反省はしていないし後悔もしていない(スッキリ)。
あ、特別編です。
初見だよ、って人は
特異点Fを全部読んでから来てね。
そしてfgo1部をクリアしてね。ネタバレあるから。
私との約束だよ。
主人公「だ、台本と違う………!?」
キアラ「ふふ……殆ど会話だけですね」
番外編 あったかもしれない世界 愛欲の獣編
ネタバレ注意!
もし、召喚されたサーヴァントが違ったなら。
有り得たかもしれない、この物語。
これはその、更に有り得たかもしれない物語だ。
「素に銀と鉄。
礎に石と契約の大公。
憂いなど不要なり。義もまた然り。
我に情は無し。
降り立つ風には壁を。
四方の門は閉じ、王冠より出で、
王国に至る三叉路は循環せよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる時を破却する。
────告げる。
汝の身は我が元に。
我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、
この理に従うなら答えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者。
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!!」
召喚サークルに眩しい光が溢れ、
そして光の中から、それは現れた。
白と黒の尼僧服。
艶やかな微笑みを浮かべて。
「アルターエゴ、殺生院キアラ。
召喚に応じ、参上いたしました。
ふふ、私を呼ぶとは…………これはもう、地獄の
底までお付き合いして頂くしかありませんね?」
ゾッとするほどの、ナニカを感じた。
あるぇ?台本と違うぞ………?
キアラ
(どうやら、私の正体を明かすのは
未だ早すぎるようですね………ふふ、
ここで私がこの方々を溺れさせれば………)
こうして、俺はキアラ、
立香たちと共に人理修復へと挑む。
影のアーチャー 戦後
「馬鹿な………!?
まさか、まさかこの力は……!?」
「ふふふ、ソワカソワカ……」
「はぁっ、はぁっ…………!?」
「大丈夫でしょうか、マスター?
ご安心下さい。私、戦闘には自信がありまして」
黒ノ聖女 戦後
「く……!!」
「お前の生きた意味が、あったんだよ。
この特異点で。だから………さよならだ」
「……………」
「そう………そうなのね。
良かっ、た─────」
「…………どうしたんだ、キアラ?」
「いえ、何でもありませんよ」
神の鞭 戦後
「見事なり、アルテラ………
いつかまた、違うカタチで戦うこともあろう」
「ふふ………」
「…………同じ、か………尼よ」
「同じ………?どういうことだ?」
「マスターと同意見です、一体………」
「いつか、お前にも…………
その者と、共に歩けば…………」
「…………そうですか、
それはそれは………………楽しみです」
裏切りの魔女 戦後
「───星を集めなさい、あなた方」
「え?」
「負けぬ、何者にも負けることのない星を。
そうすれば、もしかしたら…………あなたも」
「……………ふふ、そうですか。
────それはきっと、有り得ませんわね」
「────」
魔術の祖、魔術王 戦後
「………!」
「………ふん、つくづく馬鹿な女よ。
己の歪みの歪みに気づかぬとは、な」
「アンデルセン………!?お前は…………!」
「何故………!」
「何故、とそう問うか?
知るか、自分で見つけるものだ。
それは、その感情に名前をつけるならば、
自分で付けられるくらいになっておけ、馬鹿が」
「キアラ………?」
「しかし、お前のようなのが………
つくづく、分からんものだな。小僧、任せたぞ」
「…………あ、あぁ」
「じゃあな、どうやら〆切のようだ───」
「………………………はぁ、鬱陶しい男ですね……っ……」
〝軍魔〟の魔神柱 戦後
「ミス・キアラ、最後にお話が」
「えぇ、何でしょう?」
「私は身体の傷は治せても、
精神………心の傷までは癒せません」
「……………はぁ」
「あなたの傷は、深く、心を抉っている。
ですが………心の傷というモノは
治し難く、そして、最も治しやすい」
「…………それが、一体なんだと──」
「共に歩く者を信じなさい。
そして、本当の本当に、
貴方が求めるモノを、見つけなさい」
「─────、───」
聖槍の獅子王 戦
「ふ………まさか、人理の獣がな………」
「獅子王、何を………」
「マスター、近づいてはなりません」
「ふっ………星を集めよ、カルデア。
どのような悪性にも負けぬ、星を」
「星を………悪性ってのは」
「人類の原罪だ。
だが………もしもだが、な」
「…………………」
「罪は、認め、許されることもある、か───」
原初の獣 戦後
「…………マスター。
一つ、聞いてもよろしいですか?」
「ん?どうしたんだ?」
「………あなたは、多くの旅をして……
どんなものを、得られましたか?」
「ん………、そうだな。
キアラへの、信頼が一番大きいと思う」
「…………詳しく聞かせて下さいませ」
「恥ずかしいな……………………、
───最初、俺は君を信用できなかったんだ」
「……………」
「だけど、旅を通して………
命の意味を知って………
そして、君という存在を知った」
「…………………」
「時々、少し抜けてて。
時々、凛々しくて。
時々、美しくて」
「……………………………」
「多分、俺はこの感情を初めて感じてる」
「…………………………………」
「ありがとう、キアラ。
君に出会えて、本当に良かった」
「………………えぇ、そうですね」
第二の獣、魔神王 最終戦
倒れ伏す、カルデア。
ドクター………ソロモンの介入、虚しく。
「く、そ………こんな、ところで……!!」
「負ける、わけにはいかないのに………!」
「ドクター………私に、立つ、力を………!」
「──────諦めてはいけませんよ、マスター」
ただ、一人。
立ち上がる、
「何度立とうと無駄だ。私は────!!?」
「キアラ──!?」
「キアラさん………その、姿は───!?」
「馬鹿な───!?
そんな、そんなことが、あっていい筈が……!」
邪悪、醜悪。
「───あぁ、何ということでしょうか。
心と欲望のまま、差し出したつもりが。
ふふ、確かに、分からないものですね」
「第三の、ビーストだと………!?」
「キアラが…………!?」
満たされぬ、筈だった私は───
「えぇ、えぇ、満たされない。
私は、満たされなかった────なのに」
いつか、いつの間にか。
「満たされて、いたのですね」
自信に溢れる顔の獣は。
その腕を魔神の王へと向ける。
白の腕が、魔神王を掴み。
そして、膨大な魔力が渦巻く。
「これは───!?」
「まさか貴様───自爆する気か!!?」
魔神の王は意味が理解出来ず、
腕を振りほどこうとするが、出来ない。
「私は、知らなかった。
本来なら、知ることはないのでしょう」
宝具。
「ですが私は…………〝恋〟を、知りました。
私の知る筈もなかった、〝愛〟を、知りました」
開帳。
「あなたのお陰です、マスター」
獣は、否、女は、振り向く。
その目には、親愛と………ある筈のない、
愛しい人を見る、情愛があった。
「あなたを知りました」
地面を構成する魔神柱の魔力すら吸い上げ、
時空を歪ませるほどの凄まじい魔力が収束する。
「どこか暖かい、違和感を知りました」
魔力は女の姿を変え、さらに拡大。
「恋を知りました」
獣は、獣だったものは。
「好きを………………知りました」
その目に、涙を浮かべていた。
「やめろ………やめてくれ……………!」
「いつか、言ってくれましたね」
魔力が、収束完了する。
女は、両の手を魔神へと向けた。
「私も──────」
爆発する。
あなたに会えて──────良かった
おめでとう、諸君。
この戦いで、
君たちは素晴らしいモノを見せてくれた。
君たちの手によって、3体の獣は倒された。
私は、本当に────美しいモノを見た。
刃を交えずとも倒せる悪はあり、
血を流さなかったからこそ、
辿り着ける答えがあった。
そして、あの獣もまた、愛を知った。
これは、君への細やかなオクリモノ。
消えたモノを、取り戻したいだろうから。
獣ではなくなった彼女もまた、
君に会いたいだろうから。
おめでとう、カルデアの善き人々。
三体の獣は、君たちの手によって救われた。
「「────あぁ、また、会えた」」
重なる言葉に、涙は止まらない。
愛を知らぬ獣は恋を知り。
命を知らぬ青年もまた、知った。
これは、愛と希望の物語。
愛を知らぬ獣に、色彩を与えた物語。
~fin~
どうだったでしょう?
後半もう誰だよ、ってなりますよね。
ではでは、本編もどうぞお楽しみに。