深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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12連勤がやっと終わりました。若いときのようにはいきませんねぇ。


第99話 塩派?ソース派?

「『ほう、あの国は認めましたか。』」

 

『認めざるをえんだろうさ。あそこの国の海軍は第2次日本海海戦で相当な損害を出したからな。』

 

 統合幕僚長こと真護叔父さんが渋い表情で言う。俺はそんなのお構いなしに話しを進める。

 

「『仮にも同盟国である我が国と米国を出し抜いて、抜け駆けなんかをするからですよ。ご自慢のイージス艦も沈められて、しかもなぜか前線にいた強襲揚陸艦まで文字通り粉砕されましたからね。映像と写真を撮ったうちの空軍偵察部隊の実力を再確認しましたよ。』」

 

『まぁ、そういうわけであの国が面子を保つためには、竹島を深海棲艦穏健派に譲り渡し(ふところ)の深さを内外に見せつけようというわけだ。ま、竹島自体は我が国のモノというのが昨今の国際世論だから意味がないがな。』

 

「『9割9分9厘、国内にむけてのパフォーマンスでしょう。諸外国は特定国を除いて我が国の味方ですよ。それに先日のオマーン戦の勝利の事もある。沿岸国にとって我が国は希望ですよ。特に我が柱島泊地の第0護衛艦隊が充足すれば海外への救援がしやすくなります。旧型艦で構わないのでドンドン寄こしてください。』」

 

 ちょっと強調して強請(ねだ)る。

 

『確かに君の所に戦力を集中して強化していくのはよいことなのだろうが・・・。』

 

「『ま、国民感情もわかります。近くの基地に目に見えての“軍艦”の姿があれば、その大小問わずして安心できますからね。まあ、玄関の鍵のようなモノですか。』」

 

『君らしい例えだ。』

 

「『そいつはどうも。ああ、そういえばシルフィードとファーンの複座化ですが、すでにミクに設計図を引いてもらいました。データを暗号化したモノを送信しておきます。シルフィードは原作だと複座でしたから容易かと。』」

 

 通信画面を見ながら執務机の端末を操作する。

 

『助かる。空軍は失ったF-15DJとF-2Bの補充に躍起になっているからな。』

 

「『ファントム爺さんを魔改造します?』」

 

 俺、ファントム好きなんだよねぇ。なぜかはわからないけど惹かれるモノがあるんだよ。

 

『魅力的だが、フレームが持つかね?』

 

「『確か、妖精さんたちがウチの泊地の艦船や航空機を強化する際に、塗布するだけで強度が上がる塗料のようなモノをしようしていました。いけますよ。やりますか?』」

 

『悩むな。ASMは?』

 

「『主翼も強靭化されるので、積めるようになるでしょう。エンジンも恐らくはスーパーフェニックスになるでしょうからマッハ2.5~3級ですね。あとは電子装備ですけど、最低でもシルフィード以上のモノを積むことになると思います。』」

 

 あの低速域で操縦性が落ちるとウワサの尾翼部分も可変式にして、ジェットノズルも推力偏向型に変更すればあと10年以上は戦えるんじゃないか?

 

『それは・・・、凄いな。う~む、F-1を退役させるのがあと3年遅ければF-1も強化できただろうか?』

 

「『もちろん。答えがわかっているのは無意味な質問ですよ。』」

 

『そうだな。すまん。っと、そろそろそちらは昼食の時間だな。今日の話し合いはこのくらいにしておこう。』

 

「『了解。それでは。』」

 

 画面越しに真護叔父さんと敬礼を交わし通信を切る。秘書机で仕事を片づけていた曙が口を開く。

 

「隣国に喧嘩を売っているように聞こえたのだけど?」

 

「“ように”じゃなくて“売っている”のさ。どうせ盗聴されているならスパイスも必要だろう?これで戦後の敵と味方がハッキリしてくれると楽なんだがねぇ。」

 

 椅子の背もたれになんかかりながら頭の後ろで手を組みながら言う。

 

「呆れた。第0艦隊にシルフィードとファーン、ファントムⅡのこともよかったのかしら?」

 

「モチ。日本に爪を立てようとする連中にはちょっとした牽制程度にはなってくれたんじゃないかな。」

 

「ふぅん。ところで、クソ提督は上陸しないの?折角のドバイよ。護衛艦隊のあの無能も呑気に上陸したみたいだし。」

 

 曙はよっぽど宮口のことが嫌いみたいだ。まぁ、護衛艦隊のなかでもかなり嫌われているみたいだしなぁ。“おおすみ”に乗り組んでいる皆はいわずもがな。

 

「んー、下位の者が好き勝手に動きまわっているから上位の者はその地位に応じた責任を果たさないといけないのさ。」

 

「つまり、無能が艦隊司令席にいない時の緊急時には護衛艦隊を指揮する覚悟があるってことね。」

 

「そういうこと。半舷上陸でも艦は戦えるからな。それにペルシャ湾に入ったからと言っても油断はできないからなぁ。」

 

「まさか、深海棲艦がやってくるとでも思っているのかしら。」

 

 おっと、攻撃的な目つきになったねぇ。まぁ、そう思っているから接岸せずに沖に停泊してんだけどね。勿論、ドバイ政府の許可を貰って、ガルーダ隊に哨戒飛行を行わせてもいる。

 

「相手からしたら、穏健派とはいえ姫とその配下をまるまる奪われたんだ。面子が立たん。馬鹿で無能、さらに直情的な敵の指揮官ならどこかで攻撃を仕掛けてくる。」

 

「そうでなければ?」

 

「日本に帰るまで、ほぼ手出しは無いだろうな。逆に戦意を落としかねない連中が消えてせいせいしたと思っているだろうさ。そんで、俺達が対処しきれないほどの数を揃えてから作戦行動にうつるだろうな。」

 

「戦場になるとしたらどこかしら?」

 

「まず、日本近海はありえない。陸軍ではMS艤装の配備が進んでいるし、航空戦力も回復してきている。海上戦力はいわずもがな、曙たち艦娘がいる。これらの戦力を相手に戦うとしたら乾坤一擲と云った作戦になるだろうな。それに敵さんの目の上のたん瘤は俺達だ。」

 

「あたし達を誘い出そうとすると云うこと?」

 

「俺はそう考えているよ。ついでに言えばここら辺かなという目星もついている。」

 

「フーン、なら、あたし達は訓練してその時に備えるだけね。」

 

 曙が胸を張って言う。女性の胸は小さかろうが大きかろうが存在するだけで尊いのだ・・・。ま、そんな考えを表に出さずに言う。

 

「心強いな。さて、昼飯でも食いに行くか。」

 

「また、お姫様と?」

 

「本人の希望だからな。仕方ない。」

 

「・・・あの胸があるからじゃないのかしら?ク・ソ・提・督。」

 

「そんなに強調して言わんでも・・・。ああ、そうだ曙も一緒に食うか?」

 

「え、いいの?」

 

「大丈夫、大丈夫。」

 

 と言っていた十数分前の自分が憎い。ミクえもん、タイムマシンを創ってよ。え?できる?マジで?でも、やらない?タイムパラドックスで俺が消え去る可能性があるから?うん、やめよう。

 

 そんで、まあ、なんというかあまりよろしくない空気が漂っています。港湾棲姫のために用意した部屋で。出所(でどころ)は曙と港湾棲姫。

 

「だから、トンカツには塩が一番合うのよ!!」

 

「ワザワザ“トンカツソース”ト書イテアルノダカラ、コレガ一番ヨ。」

 

 トンカツには何が合うかを語り、語っているのか?まあ、自分の思いをぶつけあっている。殴り合いにさえならなければいいよ。俺?俺は山形屋の三杯酢をつけて食べている。サッパリとしていいんだ。

 

 それに親戚が送ってくれた鹿児島県産六白黒豚だからな。もともとの味が良い。勿論俺達だけじゃなく“おおすみ”に残っている乗組員は全員、昼食は黒豚トンカツだ。

 

「ところで、何でクソ提督は酢なんかを使っているのよ。」

 

「理解デキナイ。」

 

 おっ、共同戦線か?まあ、言い争いをしながら食うよりかはマシだろう。

 

「ただの酢ではないぞ。山形屋のレストランで使用されている三杯酢だ。鹿児島県人の故郷の味の1つと言っても過言ではないと思っている。そして、このトンカツには鹿児島県産の黒豚が使われている。合わないはずがない。」

 

 と暴論にも等しいことをサラッと言う。

 

「まあ、あれだ。今、目の前にあるのは好きなように食べて、今揚げてもらっている2枚目と3枚目には互いのオススメをつけて食べてみればいい。ああ、もちろん、ドバっとかけろというわけではないからな。そこは勘違いするなよ。それと、赤城たちには黙っていてくれよ。3枚食えるのは俺達だけだからな。」

 

「クソ提督がそう言うなら・・・。」

 

「ソウネ。元帥ノ言ウ通リニシテミルワ。」

 

 そうやって、落ち着いて食事を再開する。ちなみに塩派とソース派は和解できた。三杯酢は2人とも「「甘ッ!?」」と驚いて、信じられないモノを見るような目で俺を見る。そんなにか?




読んでくださりありがとうございます。

そろそろ新型MS艤装を出したいですねぇ。

あ、ちなみに私はトンカツにはそのお店に置いてある調味料を一切れずつかけていく。ですかねぇ。で、次回以降のお気に入り調味料を見つけます。
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