沖田さんと行く!人理修復の旅   作:青い灰

46 / 73


やっとオルレアン編は終わりですね。
次は幕末です。





17話「オルレアン、終息」

 

 

「こふぅっ!?」

 

「沖田!?」

 

 

立香たちの元へ向かっている途中。

城から出た時に沖田が吐血する。

 

倒れそうになった身体を支え、

何とか肩をかす。

 

 

「も、申し訳ありませんマスター………

  沖田さん少し頑張りすぎた感じです……」

 

「無理はしないでくれよ、大丈夫か?」

 

「少し疲れました………」

 

「ちょいと失礼、急ごう」

 

「うぁ!?ちょ、マスター!?」

 

 

沖田の肩へ右手が行っていたので、

左手を沖田の膝の裏へ引っかけて持ち上げる。

ちなみに肩だが、布を巻いて縛って止血した。

だいぶ楽になったので、十分力も入る。

そのままスピードを上げて立香たちの元へ。

 

 

そして、少し走ると立香たちと合流する。

ジャンヌの身体が、薄れていた。

 

 

「フォウ!」

 

「あ、真機先輩、お疲れ様です!」

 

「あれ、なんで沖田さん

 お姫様抱っこされてるの?」

 

「血を吐いたからな、結構激しい戦いだったし」

 

「お疲れ様でした、真機さん、沖田さん」

 

 

立香を見ると、その手には黄金の杯、

おそらく、聖杯だと思われるものがある。

ジャンヌと向き合う。

────吹っ切れた顔だ。

 

全部、終わったようだ。

 

と、マシュが不思議そうな顔をする。

 

 

「でも、あれは何だったんでしょうか?」

 

「うん、謎だよね」

 

「結果的にこちらの勝因となりましたが

  …………これも因果なのでしょうか?」

 

「…………あれ、マスターですよ?」

 

「「「はっ?」」」

 

『…………えぇっと、レイシフト準備は終わった。

  だけどそれについて説明するよ』

 

 

ドクターからの連絡が入る。

どうしたのだろうか。

 

 

『真機くん、だよ。彼がオルレアン城から

 あのジル・ド・レェを狙撃したんだ』

 

「「「えっ」」」

 

 

見事にハモって呆然とする3人。

………そんなに驚くことか?

 

ダヴィンチが通信機に映る。

 

 

「まぁ、確かにやったが」

 

『…………真機くん、君が味方で良かったよ。

 まさか2km以上離れた位置からの

 頭部への正確なスナイプなんてね』

 

「そ、そんなことが!?ワイバーンの

 影響で空は暴風もあった筈ですよ!?」

 

「それも考えたが。スコープで

 見たとこから5mm程度ズレただけだぞ?」

 

 

なので最後はスコープを覗かなかった。

風と重力の影響をも考慮するのが狙撃主だ。

揺れる車の上から3km離れた相手を

撃ち抜いたこともあったし。

慣れれば簡単なものだが。

 

 

「す、凄い………」

 

「そうか?まぁ、勝ったのはお前たちだ。

  お互いに、お疲れ様、だよ」

 

 

みんなを見回す。

すると、立香が苦笑いを浮かべる。

 

 

「やっぱりさ………ここで

 あったことも、無かったことになるんだよね」

 

「先輩………」

 

 

確かに、そうかもしれない。

俺たちの戦いは歴史に刻まれるわけではなく、

英霊たちの奮闘も、無かったこととなる。

 

だが───

 

 

「それは違いますよ」

 

「………」

 

 

ジャンヌが、こちらを見る。

………成る程、お見通しか。

 

すると、周囲には一部を

除いたみんなが集まって来ていた。

 

 

「ジャンヌの言う通りよ。

 確かに、これは無かったことになる」

 

「報われないのは嫌いだけどさ。それでも。

 実に、実にやりがいのある仕事だったよ」

 

 

マリーと、アマデウス。

囮の役割だったが、二人とも無事だ。

そう言って、二人は光となって消える。

 

 

「私はまだ子イヌに助けられた恩を

 忘れちゃいないわ。必ず返すからね」

 

「私もです。あと、私。執念深いタチでして、

 後程、そちらにお邪魔しますね」

 

 

エリザベートと、清姫。

こちらはボロボロだが、致命的ではない。

最後に清姫が不穏な台詞を吐いて、

二人は光となって消える。

 

ジークフリートと、ゲオルギウスもまた、

このどこかで消えたのだろう。

 

 

残ったのは、俺たちと、ジャンヌ。

 

 

「決して、忘れませんよ。私たちも。

 そして願わくば、あなた方も忘れないで──」

 

 

笑顔でそう言ったジャンヌも、

光となって、空に溶ける。

 

 

「───そっか、そうだよね」

 

「先輩?」

 

「私たちが忘れなければ、

  無かったことになんて、ないんだよね」

 

「そう、だな。

 きっと、彼女も忘れないだろう」

 

 

思い描くのは、あの黒いジャンヌ。

彼女もきっとまた、会う時が来るような。

そんな気がする。

 

世界が、光に包まれる。

 

俺たちはカルデアに帰還し、

───1つ目の特異点が、消失する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

邪竜百年戦争オルレアン

 

定礎復元(Order Complete)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。