存分に収穫し、殺したまえよ………
byリヨぐだ
魔神収穫祭はまだですか?
甲高い声のようなものをあげ、
魔神の目が光る。
「何だ………!?」
「マスター!」
沖田に服を引かれ、それを回避する。
黒い波動のようなものが、爆発を起こした。
『魔力による爆発だ!
それもかなりの広範囲、気を付けてくれ!』
「…………チッ、マジか……!」
「し──ッ!」
沖田が縮地による高速接近で
斬りつけるが、肉の柱は怯みもしない。
その目が、沖田を〝凝視〟した。
「………っ!?」
「させるか!」
何かを感じ、短銃で瞳の1つを撃つ。
それにより狙いが逸れたのか、
沖田の傍の石の地面が割れ、焼け焦げる。
何かのスキルか………!?
ともかく、奴の目が攻撃の合図だ。
「沖田、倒れるまでゴリ押す!
撹乱と援護は俺に任せて、倒せ!!」
「………っ………承知っ!」
今の銃撃で魔神の狙いが俺へと変わる。
だが、沖田の返答に迷いがあった。
それは。
『君は人間だろ!?それともあの広範囲の
爆発を避ける手立てでもあるのかい!?』
「………ぶっちゃけ、ないです。
でも今は、俺に出来ることをしないと」
『………っ、帰って来たら傷を見せること!』
「了解です………っ!」
帰れたらですけどね、と言おうとした瞬間、
〝凝視〟が来る。
ほとんど勘だったが、左へ跳んで直撃は避けた。
………直撃は。
「づっ……言わんこっちゃねぇな………!」
右手が焼け焦げる。
ビリビリと火傷が広がっていた。
着地と同時に爆発の合図、目が光る。
足に身体強化を施し、跳躍して回避。
銃に弾を込め、目を狙って撃ち放つ。
沖田が合わせてくれたようで、
命中した目を更に斬りつけた。
そして、少し怯む。
「確かに厄介だけど、弱点が丸出しなんだよッ!」
「せぇァ!!」
連続で沖田が追撃を仕掛ける。
その間にも他の目が
俺を狙って爆撃を放ってくるが、何とかする。
「っと!」
どうやら連続の爆発はできないのか、
一呼吸ごとに襲ってくる。
その間での着地と跳躍の時間は十分なので、
魔神の目の撹乱を行いながら
銃撃も交えて回避を続ける。
追い詰めてきた、その時だった。
「ぐ、っ!?」
目がまばたきをしたかと思うと、
突然放たれた爆風が近くにいた沖田を吹き飛ばす。
沖田に飛び付き、抱き止める。
そして魔神へ目を向けると、何かが聞こえた。
【覚醒の時来たれり】
おそらく、強化系統のスキルだろうか。
背筋が凍る感覚を味わう。
そして、詠唱も無しに、それは訪れた。
【焼却式・フラウロス】
逆転の一手。
サーヴァントで言えば、宝具レベルのもの。
考慮していなかった。
そして、地面から迸る紫の光の柱に呑まれ──
「……………何を、して」
その光が収まった時、
血で濡れた沖田の姿が、目に入った。
こちらを守るように、手を広げて、立っていた。
「無茶、ばかり………するから、
私に、こう、させたんですよ………」
「…………ぁ………っ……!」
言葉が出ない。
ダメだ、これは、こんなのは、絶対、に。
サーヴァントを構成するエーテルが、
ほつれ、ほどけて…………
俺は無意識に落ちた。