セカイの扉を開く者   作:愛宕夏音

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ジュラの大森林とオークの群れ

 

 

「豚頭帝?」

 

オーガの6人にリムルの名付けが終わり、彼らに持っていかれた多量の魔素が回復したため再起動を果たしたリムルとゴブリン数名、それから紅丸の名を受けたオーガ(だったのが進化して鬼人になったらしい。それも6人全員)の若長と白老を名を貰った爺鬼、それから俺という面子での戦闘訓練。

リムルが剣を習いたいというから始まったこの訓練は基本の指南役を俺と白老が担っているのだが、基本は俺VS白老VSその他という大乱戦。そんな鬼のスパルタコーチに耐えきれなくなったのか、リムル達は早々に休憩に入ってしまった。

 

「俺も〜」

 

特注で削ってもらった刀身1.7mの木刀を肩に担ぎ、気になる単語の聞こえたリムルと紅丸の方へ赴く。

曰く、オークロードなる伝説のユニークモンスターは味方のオーク共の恐怖の感情すら喰らってしまい、高い統率力を持つ。

曰く、里が襲われる直前に魔人がやって来て名付けしてくれようとしたがオーガ達はこれを固辞。ゲリュミュッドなる魔人は悪態付いて帰っていったとか。

 

「ゲリュミュッドとかいうのがお前らに拒まれた腹いせにオークロードをけしかけて、オーガの里を襲わせたってのが1番筋が通りそうだな」

 

「だがオークロードってのは数百年に1度しか現れないような奴だ。それが都合良く……」

 

「都合良くいたからけしかけたんじゃないのか?」

 

「それは……」

 

「──リムル様、ご報告が」

 

シュタって感じに影から現れた青鬼こと蒼影。オーガの生き残りの1人で、現在鬼人。リムルからは隠密任務やら偵察監視を任されている。

 

「ソウエイか。どうした?」

 

「リザードマンの一行を確認しました。湿地帯を拠点とする彼らがこんな遠くまで来るのは異常なことですので。取り急ぎご報告をと」

 

「オークじゃなく?」

 

「そうだ。……どうやら近くのゴブリン村で何やら交渉に及んでいるようでした。いずれここにも来るかもしれません」

 

「リザードマンとオークの本来の力関係によっては、オークロードが現実味を帯びてきてるな……」

 

「そこの所、実際どうなんだ?」

 

「リザードマンとオークであれば、地形にも依りますが、基本的にはリザードマンの方が強いですね。特に湿地帯であればオークに遅れを取ることはないでしょう」

 

「それがこのタイミングでわざわざゴブリン村まで出向いて交渉、か……」

 

「リムル様ー!!」

 

俺が蒼影の報告からオークロードとやらの存在に確信を持ちつつあると、同じく鬼人となった紫の鬼の紫苑が駆け寄ってくる。

 

『ご主人様、本日の昼食はリサと2人で摂りましょう!!絶対です!!』

 

と、同じタイミングでリサから思念伝達。

どういうことかは分からんが、最近は皆で飯を食うことが多く、あまりリサと2人で飯を食っていないなと思い至った。ちょうど良いか。

 

「お昼ご飯の用意が整いました。今日は私も手伝ったんですよ」

 

二パーと、花が咲くような笑顔で告げる紫苑。

この紫苑は基本的にはリムルの秘書的な役割を担っている。理由は何となく見た目が仕事できそうだから。

 

「お、そうか。お前らも行こう」

 

と、リムルはこちらに話を振ってくるが、蒼影は一瞬で姿を消し、紅丸も珍しくリムルの誘いを断る。白老は気配を絶って存在ごとリムルの意識から消え去った。あぁなるほどな……。いやぁまさか、そういうことか……。

 

「俺もリサからお呼び出しだ。悪いな」

 

「そ、そうか……」

 

不思議そうなリムルを嬉しげに抱えた紫苑を見送る。

しばらくすると、ゴブタが「毒耐性」を獲得したという世界の声が響いた。

 

 

 

────────────

 

 

 

「──で、魔素を通して……」

 

「そうなると素材が……」

 

「それに、普通の鍛造じゃ──」

 

リサと昼食を採った後、俺は工房へと足を運んだ。ここでは鍛治職人のドワーフ、カイジンと黒兵衛が俺たちの町の戦闘要員の武装やらを打ってくれているのだ。武偵校で言えば、装備科のような所だ。

そして俺はここで2人に新たな武器の相談を持ち掛けていた。

というのも、俺の拳銃はいくつかの世界転移を経て無くなってしまっていて、手持ちの武器は雪月花だけなのだ。一応神機や取り込んだアラガミの力もあるし、聖痕の力もこの世界でも充分に通用することは分かっている。それに、この世界で新たに魔素を利用した魔法もあの氷の魔法だけとはいえ獲得している。

しかし、魔法はともかく、今後この世界にいる間は俺はこの世界での武器を使って戦おうと思っている。もちろん、いざとなったら俺の持てる力全てでもって戦うことに躊躇は無い。

 

ただ、リムルや他の奴らから聞き及んだ話を統合すると、この世界は他の世界よりも情報というものが大きな価値を持つ世界なのだ。つまり、俺が持ち込んだこの世界の物ではない力というのはおそらく現状この世界の住人の誰も対策や対応は難しい力であるはずだ。

 

また、オークロードなる存在がいると俺はほぼ確信に近いものを持っているが、例えそうでなくともオーク共を指揮する魔人なる存在。また、リムルから聞いた、シズさんをこの世界に呼び出しイフリートを与えた魔王という存在。単語から類推すれば、魔人より魔王の方がより強いと考えられる。ということは目的を持って自分より下位の存在を操る奴がいるということで、おそらくそいつらは魔法なのか肉眼かは知らないが、何がしかの方法で自分らの傀儡の目標の進捗率を確認しているだろう。そしてリザードマンがこの近辺でわざわざゴブリン達を何かに勧誘しているという蒼影からの偵察報告。俺達がオークの軍勢と戦う可能性は無視できないレベルまで跳ね上がっているだろう。

こうなると俺の力、特に聖痕の方はそういうこの世界で強大な力を持つ存在からはなるべく隠しておきたい。そうすれば、いつかそんな奴らと戦うことになった時に切り札として機能させられる筈だ。

その為に俺はこの町が誇る二大巨匠に話を持ち掛けたのだが、どうやら俺のアイディアはこの2人をもってしても様々な問題が待ち構えているようだった。

ちなみにさっきまでリムルもいたのだが、どうやらリザードマンとやらが「この町の主に会わせろ」と町の入口に来ているという伝令をリグルドから伝えられ、そちらへ向かった。俺としてはリザードマンの思惑は半分推測が付いているし、魔物同士の話し合いに下手に人間が顔を出すと向こうにも舐められるかもしれないので結果報告だけ待つ形にした。

 

「どっちにしろ、オークの進軍には間に合わなさそうだな……」

 

「あぁ。悪ぃが、お前さんの要求するレベルだと素材から何から普通のもんじゃなくなっちまう」

 

「それに、打つならかなり魔素の濃度の高い所で打つことになりそうだべ。そうなると場所も用意しなきゃなんねぇ。とてもじゃねぇが1週間やそこらじゃ間に合わねぇよ」

 

「なるほど……。分かった。それはまた後でだな。ならまず今出来る範囲で1番良いやつを頼みたい。こっちはさっきみたいな仕掛けは無くていい。長さはそうだな──」

 

結局、俺の武器を巡る相談は日が傾くまで続いた。

 

 

 

────────────

 

 

 

「はぁ!?20万────!?」

 

リムルの叫びがリビングに響き渡る。

結局リザードマンは俺たちを勧誘しに来たことに違いはなかったらしい。理由も攻めてくるオークの軍勢と戦うため。ただ、どうにも高圧的な態度が気に入らなかったのは良いのだが、話の流れで何故かゴブタがリザードマンのネゴシエーターをボコッたのだとか。

その上で夕食を済ませた後に俺達はリムル亭で蒼影の報告を聞いていた。それによると、約20万ものオークの軍勢が大河に沿って北上しているらしい。また、その中で別働隊も幾つかあり、そのうちの1つがオーガの里を襲ったと推測できるとのこと。また、その別働隊と本隊の動きから推測するに、合流地点は湿地帯──つまり、リザードマンの領土──になる公算が高い。

そうなると俺たちの町はオークの進路には入っていないが、それは本来オーガの里も同じこと。ということは奴らはわざわざ別働隊を派遣してまでこの森の中で強い魔物の集団を喰らい潰しながら進んでいるということになる。

 

「……オークの目的って、なんだろうな」

 

リムルの口から零れたのは至極当然の疑問。俺もそこが気になっていた。森の支配、と言うより完全に他の強い魔物を排斥するような動き。リザードマンの領土まで襲うとなると、俺が昼に紅丸たちと話した「腹いせ」の線ではなく、何やら別の目的もありそうだ。

 

「目的は分からんが、何やら目的自体はありそうだな。となるとやっぱり後ろ盾があるのは確定か?」

 

「あぁ、俺もそう思うぜ。何せオークは元々知能の高い魔物じゃねぇからよ」

 

「例えば魔王、とかか?」

 

カイジンの言葉を受けてリムルが一つの可能性を示唆する。そしてそれを受けてリビングが静まりかえる。

 

「なんてな。まぁ、なんの根拠も無い話だ。忘れてくれ」

 

場の空気を察してか、そうつけ加えてリムルはポテトチップス擬きの揚げた芋をパリパリと頬張る。

 

「魔王とは違うんだが……」

 

と、紅丸が話しだす。

 

「豚頭帝が出現した可能性は高まったと思う。20万もの軍勢を普通のオークが纏められるとは思えん」

 

「俺はいると思ってるぜ。そしてそのオークロードも誰か、魔王とやらがこの世界でどんなもんなのかは知らねぇが、それこそゲリュミュッド?とかいう奴が魔王への手土産としてオーガの里や湿地帯のリザードマンすら物ともしない大量の兵隊として差し出すためにオーク共を仕切ってるって線だな」

 

「オークの目的やバックに関してはともかく、豚頭帝はいないよりいると仮定するべきだと思います」

 

リグルドの言葉にリムルも頷く。すると蒼影が頭の後ろに手をやる。

 

「偵察中の分身体に接触してきたものがいます。リムル様に取り次いでもらいたいとのことですが、いかが致しましょう?」

 

「俺に?……誰だ?変な奴はガビルでお腹いっぱいだし、これ以上変な奴とは会いたくないんだけど」

 

「変……ではありませんが、大変珍しい相手でして。その、樹妖精なのです」

 

ドライアド……。またゲームやなんかで聞いたことあるな。何か木の精霊とかそんなんだったような……。

 

「ほ、ほほう。お呼びしたまえ」

 

で、リムルも似たようなことを思いついたらしく、変に緊張しながら蒼影に頼んでいる。

 

すると、ぶわっと、俺達が囲っていたテーブルに光と風が巻き起こる。それを受けて、鬼人達はリムルを真っ先に守るように囲う。

その光と風の中から──

 

「──初めまして。"魔物を統べる者"及びその従者たる皆様。突然の来訪ですみません。わたくしは樹妖精のトレイニーと申します。どうぞお見知りおきください」

 

ドライアドのトレイニーと名乗る、身体から蔓やなんかを生やした姉ちゃんが現れた。

 

「俺はリムル=テンペストです。初めまして、トレイニーさん」

 

恭しいトレイニーの挨拶にリムルもそれなりに丁寧には返す。

それにザワつくゴブリンの町を治める重鎮たち。どうやらドライアドというのはこの世界ではそこそこ名の通った存在らしい。

 

「そのドライアドさんが何でここに」

 

「タカト・カミシロですね。そしてそちらがリサ・アヴェ・デュ・アンク。2人とも異世界からの漂流者」

 

俺と、俺の背中に隠れていたリサを見やりそう言う随分と物知りなトレイニー。

 

「あぁ、そうだ。アンタも、随分な物知りみたいで」

 

「樹妖精ですから。わたくしにはこの森で起きたことの大概は手に取るように分かります。その上でリムル=テンペスト……。"魔物を統べる者"そしてタカト・カミシロ……。"異世界からの漂流者"よ。貴方がたに豚頭帝の討伐を依頼したいのです」

 

 

 

───────────────

 

 

 

「森で起きたことなら、ねぇ……。てことはやっぱりオークロードは実在し、森を食い散らかしていると。その上でオーガの里が壊滅し、対策を立てていそうなリザードマンはともかく、周りのゴブリン村の奴らを吸収し、オーガの上位種を何人も揃えてさらにそれより上位の力を持つリムルの治めるこの町へってことか」

 

「ふふっ。貴方は話が早くて助かります。それに、貴方の力も期待していますよ?異世界の力とこの世界の力を併せ持つ貴方には断れない理由もありますしね?」

 

流し目でリサに視線をやるトレイニー。本当に、この森の出来事なら把握してるんだな。

"異世界の力"に鬼人組やカイジンは目を見張らせていたがそれは後で説明するとして。

 

「しかも、リサがいる限り俺は危険なオーク共を放ってはおけない。最悪単独でも迎え撃つだろうことは把握していると」

 

「えぇ。ですが単独で戦いに出て食われようものなら大変なことになります。ですのでこうしてリムル=テンペスト様にもご依頼をと」

 

「俺が単独だと負けると?」

 

「可能性の話です。ただし、そうなった場合はこの森の壊滅を意味しますので、万全に万全をと思いまして。むしろ、本命はリムル=テンペスト様とその従者の皆様でして」

 

なるほどね、そしてそう言えば単独ででも打って出るであろう俺よりも、動くか分からないリムルとそれに心酔している鬼人たちを動かせるという算段か。

 

「樹人の集落か豚頭帝に狙われれば樹妖精だけでは対抗できませんの。ですからこうして強き者に助力を願いに来たのです」

 

トレイニーは喋りながらテーブルに置いてあったポテチ擬きを摘みながら話を続ける。

 

「タカト様は既に確信していたようですが、豚頭帝はいますよ?」

 

トレイニーのその突然の報告にザワつく部屋。だがリムルは比較的冷静に返す。

 

「……トレイニーさん。とりあえず返事は保留にさせてくれ。こう見えてもここの主なんでな。鬼人たちの援護はするが率先して薮をつつくつもりは無いんだ。情報を整理してから答えさせてくれ」

 

「……承知致しました」

 

即答、ではないが、リムルその答えにそれなりに満足したのか、思いの外あっさりと引き下がるトレイニー。ただ、会議には居座るつもりらしく、ちゃっかりリグルドとカイジンの間の椅子に陣取っている。

 

「……豚頭帝の存在が確定したのなら思い当たることが1つあります」

 

ここで朱菜、桃色の髪をした鬼人の姫様で紅丸の妹である彼女が口を開く。

 

「ソウエイ、わたくし達の里の跡地は確認してきましたか?」

 

「……はい」

 

苦々しく返答する蒼影。

その様子に確信を得たように続ける朱菜。

 

「その様子ではやはり無かったのですね……?」

 

無かった?何が……。

 

「はい、同胞のものも、オーク共のものもただの1つも……」

 

「無かったって、何が……?」

 

リムルの疑問。俺も同じことが気になっている。

 

「死体です」

 

──っ!?死体が無い?どういうことだ?まさかオーク共の中に「捕食者」でも持ってる奴がいるってのか?

 

「なるほどな……。20万もの兵隊の食料をどう補っているのか疑問だったんだ」

 

おい、それって──

 

「奴らには兵站の概念はありませんからな」

 

まさか、死体を──

 

「ユニークスキル「飢餓者」。豚頭帝が生まれる時必ず所持しているスキルです。食べた魔物の性質を自分のものとする。リムル様の持つ「捕食者」と似ていますわね。もっとも、1度で必ず奪取出来るとは限らないのですけど」

 

「……だから数を喰らう必要があると?」

 

「えぇ、その通りです」

 

「てことはオークの狙いはこの森の上位種を滅ぼすことじゃなく……」

 

──その上位種の力を奪うことか……。

 

「なるほど。俺が喰われることをやたら気にしていたのはそれか」

 

「そうです。わたくし達でもいまだに底が見えない力。そんなものが奪われてしまったら……」

 

確かに俺が洞窟で魔法の訓練をしているところまで把握しているのであれば、俺が喰われることをやたら気にする理由も分かる。が、なるほどそれが彼女らの限界か。

 

「……となるとウチも安全とは言い難いな。嵐牙狼族にホブゴブリンに鬼人。オークたちの欲しがりそうな餌だらけだ」

 

リムルが肘をテーブルに付きながらポテチ擬きをポリポリ摘む。

 

「1番奴らが食いつきそうなエサを忘れてやしませんか」

 

その妙に気楽そうな姿を見て、紅丸も半分呆れながら言葉を投げる。

それにリムルは「んー?」と興味なさげにポテチでアヒル口。多分それ通じるの俺とリサだけだぞ。

 

「いるでしょ。最強のスライムが」

 

「スライムなんて無視されるよ」

 

「他人事ではなくなったのでは?」

 

まるで他人事のリムルに牽制を入れるトレイニー。

 

「この豚頭帝の出現の折、魔人の存在を確認しております。魔人はいずれかの魔王の手の者ですので」

 

なるほどな。リムルに対するカードはそれか。それを言えばリムルは動かざるを得ない。この姉ちゃんは、それぞれに対するカードを握ってからここに来てるってことかよ。

 

「改めてリムル=テンペスト様とタカト・カミシロ様に豚頭帝の討伐を依頼します。暴風竜の加護を受け、牙狼族を下し、鬼人を庇護するリムル様と、異世界の力とこの世界の力を併せ持つタカト様たちなら豚頭帝に遅れをとることはないと思われます」

 

「当然です!!」

 

と、トレイニーの言葉に紫苑が割り込む。

 

「リムル様なら豚頭帝など敵ではありません!」

 

と、リムルを後ろから抱き抱える。それに合わせてリムルも人間態からスライムに戻り、紫苑の腕から抜け出す。

 

「……分かったよ。豚頭帝の件は俺達が引き受ける。皆もそのつもりでいてくれ。天人もいいな?」

 

「当たり前だ」

 

この町が襲われるのなら、俺は1人ででも戦う覚悟だからな。

……さて、戦うと決まったのならまずはアレだな。

 

「結局、リザードマンとの同盟はどうすんだ?」

 

「前向きに検討したいんだが、使者がなぁ……」

 

「随分な上から目線なんだって?」

 

「それもあるが……、ぶっちゃけアホだ」

 

「あー……」

 

「リムル様。自分がリザードマンの首領と直接話して参ります。よろしいでしょうか?」

 

と、ここで蒼影の申し出。使者は駄目だったみたいだけどボスはどうなんだろうな。

 

「出来るのか?」

 

「はい」

 

即答ですよ。さすがイケメンは違うね。

 

「よし。じゃあリザードマンと合流しオークを叩く。決戦はリザードマンの支配領域の湿地帯になるだろう。けど、これはリザードマンとの共同戦線が前提になる。蒼影、くれぐれも舐められるなよ?」

 

「はっ。お任せを」

 

それを最後に蒼影は一瞬にして姿を消す。

おそらく、「影移動」を使って一気にリザードマンの首領の元へと赴くのだろう。

 

ふと、リムルが石と木の板の盤面を見て何かに気付いたようだ。

 

「これ、ソウエイが置いた駒か?」

 

石の駒を指指してリムルが紅丸に尋ねると、どうやらそうらしい。気絶したガビルなる名前のリザードマンの使者を囲んで落ち込んでいたんだとか。というか、リザードマンの使者は名前持ちなのか……。ということはボスも名前持ちか?案外リザードマンも強いんだろうか。

それはそれとして、リムルとしてはそのガビルの隊がオークと挟撃すればリザードマンの本隊を簡単に落とせる布陣に見えるのが気になるらしい。確かに、自分が首領となってオーク共を打ち払えば仲間内での名声どころか、この辺り一帯にガビルの名前が轟くことにはなろうが、いくらなんでもそれは……。

 

 

 

────────────

 

 

 

「お待ちしておりましたリムル様」

 

7日後、無事リザードマンの首領とも話をつけられ、こちらの準備も整ったところで湿地帯へ向かう日となった。

朱菜や黒兵衛、その他非戦闘員ではあるがそのサポートを担う者達が集う。

 

「タカト、これが今打てる最高の刀だ」

 

俺も、カイジンと黒兵衛の運んできた長刀を受け取る。刃渡りだけで1.7mもあるそれは、鞘から少し抜いただけで業物のそれと分かる輝きを放っていた。

 

「これだけで分かる。カイジンさん、黒兵衛。アンタらは最高の鍛治職人だよ」

 

「その刀の銘は──」

 

──夜天──

 

「夜の天、か」

 

「あぁ、お前さんならきっとソイツを夜の空より輝かせられる」

 

「期待に応えてみせるよ」

 

「……準備はいいか?」

 

俺たちの会話に痺れを切らしたリムルが割り込む。そのリムルも人間の姿で刀を授かっていた。

 

「あぁ、最後にリサ」

 

「はい、ご主人様」

 

俺の呼びかけにスっとリサが寄ってくる。そのリサの腰を抱き寄せ、俺はリサの唇にキスを落とす。リサもそれに応え自分から唇を押し付ける。それを数秒続ける。

 

「っは……」

 

「いってらっしゃいませ、ご主人様。必ず、無事に戻ってきてください」

 

「あぁ、約束だ……」

 

「──じゃあ、行くとするか」

 

リムルの声に端を発し、俺達は三々五々歩き出す。出撃メンバーは俺とリムル、鬼人からは紅丸、蒼影、白老、紫苑、ランガ、それにゴブリンライダーが100組。

別に、俺達はオークの殲滅が目的ではない。オークロードさえ倒してしまえば勝ちなのだ。向こうへ着けばリザードマン達もいるし、そう遅れをとることはない。

とはいえ、戦いの基本は数、というのもまた事実なのではあるが……。

だが数で劣っていても戦いようはある。それに俺以外にも鬼人やリムル、ランガは一騎当千かそれ以上の猛者だ。実際のところ俺はそこまで心配はしていなかった。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「……中々遠いんだな」

 

リザードマンの待つ湿地帯へ向かうこと3日。いい加減ゴブリンライダー部隊の脚に合わせるのも退屈してきた頃、周囲の偵察に向かっていた蒼影からリムルへメッセージが入っていた。

それによると、どうやらリザードマンの幹部と思わしき個体がオーク50体からなる集団と戦っているらしい。ただ、実際戦っているのはオークの中でも上位種と思われる個体のみで、他の取り巻きはただ見ているだけらしい。やる気が無い、というより上位種がただ自分の力の誇示のためにそのリザードマンをいたぶっているようにも見えるとのこと。

そしてリムルはそのリザードマンを威力偵察の駒として扱い、死なない程度で助けてやるつもりのようだ。その役はもちろん蒼影が担う。

 

「ランガ、ソウエイの元まで「影移動」を頼む」

 

「御意!!」

 

俺達もランガに掴まり「影移動」で蒼影の近くまで相乗りさせてもらう。

 

ニュっと蒼影とリザードマンの幹部らしき個体の近くの木陰に現れた俺達。蒼影がオークの上位個体を瞬殺している間に、まずリムルが瀕死のリザードマンの元へ向かい回復薬を飲ませる。

そうしてリムルとリザードマン、蒼影の3人が事情やら何やらを話そうとしていると、一応急所は外してあったらしく、オークの方も血みどろながら立ち上がった……のだが。

 

「リムル様の前で不敬ですよ!!」

 

と、大口を叩いていたオークに紫苑がブチ切れ、情報を聞き出すために生かしておいたオークを真っ二つに叩き切ってしまった。なお本人は良いことをしたと思っているのでニッコニコ。「愚か者を罰してやりました」と褒めてほしそうなのだが、どちらかと言えば愚か者はお前だろう……。

 

「で、俺らはこっちか……」

 

ボケっとそんなやり取りを眺めている間にも俺達は他の取り巻きオーク達に囲まれていた。まぁ、さっきのやり取りを見てる限り……。

 

「……うっとおしい」

 

「夜天」を抜くまでもない。「水氷大魔槍(アイシクル・ランス)」をオークの顔面に叩き込めばそれで終わりだ。

そうして俺が数体のオークを叩き潰しているうちに紅丸や白老、ゴブタ達も取り囲んでいたオーク共を瞬殺し、全滅させていた。

振り返ってその惨状を目にしたリムルが呟く。

 

「え、もう終わったの?君たち強すぎない?」

 

「コイツらが弱すぎるんだ(ですよ)」

 

俺と紅丸が見事同時に同じことをボヤく。

 

「……お願いがございます!!」

 

すると、それを見ていたリザードマンが土下座し始める。ていうか、魔物にも土下座文化あるんだな。俺が妙な部分に興味を惹かれているうちに、リザードマンが話し始める。

 

それによると、ガビルとかいうこのリザードマンの兄がリザードマン首領に謀反を起こし、彼と近衛部隊を地下牢に幽閉。自らが陣頭指揮を採り、オークの軍勢と戦っている模様。だが、そのガビルは豚頭帝を見くびっている節があり、このままだとリザードマンの全滅は避けられそうもないとのこと。それを受けて、このリザードマンは俺たちに助けを乞うてきた。

 

どうにもオーク共を歯牙にもかけない戦いぶりから、俺たちならリザードマンを救ってくれると期待しているみたいだ。まぁ元々俺達はそのために動いているのだから、断る理由もないのだが。

そしてもちろんリムルも即断。リザードマンの首領の娘だというソイツをリザードマンの代表代理として半ば出来レースの盟約を結ぶ。そして蒼影には首領を救うように指示。リザードマン首領の娘と蒼影は首領の元へ、俺達はそのままオーク共と戦うために湿地帯を目指すことになった。

 

 

 

────────────

 

 

 

「で、どうすんだこれ?」

 

湿地帯へ着くとリザードマンの姿が見当たらない……というか、20万程いるというオークの軍勢に完全に囲まれてしまっているようだ。リムルが空を飛び、上空から様子を伺っていると、団子になっている中心でガビルとオークの上位種が一騎打ちをしているとのこと。だがもちろんガビルは劣勢。踏ん張ってはいるが殺られるのも時間の問題に見えるらしい。

 

「ったく、そっちは任せるぞ」

 

「お前はどうすんだ?天人」

 

「あ?戦いの基本は数だぜ?んなもん減らすに決まってんだろ」

 

見せてやるよ。俺がこの世界で身に付けた力ってやつをな。

 

俺は様子を伺っていた岩場の影から飛び出すと、オークの群れに突っ込む。それを見てオーク共は慌てて武器を構えるがそのまま俺はオークの頭上に飛び上がる。そして空中に魔方陣を形成、そこから氷の足場を作り出し、それを足がかりにさらに上へ跳ぶ。それを数度繰り返しオークの軍勢の上数十メートルまで移動。腕を天に掲げ、イメージを描く。俺の頭に浮かぶそれは粒子の聖痕を持つあの男の姿。

 

 

───穿て

 

 

上空に大型の魔法陣を展開

 

 

───砕け!

 

 

紋章は増え続け、遂にその数は30を越す

 

 

───叩き潰せ!!

 

 

それは、大地を穿ち敵を殲滅する氷の神槍

 

 

──水氷大魔豪槍雨(アイシクル・レイン)──

 

 

ッドドドドドド───

 

 

空を覆う魔法陣から放たれた無数の魔氷の槍。それは地上にて天を見上げていたオークの軍勢を飲み込み、叩き潰した。一撃毎に剛毛で覆われた皮膚を裂き、肉を潰し内蔵を貫く。自らが頼りにしていた数の暴力に晒されるオーク共は断末魔の悲鳴すら湿地帯の泥濘を抉る音に掻き消されてしまう。

 

「さぁ、行こうか」

 

「夜天」の鞘を地上に落とすようにして刃を抜く。

そして抜き身の「夜天」を構えながら氷の足場を崩壊させ、俺も鞘を追うように落下。数千から万に届こうかというオーク共の死体の上に落ちた「夜天」の鞘を拾い、背中に背負い直す。先の爆撃を見て警戒しているつもりなのか、俺のことを遠巻きに囲むオーク共。

その時、そいつらの背後で爆炎が発生する。それは黒いドームとなり中にいたオーク共を焼き尽くす。骨すら残らないその地獄の業火の発生源は紅丸。オーク共に滅ぼされたオーガの里の生き残りにして若頭。リムルに名前を授かり鬼人となった魔人である。

 

余所見してる余裕があるのか?こいつら。

 

一息で俺を囲むオークの軍勢の中で、一際身体が大きくご立派な鎧を纏ったオークへと肉薄。

 

──イメージしろ──

 

 

雪月花に刃を生む時の感覚

 

 

──確認しました。神代天人はエクストラスキル「魔法闘気」を獲得……成功しました──

 

そりゃ結構なことだ。

 

魔素を纏わせた「夜天」を振り上げる。

 

「ガッ──!?」

 

鎧ごと上半身を引き裂かれ、悲鳴をあげる間も無く滑り落ちる上半身と、崩れ落ちる下半身。

さらに1歩踏み込み「夜天」を一閃、脇のオークを叩き斬る。手首を返しさらに刀を外に振り抜くように一閃、斧を振り上げていたオークの腹を引き裂く。夜色に輝く刀身を斬り上げてまた1匹。

 

左足を後ろへ引き、半身に構える。そのまま自分の周囲を取り囲むように魔法陣を展開。

 

 

───撃ち抜け

 

 

魔法陣から無数の氷の槍の穂先が現れる

 

 

───薙ぎ払え

 

 

──水氷大魔散弾──

 

 

魔法陣から飛び出した氷の魔槍が俺を取り囲んでいたオーク共を貫く。

さらに俺は自分の頭上に魔法陣を展開、その数は15。

 

 

───突き崩せ

 

 

──水氷大魔裂破(アイシクル・ブラスター)──

 

 

魔法陣から続々と射出される絶対零度の魔槍がオーク共のドテっ腹を、頭を、次々に貫き叩き潰していく。

俺の視界の前方180°から生きて戦えるオークがみるみるうちに減っていく。

泥の飛沫が晴れ、槍の射出角度がどんどん水平に近づいていく毎に視界を埋め尽くしていたオークがいなくなっていく。

その間にも視界の端では黒い炎のドームが何度も発生し、黒い竜巻と雷がオークの軍勢を巻き上げ、貫いていた。紅丸とランガの技だろう。確かに戦いの基本は数だ。だがここまでお互いの頭数に差が出ると実際に戦闘になる人数は限られてくる。そうなれば個体のレベルの高い俺たちにも勝ち筋は見えてくる。何せこっちには空を飛べるリムルがいるが、向こうにはおそらく対空能力を持った個体はいない。さらに、俺たちの目的はオーク共の全滅ではなく、オークロード一体の撃破なのだ。つまり、誰かがオークロードを倒すまでの間その他の雑兵共を抑えられればそれで問題ない。

 

『オークロードは見つかったのか?』

 

『あぁ。紅丸たちのおかげで後続とも分断できそうだし、お前もこっちに来──おぉい!?』

 

あ?何が起こったんだ?

 

『……何か変なのが空から飛んできて喚いてる。来れるか?』

 

『あぁ?……すぐ行くよ』

 

あれだけ叩き潰したのにも関わらずまだ俺をとり囲もうとする学習能力の無いオーク共を「水氷大魔散弾」で蹴散らし、氷の足場を伝ってオーク共の頭上を駆け抜ける。

向かう先でポッカリと空いた空間、その上にリムルが飛んでいたのでその空間に着地。

 

すると、そこにはオークロードと思わしき、一際どデカいオークと、烏のような仮面を着けた奴がいた。そして確かにそいつが何か喚いてもいる。

それによると、どうにもそいつは「上位魔人」とかいう存在で、オークロードを「魔王」に進化させたかったようだがそれが遅々として進まないことに腹を立てているようだ。ということは、コイツがトレイニーの言っていた魔人という奴か。

がしかし、どうやらその計画自体はオークロードは把握していないっぽい。するとそこへ──

 

「ゲルミュッド様!!」

 

と、一体のリザードマンがやってきた。コイツがガビルとかいうリザードマンの使者だろうか。

 

「我輩を助けに来てくれたのですか?申し訳ない、ラプラス様から警告は聞いていたというのに……」

 

「……ガビルか。ちょうど良いところに来た」

 

が、どうやら助けに来たわけではなさそうだ。持っていた杖からそこそこの量の魔素が発生、唖然とするガビル目掛けてそれを叩きつけてきた。

 

「───死者之行進演舞!!」

 

杖を振り下ろし、その技の名前を叫ぶゲルミュッド。そして幾数もの魔弾がガビルに降り注ぐ。

巻上がる土砂を指差し、オークロードにアレを食えと命令するゲルミュッド。どうやらその力を取り込ませ、魔王へ進化させる源にさせたいようだ、が───

 

「お前、複数の魔物に名付けしてんのか。それも計画の一端か?」

 

放たれた魔弾は残らずリムルの「捕食者」によってガビルを肉片にする前に喰らわれていた。

 

「なっ──!?き、貴様!!」

 

「どぉでもいいんだけどよぉ、俺のこと見えてねぇみたいだな?」

 

小物臭のするゲルミュッドとかいう魔人が驚いているが、そろそろ俺もこの茶番は見飽きた。入らせてもらおうか。

 

「は?人間!?……ふっ、人間風情が何を──」

 

「その人間風情に足元凍らされてる"上位魔人"様でいいんですかねぇ?」

 

「あ?……な、何を──!?」

 

ゲルミュッドがオークロードに対して愚鈍な奴だのなんだのとうだうだ喚いている間に俺は氷結魔法でゲルミュッドの足回りを固めていたのだが、本当に愚鈍なのはどっちなんだろうな……。

 

「よう、ゲレ……じゃなくてゲルミュッドか。オーガの里で見事に突っぱねられた名付けは順調のようだな」

 

そこへリザードマンの首領の元へ行っていた蒼影を除く鬼人の御一行も合流。ゴブタたちも揃い、遂に俺たちの全戦力のほぼ全てがこの場に集結した。

さて、上位魔人様の実力とオークロードの恐ろしさはどんなものなのかね。

 

それぞれ殺る気満々の鬼人たちに囲まれ、足元を凍らされてなお強気なゲルミュッド「舐めるな!!」と一喝。また「死者之行進演舞」を鬼人たちに放つ。だがそんな程度の攻撃───

 

「お前こそ鬼人を舐めすぎだ」

 

あっさり躱され紅丸に耳を切り落とされる魔人様。俺がもういいだろうと氷結魔法の拘束を解いた矢先に痛みで転げまわるゲルミュッドがぶつかったのは、復讐相手を見つけた喜びで凄惨な笑みを浮かべる紫苑。俺はと言えば、コイツらの戦いに手を出す気はない。この復讐はコイツらのものだ。俺がこれ以上何かしていいものじゃない。

名付けてもらった恩義からか、まだガビルはゲルミュッドを信じているようだが、それもランガの一言で諌められる。

遂に四面楚歌と相成ったゲルミュッドが鬼人たちに追い詰められていく。それにたまらず逃げ出そうとしたゲルミュッドの動きが止まる。リザードマン首領の元から帰還した蒼影の技に絡め取られたのだ。

しかし、どこまでも足掻くゲルミュッドはオークロードへ命令を下す。

 

「俺を助けろ!!豚頭帝……いや、ゲルド!!」

 

ゲルド、それがあのオークロードの名前か。

そして、その声に反応し、遂に動き出すオークロード。リムルもその動向を見守る。俺も、魔法陣を展開し、オークロードの攻撃に備える。

 

「そうだ、恩を返せ!!行き倒れていたお前に肉をやったのはこの俺なんだぞ!!」

 

その声にゲルドなるオークロードは答える。

 

「俺ハ……ゲルミュッド様ノ、願イヲ……叶エル」

 

頭が回っていないのか、かなり言葉が曖昧だ。だが、どうやら恩義に報いる気概はあるらしいが、紅丸たち鬼人に勝てるのだろうか。紅丸たちだって、実際指示を出していた黒幕はゲルミュッドでも直接的に里を滅ぼしたのはオーク共だ。手心なんて加えるとは思えない。

 

「は……?」

 

「……え?」

 

俺とゲルミュッドの間の抜けた声が重なる。鬼人たちに襲いかかるために振り上げた斧だと思っていたそれを、ゲルドはあろう事か助けるはずのゲルミュッドへと振り下ろし、その首を両断したのだ。さらに、即死へと至ったゲルミュッドをゴリゴリグチャグチャと喰い始めた。俺たちは唖然としてしまい、動きが止まる。

 

 

──確認しました。個体名ゲルドが魔王種へと進化します──

 

 

今のは世界の声だ。つまり、奴は──

 

「ちっ……」

 

俺はゲルドへ向けていた魔法陣を解き、足元へ展開。氷の壁を張る。

ゲルドから放たれていると思われる妖気がこちらへ流れてきたためだ。

 

「なに……?」

 

だが、その妖気に触れた途端、魔氷の壁が溶け始める。おいおい、妖気にもそんな効果があるのかよ。さらに、それが触れたオークの死体が溶けていく。触れたものを「腐食」させる妖気。なるほど、面倒な野郎だ。

そして、黒いオーラに包まれていたゲルドが食事を終えて立ち上がる。

 

 

──……成功しました。個体名ゲルドは豚頭魔王へと進化しました──

 

 

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