フォウくん復活の兆し
出てきて何か怖くないですか?
だって知能戻ってきてますよね。
クリプターたちとの接触で
ビースト復活とかシャレにならないのでやめてね?
今回は短め。
ローマに帰還して2日。
「遅い」
立香たちが帰ってこない。
通信も繋がらず、カルデアも通信がダメ。
利手の左手が黒焦げのため俺は休養。
沖田が立香たちを兵と共に探しに行ったのが昨日。
俺は1人でベッド生活………だと思われたのだが。
「フォウ!」
「なんでさ」
なんでフォウくんこっちいるの?
昨日までいなかったよねフォウくん。
昼食を取り、部屋に戻ったら何故かいた。
「フォフォーウ」
「んー?」
何だろうか。
フォウが珍しくベッドに座り、その壁に
もたれる俺の膝の上にちょこんと乗る。
「フォウフォーウ、フォーウ♪」
「…………」
「フォーウ」
「んん?」
歌うように鳴き、
ビシッ、と俺を肉球で差すフォウくん。
聞き覚えのある歌だなー、と思っていたら
俺の歌ってた鼻歌じゃねぇか。
なんで知ってんのさフォウくん。
「えっ、歌えと?」
「フォウ」
「えぇ………」
でも人前で歌うの恥ずかしいんだよな………
ん?人じゃなくてフォウくん?
まぁそれもそうか。
「フォーウッ!」
「痛い痛いっ!?
分かったから!歌うからやめて!?」
引っ掻かれた。
「いてて…………んじゃ、ご清聴下さいな」
「フォウフォーウ」
「ははは…………」
肉球を拍手のように動かすフォウ。
これは歌わざるを得ない。
唯一覚えてる、誰かの歌った歌を歌おう。
「1人になると、聞こえるの…………」
もう山に入るが、穏やかに。
普通なら盛り上がるのだがアレンジだ。
「~♪」
良い歌詞だ、と、そう思う。
目を瞑り、フォウの毛並みを撫でながら。
「あなたがいる世界に私も生きてる…………♪」
一分ほど歌い手を止め、目を開ける。
「………ご清聴、ありがとうございました」
「…………」
「フォウくん、拍手。
虚しくなるから無言やめて」
「フォーウ」
と、部屋の外からカタリと不審な音がする。
瞬時に右手でナイフを抜いて構える。
「誰だ!!!」
「うわっ!?」「きゃぁ!?」「あいたぁ!?」
扉が開き、立香、マシュ、沖田が
ドサドサと入口に順に倒れる。
……………聞かれた?
「……………」
「フォーウ………」
「あ、あははは、真機くん凄い歌上手だね!」
「お上手でした…………あはは」
「マスター素晴らしい歌声でしたよ………?」
問答無用。
「全員そこに、正座」
「「「はいすいませんでした」」」
盗み聞き犯の額が赤く染まった。
「「「いったぁ………」」」
全員にデコピンを食らわせた俺は顔を隠す。
聞かれた…………歌を聞かれた…………
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
「凄い高音上手だったね真機くん」
「はい、とても穏やかで素敵でした」
「これは惚れますね」
「お前たち反省してないだろ?」
「「「反省しました」」」
反省の足りない全員に
もう一発デコピンをプレゼントした。