深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
さて、降伏したレ級エリートのみを残し全滅した229体のレ級集団が沈んだこの海域でまた1人の艦娘がこの世に
「フッ、ずいぶん待たせたようだな・・・。大和型戦艦二番艦、武蔵。参る。」
全員がポカーンとする。MS艤装を装着しているので表情が見えないが第1特機の面々も同じだろう。え?大和型?しかも武蔵?大和型の顕現って召喚建造でも確認されていなかったよな。・・・報告書が厚くなるな。
「ようこそ、武蔵。私が柱島泊地司令長官の湊海斗海軍大将だ。今日から貴官には海軍少佐の階級が与えられ、私の指揮下に入る。」
「了解した。・・・口調は改めた方がいいか?」
「んにゃ、公式の行事とか以外では素のままでいいぞ。俺もそうしているし、他の艦娘もそうしている。な、金剛。」
「イエス!!テートクは気さくな方デスカラ、気を張らなくても大丈夫ネ。」
「ん、では改めてよろしく頼む。ところで、提督は皆がそのような甲冑?をつけて前線で戦うのか?」
「いんや、俺だけだね。」
「なら、顔を見せて欲しい。」
「あいよ。」
そう言って、ヘルメットを外す。武蔵はズイと顔を寄せてマジマジと俺の顔を見る。
「ふむ、なかなか男前ではないか、相棒。」
「そいつはどうも。しかし、武蔵の艤装姿は何というか大胆だな。」
「このさらしのことか?気になるか?」
「まぁな。防御がしっかりと出来るか不安ではある。金剛みたいに近接戦闘パッケージを付ければ防御力が上がるぞ。」
「ふむ、接近戦用の装備か。考えてみよう。」
武蔵との会話をここで切り上げ、降伏して捕縛したレ級エリートを“おおすみ”のウェルドッグから艦内へと収容する。艦内では第1特機中隊の第1小隊及び第4小隊がジェスタ艤装で待機していた。武器はビーム・ライフルではなくジム・ライフルを手にしている。まぁ、艦内だと貫通するビームより実弾がいいだろうな。
さて、中学生ぐらいの背の高さのレ級エリートを大人の男が囲んでいるという(全員MS艤装)異様な光景だが、まずは、やることがあるな。武装の解除だ。
「おい、今からお前は仮称“レ級01”だ。わかったか?」
「ワカッタ。」
「ではまず、レ級01、武装の解除をしろ。」
「武装ノ解除?ドウスルンダ?」
「わからねえのか・・・。おーい、ミク、いるか?」
わからないことはミクに相談するのが一番だ。
「はいはーい。お呼びでしょうかー?」
「おう、このレ級01の武装の解除ってできるか?」
「できますよー。艦娘の整備室へと行きましょうー。」
整備室の前までは第1特機が護衛し、室内では俺と金剛、武蔵、レ級01にミクを含めた妖精さん達のみとなった。
「では、背中の艤装と尻尾の武装を外していきますねー。」
ミクの掛け声で妖精さん達が動き出して、レ級の武装解除を始める。背中の背嚢みたいなモノに予備弾薬や艦載機を小型化して収納しているようだ。空になった背嚢を背負って、
「軽クナッタ!!」
とはしゃいでいる。尻尾のほうも大人しく武装が外されるのを受け入れている。作業が終わると次は入渠をさせる。俺の放ったビームで結構な火傷跡やケロイドがあったからな。勿論、見張りのために金剛と武蔵も一緒に入渠する。
その間に俺はミョルニルアーマーを外し、シャワーをサッと浴びて着替える。んで、入渠が終わるまでミクと後付“シャイニングフィンガー”の事に着いて話し合う。資材については、ヌーベル・ジムⅢの半分ほどとのことで安価なのか高価なのかよくわからず?マークを頭に浮かべていると、ジム・カスタムは無理だけどジムⅡならいけるという言葉に何となくだけど納得してしまった。
使用した感想を聞かれたが、う~む、何と言えばいいのか、じゃじゃ馬とまではいかないが使用する人間を選ぶとだけは言っておいた。しばらくは“シャイニングフィンガー”の調整・改良を行い、最終的には“ゴッドフィンガー”を造るつもりのようだ。シャイニングガンダムとゴッドガンダムを造ったほうが早くないかと言ったら、ミョルニルアーマーにつけるからこそロマンがあると熱弁された。ロマンがあるなら仕方ねぇな。
っと、ロマンについて熱く語っていたら金剛たちの入渠が終わったようだ。整備室にやってきた金剛と武蔵は少佐の階級章を付けた制服を着ている。レ級01は尻尾穴がいたセーターとスパッツを着込んで短パンを履いている。コートも新調したモノになっている。武蔵の制服とレ級01の服については妖精さん達が片手間で仕上げてくれた。
「よし、武蔵とレ級01、似合っているぞ。武蔵は艦内を自由に歩き回っても構わんが、レ級01は俺か金剛と常に一緒に行動しろ。わかったか?」
「了解した。」
「ワカッタ。」
「仰せの通りに。」
ん?なんか返事が1人分多いぞ。金剛を見るが首を横に振る。うん、まあ男性の声だから違うとは思っていた。そんじゃ、誰だ?3人を見回すとレ級01の尻尾と目?があう。俺は尻尾を指差しながら
「お前、話すことができるのか?」
と聞いた。すると流暢な日本語をイケオジヴォイスで発してきた。
「はい、閣下。
「なんで、レ級01と違い流暢に話すことができるんだ?」
「それは
「そうか。レ級01は自分の尻尾が話すことができることを知っていたのか?」
「ウン、知ッテタ。移動シテイルトキモ戦ッテイルトキモ話シテタ。」
「なぜ、黙っていた?」
「聞カレナカッタカラ。」
「急に話すと驚くかと思いまして。」
まぁ、確かに驚くわな。そしてレ級01の言い分もわかる。
「よし、今からお前は仮称“レ級02”だ。いいな。」
「かしこまりました。」
「他にも話せる艤装はあるのか?」
「さあ、どうでしょう?
「なるほどな。指揮系統はわかるか?」
「より強力な者が上にいるとしかわかりません。」
「性別は?レ級01は女性体だが。」
「性別はありません。」
「わかった。取り敢えずは解散だ。レ級01、02は俺と一緒に執務室に来い。金剛は武蔵に部屋を案内してから執務室に来てくれ。」
「ワカッタ。」
「おおせのままに。」
「了解デース。」
「ミクはどうする?」
「ここでミョルニルアーマーとシャイニングフィンガーの調整をしておきますー。」
「わかった。よし、ではレ級01、02、行くぞ。」
「ハーイ。」
「御意。」
緊張感ねぇなぁ。一応、暴れてもすぐに取り押さえられるように俺の左斜め前を歩かせる。後ろからは行き先が同じ方向の金剛と武蔵も着いてくる。そして、すれ違う乗組員からはギョッとされる。あー、事前に全艦放送をしとくべきだったか。そんなことを考えながら艦娘居住区画との境につく。ここで金剛と武蔵とは一旦お別れだ。
「レ級01、執務室はこっちだ。」
そう言って、扉を開ける。
「ボーっとしてないで、適当に座れ・・・ないか。そこに寝そべってもいいぞ。」
ソファを指しながら言う。レ級01は恐る恐るといった感じでソファにうつ伏せになる。ふむ、問題ないようだな。端末を立ち上げながらレ級01、02へと質問をする。
「なぁ、痛覚って繋がっているのか?それと、上位の指令権はどちらが握っている?」
「感覚は繋がってないかと。01が被弾した時に痛みを知覚することはありましたが感じることはありませんでした。指令権については主人である01のほうかと。
「なるほど。01、お前わかっているか?」
「マァ、ナントナク?感覚デ戦ッテイタカラワカラ無イナァ。」
「大雑把だな。ちなみに今後、研究所に行くのと俺の所に残るのはどちらを希望する?」
「研究所ッテ何サ?」
「ふむ、簡単に云えば色々と調べる所だな。死体となったレ級を渡したことはあったが、生きているレ級ならば、ふむ、そのまま実験をされるかもな。」
「痛イノ?」
「痛いんじゃないか?お前たち深海棲艦は艦娘のように法で人権を保障されていないからな。生きたまま体を刻まれる可能性もある。俺もあそこが何をしているかはわからん。」
「ソレハ嫌ダ!!」
「02は?」
「
「なら、俺の所で捕虜として預かるようにしよう。美味い飯は出してやるから安心しろ。」
そんなやりとりをしていると艦内電話が鳴る。
「『湊だ。』」
『艦長の出原です。閣下、幕僚監部のお偉方を乗せたヘリが着艦許可を求めていますがどうしましょうか?』
「『行動の早いことで。許可をしてください。どうせ、レ級エリートを捕獲したことと武蔵が顕現したことは、バレますから。着艦後は会議室まで案内して下さい。』」
『了解しました。それとレ級の捕獲について全艦放送で周知してもよろしいでしょうか?』
「『はい、周知の方をお願いします。』ふう。」
受話器を置き、ため息をつく。間をおかずに出原中佐による全艦放送が流れる。それを聞きながら考える。お偉方の相手は苦手だが、レ級については真護叔父さんなら何とかしてくれるだろう。
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