オリジナルストーリーです。
意識がまだ成り立たず、
ぼんやりとした空間に俺は立っていた。
真っ暗なその空間の中心には、
一本の無骨な剣が突き刺さっている。
「…………?」
俺はそれに吸い寄せられるように近づき、
柄に手を触れる。
瞬間、凄まじい光が周囲を満たす。
暗い空は夕刻を思わせる夕焼け空に、
地面は、水の上に立つような形になる。
「これは、俺の………」
固有結界………?
だが、そんなものを使っては───
「!」
突然、背後に何かを感じ、振り向く。
そこには、一人の男が立っていた。
くすんだ金色の髪、深い蒼の眼。
その左目の上には巨大な傷があった。
歳は………40、くらいだろうか。
ボロボロのマントを着た男は、
俺をその双眸で値踏みするように見ている。
「あんたは───」
「名乗るのは貴様からであろう」
「───っ、悪かった」
威圧感に肌が震える。
たった一言で、ここまで人を威圧できるのか。
俺は剣から手を離し、男と向かい合う。
「橘 真機、だ」
「真機、ふむ…………」
「…………」
男は眼を閉じ、そしてボロボロのマントを取る。
その下には、鎖帷子のような鎧があった。
そして、眼を開けた男が口を開く。
「私の名はアルトリウス。
ルキウス・アルトリウス・カストゥス」
……………聞いたことがない。
だが、ただの人間ではない。
英霊、それすらも凌駕するような存在か。
英霊の枠に収まるとして、
この男は冠位と呼ばれるクラスでも何ら問題は
ないような力を有している筈だ。
そう思わせるほどの、力を彼から感じた。
「アルトリウス………?
あんた、一体何者───」
「こちらにも事情があってな。
故に、対価として貴様に我が力の一端を貸す」
「は──?
ちょっと待ってくれ、話が見えないぞ!」
「いずれ全てが分かる。
これは貴様の為にもなろうよ」
全て、とは一体なんだ。
何もかも唐突すぎる。
俺はアルトリウスと名乗った男に困惑する。
英霊であることには違いないだろうが、
一体彼は何者だというのだ。
「言うべきことは言った。剣を抜くがいい。
夢は覚め、お前を人理を救う旅へと帰すだろう」
「待て!お前の目的は何だ!
力を貸すってどういうことだ!?」
アルトリウスが向きを変えたので
俺は慌てて呼び止めると、渋々と言ったように
彼は振り向く。
「二つ目の質問なら、そのままの意味よ。
一つ目の質問の答えだが、
私が英霊として昇華されることだ」
「お前、英霊じゃないのか!?」
「私は英霊ではあるが、不安定な存在だ。
故に現界することは出来ぬ。この世界で
特異な存在であるお前に夢を見せたのだよ」
「特異な存在──俺が!?」
「そうだ。じきに分かる」
そして、彼が再び向きを変えた。
「待て!まだ聞きたいことが──!」
「さらば、また会おう」
それだけ言って、彼は光となって消えた。
どうやら完全に取り残されたようだ。
「…………」
待っていても仕方ない、
俺は言われた通り、剣を取る。
ゆっくりと重いそれを持ち上げ、
そして、引き抜いた。
意識が朦朧として、消えた。
ダークソウル?
ちゃいます。
アルトリウスは実在した人物で、
アルトリアの元ネタとも。
詳しいことはGoogle先生が教えてくれる。