セカイの扉を開く者   作:愛宕夏音

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これにて最終話です。途中書き溜め期間を挟んで3年間、この作品を読んでくださった皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。




 

 

モリアーティの身柄引渡しを終えた俺はしばらく家でぶっ倒れていた。そりゃあ数え切れないくらいに死んでは蘇生してを繰り返したのだ。その上白焔の聖痕も随分と久しぶりに振り回した。身体にガタの1つや2つきて当然だろう。

 

同じように透華達3人もあの戦いの後すぐに倒れてしまった。その間はリサとジャンヌ、シアが順繰りに彼女達の介抱と世話を焼いていたようだ。

 

「分かってるとは思うけど……」

 

「あぁ。これで何かが終わったわけではない。むしろ始まるのだ。私達の戦いが、これから───」

 

太平洋上のとある公海にて、一時浮上しているノーチラスの甲板の上で俺とネモは横に並んで座っていた。満点の星空を見上げながら、ネモは白いケープを古めかしいフランス海軍の軍服の上から羽織っていた。

 

「モリアーティの撒いた火種は世界中で燻っている。そしてそれがいつどんな形で燃え上がるのかは私にも分からない。だけど───」

 

「あぁ。俺ぁそんなのには負けないよ。勝つさ、そして、この世界に俺みたいな奴がいなくても良いように……」

 

戦争なんて無い世界。それが俺の理想。戦って、血を流して、人が死んで、子供が泣いて───そんな世界に終止符を。きっとどこまで言っても人間はどこかに争いの火種を抱えるのだろう。けれど、それをできる限り小さく少なく、そうなるように努力することは間違っていないはずだ。その果てには俺のように戦うことしか出来ないような奴の居場所なんて無くなる世界があるかもしれないし、きっとそれでいいんだと思う。

 

「その後は、どうするつもりなのですか?」

 

すると、ふと後ろから声が掛かる。後ろを振り返って見れば、いつの間にやらやって来ていたメヌがコツコツとこちらに歩いて来ていて、その後ろにはアガレスが控えていた。

 

「んー?」

 

何やら視線を感じれば、ネモも俺を見ていた。

 

「そうだな……。旅がしたいかな」

 

と、俺はふとその言葉を零した。口から出た言葉は、実はまだ他の誰にも言っていなくて、メヌとネモが初めて聞いたことだ。

 

「旅、ですか」

 

メヌが俺の右隣、ネモを俺と挟むようにして腰を下ろした。

 

「あぁ。それも、この世界を、じゃなくて。色んな世界を旅してみたいな。行ったことのある世界をもっと巡るのも良いし、まだ行ったことのない世界を見るのも良い」

 

鍵はある。俺は世界の扉を開くことが出来る。トータスから帰ってきても俺は何度も異世界に行き、戦った。だけどそれらは殆どがその世界の危機に対して俺を呼び出したもの。だから次は、戦いにではなくただ巡るために世界の扉を開きたいのだった。

 

「しかし大所帯の旅行だな」

 

ネモはちょっと呆れたようにそんなことを言った。

 

「あぁ。ま、考えが無いわけじゃないよ。……船を作ろうと思うんだ」

 

「船?」

 

と、ネモがノーチラスの甲板を指差しながら首を傾げた。そう、ネモの言う通りの船だ。ノーチラスのように深海を潜る船。けれどそれだけではない。

 

「うん。船。世界の扉を開きあらゆる世界の空を飛び、海を潜る、そんな船」

 

「そんなもの、作れる……いえ、天人であれば可能でしょうね」

 

ハァと1つ、メヌは溜息をついた。まぁ、俺も作るけど、どうせなら頼みたい奴がいるのだ。俺達が世界を巡るための船を作るのにアイツ以上の適任はいないだろうから。

 

「その辺はお楽しみに」

 

ふと、俺はまだリサ達にも秘密の計画に笑みが溢れた。すると、何故だか俺はメヌとネモに頭を撫でられる。

 

「……なんだよ」

 

「いえ」

 

「ただ何となく、だ」

 

「あっそ……」

 

訳も分からないがまぁいいかと俺はただその小さく柔らかな2つの手を受け入れていた。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「それじゃあ、行くかぁ」

 

「おー!なの」

 

とある日、俺達は皆集まってとある世界に向かうことになっていた。俺はミュウを肩車しながら羅針盤で座標を指定、そこに越境鍵を突き刺して魔力を注ぐ。体内の星が廻り、溢れ出した莫大な魔力が鍵を回す。リビングに現れた扉は輝き開いていく。そして俺がそれを潜ると───

 

「おす」

 

「───神代様!?」

 

目の前にいたのはバスケットボール大の大きさをした浮かぶ機械の球体───G10だ。

 

「久し振り」

 

「あ、はい。ユエ様達も、お久しぶりです」

 

G10と面識のあるユエ達は懐かしげにG10にそれぞれご挨拶。

 

「さて、コイツとは初対面の奴らも多いな。……コイツはG10。見ての通り機械で、思考はAIだ。もっとも、情緒もほとんど人間と変わらん。ま、風体の珍しい奴だと思ってくれればいいよ」

 

と言う俺の雑な説明に対してG10は「宜しくお願い致します」と言う風にピカピカと光って見せる。

 

「よろしくおねがいします、なの!」

 

と言うミュウの返事で1つ区切りが付いたか、メヌ達が俺に説明を求めるような目線を寄越してきた。そうだな、まだG10にも何も言っていないからな。

 

「えーあい……?……それで?主様よ、ここは一体どこなのじゃ?」

 

早々に理解を放棄したルシフェリアが先を急かす。まったく、もうちょっと落ち着けってば。

 

「んー?……ここはほら、前に砂漠の世界に行って変な黒いのと戦った後に俺と天之河だけどっか飛ばされただろ?」

 

「あぁ。あったの。しかも主様はあの後ユエ達だけ呼んで我のことは置いていったな」

 

どうやらあの時ユエとシアとティオとアガレスだけ連れて行ったことはちょっと根に持っているらしいルシフェリアが拗ねる様な素振りを見せる。ツンとそっぽを向くが、ハーフバックから見える尻尾がピクピクと揺れているから、こっちの反応待ちってのが分かりやすい。

 

ツンデレ()なルシフェリアに思わず苦笑いしながら俺は「悪かったよ」なんて言っておく。

 

「んで、あん時飛ばされた世界がここで、何やかんやあって今は落ち着いた世界になった───よね?」

 

「はい。今、下ではジャスパー達が人々を纏めています。マザーによる寿命処理こそ無くなったものの、ほぼ完璧に管理されていた世界でしたから。公衆衛生と食糧生産の基盤を整えるところから始まりました」

 

と、どうやら一安心の情勢であるとG10が伝えてくれた。すると、俺の宝物庫から何やらピカピカと煩い瞬きが。どうやら黄金の聖剣が言いたいことがあるらしい。

 

俺は仕方なしに宝物庫から聖剣を取り出してやる。すると聖剣が待ってましたとばかりに光り瞬き、何やらG10と会話し始めた。

 

「えぇ、えぇ。聖樹も元気に茂っていますよ」

 

と、どうやら聖剣さんは自分の産まれた大樹のことが気になっていた様子。まぁ、氷焔之皇で大気を探れば星精力は満ち満ちていて、あのデカい聖樹の様子もこれだけで伺い知れようものだ。

 

「───それで、神代様達は一体どうしたのでしょう?」

 

少しの間何やら聖剣と話していたG10だったが、ふと俺達に水を向けてきた。

 

「んー?……あぁそうそう。ちょっとG10に頼みがあってな」

 

「頼みですか?神代様の頼みであれば勿論全力を尽くします」

 

「そりゃ有り難い。……G10、俺ぁお前に船を作ってほしいんだ。世界を渡る船。空も海も、出来れば宇宙も飛べるような、そんな船をさ」

 

「船……」

 

「……んっ、これが仕様書」

 

と、ユエがアナログに出力された紙束をG10の目の前に差し出した。すると、どうやら自分で改造して取り付けたらしいアームがみょーんとボディから伸びてきて、ユエから仕様書を受け取っている。そしてそれをカメラでスキャンし───

 

「は、ははっ……」

 

AIのクセにやたらと人間臭い苦笑いを発するのだった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「勿論、神代様達の願いとあらば直ぐ様取り掛かります」

 

俺はあんまり細かく見てないけど、ユエ達のご要望を載せた仕様書はきっと、それはそれは無理難題が記されているのだろう。何せこの話を皆にしたら連日連夜喧々諤々の論争が繰り広げられていたからな。

 

俺は強度と巡航速度だけあれば充分なのだが、まぁどうせ長いこと生活する拠点にもなるのだし、デザインはもちろんのこと、中のことは女の子達にお任せしていたのだった。

 

「なるほど、ビーム兵器に自動操縦の戦闘機や火力支援機動兵器ですか……」

 

……どうやらユエ達からのご要望は俺の想像とは違った方向に過激だったらしい。いや、そんなアホみたいな火力要らねぇよ!?なんで今更戦争でもしに行くかのような火力を搭載してんのさ!?目的は説明したよね!?

 

「───リサさん!?」

 

こういう案は絶対にリサからは出てこない。出すとしたらユエとシアとティオ、後は悲しいかな、多分ミュウ。ルシフェリアは何か適当に砲塔一杯付けとけとかくらいだろうな。なので俺は「どうして止めてくれなかったの?」の視線をリサに送るのだが……

 

「も、申し訳ごさいません、ご主人様……」

 

と、ただただ謝られてしまうのだった。

 

「ユエさん?シアさん?ティオさん?」

 

「……なぜ私達」

 

「心外ですぅ」

 

「そうじゃそうじゃ」

 

と、俺は先ず真っ先に疑わしい3人に視線を向けてやるのだが、どうにも誤魔化す気配の3人。とは言え誰も目線を合わせないのでほぼ自白と同じ。

 

「はぁ……まぁいいや。任せたの俺だし、どうせ使わないし」

 

「使わないのですか?」

 

「別に、戦争しに行くわけじゃあない。俺達はただ旅がしたいんだ。色んな異世界を見て巡る旅。そのための船が欲しいだけだ」

 

だよ?と、俺はユエ達を睨む。しかしその程度でこの3人が堪えるはずもなく

 

「でもでも、やっぱりあのモリアーティみたいなのを相手にすることも想定した方が良いですぅ」

 

「……んっ、シアの言う通り。アイツが来ても全方位ビーム斉射で撃ち落とす」

 

「勿論守りは鉄壁にして、彼奴のレーザー攻撃なんて余裕で弾いてやるのじゃ」

 

と、世界を巡る船にあるまじき攻撃的思想のまさかの発想の原点に俺は頭を抱えて───

 

「───あんのクソテロリストがよぉぉぉぉ!!!」

 

そう、思わず叫んでしまった。まさか戦争への腰の軽さが地球人類ではなくユエ達にまで及んでいるとはな。恐るべしモリアーティ。逮捕された後こんな直ぐにアイツの影響を感じるなんて思わなんだ。

 

「大丈夫ですよ神代様。私達は既に小型のレーザー核融合炉の開発に成功しています。電力に関してはほぼ問題無いでしょう」

 

この世界の科学技術の発展ぶりはやはりどこかおかしい。いやまぁ異世界なのだし、そういう世界だと納得する他ないのだが、それにしても凄まじいな。あとG10よ、俺が心配しているのはユエ達ご希望のバ火力戦艦の消費電力ではなく、そもそもそんな火器を積んでいることなんだがな。

 

「あぁ……まぁ細かいことは任せるよ。星精力が必要ならそれも問題無い。星精力を無限に生み出せるアーティファクトなら持ってるから」

 

守護天星(システム・ソレール)はまだ3つしかまともに稼働していない。あと4つ、まだ使用者の確定していない小型の星があるのだ。どうせならこれを1つくらいこの船に搭載してやろうか。

 

「まさかそんなものを……。いえ、神代様ですからね」

 

G10のその声には少しばかり呆れが混ざっているように感じるが、まぁここは置いておこう。これ以上話が逸れても敵わない。

 

「天人」

 

すると、カーバンクルが何やらもの悲しげな顔をしながら俺の肩を叩いた。

 

「んー?」

 

「いつかは私もその旅に混ざりたい。だけど、今はまず、私は天人の世界を巡りたい。……良いだろうか?」

 

「あぁ。ま、どっちにしたって船旅の方は先の話だよ。船も、変な要望が多くて作るだけでも時間がかかりそうだし、そもそも俺達の世界の問題が片付いていない」

 

だからきっと、この旅が始まるのは何年も、もしかしたら何十年も先の話かもしれない。

 

「そうか。……その、天人の世界を巡る時、時々天人に話を聞いてもらってもいいだろうか?」

 

誇り高いレクテイアの神々にしては珍しく縋るような目でカーバンクルが俺を見つめる。そんな視線を貰った俺は「んっ」と1つ頷く。

 

「当たり前だろ。たまには顔見せに戻って来い。話だって聞いてやるよ」

 

と、俺は当たり前の言葉を返す。どうせなら皆でカーバンクルの話を聞きたいな。彼女が地球の色んな箇所を巡って、何を見て、何を感じるのか、それは俺だけじゃなくてリサやユエ達、それに同じくレクテイアの神であるルシフェリアだって気になるところだろう。

 

「ありがとう!」

 

と、比較的平坦な喋り方をするカーバンクルにしては珍しく大きな声の出た彼女はそのまま勢い良く俺に飛び込んできた。それを無碍に放り出す訳にもいかず、俺は思わず抱き留めてしまった。

 

「おっ……と。……大丈夫だよ、皆カーバンクルの話なら聞きたいだろうからな」

 

「……皆、か?」

 

「おう」

 

皆、の部分に何やら引っ掛かりを覚えたらしいカーバンクルだったが、俺が後ろを振り返って見やれば、その皆は「やれやれ」って顔で俺達を見ている。

 

「……んっ、仕方ない。聞いてあげる」

 

「カーバンクルさんの旅の話ですか……。確かに別の異世界から来た人がこの世界をどんな風に感じるのかはちょっと気になるですぅ」

 

と、ユエとシアはそんな感じ。他の子達もそれに同意するように頷いている。モリアーティとの戦いを前にして急遽合流した彼女だが、準備の間に少しは打ち解けていたからな。

 

俺が随分と密着していたカーバンクルの肩をちょいと押して離すと、カーバンクルは分かりやすく拗ねた顔をした。

 

「そういう訳だ、G10。ゆっくりやってくれれば助かる。俺も、時々来て手伝うからさ」

 

錬成や生成魔法があれば強度的にもユエ達ご所望の超火力もそれぞれ手に入るだろう。こっちの世界にはなんだか凄い発電装置もあるみたいだし。

 

「それともう1つ。……G10、その船が完成したらさ、G10にはその船の管制と操縦をやってもらいたいんだ」

 

きっとこの船は俺達の地球でも見たことないくらいに複雑で、様々な機能を搭載した船になるだろう。何せ空と海と宇宙を翔け、世界をすら越える船なのだから。そんな船を動かすに足る操縦者はきっと、このG10を置いて他にはいないだろう。

 

高性能人工知能にして人の心を持つコイツは、一緒に過ごした時間は短いけれど、俺の中の数少ない友人でもある、と俺は思っている。それに、コイツは俺達に自分の自爆装置すら渡してきた。俺はそれを結局棄てたとは言え、そこまでの覚悟があるのなら、俺はコイツを信用する。

 

「───宜しいのですか?」

 

すると、G10は機械が喋っているとは思えないくらいか細い、人間なら目元に涙でも浮かんでいそうな声色でそう言葉を零した。

 

「あぁ。俺ぁG10、お前が良い。お前に任せたい」

 

「ありがとう……ございます。不詳G10、是非ともその任、務めさせて頂きます」

 

「ま、当分はこっちの世界の安定と、船作るのと、後は俺達も、だな」

 

俺達も自分の世界のことをしなければならない。まだ戦いは終わっていないのだから。

 

そう言って俺が後ろを振り向けば、皆こくりと頷いた。それを見て俺は再びG10に向き直し

 

「宜しくな、G10」

 

「はい」

 

と、俺が差し出した右手に、G10もマニピュレーターを出してお互いに手を握り会うのだった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「ご主人様、朝ですよ」

 

鈴を転がしたような声、甘い、優しい声。それが俺の耳を打ち、肩を揺さぶるその振動は強くはない。けれども、それらはどんなにけたたましい目覚まし時計よりも手早く確実に俺の意識を眠りの沼から引き上げるのだ。

 

「あぁ、おはよ、リサ」

 

瞼を開ければ、そこにいたのは透き通るような金髪をした美しい少女。リサ・アヴェ・デュ・アンク、俺──神代天人──をご主人様と呼ぶことを許した奴はこの世でただ1人、彼女だけだ。俺の身の回りの世話を焼いてくれるメイドであり愛おしい妻に起こされることは俺の毎朝の日課だった。

 

「……んんっ」

 

すると、俺が起きたことに触発されたのかリサの声で目が覚めたのか、俺と同じ布団で寝ていたユエもその綺麗な紅色の瞳を塞ぐ瞼を擦りながら身体を起き上がらせた。

 

ハラリと落ちた毛布から覗くのはユエの陶磁器のように真っ白な素肌。そこに刻まれる桜色の花弁は、昨夜の熱を思い起こさせる。

 

「……んっ、おはよう、天人、リサ」

 

「はい、おはようございます。ユエ様」

 

「ん、おはよ。ユエ」

 

俺はユエの輝くような金色の髪の毛を一掬いして解くように指を透す。寝起きでもユエの髪は指通り滑らかだ。俺はその髪に1つキスを落とせばそのまま今度はリサの唇と触れ合う。

 

そうしてベッドからモゾモゾと這い出た俺とユエは2人して両腕を真上に伸ばしながらクワッと大きな欠伸をしてから眠気眼を擦り洗面所へと向かう。途中、リビングの脇を通った時には配膳をしていたシアとコーヒーを啜りつつ新聞を読んでいたティオ、同じくコーヒーを啜っているジャンヌにも「はよ……」と声だけ掛ける。シアのウサミミが揺れるくらいに元気良く「おはようですぅ!」と返してくれば、ジャンヌは「あぁ、おはよう」と、ティオも落ち着いた笑みで「おはようなのじゃ」と返してくれる。いつも通りの光景、いつも通りの朝。洗面所への扉を開ければちょうど今しがた顔を洗い終えたテテティとレテティが「おはよっ」と駆け寄ってきた。

 

それを抱き留めてやりつつ顔を上げれば、朝からしっかりと身だしなみを整えたエンディミラが「おはようございます、天人」とテテティとレテティの頭を撫でる。あれからこの2人もだいぶ喋れるようになった。おかげで今は皆から勉強を教わりながら、少しずつ将来についても考えられるようになってきた。とは言っても、やっぱりエンディミラから離れるのは難しそうだけれど。

 

「おう、おはよ」

 

と、俺も返して軽くハグしながら頬に触れるだけのキス。エンディミラからも同じものを受け取れば今度はレミアがミュウと一緒に「おはようございます」とご挨拶。

 

ミュウは小学校に上がったくらいから語尾の「なの」が取れていた。ようやく最近はその物足りなさにも慣れてきたところ。

 

俺はユエと一緒に洗面所に行き、顔を洗い、寝癖を潰す。ユエが寝起きの髪をリサに梳いてもらっている間に俺はリビングに戻る。するとテレビで流れている代わり映えのないニュースに対してメヌとネモが何やら文句を言いつつ解説をしていた。

 

それを真面目に聞いているのはティオとジャンヌ、レミアとミュウにエンディミラだ。ルシフェリアはまだ起きていない。アイツはご主人様(ユエ)に似て朝に弱い……と言うか、弱くなった、気がする。

 

俺は空いている席に着くと、テーブルに並べられてた朝食を前に「頂きます」と挨拶。まずはスクランブルエッグに箸をつけた。

 

 

 

───────────────

 

 

 

朝食を採り終えた俺は歯を磨くと、着ていたパジャマを洗濯カゴに放り込んでから自室へと向かう。整然と片付けられたここは夜寝る時以外はあまり使われていない。

 

埃の残らぬように掃除された木製の机の上にはノートパソコンが画面を伏せられて置かれていた。その右手側には何の柄もない黒いマウスパッドと、コードレスのマウスが置かれている。

 

それを横目で見ながら俺はクローゼットを開き、その中でハンガーに掛けられていた黒い防弾スーツを引っ張り出した。それらを椅子の背もたれに引っ掛けると俺はタンスからタンクトップと靴下を取り出してもそもそと身に着ける。

 

その後はパリッと糊の効いた防弾スーツのズボンを履き、防弾ワイシャツを羽織ってボタンを閉めている頃にリサが部屋に入ってきた。そしてネクタイ掛けからワインレッドの防刃ネクタイを出して俺の首に掛けた。慣れた手つきでそれを締めてくれると今度は革の腋下ホルスターを俺の肩から掛けて、ジャケットを羽織らせてくれる。最後にジャケットのボタンを1つ閉め、ハンカチを1枚手渡してきた。

 

それを尻のポケットに仕舞い、机の引き出しに入っている拳銃(P250)をホルスターに納める。

 

「モーイ!今日もお似合いです、ご主人様」

 

「んっ」

 

いつものリサの全肯定ベタ褒めに俺はリサの透けるような金髪を梳いて応える。

 

着替えと用意を終えた俺はリビングに戻る。するとミュウが朝ご飯を食べていてた。俺は適当な席に腰掛けるとテレビから流れるニュースとメヌとネモの解説をBGMにミュウの食事姿を眺める。

 

とは言っても何か特別なことがあるわけでもなく、淡々といつも通り美味しそうに(今朝はシアが作った)朝食をミュウは食べ終えた。

 

最近はもう自分で自分の用意もできるようになったミュウ。我が子の成長に嬉しくなるやら寂しさを覚えるやら。どんな感情が正解なのかは分からない。ただ抱いた気持ちをそのままに、俺はミュウとレミア、それから会社に出るティオを見送った。

 

「───では、天人。今日のことは分かっていますね?」

 

と、子供がいなくなったことでメヌが1つ仕事の話を切り出した。

 

「うん」

 

「ユエも大丈夫ですか?」

 

「……んっ、問題無い」

 

「それならよろしい」

 

と、事も無げに頷く俺達を見てメヌも1つ頷いた。今日の仕事は武偵としての仕事だ。宝石加工の仕事の方は今は一段落ついていて、急ぎのものはない。

 

「ではブリーフィングはジャンヌと。もっとも、貴方達がやることは武力制圧ですけど」

 

つい、とメヌがジャンヌの方を顎で指せば、ジャンヌも「あぁ」と頷いて資料を取りに部屋に戻った。

 

「今日は私もノーチラスに用がある。もうすぐ出るからそちらは任せた」

 

「あいよ」

 

ネモはこの前ノーチラスの艦長をエリーザに譲った。艦長がエリーザじゃ、もうNじゃないじゃんと思ったが、どうやらネモは名誉艦長とかそんな扱いらしい。何それ?

 

ともかく、今日はノーチラスに用事があるらしいネモも一旦部屋に戻った。多分そこから鍵を使ってノーチラスに置いてあるゲートのアーティファクトに繋げるのだろう。

 

「では、最後にもう1度確認だ」

 

と、ノートPCを持ってきたジャンヌがテーブルに着く。俺とユエはこちら側に開かれた液晶画面を覗き込む。今日の仕事場はとある埠頭の空き倉庫だった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「ハヤクシロ!」

 

カタコトの日本語が夜の東京湾に面したとある埠頭の空き倉庫の中に響く。向こうも帽子を被っちゃいるが、おそらくアイツらが俺の目標の一部だろう。

 

「分かってる」

 

そしてもう1つ、今度は明らかにネイティブと分かる日本語が聞こえてくる。暗がりの奥から現れたのは暗い色のワイシャツのボタンの上を2つ開けた体格の良い男だ。彼の後ろにはもう1人アタッシュケースを抱えた男がいる。さて、これで必要な奴らは揃ったかな?

 

「カクニンシロ!」

 

2トントラックから降りてきた2人の男がバサりとカタコトの日本語混じりで払ったカバーの下から出てきたのは沢山の木箱。その中の1つを降ろして開けると、そこには袋で個包装された白い粉が敷き詰められていた。まったく、最近はどこでもこれだ。

 

「あぁ。確認した。ありがとう。そして───さよならだ」

 

すると、リーダー格と思われる暗い色のワイシャツの男とその後ろに控えていたアタッシュケースを抱えた男がそれぞれジャケットの脇下からお揃いの黒い拳銃(トカレフ)を取り出し、その銃口を運び屋の男共に向けた。

 

「ゲゲッ!?」

 

なんて、そんなとっさのリアクションまでカタコトの日本語で発した奴らだが、まぁもう良いだろう。充分に証拠は揃っている。

 

「───はい、そこまで。お前ら動くなよ?銃を置いてそっちに固まれ」

 

俺は気配遮断のアーティファクトを宝物庫に仕舞いつつP250を抜銃してスーツの男とアタッシュケースを左手に持った男に向ける。

 

「なっ……誰だっ!?いつの間に!」

 

いつの間にって言うか割とずっと居ましたけどね。何せ俺はここに来る時にはアンタらを尾けて来たわけですし。まぁ、そんなこと教えてやらないけど。

 

だから俺は代わりに武偵手帳(チョウメン)を翳して俺の存在理由を知らしめす。

 

「武偵……貴様ら……っ!」

 

それを見たスーツの男が今度は運び屋達を睨みつける。どうやらあちらさんの尻尾を掴まれたと思っているらしい。本当は違うのだけれど、まぁいい。そんなこと、俺には関係無いからな。

 

「───ふん。まぁいい。どちらにせよ、銃の数じゃこちらが上だ。おい、お前らも手伝え。逃げても良いことがないってのは、分かるだろう?」

 

すると切り替えは早い方なのか、スーツの男が運び屋達にそう伝える。ま、確かに運び屋からしてもここで逃げてもし俺がコイツらを捕まえたら国外脱出が面倒になるし、次からの仕事もやり辛くなるだろう。ここで4人かかりで俺を始末するのが1番理に叶っている。

 

───それが可能であれば、の話だけどな。

 

俺は昇華魔法で干渉し、強度を落とした魔王覇気を4人にぶつける。それは本来であれば精神の狂乱を、その気になれば強制の自死を選ばせる制圧における俺の十八番である。

 

ただ今回の相手は人間であるし、武偵の仕事である以上は殺しは御法度。気を狂わせても意味が無いから魔王覇気も失神で留めてある。

 

カクンッと魔王覇気による精神干渉と齎される恐怖により自ら自身の意識を閉ざして崩れ落ちる4人。彼ら4人に手錠を嵌め、予め呼んでおいた車輌科の奴らに携帯から連絡を入れる。

 

「───もしもし?───うん、終わったよ。回収宜しく」

 

東京湾の夜は静かに更けていく。……なんてことはないか。何せ少し離れた別の倉庫から響いているらしい()()がこちらまで届いているのだから。

 

まったく、あちらさんは何をしているのだろうか。まぁ、きっと大したことはない。だってあそこにいるのは最強なのだから。だから俺は安心して次の電話を掛ける。

 

「───うん、終わったよ。これから合流して帰る。……んー?……うん、俺もリサのご飯が食べたいな。うん、じゃあまた。うん、俺も愛してる」

 

 

 

───────────────

 

 

 

「……全員、逮捕する」

 

それほど大きくはない声だった。抑揚もどちらかと言えば無機質だ。ただその声は愛らしい。

 

そしてその声の主は声色に違わず……いや、その美貌だけで国が1つ傾く程だった。

 

「なっ……誰───」

 

巨額の麻薬取引に紛れさせた大量の銃火器の密輸。それがここで行われる筈だった犯罪と取引だった。だがそれはたった1人の美しい少女の前に頓挫することになる。

 

いや、少女のような愛らしい見た目だが彼女は実際、300年以上の時を生きているし、書類上でももう20歳を迎えている。だから彼女───ユエを少女と呼ぶのは、本来であれば些か礼を失することになる。

 

とは言え、「可愛いから」という理由で東京武偵高の防弾制服を着続けているユエであるから、仮に少女と呼ばれることがあっても仕方のないことではあった。

 

だが、その特徴的な赤い防弾制服は即ち、武偵がこの場に現れたことを意味する。そうなれば当然、違法な銃取引を見られた彼らからすればこの場でユエを始末しなければならないという思考に入って当然であり───

 

──バリバリバリッ!!──

 

という銃声が鳴り響くのは仕方ない。だが、10を超える銃口から放たれる弾丸がユエの白い柔肌を貫くのかと言われると、それは防弾制服の有無に関係なく「ノー」と言わざるを得ない。

 

「え……」

 

その場の誰かが呟く。何せ全ての5.56mm弾と9mmパラベラム弾はユエの防弾制服に当たることも綺麗な金髪をした頭を吹き飛ばすこともなかったからだ。

 

全ての鉛玉がユエの50センチ手前で落ちて鈴の音を響かせていた。

 

──空間魔法──

 

目の前の現象をそうだと分かる者はユエ以外には誰もいなかったが、超常の力が働いているのだと認識できたものは数人いる。だがそれも───

 

「……ユエの名において命ずる───『大人しくしろ』」

 

───神の勅命により叩き伏せられた。

 

たったの一言で銃火器で武装した男十数人を制圧したユエはしかし、つまらなさそうに鼻を鳴らすだけ。麻薬の下に隠された大量の銃火器。これらがこの国に出回れば日本の治安は取り返しようがないほどに荒れていただろう。暴れるのはここにある粉と銃だけではない。これを呼び水に更に血と涙と犯罪が世の中に蔓延ることになっていた。これはその分水嶺だったのだ。

 

だからこそ、その情報を掴んだジャンヌとメヌエット、ネモは神代天人とユエをこの場に送り込んだのだった。

 

そして、この場での目的は達せられた。世界中で起こるどうしようもない戦争による混沌(カオス)の時代への呼び水の1滴は塞き止められた。

 

それを成したユエはと言えば知り合いの車輌科と鑑識科の武偵へと連絡を入れた。後の始末はユエの本分ではない。ここでできる仕事を終えたユエは帰る場所(天人の元)へと歩みを始めるのだった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

───東ヨーロッパのとある国、とある森の中

 

 

「……あ?誰?」

 

夜の森、その中にひっそりと佇むログハウス。そこにいたのは恰幅の良い30歳くらいの女。それとボサボサの髪と頭頂部からピョコンと獣のような耳を生やした赤毛の少女が2人。しかしこの少女達の手首には無骨な手錠が嵌められていて、到底大人と子供の間に信頼関係があるようには見えなかった。

 

そして、恰幅の良い女が急に目の前に現れた存在に疑問符を浮かべていた。このログハウスを知っている人間は少ない。そして、そいつらの中の交友関係のどこにも今この場に現れた人間は現れない筈だった。

 

「…………」

 

その人間───青みがかった長い白髪と160センチ半ばはある身長と冗談みたいに長い股下。ジーンズ風の防弾ショートパンツに白い防弾ポロシャツを着たシア・ハウリアは目の前で自分を睨み、そしてテーブルの上に置いてあったガバメント1911(大口径拳銃)を取ろうとしたその手を掴んで捻り上げる。

 

「ギッ───!?」

 

そしてその丸い手首を掴みながら70キロ近くある体重を持つ彼女を振り回した挙句に床に叩きつけた。

 

───ッダァァァン!!

 

と、肉が硬い木の床に叩きつけられた音が響く。それに紛れてシアのウサミミはそいつの手首が折れた音を捉えていた。だがシアはそんなことを些事と切り捨ててまたその丸々と育った体躯を放り上げた。そして落ち際を蹴り上げて真上───天井に叩きつける。

 

「助けに来ましたよ」

 

そう言ってシアは赤毛の2人組に微笑んだ。そして「ふんっ」と一息で彼女達の両手を戒めていた手錠を破壊した。

 

「あ……え?」

 

ウサミミから意識を逸らすアーティファクトを宝物庫に仕舞えば、彼女らにもシアのウサミミが認識できた。そして、それを見て彼女達も直ぐにシアがただの人間ではない、どちらかと言えば自分達寄りの存在なのだと知る。

 

「大丈夫です、ノーチラスはあなた達にとっても気安いところですぅ」

 

そう言ってシアは羅針盤でノーチラスの位置を特定。沖合でシアの帰りを待つノーチラスの甲板の座標を特定したシアは天人から借りている越境鍵で扉を開いた。

 

輝くアーチの向こうに佇む夜と漂う潮風の香りに彼女達は鼻をヒクつかせて未知を感じた。けれどもシアの柔らかな微笑みに連れられて扉をくぐる。その先にあったのは、きっと彼女達にとっても悪い世界では無いのだろうと感じさせられた。

 

 

 

「───ふん」

 

シア達が去った後のログハウスに現れたそれは、男に見ようとすれば男に見え、女に見ようとすれば女にも見える中性的な顔立ちをしていた。

 

しかしその声はしわがれていて、声だけを聞けばまるで年寄りの男性のようだった。

 

「まだ息はあるな」

 

当然、シアは恰幅の良い女を殺してはいなかった。シアが()()()彼女は正確には武偵としての報酬が出る相手ではなかった。だがジャンヌにメヌエットとネモの掴んだ情報ではこの女の属する組織はあの赤毛の少女達のような存在を手段を問わずに──そして大抵の場合は法に触れているがそれを指摘する者はいない──集めていた。

 

その目的は来るべき未来に備えてということであったが、そんな未来に逆らう天人達はこの組織の壊滅にも乗り出していた。

 

このログハウスは中継点であり、本当の巣はこの先にあった。ただそこまで深い情報を掴めなかった天人達はまずは中継点から辿っていくためにここにシアを寄越した。シアであれば武力制圧と共にここに囚われている彼女達を安心させながらノーチラスへと寄越せるからだ。

 

そして()()()()()()()ができる状況を整えた後に現れたのがアガレスだった。アガレスはシアに叩きのめされて転がっている女の丸々と肥えた横っ腹に蹴りを入れてやる。すると鈍い呻き声を上げながら彼女は仰向けに転がった。

 

「起きろ、愚物め」

 

アガレスがふと視線をやれば、その女は部屋の中央に置かれたテーブルの真上50センチの位置にいた。そして重力によってテーブルに落ちるとまた呻き声を上げた。

 

「正直に話せよ?嘘は分かる」

 

アガレスがパチンと指を鳴らせば、その女の踵からバチン!という音がうっすらと部屋に響く。左脚のアキレス腱が切れたのだ。

 

「───ギッ!?!!?」

 

突然の激痛に叫び声を上げることすらままならないその女が身体を丸めようとした瞬間、ダン!とアガレスがその肩を片手で押さえ込んだ。

 

「まずは問おう。……貴様の名前は何と言う?」

 

アガレスの───悪魔による悪魔のような尋問が始まった。そして、アガレスによる彼女への質問の1問1問が即ち、同時にこの世界の裏側に潜むとある非人道的組織の消滅へのカウントダウンであった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「……お疲れ様」

 

「んっ、ユエもお疲れ様」

 

奴らは東京武偵高の車輌科の生徒達に引き渡した。後は尋問科の綴梅子辺りが何もかも引き摺り出すだろう。その時はまた俺が呼ばれるかもしれないが、それならそれでいい。

 

俺はユエと合流し、空間転移用のアーティファクトを宝物庫から取り出した。こちらは鍵で、扉の方は俺達の家の玄関に備えられている。

 

空間魔法で繋げられたゲートをくぐればそこにあるのは俺達が帰るべき場所である。俺は鍵のアーティファクトに魔力を注ぎ、それを虚空に突き刺す。そして鍵を捻れば、物理的な距離を隔てた空間同士がゼロ距離で繋がる。

 

俺はユエの手を握る。その小さな手の温もりは地獄の底で独りだった俺を支えてくれた。そして目の前のゲートをくぐればきっとそこにはずっと俺を支えてくれたあの子がいるだろう。彼女だけではない。こっちやあっち(トータス)で出逢った俺の大切な家族達が待っている。シア、ティオ、ジャンヌ、レミア、ミュウ、エンディミラ、テテティとレテティ、メヌ、ネモ──勿論サシェにエンドラ、ルシフェリアだっている──あの子達が待っていてくれる。一緒に戦ってくれている。だから俺は戦える。

 

モリアーティが残した火種は大きく沢山ある。まだまだこの世界には戦争の混沌(カオス)が渦巻く可能性が残されている。それでも俺は、この子達と力を合わせて戦い続ける。その果てにある異能も異形も差別されずに生きられる世界、戦争なんて無い世界を目指して───

 

「「ただいま」」

 

俺とユエは声を揃えて玄関へと足を踏み入れた。すると目の前には透き通るような長い金髪を湛えた美しい女性が───

 

「お帰りなさいませ、ご主人様、ユエ様」

 

いつものメイド服を着たリサが俺達を迎えてくれた。

 

 

 




前書きから繰り返しになりますが、3年間の連載、最初からでも途中からでも、最後まで読んでくださった皆様に再度御礼申し上げます。緋弾のアリアの二次創作としておりましたが、様々な作品とのクロスオーバーもあり、色々とやりたいようにやってみた本作。終わってみれば「あぁすれば良かったかな?」「あそこはあぁすべきだったかも?」と思うこともありました。とは言えそのような反省も含めて1つの作品と思います。特に主人公に据えました天人くんは当初の想定以上に、湿っぽいというか意外とウジウジしてる面が強く出ましたね……。
一先ずこれにてこの作品には一区切りが付きました。この後も天人くん達の戦いは続きますし、その気になればまた無理矢理にでも異世界転移させれば別の作品とクロスもできます。それほど矛盾の出ない作品であれば「武偵の仕事」としてどこかへ向かわせることも可能でしょう。
とは言えそれをするかどうかは分かりません。やろうと思った時にできるように、手続き上の「完結」はさせないでおきますが、一旦作品としてのピリオドはこれにて打たせて頂きます。
何度も繰り返しにはなりますが、これまで読んでくれた皆様、お気に入りや評価、コメントは何より連載の励みになりました。最後にもう一度、御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
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