“シャイニングフィンガー”ですか?」

 

 第2小隊長の山下少尉がロング・レンジ・ビーム・ライフルを撃ちながら話しかけてくる。俺も右手に持ち直したアサルトライフルを発砲しながら答える。

 

「ああ、そうだ。」

 

「ということは“シャイニングフィンガーソード”が使えるのでは?あれなら広範囲の敵を薙ぎ払えるかと。」

 

「装着したばかりで出力の調整が難しくてな。」

 

「ああ、なるほど。」

 

「それでは、もう一度“シャイニングフィンガー”をお見舞いして金剛少佐の所に戻る。こちらは任せたぞ。」

 

「はい、閣下。」

 

 アサルトライフルをガーディアン・シールドに収納し、“シャイニングフィンガー”を発動する。強く発光する右手に触れただけでレ級の艤装を肉体ごともぎ取っていく。通り過ぎた後には爆沈していくレ級の列が出来上がる。もっとも、俺はそれを見ることはできないので、ガルーダからの報告でわかる。

 

「よっと、ただいま、金剛。」

 

「お帰りなさい、テートク。」

 

 そんなやりとりをして笑い合う。戦場でするやり取りじゃねえからな。

 

「何体沈めた?」

 

「ガルーダ2に観測してもらっていたんですけど、7体ほどを砲撃で沈めマシタ。」

 

「この短時間で上々だな。」

 

「ヘヘンッ!!ACEデスネ!!」

 

「まったくだ。この海戦が終われば昇進の話しが来てもおかしくないな。」

 

 そんな軽い雑談をしながら、俺と金剛は銃弾と砲弾をレ級群に向けて叩き込んでいく。

 

『“おおすみ”C.I.Cより通達。第1空挺団特務機動装甲大隊2個中隊が降下準備に入った。各自、援護を。降下地点をHUDに送信し表示する。』

 

「ほぉ、敵集団の正面に降下か。RGM-86(ジム・ナイトシーカー)の性能をフルで使う気だな。整備の連中が可哀想になる。さて、金剛、敵の艦載機を優先して潰すぞ。」

 

「了解デース。」

 

 ガルーダのマイクロミサイルポッドによる攻撃で数は減らしたが、まだ敵の艦載機は残っている。俺はロング・レンジ・ビーム・ライフルに持ち替えて艦載機を墜としていく。金剛は1番、2番主砲をレ級に、3番、4番主砲に三式弾を装填して艦載機の攻撃に振り分けている。器用だな。

 

『こちら、第1空挺団特務機動装甲大隊第2中隊長柳岡少佐。コードはズール01。戦域の全部隊へ通達。降下地点に到達。降下を開始する。』

 よし、数の面では敵が優勢だが、質ではこちらが上回り始めたぞ。敵集団の先頭で爆発が立て続けに起こる。その後にすぐ爆音が響いてレ級が爆沈する。ほう、降下しながらの襲撃もかなり良くなっているじゃないか。

 

『ズール01より通達。オールズールの着水を完了。戦闘行動に移る。』

 

「『シエラ01よりズール01。シエラ01と艦娘1名が7時~10時にかけて展開。“おおすみ”搭載の特機中隊2個小隊が2時~4時にかけて展開している。HUDに表示されているか?』」

 

『はい、確認しました。』

 

「『各員、接近戦に突入する時は報告を。ビーム・ライフルのビームだとレ級ごとダメージを与えるぞ。』」

 

『『了解。』』

 

 こんなハイテク装備で同士討ちなんて目も当てられんからな。うん?敵の中央集団に動きが・・・。ってこっちに突撃してくる!!ロング・レンジ・ビーム・ライフルで狙撃する。が、(かわ)された。あいつら全員目が赤く発光して、オーラを出している。エリートだ!!

 

『シエラ01より全部隊へ!!敵レ級エリートの集団が20体、突撃してきた。こちらで対処するが、他のレ級の対処をお願いしたい。』

 

『ズール01、了解。』

 

『ガルーダ、了解。』

 

『第1特機、了解。』

 

『“おおすみ”、了解。』

 

「よし、金剛、やれるな?」

 

「勿論デース。」

 

 金剛の返事を合図に、俺はロング・レンジ・ビーム・ライフルを連射する。初撃のビームを(かわ)したのは偶然だったようで、今度は被弾している。それでも通常のレ級とは違い直撃は避けているけどな。

 

 すぐにエネルギー残量がレッドゾーンに入る。ロング・レンジ・ビーム・ライフルを腰に懸架し、アサルトライフルを構える。懐に飛び込めれば接近戦ができるんだがなぁ。20体のレ級エリートの弾幕は凄まじい。あと、艦載機がうぜぇ。地味にエネルギーシールドを削っていく。

 

 こうなったら、自棄(やけ)だ。

 

「金剛!!俺は突っ込むから援護を頼む!!」

 

「っ!?了解デス!!」

 

 ブースターを全開にして突撃を開始する。ガーディアン・シールドから半身を出してアサルトライフルを連射し艦載機を墜とす。弾切れになったらマガジンを交換せずにガーディアン・シールドに収納し、ビーム・サーベルを展開する。

 

 こちらの意図に気付いたのか攻撃が激しさを増すのがシールドに加わる衝撃でわかる。やはり20km離れた所からの突撃はマズかったか?まぁ、最大速度の600km/hまで加速しているからすぐだ。耐えてくれよガーディアン・シールド!!

 

 金剛の砲撃による援護も的確で敵の艦載機を墜としてくれている。それでも全てを撃墜できるわけではない。生き残った機がシールドを避けて体当たりを仕掛けてくる。エネルギーシールドで弾くが衝撃が凄まじい。相手も300km/h以上は出ているから仕方がないか。その時、通信が入る。

 

『ガルーダ3より通達。敵艦載機に対してガルーダ3~6のミサイル攻撃を行う。』

 

 そして、上空からマイクロミサイルポッドが降り注ぎ、無数のマイクロミサイルを広域にばら()き、敵艦載機が墜ちていく。それと同時に俺もレ級エリートの集団と接触する。まずはシールドによる体当たりをお見舞いする。“ゴギャッ!!”という鈍い音を立てて直撃を受けた1体が吹き飛ぶ。どっかの骨が折れたな。

 

 その場でターンをしながら突撃の勢いを殺し、ビーム・サーベルを構え直す。さて、目の前には吹っ飛ばした奴も含めれば20体のレ級エリート。周囲には通常個体とはいえ50を軽く超えるレ級達。始末の仕方に悩むな。ああ、エリートは1体ぐらいは原型を留めておいた方がいいだろうな。研究のためにも。

 

 では、いくか。身の丈もあるガーディアン・シールドを背中に懸架する。何気に初めてかもな。空いた左手は“シャイニングフィンガー”を起動する。レ級エリートが砲撃してくるが、それを(かわ)し至近にいた1体目に近づく。ビーム・サーベルを突き刺そうとすると、尻尾が犠牲になって防御した。まあ、だからこその左手なんだがね。そのまま左手を頭部に伸ばし軽く握る。それだけでレ級エリートの頭部が爆散し、沈む。

 

 2体目はすれ違いざまにビーム・サーベルで胴を薙ぐ。防御しようとした尻尾ごと溶断されて沈む。次の3体目はありったけの火力を叩き込んできたが、ビーム・サーベルで砲弾を薙ぎ払って近づき、貫手(ぬきて)の“シャイニングフィンガー”で心臓部を潰し、尻尾の頭部艤装を爆砕する。

 

 4体目になるとニヤケ顔が無くなって少しは必死さが出てきた。ま、やることに変わりはない。ブースターを噴かし接近して尻尾を切り落とし首を落とす。5体目は距離を取ろうとしていたので、4体目の死体を投げつけて動きを阻害する。怯んだところをビーム・サーベルで唐竹割りにする。

 

 そうして、レ級エリートを19体沈めた。最後の1体に近づくと、意外なことに両手を挙げた。そして、生き残った艦載機を全て収納し、艤装の尻尾の主砲も俺から逸らす。周囲をチラ見するとウチの第1特機と金剛は勿論のこと、第1空挺団の“ズール”2個中隊がレ級を沈めながら近づいてきている。残りのレ級も20体はいないな。たった今、金剛のナイフで(のど)()き切られ、18体になった。

 

 まぁ、ここまで劣勢になったら自分の命がおしいわな。うし、捕縛するか。

 

「そこの両手を挙げているお前、話すことはできるか?」

 

「・・・デキル。上手クハ話セナイカモ。」

 

「そんだけできれば上等。降伏をするということでいいか?」

 

「ウン、ミンナ死ンジャッタシ・・・。アタイ1人ジャ勝テナイヨ。」

 

「ならば、よし。今からお前を拘束する。抵抗すれば沈める。」

 

「ワカッタ。」

 

「『シエラ01より、この戦域の全部隊へ。敵のレ級エリート1体の降伏を確認。これより、捕縛し“おおすみ”へと運び入れる。“おおすみ”の第1特機中隊の第1、第4小隊は受け入れの準備をするように。また、金剛少佐も同行するように。他は残存的兵力の掃討だ。』」

 

 各自から『了解』の返答を貰い、“おおすみ”へ向けて針路を取る。途中で金剛が合流し、警戒にあたってくれる。さて、コイツはどうしたもんかね。




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