やっと始まりです。
目を覚ます。
意識を一瞬で取り戻し、重い瞼を開ける。
上半身に力を入れ、飛び起きる。
「うわっ!?なんだ、どうしたんだい!?」
「───ドクター?」
そこにいたのは、ドクターだった。
回りを見渡すと、そこは俺の自室だった。
俺はベッドに寝かされていたようで、
ベッドの横の椅子にドクターが座っていた。
と、やっとここで右手に違和感を感じた。
「沖田──?」
「ふぅ、どうやら混乱してるみたいだね。
これから説明するから、まず落ち着こう」
「あ、ありがとうございます………」
俺はドクターから水の入った
コップを左手で受け取り、飲み干す。
思っていたより喉が乾いていたようで、
冷たい水が心地よく、思考を落ち着かせる。
「落ち着いたかい?」
「はい……ありがとうございます」
「うん。それじゃあ説明をしようか」
俺はドクターの話を聞く。
どうやら全員のレイシフトは成功。
俺、沖田、立香、マシュは無事だった。
そして、どうやら沖田は俺と手を繋いだまま
レイシフトしたようで。
「手が固くて離れなくてね。
仕方なく同じベッドに寝かせたんだ」
「………すいません…」
顔が熱くなる。
ニヤニヤ笑うドクターに俺は冷えた左手で
赤いであろう顔を隠す。
「さて、それじゃ管制室へ行こう。
立香ちゃんもそろそろ目覚めるだろうし」
「はい」
俺は沖田と繋いだ手を離す。
彼女が少し呻いたので、
軽く頭を撫でてから部屋を出て管制室へ向かう。
管制室へ行くと、そこにはマシュがいた。
「あ、真機先輩、おはようございます。
ご無事で何よりです」
「マシュも無事なようで良かったよ。
特異点ではありがとうな」
「いえ…………あとは、先輩だけですね」
「あぁ……と、噂をすれば、だね」
管制室の扉が開き、立香と………
確か、カルデアの召喚したサーヴァントの。
「やぁ、真機くん。私を覚えているかな?」
「ダ・ヴィンチ………
良かった、あなたも無事だったのか」
「相変わらず〝ちゃん〟付けはしないんだね……」
「おはよう、マシュ、真機くん」
「おはようございます、先輩」
「おはよう、立香」
俺たちは挨拶を交わし、ドクターを見る。
「さて、これで揃ったね。まぁ一人足りないけど」
「俺から説明しておきます」
「頼むよ。では………
生還、そしてミッション達成おめでとう」
そう、俺たちはあの特異点から脱出できた。
ドクターは続ける。
所長の死、カルデアの状況。
そして、人類史に現れた、七つの特異点。
この未来を取り戻せるのは、
俺たちだけだと言うこと。
「マスター48番、藤丸立香。
マスター49番、橘 真機。
君たちに、人類の未来を背負う覚悟はあるか?」
人類の未来を救う。
不完全な過去を修復し、
焼却された未来を元の形に戻す。
世界を救う、戦いだ。
まさか、ただの仕事で
こんなことになるとは思いもしなかった。
普通の仕事なら契約破棄し、
俺は逃げ出すだろう。
だが。
俺は横の少女と目を合わせ、頷き合う。
「「勿論です」」
それが、答え。
焼却された未来を救うため、
時を遡って過去を修復する。
「───ありがとう。
その言葉でボクたちの運命は決した」
ドクターは嬉しそうに笑う。
俺も、立香も、笑っていた。
「これよりカルデアは、
人類継続の存命を全うする」
これは、長く、辛く、苦しい戦いの始まり。
「目的は人類史の保護、奪還。
捜索対象は各年代と、原因の聖杯。
我々が戦うべき相手は歴史そのもの。
君たちの前に立ちはだかるのは伝説そのものだ」
それでも、俺たちは未来を得るために、
戦い、抗い続けるのだ。
「それは挑戦であり、伝説への冒涜だ。
だが、それでも未来を取り戻すために戦う」
たとえ、その先が
どれだけ暗く危険な道だとしても。
「以上の決意を以て、
作戦名はファーストオーダーから改める」
俺たちは未来を、取り戻すために
過去へ赴き、伝説を相手にする。
「人理守護指定、
魔術世界における最高位の使命を以て、
我々は未来を取り戻す!!」
これは、未来を取り戻すための戦い。
その名も───Fate/Grand Order
章の間ごとに幕間を入れていこうと思います。
つまり、次は幕間の物語ですね。