オルレアンでジャンヌオルタが最後に
何を提案したのか、今回の回で分かります
夏の福袋はどうしましょうかねぇ………
取り敢えず沖田さん狙いでセイバーかな
腰から抜いたリボルバー(コルト)を構える。
敵への切り札は2つ。
今使うべきかは見定める。
「マスター、前衛行かせてもらいます」
「頼んだ!」
「せぇぇァ!」
沖田が刀を構えて走る。
周囲からも兵士たちが殺到しているので
それを斬り進んでいく形となる。
それを銃弾で援護しながら前に進む。
「邪魔すんな!」
「ご、はっ!」
兵士に至近距離まで接近される。
右足で顎を蹴りあげ、身体を捻って
腹へ左足で二発目の蹴りを撃ち込んで吹っ飛ばす。
「ぬぁァ!」
「マスター!」
「ぐ………!?」
なんとレオニダス本人が攻めてくる。
振り下ろされる槍を転がって回避。
「戦場において敵将を狙うのは常識だ!」
「敵将の強さを見定めるのも、常識、だろ!」
膝をついた状態から魔力放出。
予備動作無しの跳び突き蹴りを放つが回避される。
魔力放出で身体を捻って向きを変え、踵落とし。
が、盾で防がれる。
「く!?」
「甘い!」
レオニダスの槍をギリギリで回避するが、
そのまま振り回されると回避できない。
「はぁッ!」
「がっ!?……………っ!」
沖田からの攻撃を背中に受けたレオニダスが
下がり、兵士たちが上がってくる。
何とか着地、沖田と背中合わせになる。
「助かった、ありがとう」
「いえ、ですがこの数………厄介ですね」
「あぁ、レオダニスに回復の隙を与えたくない。
…………沖田、レオニダスを任せていいか?」
「承知。………ですが何をする気ですか?
この数、あの爆弾でも無力化するのは……」
「切り札の1つ目を切る。距離を取ってくれ。
全方位に攻撃する、
そっちには向かないようにはするけど」
俺の言葉に背中越しに沖田の不安が伝わってくる。
そしてハッとしたようにこちらを向く。
「自爆とかじゃないですよね!?」
「しねぇよ!?
ちっと身体に負担がかかるだけだ!」
「………むぅ、許容します。
無理ばかりしないで下さいね………」
「俺の無理は死ぬ時だ」
「じゃあ力入れないで下さい」
漫才のようなことをしてる
うちにも兵士は殺到してくる。
銃で牽制しながらヘッドショットを決めていく。
「詠唱がいる、それまで守ってもらっていいか?」
「そういうのですよ!
そういう指示を下さい!」
「はいはい、詠唱が終わったらお前にも分かる。
縮地で全力で俺から離れろ」
「承知しました」
沖田が離れる。
詠唱開始。
左腕を前に突きだし目を閉じる。
左腕の赤黒い魔力回路が起動、
燃え上がるような熱が身体を覆う。
「────
喰らった魔力が血を沸騰させ、
熱、熱、熱が身体を、魂を燃やす。
「
炎が足元から噴き上がる。
炎の柱が空へ立ち昇る。
「黒き聖女の炎は今、
我に在り───燃えろ、焼き尽くせ、滅べ」
「死を以て、完成する」
詠唱終了。
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あの時、ジャンヌオルタに呼び止められた時。
『最後に───提案があるわ』
俺は足を止める。
起き上がった消えかけのジャンヌオルタが
こちらを見ていた。
『私を連れて行きなさい』
『…………どういうことだ?』
『私のスキル、『自己改造』。
…………えぇ、何で分かるのぉ?
完全に図星だった。
俺の魔力量がおかしいのは生まれつきではない。
俺の家系に伝わる、もう1つの秘匿とされるもの。
それが、サーヴァントの持つスキル、
『自己改造』と類似したものなのだ。
魔術刻印、という魔術師の身体に刻むものがある。
魔術師が子に受け継がせる〝固定化された神秘〟
とでも言うべきもの。
それは普通、血の繋がりが
ないものには受け継がれない。
適合しない、と言った方がいいかもしれんが。
だが。
『………そうだな、確かにできる』
とある魔術を通して、俺は完全に他人の
我ながら最低な行為だとは分かっている。
だがまぁ、暗殺者だし、俺。
『なんで分かった?』
『そりゃあ、ね。アンタの身体、人間だ
なんて有り得ないほどボロボロだもの。
全身に魔術刻印が刻まれてるんでしょ?
あれだけ私との戦いで魔術を使ったら分かるわ』
『…………気をつけないとな。
つーかお前元気じゃねぇか』
『もう魔力切れよ、聖杯は私の元にはないし』
俺の魔術だが、先程の通り、
自己改造スキルと似ている。
自分の身体を改造して、それから
魔術刻印を刻む、というより吸収する。
ならば、サーヴァントであろうと吸収できる筈だ、
簡単に言えばそういうこと。
その過程にある、とある魔術と言うのが──
『魂喰い、覚悟は?』
『良いわよ、どうせ死ぬくらいなら
魂になってでも付きまとってやるわ』
『だから連れて行ってくれ、か。
………はは、面白い言い回しだな』
赤い魔法陣が展開される。
これは、あるサーヴァントの宝具を模倣したもの。
『精々、上手く私を使うことね』
『───じゃあな』
そして俺は、ジャンヌオルタを喰った。
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「宝具、限定解錠────
全ての邪悪を此処に、報復の時は来た!
これは憎悪によって磨かれた黒き魂の咆哮!」
炎が拡散する。
「
爆炎が、周囲を焼き尽くす。