セカイの扉を開く者   作:愛宕夏音

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交通安全教室

 

 

「という訳で、明日は武偵高附属小で交通安全教室です」

 

夕方、皆が帰ってきたので俺は明日のご予定と経緯を説明。するとユエがふぅと1つ溜息をつき

 

「……メイドのくせに家に迷惑をかけるとは何事」

 

と、ジト目でルシフェリアを睨んでいる。ま、原因の1つは俺含めた君達でもあるんだけどね、とは言わないでおく。

 

「ま、日本の警察は差別的なまでに外国人には厳しいからなぁ。取り敢えずネモとルシフェリアが安全な奴らだって証明してやらにゃならん」

 

「ふむ……ということは天人とネモ、ルシフェリアの参加は必須じゃな」

 

「うん。……で、リサは救護科でこーゆーの経験ある?」

 

ちなみに俺は上目黒での臨時教諭くらいしかマトモな経験は無い。

 

「はい。交通安全教室ではありませんが、リサは附属小で怪我の手当てや救急車の呼び方の講演をしたことがあります」

 

「交通安全教室か。フランスでも似たようなものに出たことはある。もっとも、私は聞く側だったが」

 

ふむ……ネモも一応交通安全教室がだいたいどんなもんかは把握していると。となるとネモには日本の交通ルールだけ覚えてもらえれば大丈夫かな。コイツはそんなにトンチキな行動を起こす奴じゃないだろうし。

 

「じゃあリサも来てくれ」

 

一応蘭豹からは4人集めろと言われている。何やら1人は蘭豹の方で用意するとか言っていた。あの人、強襲科の生徒5人も病院送りにしたんだな……。

 

「はい、承りました。ご主人様」

 

ニコリと、俺に頼まれたのが嬉しいのか愛らしい微笑みを浮かべるリサ。これなら子供も怖がることはないだろう。うーん、蘭豹が誰用意したんだか知らないけど、リサがいないと成り立たない可能性があるなこれ。

 

「主様主様、コウツウアン?ゼンキョウシツ?とは何者じゃ?」

 

と、話は聞いていたが1ミリも理解していなかったらしいルシフェリアが俺の腕をつついてそんな今更な質問。

 

「お前も見て知ってるだろうけど、東京は車が多くてよくそれと事故が起こるんだよ。だから子供が事故で怪我しないように交通ルールとか、それを守る重要性を学ばせるんだ。ルシフェリアも、子供の扱いは上手かったから期待はしてる」

 

期待していると同時に不安要素でもあるけどな。

 

ルシフェリアは流石に1人では外には出させてやれないが、俺やユエ達の誰かが一緒に行ける時は外に遊びに行っていた。そこで、近所の公園でルシフェリアは子供達と時々遊んでいて、随分と懐かれていたからな。まぁ、それが逆に知らん外国人が子供と遊んでるってんで通報されたのかもだけど。

 

「ひゃあ〜。主様が褒めてくれた……。子供扱いが上手いということは子育てが上手いと言ったのも同じ。何人産ませる気じゃあ」

 

と、ルシフェリアは訳の分からん喜び方をしている。ただ、それは全員ジト目で見やるだけでスルー。

 

「じゃ、ネモとルシフェリアはリサから日本の交通ルールを教わっといてくれ。俺ぁ俺で復習するから」

 

一応教える側もルールくらいはちゃんと把握していないとな。だが、流石は悪魔ちゃんのルシフェリアさん。

 

「嫌じゃ。我は偉いんじゃから勉強なんてせぬぞ。もっとも、主様が付きっきりで教えてくれると言うのなら吝かでは───」

 

と、そんなしち面倒臭い駄々をこね始めた時───

 

──ピンポーン──

 

と、家のチャイムが鳴る。それにリサが出ようとした瞬間、ピンポンピンポンピンポンピンポン!!と、まさかのピンポンラッシュ。人の家のチャイムでこんなバカアホな鳴らし方をする奴は世界広しと言えどただ1人。

 

「うるさ……」

 

そう呟いた俺の言葉はリサが玄関を開けた数秒後にはリビングのドアを勢いよく開けて入ってきたピンクのツインテールちゃんの声に掻き消された。

 

「遅いわよ!」

 

「鳴らして1秒でピンポンラッシュする奴があるか!!」

 

そう、やって来たのはイタズラ以外でチャイム鳴らして1秒後にピンポンラッシュをやる唯一の人類ことアリアさんだ。

 

「あんたなら玄関に誰が来たかくらい分かるでしょ!」

 

「俺が分かってもあの間隔でラッシュされたらリサは間に合わねぇだろ……」

 

とは言えもうコイツとこの手の議論をするのは諦めている。基本俺の言うこと聞かないしこの子。いや……最近は誰も俺の言うこと聞いてくれないな。皆人の話を聞かない……。

 

「まぁもういいや……何?」

 

「何って、明日の交通安全教室、あたしもあんた達の手伝いに駆り出されたのよ。だから打ち合わせに来てあげたってわけ」

 

あ、じゃあ蘭豹が用意したもう1人ってアリアのことだったのね。で、何故かユエがアリアを睨んでいる。どしたの……?

 

「ユエ、どうかした?」

 

「……んっ、私が出たかった」

 

と、何かと思えばユエにしては珍しくアクティブな発言。この子、基本外出たがらないのに珍しいこともあったもんだ。

 

「ルシフェリアは私のメイド。メイドの面倒を見るのも主人の務め」

 

なんて、ユエは口ではそう言っているけど、それが建前だってのは俺にも分かった。その紅の瞳はまるで別のことを言っているみたいだからな。多分ユエは俺と一緒に交通安全教室とやらをやってみたかったんだろう。特に最近俺はネモに勉強を教わりながらもルシフェリアにかかりきりだったから、寂しかったんだろうな。

 

「ユエ、ユエ」

 

なので俺はユエを呼ぶ。すると、ん?と疑問符を浮かべつつもユエは俺の傍に来る。そして、俺はユエを抱き寄せ、その形の良い白い耳元に口を寄せる。

 

「……これが落ち着いたら2人でどこかに出掛けよう。そうだな……温泉とかどうだ?」

 

そうして耳元で囁けばユエは少しくすぐったかったのか身を捩りつつも「……んっ!」と頷き、俺の胸元へ頬を擦り寄せた。

 

「あぁ!ユエさんだけズルいですぅ!」

 

「そうじゃ!妾達も天人と2人きりでどこか行きたいのじゃ!」

 

と、耳敏く聞きつけた2人が大騒ぎ。それに釣られてリサやジャンヌ、レミアにエンディミラも2人で旅行に連れて行けとの大合唱。

 

「あぁもう!!さっさと打ち合わせするわよ!!」

 

で、それはそれはブチ切れ顔をしているアリアさんが大合唱に割り込み、ようやく話は本題へと戻るのであった。……危なかった、何せアリアさんは即座に拳銃を抜いていたからな。危うく借りている部屋の天井や壁にガバメントの大穴が空くところだった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

打ち合わせも終わり──て言うかそんなに打ち合わせることもなかったが──何だか団欒な雰囲気になった頃にそれは告げられた。

 

───唐突に、それはもう唐突に告げられた。

 

「あたし、キンジにプロポーズされてるの」

 

ネモ達と行ったアメリカ旅行の話に感化されたのだろうか、アリアから恋バナを振ってくるなんてことがあるとは思わなかった。しかし意外だな、キンジがまさかアリアにキチンとプロポーズなんてことをするとは。

 

………………………………………………………………………………………………………………………………………………プロポーズ!?

 

「リサ!ジャンヌ!集合!!」

 

「は、はい!」

 

「あぁ!」

 

俺は直ぐ様リサとジャンヌを呼び寄せる。

 

「……リサ、見立ては?」

 

「きっと、遠山様が無自覚に()()とれる行動をしたのかと」

 

そんなことあるか?……いや、でもキンジだしなぁ。無自覚にプロポーズできる人類、マジで遠山キンジ1人だけ説あるし。

 

「……天人、今お前が何を考えたのかは分かる。だから……天人もそうだぞ?」

 

ふむと頷いた俺にジャンヌがそんな釘を刺す。どうやら俺の考えはいつも筒抜けらしい。え?いくら何でも俺は……いや、前科あったわ……。

 

「……今俺ん話はいいよ。……これは、審議かな」

 

「審議です」

 

「審議だな」

 

3者の意見の合致により本件は審議入りです。俺が振り返れば、アリアは急に隅っこに集まった俺達を胡乱気に眺めている。

 

「あぁ……アリア、今後の参考に聞きたいんだけど、実際どんな感じで言われたの?」

 

俺がユエ達を指し示しながらアリアにそう問えば、アリアは1つ頷き、自身の左手の薬指を大層愛おしげに撫でながら口を開いた。

 

「あたしの誕生日にね、キンジが指輪をくれたの。しかも、それを()()に填めてくれたのよ」

 

アリアが撫でているそこは、確かにプロポーズの証となる場所だった。普通に考えればそこに指輪を填めてやる行為はプロポーズ以外の何物でもない。だが相手は不可能を可能にする男(エネイブル)のキンジだ。左手薬指に指輪を填める行為をプロポーズではなく行うという不可能すら可能にしてみせる男かもしれない。

 

俺は「ちょっと電話が……」と言い残し、震えてもいない携帯を手にその場を離れる。そしてむしろ俺が相手の携帯電話を震えさせる。その着信の先には、キンジがいた。

 

「もしもし、どうしたんだ?」

 

「1つ聞きたい。これは本人に聞いたんだけど、キンジお前……アリアにプロポーズしたのか?」

 

「───はぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?!!!?!?」

 

この驚きよう。どうやらキンジのプロポーズは何かの勘違いのようだ。……何をどう勘違いすればそうなるのかは皆目見当もつかないけど。

 

「お前、アリアの誕生日に指輪をプレゼントしたんだって?」

 

「あ、あぁ。それは確かだ」

 

「で、左手の薬指にそれを填めてやった」

 

「どこの指に填めたかは覚えてないけど、指には着けたよ」

 

お、覚えていない……だと……?そんなことあるか?女の左手薬指に指輪を填めてそれを覚えていないなんて有り得るのか!?流石は不可能を可能にする男(エネイブル)の遠山キンジ。俺みたいな一般人じゃあ想像もできないことを成し遂げてくれるぜ。

 

「……一般的に左手薬指に指輪を填めてやるという行為は"私と結婚してくれ"という意味になる。男がやろうが女がやろうが同じで、だいたいの国と地域ではおおよそ同じ意味を持つ。そしてアリアはお前からそれを受けて、プロポーズされたと認識している」

 

と、俺はもうそれはそれはストレートかつ簡潔にキンジの成したことの意味を説明してやる。コイツはHSSを理由に、女や男女の仲にまつわる事象の尽くを避けてきた。だからって結婚指輪のことも知らんとか有り得るのかどうかは知らないけど、キンジが悪戯でアリアにプロポーズをする奴とも思えないから、きっと本気で分からなかったんだろう。

 

だがアリアは本気でプロポーズをされたと思っているし、あの反応からして突然受けたプロポーズに対して反応を返せなかっただけで、返事なんてとうの昔に決まっているっていう感じだ。

 

だからもし、キンジのそれが実は何も分からず誕生日にプレゼントを贈っただけだと知ったらアリアは酷く傷付くだろう。だがあのアリアの反応からして、遅かれ早かれキンジとその話になってもおかしくはない。そうしたらどっちにしろアリアは傷付くのだ。

 

なら不意に……それこそ"あの時の返事"なんて言ってキンジから「何それ」とか言われる前にこの誤解を解いてしまおう。それがきっと、1番アリアの傷が浅いと信じて。

 

『ご主人様、アリア様には遠山様からお話があるとしてあります』

 

と、リサからはスイッチ式の念話のアーティファクトを通して俺に連絡が届く。よし、後はキンジを強制召喚するだけだな。

 

俺はリサに「分かった」と伝え、アリアをその場に留まらせておくように伝える。

 

「ともかく、お前が物を知らんせいでアリアは大変な誤解をしているし、これは早く解いてやらなきゃならん誤解だ。今お前服着てるか?」

 

「は?……あぁ、着てるけど。……お前まさ───」

 

俺はキンジに言葉を続けさせなかった。キンジが服を着ていると聞いた時には越境鍵と羅針盤を取り出してキンジのいる座標を特定。鍵を虚空に突き刺しキンジの目の前に扉を開いた。そして驚きに目を見開いているキンジを引っ掴むと力ずくでキンジをコチラに引き込む。そして直ぐに鍵を抜き、扉を閉ざした。

 

「た、天人。お前こんな無理矢理な───」

 

「言っておくけど、アリアはお前からのプロポーズを受けようとしてるぞ。受けるつもりならいいけど、違うんなら……もしくはそれはもっと違う形でやりたいんなら今すぐアリアに謝ってこい。向こうに本人いるから」

 

「いや……ちょっと待ってくれよ。いきなり言われても何が何だか……」

 

「悪いけど、時間は待ってくれない。大丈夫だ、死んでも生き返らせてやるから」

 

「……それは自分でできる」

 

いや出来るんかい。コイツ、再生魔法なんて使えないはずなのに死んでも生き返れるとか、相変わらず人間辞めておられるな。

 

「じゃあ大丈夫だろ。ほら、行くぞ」

 

と、どうやら死んでも大丈夫らしいキンジの首根っこを引っ掴んでリビングへと続くドアを開ける。そこには、珍しく借りてきた猫みたいに大人しいアリアが顔を少し朱に染めて、所在なさげにピンク色のツインテールを指先で弄んでいた。ただ、その小さな口元は隠そうとしても隠しきれない雰囲気で緩んでいて、どうやらアリアは今から、キンジによってプロポーズの返事の催促をされるのだと思っているようだ。そしてそれへの回答ももう決めているのだろう。だから俺は、そのアリアの喜色の雰囲気に似つかわしくない声色で、端を発した。

 

「アリア、嬉しそうな顔をしているところ悪いけど、今からするのは少し……いや、かなり良くない話だ。だから、それは覚悟してほしい」

 

と言う俺の声と、そしてリサ達の雰囲気から、今からする話が自分の予想とは違うことを察したらしいアリアがチラリとキンジを見やる。果たして、アリアの瞳に映ったキンジがどのような顔をしているのか、俺は窺うことをしなかった。

 

ただ、キンジの首根っこを掴んだまま椅子に座らせるだけだった。

 

「あぁ、その、アリア……」

 

「何……?」

 

そして、覚悟を決めるのは早いらしいキンジが早速話を切り出す。

 

「その、お前の誕生日に上げた指輪なんだけど、確かにアリアの誕生日を祝う気持ちはあったんだ。だけど、それがプロポーズになるとは……思ってなかった。ゴメン」

 

そして、単刀直入に、かつ簡潔にあの時の真実を告げる。それを聞いたアリアは───

 

「……そう」

 

一拍だけ置いて、そう呟いた。

 

「ま、あんたのことだからそんなことだろうと思ったわ。仕方ないわよ、キンジだもんね。うんうん、仕方ない仕方ない」

 

その()()()()は、果たして誰に向けたものなのか。俺はそれを推し量りたくはなかった。

 

「アリアは知ってると思うが、俺はその……体質的なものもあって()()()()のは避けてきた。だから───」

 

「分かってるわ。あんたはそんな悪戯をするヤツじゃない。だから本当に知らなかったんだってこと」

 

だけど、とアリアは続ける。

 

「だけど今は少し、あんたの顔は見たくない」

 

 

 

───────────────

 

 

 

あの後アリアは直ぐに帰った。ただ、明日の交通安全教室に穴は開けないとは言っていた。そしてキンジも俺がアイツの実家に強制送還した。その時には一応

 

「女の子とか男女の仲にまつわる事象を避けたいならむしろ勉強しろよ」

 

とだけは言っておいた。そもそも、敵から逃げようってのに敵のことを何も知らないでいようってのがおかしな話なのだ。相手の持つ武器も分からないのにどこにどうやって逃げようと言うのか。

 

キンジはそれを分かっているのか分かりたくないのか知らないが、何だか気の抜けた返事しか返ってこないし。

 

で、気を取り直して明日の交通安全教室に向けてルールのお勉強だ!となったはいいが勉強なんかしたくない。せめて俺が教えろと駄々を捏ねたルシフェリアには有無を言わせずやれと申し伝え、ユエに拉致ってもらって日本の交通ルールを覚えさせた。ネモにはリサがしっかり教えているだろうし、ネモの性格なら変なワガママは言わなかっただろう。俺も、自分のためにルールを見直し、そして迎えた翌日───

 

「今日の交通安全教室は第1部、第2部の構成で寸劇を2回やります。急な出演なのでアリア先輩達はセリフに詰まったりするかもしれません。そういう時は、私に振ってくださいね?このピーポにゃんの着ぐるみに入っていますから」

 

今日は武偵高の赤いセーラー服を着ている乾が指し示したのは、警察章が額に付いたネコミミヒロインの着ぐるみ。昨日の今日で心配だったが、アリアを見る限りはいつも通りだ。ま、俺はアリアのことをいつもそんなによく見ている訳じゃないから細かくは分からんのだけれど。

 

で、まずは寸劇の配役を決めるということで、リサとルシフェリアが警察の制服を着ることになったのだが、衝立の奥に着替えようのブースを作ったという乾が……

 

「あ、神代先輩は後ろを向いていてくださいね。以前に女子の身体検査を覗いていたみたいですし」

 

とか言い出すので視察に来ていた婦警さん2人が揃って俺を汚物を見る目で見てくる。一瞬何のことか分からなかったけど、あれだろ?前に小夜鳴(ブラド)の採血を俺が邪魔にしに行ったやつのことだろ?

 

だいたい、あれはリサが変な目に遭わされるかもと潜っただけで他の女には欠片の興味も無かったのだから許してほしい。

 

というか、後でアリアに追い回された時にそれ言ったら「それはそれで余計にムカつく」とかで更にガバメントから飛んでくる銃弾増えたし。

 

で、そんな辛い思い出がフラッシュバックしている間にリサとルシフェリアが着替え終わったようで衝立の向こうから出てきた。しかし2人とも胸がギチギチで、今にも胸元のボタンがはち切れそう。これは子供の教育に悪いですよ……。そしてそれを見た───理子的に言えばステータスで希少価値を持っているお姉さんがイラッとしている。

 

「あの……ルシフェリアさん。おまわりさんには制帽が必要なんです。その角のような髪飾りは外して、帽子を被ってもらえますか?」

 

最初、ルシフェリアには偽名を与えようかと思ったのだけれど、どっちにしろ戸籍が無いルシフェリアには意味が無いし、どうせ名前なんて聞いてもそれが国際テロ組織の一員だと分かる奴もいないからな。そのまま貫くことにしたのだ。

 

それと、本当はルシフェリアの角はアーティファクトで隠したかったのだけれど、乾にはもう角ありのルシフェリアを認識されてしまったので今更隠した方が面倒だと思い、今日は認識阻害のアーティファクトは付けさせていない。

 

それに、例え周りから角を認識されていなくとも事実として角がそこにある以上はルシフェリアに普通の人間向けの帽子は被れない。なので───

 

「嫌じゃ。これは母の形見、外しとうない」

 

と、これまた事前に言い含めてあった言い訳で逃れる。婦警さん役は1人いれば大丈夫らしいのでこれでリサの役割は決まり。あとは……

 

「次は小学生役が2人要るのですが……」

 

「ネモとアリアだな」

 

ネモは、聞く限りでは普通に戸籍がありそうだった。だいたい、ネモ・リンカルンと聞いてそれが裏社会で暗躍する国際テロ組織の提督だと勘付ける奴はやっぱりいないということでネモも偽名無しの真っ向勝負だ。

 

「……しょうがないわね」

 

一応自分が小柄だということは分かっているアリアは渋々頷く。ネモも、まぁやってやるかって雰囲気で頷いた。

 

で、俺とルシフェリアは2人で動かす『くるまくん』なる白い軽自動車くらいの大きさのハリボテの車。しかし窓はマジックミラーで視界良好。

 

内側からライトの目とバンパーの口を動かして表情を作れるらしいそのポジションには俺が入り、後ろには気に入ったらしい婦警の制服を着たままのルシフェリアが入った。

 

あとこのくるまくん、中にカゴがあって、パトランプやら旭日章のエンブレムが仕舞われている。乾に聞けば、外に黒いプラ板を貼っ付けてパトカーにも変身出来るらしい。凄いね、最近のハリボテ。

 

で、ふと見ればネモとアリアも小学生の格好に着替え終わって、赤いランドセルを背負って出てきた。んー、悲しいくらいに小学生が似合うな。特にアリア。ネモはそのジト目が小学生らしからぬ感じを出しているのだが、普通に勝気なアリアはやたらと可愛いだけの小学生にしか見えない。

 

すると、それを見て2人を半分揶揄っていたルシフェリアが俺の後ろから

 

「のう主様、2人とも普段とは違う格好じゃが褒めないのか?」

 

とか言ってくる。この子、本当悪魔だよね。見てよ、今のルシフェリアの一言で捜査官のお姉さんがニコニコ警官スマイルで俺を容疑者を見る目で見てくるぜ。

 

「んー?……そうだな。アリア、赤いランドセルが良くお似合いだぜ。それとルシフェリア、高校生に小学生の格好が似合ってるとかそれほぼ馬鹿にしてんのと変わんねぇぞ?」

 

ルシフェリアのせいで俺は怪しい者じゃございませんよアピールをしなきゃいけなくなる。そして、このしなくても良かったはずのアピールのおかげで───

 

「───あんたやっぱり馬鹿にしてんじゃないのよ!!」

 

俺はくるまくんから引き摺り出されて、しかも何がとは言わないけど見えそうで見えないジャンピングハイキックでぶっ倒されてマウント取られた挙句、ボコボコに殴られるのであった。痛っ!痛いって!今お前が怪我しないように多重結界解いてるんだから!殴らないで止めて!!あと、せめてネモは黙って見てないで助けて!!

 

 

 

───────────────

 

 

 

「貴様はどうしてそんなに不器用なんだ」

 

「まったくじゃ、主様は女の扱いに慣れておるのか慣れておらんのか分からんのじゃ」

 

と、アリアにボコられ仰向けにころがったままの俺を見下ろしながらネモとルシフェリアがそう言ってきた。

 

「……んー?」

 

何のことなのかよく分からん俺は殴られた頬を擦りながら起き上がる。まったくアリアめ。多重結界を解いたって言っても俺の身体の頑丈さは人間なんてとっくに辞めてるってのに普通に痛いんだよな。アリアはアリアでパワーが人間辞めてる……いや、あの小さい手でガバメントぶっ放してる時点で今更か。

 

「それより、リハーサルをやるそうだぞ」

 

と、どうやら深く追求する気はないらしいネモの手を借りてリサの太ももの上から起き上がる。

 

「ありがと」

 

「そろそろリハーサル始めますよ」

 

すると、乾が早くしろと書いてある顔で俺達に催促。それにハイハイとだけ返して立ち上がった。さてさて、そろそろ真面目にお仕事の時間のようだ。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「───行くぞ、ルシフェリア」

 

リハーサルも終えてようやく本番。ピーポニャンに扮した乾と教育に悪いわがままボディのリサ婦警の合図に従って俺とルシフェリアの入ったくるまくんが発進。

 

そして、音響係をやっている婦警さんの鳴らすけたたましいブレーキ音に合わせて、道路に飛び出してきていたという設定のネモとアリア扮する小学生の直前で止まる───そういう打ち合わせだったはずなのだが

 

「……おい」

 

「キヒヒッ」

 

ルシフェリアに止まる気配が見られない。しかも支柱を持っているから俺も止まれない。無理に止まろうものならくるまくんが壊れそうだ。しかももうここまで来てしまったらぶつかるのは避けられない。仕方なしに俺は少しだけ方向転換。ネモは避けて頑丈なアリアにだけ車体がぶつかる角度にくるまくんを向けてやる。そして───

 

───ドーン!!

 

と、それはそれは見事なハンドル操作でくるまくんは神崎アリアちゃんだけを轢きましたとさ。めでたしめでたし。

 

……な訳あるかい。マジックミラー越しに見れば小学生は半泣きの子も出てきちゃってるし、リサや乾、ネモも尻餅ついて呆然としちゃってるよ。

 

「そ、そのまま撥ねられちゃいましたねー。……えぇと、これは……」

 

あぁ、リサですら随分と困っているご様子。あと乾、何が安全運転義務違反で違反点数2点だ、それでこの場の空気がどうにかなるわけねぇだろ!

 

と、任せとけとか言ってた割にはアドリブの下手くそな乾に内心キレつつくるまくんの顔をあくどそうな雰囲気の表情にしてやる。あぁもう、こうなったら限界まで悪いくるまくんをやってやるよ!

 

「グハハハ!そうさオイラぁ悪いくるまくん。交通ルールを守らない悪い子ん前に現れるのさ!!」

 

ゆさゆさと、車体を揺らしてさも悪い奴っぽい感じで喋るくるまくん。

 

「そ、そうだにゃ!コイツは最近巷で話題の悪いくるまくんだにゃ!交通ルールを守らない子の前には悪いくるまくんが現れるんだにゃ!」

 

それさっき俺が言ったことじゃん。とは思うけど、ピーポニャンが言うと俺が1人で言うよりは子供的には説得力が出るらしい。まぁ出たら出たでほぼナマハゲみたいな扱いなんですけどね、悪いくるまくん。あ、アリアが起き上がった。しかも相当に怒っている。何せ額にDの文字が見えているからな。これはこの場にとどまっているとくるまくんの皮が剥がされて俺がまたタコ殴りにされるやつだ。

 

「ルシフェリア、逃げるぞ」

 

で、アリアから逃げようと俺はそのまま真っ直ぐ……最悪アリアをもう一度轢くつもりで走り出す。そしてやはり悪いくるまくんの前に立ちはだかったアリアだったが、俺達が止まる気がないことを悟ったかそのまま前宙でくるまくんの突進を躱した。

 

けれど悪いくるまくん的にはそれはそれで好都合。そのまま舞台の上手(かみて)へと捌けることに成功。ま、もちろんそこで追いついたアリアにボッコボコにはされるんでしょうけど。

 

「───さっきからあんたは何なのよ!全然台本と違うじゃない!!」

 

と、舞台袖に消えられたと思ったらくるまくんから引き摺り出された俺はやはりまたアリアにボコられる。いくらルシフェリアの悪戯とは言え、俺がハンドルを握ってるくるまくんで轢いてしまったのは確かなので、俺も多重結界で防ぐのは忍びない。

 

「キャハハハハ!面白かったのう主様!子供達のあの盛り上がり様、絶景じゃ!」

 

あなた婦警さんの格好で腹抱えて笑ってますけどね、盛り上がりも何も子供達皆ビビってたじゃんね……。

 

「い、一体何がどうなっていたのだ……」

 

俺達から少し遅れて捌けてきたネモは女児座りでしゃがみながら俺とアリアを見下ろしている。あぁもう、しっちゃかめっちゃかだよこれ。舞台上ではやっぱり役に立たないピーポニャンは置いておいて、リサが無理矢理まとめに入ってピーポニャンの歌を皆で歌うことで御為倒しているし。

 

 

 

───────────────

 

 

 

第2部は何やら人気のゲームを模して動物の着ぐるみを着たリサ達が交通ルールを勉強する体で子供達にルールを教えるのだとか。んで、俺の役は退屈なお勉強の時間に一石を投じる不審者のトカゲ役。今度は不審者は俺1人だし、邪魔されて変な流れになることはないだろうと、そう思っていたのだが───

 

「逮捕よ!あの不審者を逮捕するわ!!」

 

アリアが俺を逮捕しようとキレ散らかしている。逮捕は乾の役目の筈だろうが!

 

ていうか、犬の着ぐるみを着たリサが可愛かったからちょっと台本とは外れたナンパしただけでしょうが。どうせ君達1回全員俺に拉致られかける役なんだから別にいいでしょ!

 

とは思ったけどアリアが飛び掛ってきたので俺は咄嗟に巴投げを放つ。着ぐるみの反発力とアリアの体重の軽さが相まってこれがまたよく飛ぶ。アリアはペンギンの役だったのだが、飛べない鳥ことペンギンさんは空高く舞っていきました。

 

で、これがまた不味かったのか良かったのか……。俺はまだ特に手を出してはいなかったのにアリアがいきなり飛び掛ってきたせいで、子供達の中ではペンギンが悪い奴なのでは?という疑問が膨らんでしまったのだ。どうやらまたアドリブが必要になった俺は───

 

「そうなのだ!この村は違法薬物の元となる植物を栽培している。俺は村の女の子から情報を集め、悪の組織を一網打尽にするためにやってきた仮面トカゲなのだ!」

 

と言い張るしかない。で、そのまま「変身!!」とか適当に掛け声を掛けて一瞬後ろを向き、まるで元々用意したあったかのようにバスタオルを宝物庫からこっそり取り出した俺はそれを広げて上へ投げる。ついでにタオルの端に元素魔法の氷を引っ掛けて落ちてくる時間稼ぎ。その隙に宝物庫から更にヘルメットを取り出した俺はそれを被り元素魔法を解く。そしてバスタオルを手で巻き取り後ろ手に投げた。

 

「覆面ヒーローだー!!」

 

と、それを見た子供達───特に男の子には大ウケ。ぶっちゃけ宝物庫とか婦警さんに見せるにはかなりギリギリの魔法(トリック)を使ったけど、ここはもうやるしかない。

 

しかもルシフェリアはこの言い訳が気に入ったようで

 

「ならば我がそちを食ってやるにゃー!!」

 

と、一応猫には扮したルシフェリアが俺に襲い掛ってくるのでそれは背負い投げで舞台袖へとぶん投げる。

 

で、これがまた子供達にはウケたようで、さっきまで交通ルールを聞き流していた子供達が「やれー!」だの「ぶっ殺せー!」だのと随分と荒っぽく応援してくれる。

 

ネモもこうなったら乗るしかないと思ったのか「クィィ!!」と、何故かフランス語流のネズミの鳴き声で俺にハイタッチパンチを食らわせようとしてくるので、それはお姫様抱っこで抱えて舞台袖へと放ってやる。

 

んで、アドリブ下手な乾は「た、大麻草の密造がバレてしまったのなら仕方ありません!戦いますよ、イヌも戦いますよ!!」と、リサまで巻き込んで俺に挑みかかってくる。リサも「え、えぇー」と困り顔で俺に向かってきた。

 

俺は乾を放り投げると、覆面ヒーローらしく空中で飛び蹴りを食らわせて舞台袖へと蹴り飛ばし、リサはネモと同じくお姫様抱っこで運んで退場させてやる。そして

 

「討ち取ったぜ!!」

 

シャキン!と、右手を真っ直ぐ斜め上へ、左手も同じ方向へ伸ばして決めポーズ。

 

「でも子供達、暴力は最後の手段なんだ。こんな争いは無益で何も生み出さない。君達は周りの子と仲良くするんだぞ」

 

と、一応そんな御為倒しで纏めて、武偵高附属小の生徒達から拍手喝采を浴びつつ俺は舞台から去った。いやホント、これからどうしよう。1日3度もアリアにボコられるのは嫌だぞ……?

 

 

 

───────────────

 

 

 

結局のところ、ネモとルシフェリアの疑いは晴れた。いやまぁ2人ともテロ組織の一員ではあるので疑いが晴れたというのは少し違う気もするのだが、ともかくあの2人が警察から何か詰問されるようなことはなくなったみたいだ。

 

そして、俺とルシフェリアはとある人物と待ち合わせをしていた。体育館の屋上、屋根の点検の為のアルミ梯子で登ったそこはそよ風が心地良い。

 

「……ん、来たな」

 

「初めまして」

 

「……おす」

 

昨日の今日で俺に会うのは気不味いらしいキンジと、先に登ってきたもう1人。顔は初めて見るがコイツが遠山かなで───遠山家の末っ子のようだ。

 

キンジは、HSSの視力でルシフェリアを見た時から気になっていたらしい。俺の横で、俺の肩に頭を置いて甘えようとしてくるルシフェリアと今俺達の前に現れたタレ耳ウサギみたいな髪型の女の子───遠山かなで。この2人に何やら()()ものを感じたのだとか。

 

そして、ルシフェリアに危険がないのであれば2人を会わせてみたいと思ったらしい。

 

そんな連絡があったのが何日か前。この遠山かなでもキンジから話を聞いて、自分もルシフェリアに会ってみたいと思ったようだ。

 

「ルシフェリアさん」

 

「お主が、遠山かなで……」

 

見つめ合う2人から俺は少し距離を置く。すると、キンジも俺の方へ寄って来て隣に腰を下ろした。

 

そして、ルシフェリアとかなでのお喋りはしばらく続いた。最初はお互いに探り探りでぎこちなかった会話も、段々と弾むようになっていった。キンジの言っていた、この2人が親族かもしれないという予想はどうやら当たっていたみたいだな。

 

そうしてしばらくすると───

 

「主様、ありがとう。主様にはまた大切なことを教えてもらったのう」

 

と、かなでを肩に抱き、頬擦りをしながらそんなことを言っている。その顔は、これまで見たことがないくらいに明るい笑顔で、本当にルシフェリアにとってかなでは大切な子なのだと感じられた。

 

「我は前に"ルシフェリアに家族は不要"と言っていたが、こんなにも愛らしい親族に会わせてもらって───我はかなで(家族)が誇りなのだと学んだよ」

 

そう話すルシフェリアに、俺は掛ける言葉が無い。それは別に悪い意味ではない。ただ、それを知ったルシフェリアには俺から何か言ってやる必要性が無かったってだけなのだから。

 

それともう1つ、言葉が無かったことの他にも理由はある。それは───

 

「……誰だ」

 

俺の声にルシフェリアとかなでが後ろを振り返り、キンジが眉根を寄せた。すると、コツコツとアルミ梯子を登る音が聞こえ、1人の女の子───見た目はかなでと同い歳くらいだけど俺の右目に付与された魂魄魔法が告げている。その魂は、人間のそれではないと。

 

「ヒノトさん……?」

 

かなでが彼女の名前を呟く。夏休みが終わった後にかなでのクラス──5年A組──に転校してきたらしい、フルネームで南ヒノトというかなでの同級生。

 

「それは私の名前の一部……この国での通名に過ぎません」

 

まだ俺達とは距離があるが、よく通る声が返ってきた。それもただの大声じゃない。風の向きを察して発せられた声で、それはつまりコイツが只者ではないことを示していた。

 

そして、ヒノトは俺やキンジでもクラスメイトのかなででもなく、ただひたすらにルシフェリアを見ている。ジッと、それ以外の何ものもアイツの視界には映っていないかのように。

 

それを見て俺とキンジは立ち上がる。それと同時にルシフェリアも立ち上がり、その大きな瞳をさらに大きく見開いてヒノトを見た。

 

「そちは……」

 

今のところヒノトに敵意は感じられない。それは俺達に対して敵対する意思が無いのか、それとも俺達の存在が勘定に入っていないのか。

 

だからか、俺はヒノトがトコトコと目の前まで歩いて来るのを止めなかった。そして、ヒノトが呼ぶ。ルシフェリアの名前を。あの交通安全教室では呼ばれなかった名前を。

 

「───ルシフェリア様」

 

それも様付け。つまりコイツはやっぱりレクテイアかNの関係者ってわけだ。そして、ヒノトの黒い髪の下───耳の辺りからさわさわと白い……翼のような物が生えてきた。それを見てキンジが息を飲む。

 

「嗚呼……お懐かしい。こちらの世界でルシフェリア様への謁見がかなうとは。けれどいけません、北の皇女様が何故斯様なお所に……。あなた様の残り少ないお命の時間を、このような遊興に費やすなど……」

 

なるほど、コイツはNの人間じゃあないな。てことはそれとは別でレクテイアから来た奴ってことか。北の皇女……ルシフェリアの出身地はレクテイアの北ってことかな。そして、聞き捨てならない言葉が1つ。

 

コイツがルシフェリアと出逢えたことに感動してかなでのいるこの附属小に来た理由も全部ベラベラ喋ってくれているが、そんなことはどうだっていい。コイツがレクテイアの出身であることも、人間とは別の生き物であることも、俺には関係の無いことだ。

 

「……シエラノシアか」

 

ルシフェリアが、ヒノトの本名と思われる名前を呟いた。これも、俺にとっては何だっていい問題だ。ルシフェリアに名前を覚えてもらっていて嬉し涙を流しているのもどうだっていい。

 

「嗚呼……この世、この国に渡り幾星霜。その旧き名を呼んでいただけるのを夢にまで見ておりました。私めは南・ヒノト・鸖・シエラノシア。南の皇女の末裔にございます」

 

そうやって名乗るとヒノト───シエラノシアはルシフェリアの前で正座し、三つ指をついて頭を下げ、改めてルシフェリアを見上げた。そして、その顔にゾッとするほどに凶悪な笑みを浮かべながら───

 

「古の婚約に従い、本日只今より私はルシフェリア様の花嫁。ルシフェリア様は私の花嫁。さぁ!この奸悪を窮めし世界に!共に、速やかに行いましょう。一欠片の慈悲も無き───侵掠を!!」

 

そう、この世界全てに向けて宣言するように高らかに叫ぶのであった。

 

 

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