深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
副反応は1日で治まるとかドヤ顔で言ってた上司の顔をぶん殴りたい。
「閣下、ガルーダ3が敵艦隊群を発見しました。」
「はん。フィリピン沖でとはまるでレイテ沖海戦だな。すぐに船団司令の中須少将に情報を送れ。こっちにもモニターに出してくれ。」
出原中佐の報告に不機嫌さを隠さずに返答し命令する。現在、“こんごう”を旗艦とする輸送船団はフィリピンの東を航行している。“おおすみ”のC.I.Cの大型モニターには船団の位置と敵艦隊群の位置が表示されている。3時間後には接敵する予定だ。陽がある時間帯だ。航空戦になるな。
さて、どうすっかな。艦隊群といっても100体は超えていない。俺1人でも充分に殲滅する時間的余裕がある。まぁ、ここは武蔵に旗艦と実戦の経験を積んでもらおう。旗艦を武蔵、次席艦を愛宕に。以下、翔鶴、瑞鶴、吹雪、白雪を出撃させる。第1特機中隊第1小隊も羽佐間中尉の直率にて念のために時間差で出撃させる。ガルーダ3と4は敵艦隊群の監視と船団航路の警戒を続行させる。他の4機のメイヴは待機だ。それと、“おおすみ”を敵艦隊群との間に割り込ませる。いざという時の盾にする。対潜警戒のレベルも上げる。
命令を出すとC.I.C内が慌ただしくなる。“おおすみ”は変針し増速する。モニターには船団から“おおすみ”がかなりの速さで離れて敵艦隊群に向かうのが映し出される。それらの様子を見ていると、“こんごう”から連絡が来る。
「『湊だ。』」
『元帥閣下、中須です。我々も援護します。』
「『いや、諸君らには眼下の敵を相手にしてもらいたい。』」
『・・・潜水艦の襲撃があると?』
「『可能性で言えばな。』」
『了解しました。対潜警戒を厳となします。』
そこで通信を切る。中須少将の声には焦りと怒りが感じられた。まあ、船団司令官を務める人物だ、部下を何人も
“おおすみ”の機動が落ち着き、後部ランプが開かれる。C.I.Cのモニターには艦娘艦隊旗艦武蔵のヘッドカメラの映像が追加される。俺は武蔵に通信を繋ぐ。
「『武蔵、気負いすぎるな。』」
『ああ、もちろんだとも。』
「『いいな、お前の指揮には5人の命が直接に関わってくることを忘れるなよ。』」
『了解。艦隊、出撃する。』
思いの外、緊張していないようで良かった。後部ランプから出撃した武蔵達はすぐに翔鶴と瑞鶴が艦載機を発艦させる。今回は、戦闘機に試製烈風後期型を持ってきている。制空権に関しては問題ないだろう。艦爆には彗星一二型甲、艦攻は流星改なので打撃力にも問題はない。懸念事項の損傷機や喪失機の補充は資材を目一杯積み込んだので大丈夫だろう。補給艦も2隻いるんだ。
武蔵のヘッドカメラ映像に烈風が映るとモニターにも艦載機の輝点が現れ始める。すぐに火器管制システムに味方と識別させる。誤射は避けたい。上空のガルーダ3、4にも共有する。
『特機、第1小隊出撃します。』
カタパルトでジム・スナイパーⅡが射出されていく。これでこちらの迎撃戦力を展開できた。敵艦隊群の様子をガルーダ3のカメラで見ていると、やっこさんらも航空戦力の展開を始めたようだ。ま、悪手だな。
「『ガルーダ3、マイクロミサイルポッドを投下。』」
『了解。・・・投下完了。』
「『よし、監視に戻れ。』」
ガルーダ3のカメラ映像には4発のマイクロミサイルポッドが敵艦隊群の中央でその破壊力を解放するのを鮮明に映し出す。
「敵艦載機の8割を撃墜。また、空母級2、戦艦級1、巡洋艦級1の撃沈を確認。」
オペレーターが告げる。
「ガルーダはトップエース部隊ですな。無論、特機もですが。」
出原中佐が嬉しそうに言う。俺も頷いて同意する。
「武蔵少佐は戦功に焦らないとよいのですが。」
「大丈夫だろう。実戦経験の豊富な愛宕を次席艦にしたからな。」
「そうでした。確かに愛宕少佐ならば大丈夫でしょう。」
そんな感じで味方と敵の動向をモニター上で確認しながら話しを進める。
「敵艦隊群の動きがおかしいですね。」
「ああ、こちらの進路が完全に読まれている。いるな。潜水艦が。」
「では、そろそろ・・・。」
「こちらの哨戒網に引っかかるだろう。対潜戦闘用意だ。」
「了解。対潜戦闘用意!!」
“おおすみ”が対潜水艦戦闘用の武装をONにし始めると、“こんごう”から通信が入る。
『元帥閣下、敵潜を探知しました。』
「『数は?』」
『・・・100を超えている模様です。船団の進路に布陣しています。』
「『ほお、敵さんは水上戦のみならず水中戦もお望みか。』」
『意見具申します。船団は引き返して増援を待つべきです。』
「『船団はそう動けばいい。貴官が司令官だ。しかし、“おおすみ”は別だ。この艦は私の指揮下で活動する。よって、対水上戦及び対潜戦闘を開始する。』」
『正気ですか!?』
「『正気?戦場で正気でいられるものかね。では、私は準備があるので失礼する。』出原中佐、格納庫に下りる。橋島少尉以下特機第3小隊に緊急出撃用意を下命。大淀を旗艦に夕張、漣、曙、朧、潮の艦娘艦隊も緊急出撃。」
「了解。」
格納庫に下りてミョルニルアーマーに近づき声をかける。
「おい、ミクいるんだろ?出て来いよ。」
「はいー。何か問題でもー?」
「敵の潜水艦が100体以上だそうだ。特機の防水布がかけられている装備、あれ水中型ガンダムだろ?」
「あらー、驚かせようと思っていたのにバレちゃいましたねー。どこでわかりましたー?」
「背中の突起に左腕からハープーン・ガンが見えていたからな。」
「なるほどー。」
「んで、ミョルニルアーマーにはあのバックパックは付けられんのか?」
「大丈夫ですよー。準備してありますー。」
「よし、鯨狩りの開始だな。大きさ的には海豚狩りか?」
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