沖田さんと行く!人理修復の旅   作:青い灰

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投稿遅くなり申し訳ないです。




幕間「ある日の図書室」

 

とある日。

俺が暇潰しに図書室に行くと、

藤丸 立香が本と睨み合いを続けていた。

 

 

「むー…………」

 

 

俺はそれを見ながら熱心だな、と感心し、

そっと後ろから本を覗き込む。

 

 

「魔術の本か」

「ひゃぃっ!?」

 

「ん、びっくりさせたか?悪い」

 

「な、何でいるの!?」

 

「いちゃ駄目か?」

 

「ち、違うけどさ………」

 

 

モジモジする立香。

魔術の本には魔術回路、魔力などの

魔術師の基本のことについて書かれていた。

 

 

「勉強してたのか?」

 

「………うん。

 一応、私も本業じゃないけど魔術師だし」

 

「ほぉー」

 

 

魔術の本を見ると、付箋が幾つも挟まっている。

同じ色と字体。

全て立香のものだろう。

 

 

「言ってくれたら教えたのに」

 

「………うん。ごめんね」

 

「なんで謝る………1人で

 何でもやろうとするのは良くないぞ?」

 

「あはは……でも、

 みんなにあんまり迷惑かけたくないし………

 1人でやった方がいいのかなって……」

 

 

…………まぁ、そうだよな。

汚れ仕事が常だった俺と違って、

彼女はまだ20もいかない少女。

 

俺も人のことを言えた立場じゃないが、

まだ〝自分〟という存在を確立できていないのか。

そんな彼女に、『人類の未来』を託す、

ということが重くない訳がないのだ。

 

………俺も、未だに事の大きさを理解できていない。

いや、脳が理解を拒んでいる。

今にも狂ってしまいそうだから。

 

 

「………立香」

 

「う、うん」

 

「あまり自分を追い詰めるなよ、

 お前は1人じゃない。

 マシュ、ドクター、ダヴィンチ、沖田………

 もちろん、俺だってお前の味方だ」

 

「…………」

 

 

1人で何でもしようとするのは良くないと言うが、

人のことを言えないのは分かっている。

 

人に迷惑をかけたくない、

そう思って1人でやろうとするのだ。

相談できない訳ではなく、相談したくない、

というのが正しいのだろう。

 

 

「何か悩み事があればいつでも相談しろよ。

 迷惑じゃないし、ありきたりなんだろうけど、

 ………………だって、それが仲間なんだろ?」

 

「…………うん。そうだね。

 ありがとう、ちょっと楽になったよ」

 

「あぁ、魔術についてならダヴィンチ、

 良ければ俺も少しなら力になれると思うから。

 今日は少し休んだらどうだ?」

 

「うん、気分転換にお茶でも飲んでくるね」

 

「そうそう、楽に行こうじゃないか」

 

「ふふ、ありがとう」

 

 

立香が本を棚に直し、図書室から出ていく。

 

 

 

 

 

 

そして、俺はため息をつき、

後ろの本棚の方を向く。

 

 

「盗み聞きか、感心しないな。

 観念して出てきたらどうだ?」

 

「「「っ?!」」」

 

 

ビクッ、と驚いたような音が本棚の裏からする。

出てきたのは、

ドクター、マシュ、ダヴィンチの3人だった。

 

 

「…………3人とも、そこに正座」

 

「いやボクは「正座」はい」

 

 

苦笑いするドクターを笑顔で威圧して黙らせる。

3人は俺の前に正座する。

 

 

「弁明を聞こうか、ドクターから」

 

「…………レオナルドに無理矢理聞かされたんだ」

 

「なんとなく知ってた。

 ドクター立っていいですよ。はい次、マシュ」

 

 

ドクターがやれやれ、と言った顔で立ち上がる。

次にマシュを見る。

 

 

「つい………大切なお話をしていたようなので………

 出ていこうにも出ていけませんでした。

 申し訳ありません………」

 

「許す。立って。

 ダヴィンチ、縛るから待ってろ」

 

「私に弁明の余地は!?」「ねぇよ」

 

 

正座のまま室内の柱に縛った。

パラメータの筋力Eは伊達ではない。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「まぁ、ともかく。立香ちゃんの話を

 聞いてくれてありがとう、真機くん」

 

「はい、まさか先輩が悩んでいたとは………」

 

「メンタルケアは一応出来るからな、

 暗殺者だぞ、俺」

 

「そういえばそうだったね」

 

 

無論、狙撃ばかりではなく。

対象に直接言葉を交わして殺すこともあった。

心理術も軽くだが学んだな。

 

相手を安心させる会話術くらいは使える。

 

 

「だ、け、ど。

 マシュ、これはお前がやることだ」

 

「え、わ、私ですか!?」

 

「そう、立香のサーヴァントだろ?

 立香の身体はともかく、

 精神も守れるようにならないとな」

 

「な、なるほど………ご教授願えますか?」

 

「メンタルケアなら教える。ほら行くぞ?」

 

「お願いします!」

 

 

俺はマシュと共に部屋から出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし………あの子(マシュ)

 随分と人間らしくなったもんだね」

 

「二人の先輩のお陰、だろう。

 この中でも本当に人間らしい立香ちゃんと、

 達観してるけど()()()()()()な真機くん、か」

 

「全く、良い先輩に恵まれたね、マシュ……」

 

「あぁ、そして彼も。

 きっといつか、分かる時が来るのだろうね」

 

 

 

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