深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
深海棲艦機動艦隊は、護衛隊の艦娘艦隊と“やまぎり”が抑えている。俺は、現在接近中の深海棲艦打撃艦隊を仕留めるべきだろう。通信で艦娘艦隊旗艦“古鷹”中佐と“やまぎり”艦長の田元中佐にそう伝える。というか、この場での最上位者は俺だから、命令に近い形となった。まぁいいだろう。
さて、1体沈められた深海棲艦打撃艦隊は警戒のためか、複縦陣で進んでくる。これは倒してくださいと言わんばかりの陣形だな。ロング・レンジ・ビーム・ライフルを構え、駆逐級を2体引き連れている重巡リ級に狙いを定め、最大出力で撃つ。狙い通り、ビームはリ級を沈め、駆逐級も消滅させた。おかげでロング・レンジ・ビーム・ライフルはチャージ時間に入ってしまったけど。
ロング・レンジ・ビーム・ライフルを腰に懸架し、背中からM45D タクティカルショットガンを手に取り、残りの戦艦ル級と軽巡ホ級を沈めるため突撃する。ル級とホ級が砲撃してくるが、全てかわし、ホ級の
ル級は、主砲と一体となっている大盾の様な艤装をこちらに向け撃ってくる。ガーディアン・シールドで防ぐまでも無く、ミョルニルアーマーのシールドが弾いてくれる。ショットガンを背中に懸架し、腰からビーム・サーベルを抜き放ち、すれ違いざまに一閃。盾のように構えた艤装を簡単に溶断し、ル級は上半身と下半身が泣き別れし爆沈した。
「敵増援の打撃艦隊を殲滅した。戦艦2、重巡1、軽巡1、駆逐2。以上。」
『流石ですね。湊閣下。先日よりも動きが洗練されてのでは?』
「さあ、どうだろうね。ところで古鷹中佐そちらに援護に向かおうか?」
『いえ、大丈夫です。こちらもヲ級とリ級を沈めたので、あとは駆逐級のみです。掃討戦に移行します。閣下には我々が戻るまで“やまぎり”と船団の護衛をお願いします。』
「了解した。田元中佐聞こえていたか?」
『はい、湊閣下。聞こえていました。本艦も対空戦闘でだいぶ消耗しました。是非とも古鷹中佐たちが戻るまで、本船団の護衛をお願いします。』
「了解。では、そちらに向かう。」
『後部甲板を
そうして、“やまぎり”の後部甲板に着艦し、チャージの終わったロング・レンジ・ビーム・ライフルを構え周辺警戒を開始した。
工廠に戻るとワッと4人の女性に囲まれた。写真や動画で見たことがある、明石、間宮、伊良湖、大淀だった。
「提督、素敵です。あんな風に戦えるなんて。今度、その艤装詳しく見せてください。」「貴方の元に召喚されて、私、感激です。」「私もです。間宮さんと一緒に美味しいごはんと甘味を作って、泊地を元気一杯にさせます。」「戦闘艦である私もあそこまでの動きはできません。さすが、提督です。」
と、口々に言ってきた。なぜ、俺の戦闘の様子が?と思って工廠内を見渡すと、出るときにはなかった大型モニターがあり、俺の頭部カメラが写した映像が映っていた。さてはと思い、
「ミク?」
「ごめんなさい。みんなにお願いされてやっちゃいました。」
ぺこりと頭を下げるミク。俺は彼女を両手で包んで右肩に乗せて、頭を撫でた。
「ミクなりに一生懸命にやってくれたわけだろう?責めはせんよ。ただ、今度からは、資材管理の観点から、報告や相談をしてくれると助かる。な、霞。」
「ええ、そうね。ま、モニターの設置程度なら資材1桁で済むという事だったから、私が許可をしたの。責めるなら私を責めなさい。」
「さっきもいったように、責めはせんさ。
「そう、そうね。あ、それとおかえりなさい。」
「ああ、ただいま。」
ふむ、こうして「おかえり」と言ってもらえるのは何年ぶりだろうか。艦乗りになってからは、実家に帰るよりも両親が基地の近くのホテルまで来てくれることが多かった。昨年、深海棲艦が現れてからは、両親とも電話でさえ会話する時間が少なくなった。今度、電話をしよう。
そんなことを考えていると、明石が俺を覗き込んでいた。「どうした?」と聞くと「素顔が見たい」と言う。そういえばミョルニルアーマーを装着したままだった。「少し待て」と言い、ミクと妖精さん達に手伝ってもらい、ミョルニルアーマーを外す。1人でも外せるが、時間がかかるんだ。これが。
素顔を見せると、明石、間宮、伊良湖、大淀の4人は「おお~」と揃って声を上げた。どういう意味で声を上げたのか聞いてみる。すると内容に差は有れど、4人とも「思ったよりもずっと男前だった。」という趣旨の返答をしてきた。ふむ、坂本大尉の時といい自覚は無いが俺は結構イケメンなのか?
まあ、そんなことはどうでもいい。まずは、
「明石、間宮、伊良湖、大淀。俺たち柱島泊地は君たちの着任を大いに歓迎する。これからよろしく。」
そう言って、握手のために笑顔で右手を差し出すのだった。
見てくださりありがとうございました。
次回は近いうちに投稿します。