沖田さんと行く!人理修復の旅   作:青い灰

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んー、この調子だと人理修復だけで
今年使いますかね………

続けばいいですが。



第7話「聖女マルタ」

 

 

…………暇だ。

あれから結構な時間がたったが暇で仕方ない。

腕と足は枷に繋がれており、動かせない。

どうしたものか。

 

 

「捕まったことはなかったしな………ん?」

 

 

カツン、カツン、と足音が聞こえてくる。

あの黒いジャンヌだろうか。

 

顔を少し動かすと、

違う誰かだと言うことが分かる。

 

 

「………何だ?」

 

「…………はぁ、もののついで、です。

  あなたをここから脱出させに来ました」

 

「マジで!?」

 

「こら、大きい声出さない!

  聞こえたら大変なんだか、なんですから!」

 

 

やって来たのは紫色の髪をした女だ。

白い修道服、そして腕の籠手をつけている。

彼女は鍵を開け、俺の腕と足の枷を外す。

 

 

「ふー、助かった。ありがとな」

 

「全く………危機感がないですね」

 

「悪い悪い、んじゃアイツらと

 合流しないとな。出してくれて感謝するよ」

 

「私も行かせてもらいます、行きますよ」

 

 

彼女はマルタ、と名乗った。

マルタ………確か、1世紀の聖女の英霊だったか。

確か竜、タラスクの退治話が有名だった筈だ。

 

俺はマルタと共に城から脱出する。

ここ城だったのか………てことは、オルレアンか。

 

 

「ここまで来れば大丈夫ですね」

 

「おう、助かった。

 つーか、あそこにいたってことは

 お前、あの黒いジャンヌの手先じゃねぇのか?」

 

「召喚したのはアイツだけどね、

  聖女に虐殺させないでほしいわ」

 

 

やはりだったか、しかし、

サーヴァントはマスターの使い魔という

考えだったのだが、違うようだ。

 

逆らったりすんだな。

 

 

「ふーん、アイツの虐殺の

  理由には納得したけどな………」

 

「ん、あんたアイツと話したの?」

 

「ちょっとな、あ、そうだ」

 

 

俺は通信機を思いだし、

ドクターに連絡をかける。

 

どうやら今回は通信が安定したようで、

ドクターがホログラフで映し出される。

 

 

「おっ、繋がった」

 

「なにこれ?」

 

『うぉっ!?やっと繋がったか!大丈夫かい!?

 立香ちゃん達から拐われたって聞いたけど!?』

 

「そこの聖女マルタの協力のお陰で脱出出来た、

  立香たちにも通信送っといて下さい」

 

『あぁ、彼女たちも心配してる。

  特に沖田さんがね。送っておくよ』

 

「魔術による通信?

  かなり精巧にできてるわね………」

 

 

ドクターが立香たちに連絡を送ってくれる。

マルタは通信機をまじまじと見ている。

 

 

「ドクター、今から立香たちの所へ向かいます。

  立香たちはどこにいるか分かりますか?」

 

『今は近くの森にいるようだね。立香ちゃんたち

 とも連絡が取れるようにしとかないとなぁ………』

 

「あぁ、まさかいきなり

 分断されるとは思わなかったですよ」

 

『あー………それについては済まなかった。

 モニターは出来てたんだけどね、

 どうやら誤作動だったみたいなんだ』

 

 

なんでも、誤作動で座標にズレが出たのだとか。

今度からは沖田も一緒にレイシフト

出来るようにしといてくれるらしい。良かった。

 

そして、ドクターとの連絡が切れる。

 

 

「…………そうね、言い忘れてたことがあるわ」

 

「ん?」

 

 

マルタが俺を呼び止める。

その顔は、なにか、決意をしたような顔で。

 

 

「私たち、あの黒いジャンヌに召喚された

 サーヴァントは狂化、という

 スキルを付与されているのよ」

 

「………ん」

 

「それで、あなたに頼みがあるわ。

 あなたがアイツと話して焼かれない

 言葉を言ったのなら。

 ──────あなたなら分かる筈よ」

 

「………了解、お望みとあらば」

 

 

俺は、腰からナイフを抜く。

彼女は震えもしない。高潔そのもの、か。

 

ならば、こちらも敬意を。

他人の死など別にどうでも良いが、

彼女には助けてもらった恩もある。

 

 

「痛みも苦しみも無い〝死〟を、提供しよう」

 

 

血すら流れぬ、美しい死を。

 

 

 

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