セカイの扉を開く者   作:愛宕夏音

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ミリム・ナーヴァ

 

後ろからの視線が非常に痛い。

多分ミリムの打撃より効いているから、頼むから止めてほしい。

 

「むふふー」

 

原因はコイツ、魔王ミリム。

先程までは俺にあれやこれやと質問してきて、色々喋る羽目になった。主に異世界から来たことや俺の力の源泉について。そして帰り道を探しているということも。

 

リムルからも聞いていたが、どうやらこの世界は異世界から来る人間というのは比較的多いらしい。一般人がそれを知ってるかは別にして、上位の魔物や後ろめたい人間等の間では常識に近いのだとか。その上気になることも聞いた。どうやらその異世界転移、渡る時におおよその人間は強力なスキルを身に纏うのだという。そして、それを利用して異世界から強いスキルを持った人間を呼び出し、魔物に対する強力な兵器として利用する計画がそこかしこで行われている、という噂だ。ミリムはそこら辺あんまり興味無いらしく、あくまで噂レベルでしか知らないようだが。まぁそれは一旦置いておくとしよう。あくまで噂で、確定情報じゃないしな。てかそれやってたら国ぐるみの誘拐だ。逮捕しちゃうぞ?

 

で、質問攻めが落ち着くと今度は何か知らないが俺の腕に絡みついて上機嫌なのだ。背の割には思ったよりある膨らみとか当たってるの気付いてるのだろうか。コイツ、そういうの疎そうだからなぁ。多分気付いてないだろうなぁ。

 

「当ててるのだぞ?嬉しいだろう」

 

あ、気付いてました。見た目の割に中身も大人なんすね。え、マジで?そんなフラグありました?俺たちバトって半分俺の勝利だったのを、森が滅茶苦茶に破壊されるのをいい加減嫌ったリムルが無理矢理割って入って何か食い物で収めただけじゃないの?ていうか今の一言で鬼人達の視線がさらに鋭くなってるから。マジで!針!針だよこれは!!

 

「なぁなぁ、お前達は魔王になろうとしないのか?」

 

「……しねーよ」

 

と、リムル。俺も同じように答える。

 

「え、だって魔王だぞ?格好良いだろう?憧れるだろう?」

 

……そうか?魔王って基本最後にはやられるイメージなんだが。

 

「えええーー!?じゃあ何を楽しみに生きてるんだ!?」

 

「そりゃあ色々だよ。やること多くて大変なんだぞ」

 

お、会話の主導権がリムルに移ったな。相変わらず俺の手は握られたままだが意識はリムルの方へ移ったようだ。俺はこのまま気配を消していよう。そしてあわよくば鬼人さん達の視線も緩くなりますように……。

 

「でも、魔王は魔人や人間に威張れるのだぞ?」

 

それ楽しい?

 

「───それ、退屈なんじゃないか?」

 

リムルも俺と同じ意見のようだが、どうやらミリムにとってその意見は割と衝撃だったらしい。「ガーン!!」みたいな感じにショックを受けている。

 

「おま!?お前ら!魔王になるより面白いことしてるんだろ!ズルいぞズルいぞ!ズルいズルいズルい!ワタシも仲間に入れるのだ!!」

 

俺からようやく手を離し、ランガに身軽に飛び乗ったかと思えばリムルの肩を激しく揺さぶる。揺られすぎたリムルは残像が出来て阿修羅みたいになっている。

 

「分かった分かった。俺たちの街を案内してやる」

 

あーあ、魔王ミリムさん、中央都市リムルに御来場でーす。

 

 

 

────────────

 

 

 

結局あの後流れで俺達はそれぞれ呼び捨ての名前で呼び合うことになった。俺とリムル、そしてミリムは親友と書いてマブダチと読むあれになるということらしい。まずリムルとミリムがマブダチになり、リムル曰くそのリムルと元々マブダチ(?)な俺ともミリムはマブダチなんだとか。

 

ちなみにミリムさん、俺とマブダチになるのはちょっと不満げ。別に嫌だってわけじゃなくてどうにもその先へ、ということらしい。だから何でさ。キンジみたいな臭いセリフを吐いた覚えも無いんだけどなぁ……。いつどこで立ったフラグなの……。

 

だがそうしている間にも時間は流れ歩みは進んでいる。

俺たちの眼前には整備された街並みが広がっていた。

 

「ようこそ魔国連邦へ」

 

ようやく俺たちの街へ帰ってきた。

あーあ、リサに何て言おうか。いや、どっちかと言えばフラグ立っちゃったミリムの方をどう抑えるかだよなぁ。白雪タイプだったらどうしよ……。「竜星拡散爆」使ってくれないとまた(今度は主に周りが)血みどろの肉弾戦だし……。

 

「とりあえずこれだけは約束しくれ。ウロチョロしないこと、それから俺の許可無く暴れないこと」

 

「うむ」

 

と、多分半分もリムルの話を聞いていないミリムは即座に俺の手を取ってダッシュ。「なんなのだこれはー!面白いのだ!」と街に置いてある井戸をガシャコガシャコと凄まじい勢いでやっている。

すると、間の悪いのか良いのか分からんがガビルの姿が。ガビルもこちらに気付きやってくる。んー、嫌な予感。

 

「おお!龍人族ではないか。珍しいな!」

 

とてとてと、そこだけ切り取れば可愛らしくガビルに歩み寄る。引っ張られるこっちのことも考えてはくれませんか?無理か……。暇を持て余した好奇心の塊だし。

 

「ん?我輩はガビルと申す。この街は初めてかチビッ子よ」

 

あっ……。

 

「チビッ子?」

 

ミリムの顔がやばいことになる。んー、これはガビルさんが悪いですね。レディを見た目で判断すると痛い目みるので、今回は授業料ということで……。

 

「それはまさかワタシの事か?」

 

「え?」

 

と、ガビルは俺に助けを求める視線を寄越すが多分ここで貰っとかないとガビルは別の所で似たようなことをやらかす可能性が高いので仕方ない。多分殺されはしないと思うから……。南無。

 

「おい待っ……」

 

後ろから追っかけて来たリムルの声が聞こえるが、時すでに遅し。ミリムの右ストレートが物の見事に地雷を踏み抜いたガビルのボディへ、躊躇無く吸い込まれる。

 

吹き飛ぶガビル。舗装された石畳を数十メートル程削ってようやく止まった。死んで、ないよね?多分平気だろう。ガビルも何やかんやで頑丈そうだし。

 

「いいか?リムルとの約束があるから今回はこれで許してやるのだ。次はないから気をつけるのだぞ?」

 

パチン、と可愛らしくウインクを決めるミリム。ガビルクラスの魔物がワンパンで彼方まで吹き飛ぶ威力の右ストレートを叩き込む女の子のウインクは中々の破壊力だぜ。

 

 

 

────────────

 

 

 

「何をしているのだ?」

 

遂に恐れていた事態がやってきてしまった。触れるのが面ど……怖くて後回し後回しにしていたあの問題が遂に勃発。

それはリムルがミリムの入国のアナウンスを行った後、リムル邸で昼食を摂りながら蜂蜜の紹介をされ、何やかんやで鬼人ガールズとミリムの間にスウィーツ同盟が結成された直後だった。

リサが部屋にやって来て俺の姿を認めるやいなや───

 

「ご主人様、お帰りになられたのですね!!」

 

と、泣きながら抱き着いてきたので俺も立ち上がりそれを受け止める。いつもなら嬉しい以外に何もなくそのまま自室へGOするところなのだが、残念なことに今日はやべーゲストがお1人。それもフラグは立ってるわリサのことは何も伝えてないわで大変に大変な修羅場。

リサにもミリムのことは特に伝えてないから何も気にせずに抱き着いてくるわけで、それを見たミリムはブチ切れ寸前、というわけである。

 

 

「ご主人様、ミリム様は一体……」

 

リサもどうやら広場での話は聞き及んでいるのかミリムの存在は把握している様子。

ちなみにリサはどっかのHSS(ヒス)持ちの朴念仁と違って人の機微には敏いので勿論ミリムがブチ切れてるのは把握出来てる。だが(俺にすら何故フラグ立ったのか分からんのに)その理由が自分にあることは察することができないようだ。

 

「あー、話すと長くは……ならないな……」

 

なってほしかったな、話……。

なんせ一言で終わるもんね。「分かりません」って。多分それ言ったらミリムがやべーことになるけど。

 

「え?」

 

「タカト、その女は何なのだ!!」

 

やっぱりそうなりますよね!!

大丈夫かな、説明しても暴れないかな?暴れられたらこの家どころか街が吹き飛ぶんですけど!けどここは腹を括るしか───待て待て待て、リムル達がいなくなってるぞ!?

 

「リム───」

 

「リムルではない!そ!の!お!ん!な!は!誰で!タカトの!何なのかと聞いている!」

 

「はい……」

 

「で?」

 

圧が凄いですミリムさん……。

ガビルの時にもそんな圧でてなかったでしょ……。

 

「えー、この方はリサ・アヴェ・デュ・アンクさんです。リサと呼んでやってください。ちなみに俺の恋人です。付き合ってます」

 

余すことなく、そして誇張もせずに真実を報告し、恐る恐るミリムを見ると、どうやら暴れ回るのは回避出来たっぽいけど、目を潤ませて俺とリサを睨んでいる。ミリムアイとやらを持つミリムのことだ。リサに戦闘力が無いことは即座に見抜いたであろうし、その顔には「そんな戦えない女のどこが、胸か?胸なのか?」みたいなのが書いてある、ように見えた。

 

「あの、ご主人様、もしや……」

 

「うん……」

 

リサはどうやら勘づいたらしく、俺に耳打ちを一つ。俺も出来もしない否定はせず、潔く認める。

 

そしてリサは大きくため息。その顔には「またか」と書いてある、気がする。

えー、えー、そうですよまたですよ…。

 

「ミリム様」

 

「なんだ」

 

リサが恐る恐るミリムに近付く。なおミリムから放たれた殺気にビビって俺の影に隠れるもミリムの殺気が増す結果に終わった。

けれどそれじゃあ話が進まないので仕方なしにリサはもう一度ミリムへと接近。対話を試みる。

 

「天人様と何があったのか、リサは分かりません。けれどミリム様が天人様をどう思っているのかは分かります。ですから、ここはリサと半分こ致しませんか?」

 

「半分こ?」

 

半分?え、俺真っ二つ?縦?横?

 

「えぇ、リサはご主人様を愛し、ご主人様もリサを愛してくれています。ですが、ご主人様の愛が他の誰かにも向いてはならない、ということはないのです。英雄色を好む。むしろリサのご主人様にはそれくらいの甲斐性があればこそです」

 

出た、リサの愛人許容宣言。というかリサは本質的には愛人気質なのだ。俺は断じて最初からそのつもりではないのだが、俺が元の世界や巡ってきた幾つかの世界で女の子から好かれると、それをいち早く察知したリサはこういうことを言う。俺としてはあんまり好ましくないんだけどなぁ。

 

別に好ましく思われるのが煩わしい訳ではないし、最終的にはリサと添い遂げる覚悟とはいえ、こちとら(いい加減月日の感覚がおかしくなってきたがまだ恐らく)年頃の男の子。リサ本人からお許しが出てるのなら……と思わないこともない。けれども武偵高ならいざ知らず、異世界でフラグ立てても結局は別れるのだから寂しいだけだと思うのだ。特に、出逢いが劇的だからこそ、別れる時の悲しみもまた大きい、と思う。

 

だから俺は深く関わった世界でも、現地の女の子とはできるだけ深すぎる仲にはならないようにしていた。知ってしまうと辛いというのはISのあった世界で学んだからな。

 

が、今回のお相手は魔王ミリム・ナーヴァ。肉弾戦なら聖痕全開の俺と同等に戦える1人戦略兵器ガール。下手に拒んでいざバトルとなったら街ごと壊滅だ。リサももしかしたら、そこら辺を察知したのかもしれない。

 

「タカト……」

 

俺がそれでも逡巡していると、ミリムに袖を引っ張られる。……そんな目で見るなよ。「やっぱり合わなかった」で別れるならともかく、別れたくなくても別れなきゃいけないなんて、悲しすぎるだろ。だったら最初からそんな付き合いしなければいいんだ。

 

「やはりお前は元の世界が良いのか……?」

 

「そりゃあ、な」

 

帰れる可能性を俺は知ってしまっている。知ってしまったら俺はどうしたってそこへ向けて動かなきゃならなくなる。俺にとっちゃここはあくまで異世界であり、あの世界こそが俺とリサが暮らすべき世界なんだって思っているから。

 

「ワタシはもうこの気持ちを知ってしまった。たとえタカトが帰る道を選ぶのだとしても、今だけはお前と一緒にいたい」

 

それに、ワタシは魔王で長生きだから別れるのは慣れているのだ、と無理矢理に笑みを浮かべるミリム。

けどそれは、そんなのを俺は……、背負いきれ───

 

「───ご主人様」

 

「リサ……」

 

「ご主人様は本当にお優しい方です。けれどとても臆病……」

 

「は?何言って……」

 

「だって、怖いんですよね?ミリム様を悲しませるのが、自分が悲しくなるのが。別れが決まっているのなら最初から深く繋がらなければいいと。そうすればいざという時に誰も悲しまなくて済むからです」

 

「待て待て待ってくれ。どうしたんだよリサ。お前そんなこと言うキャラだったか?それに、ミリムだって今まで知らなかったから───」

 

「ご主人様、それは駄目です。それだけは、言わないであげてください……」

 

「リサ……」

 

ミリムもリサの言動に驚いているようだ。

 

「ワタシだって最初はそう思ったのだ。けど違った。さっきリサがタカトに抱きついた時、この女を殺したくなったし、タカトがそれを当然のように受け止めた時は泣きそうになった。ワタシだって「恋」がどういうものか聞き及んではいる。だからきっとこれは恋だ」

 

途中デンジャラスなセリフ挟まりましたけど大丈夫です?けれど、そうか。そうなのか……。

 

「いずれお前とは決着を付けたいと思っているぞ。けど今は、今だけは違う形でワタシを受け入れてほしいと思っている」

 

「ご主人様はミリム様の想いが嫌ですか?」

 

「そんなわけない。けど俺は───」

 

「───ならワタシがそっちへ行けば良いのではないか?」

 

「……は?」

 

「タカト達が元の世界へ帰れるのならワタシもそれに着いていけば良いのだ。その時にもまだワタシがタカトを好きで、タカトが受け入れてくれるのなら。そうすればタカトと離れなくて済むしな」

 

ミリムは妙案見つけたりって顔をしている。だけどそれには色々問題が……。

 

「え、いや、でもそれは───」

 

この世界の仲間や知り合い達と離れ離れになるってことだぞ……?

 

「確かにマブダチや他の魔王達と離れるのは寂しい。だがワタシはそれよりこの初恋とやらを大事にしたいのだ」

 

「そんなこと言ったって、お互い気持ちが離れたらどうするんだ?帰り道は無いんだぞ」

 

「その時はそうだな……。また魔王として君臨するのだ。それに、そっちにはタカトと同質の力を持つ者もいるのだろう?しばらくは退屈しなさそうだしな」

 

「モーイ!!ミリム様、素敵な提案ですね。……ご主人様、ミリム様が───女の子がここまで言っているんですよ?どうします?」

 

リサの挑発するような視線。……俺初めて見たぞ。主人を煽るとは悪いメイドだ。

 

「あぁもう!分かった!分かったよ!俺の負けだ!今からミリムも俺の女だ!」

 

「ふふっ、モーイです。英雄色を好む。ご主人様の甲斐性見せてくださいね?」

 

「おおう。こう堂々と宣言されると流石に恥ずかしいな……」

 

リサは相変わらず挑発してくるしミリムはミリムで今までそんな扱いされてこなかったのだろう。初めての感覚に戸惑い照れているようだ。

 

「あぁ……もういいか?」

 

ガチャりと、ドアが開けられリムルと紫苑に朱菜、紅丸白老蒼影がゾロゾロニマニマと入ってくる。この野郎共……巻き添えから逃げるフリして聞き耳立てていやがったな……。

 

「うむ!これからワタシとタカトは「恋人同士」と言うやつなのだ!!」

 

独り占めではないのは少し癪だがな、と付け足すミリム。

 

「はぁ、天人も程々にな……?」

 

前世から含めて恋人がいなかったらしいリムルの恨めしそうな視線と、鬼人達のケダモノを見るような目線が痛い……。ちゃんとリサを見てくださいよ、たわわに実ってるでしょ?別に俺はロリ趣味じゃあないんですよ。

というか、ミリム程の美少女にあそこまで迫られて断れる男がいるだろうか、いやいない。

 

「もう今日は疲れた……」

 

フラリと、自分でも分かるくらいに足取り覚束ずに自室に戻ろうとすると、ミリムが俺の左腕に飛びつき、リサが慣れた風に俺の右手を取る。2人分の重さをいつもより辛く感じながら、そして背中から刺すような視線を感じながら、俺は部屋に戻っていく───。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「魔王ミリムはタカトに任せるとしてよ、旦那。俺は他の魔王の動向にも気を付けた方が良いと思うぜ」

 

結局夕飯時に叩き起されてリサ達の手料理を食べ、ゆったりと女子組が風呂に入っている間に俺達は今後の方針会議。勿論主な議題は突風の様にやって来て嵐の様に場を引っ掻き回した魔王ミリムちゃんとそれが引き起こしそうなさらなる嵐に関して。なお魔国連邦への滞在中の世話係は問答無用で俺に決まりました。

 

「どういう意味だ?」

 

「魔王ってのは何名かいるんだが、別に仲間同士ってわけじゃねぇ。お互い牽制し合ってるんだよ」

 

「いかにも」

 

と、カイジンの言葉に白老と紅丸も続く。

魔国連邦の王様たるリムルとミリムが友好を宣言したということは、見方によってはミリムとリムルの間で同盟が結ばれたということでもあり、元々配下のいなかったミリムにジュラの大森林という大きな勢力が増えたということになる。そしてそれを快く思わない魔王がいないとは言えない、ということらしい。

 

「でもよ、それ言って帰ると思うか?」

 

質問しといて何だが、俺は帰らないと思うね。もし帰ることがあっても俺は確実に拉致られる。

 

「……」

 

全員無言。まぁ誰も帰ってくれるなんて思わないよなぁ。ミリムの事だ。なんなら笑って「他の魔王に睨まれる?大丈夫なのだー」って言いそう。

 

「飽きるか天人を拉致りたいと思ってくれるのを待つしかないか」

 

待てリムル。それはおかしい。

 

「はい」

 

はいじゃないが、おい蒼影。

 

「仮に敵対すのなら他の魔王の方がマシです。魔王ミリムはまさに天災ですので」

 

なるほど、ミリムが「天災級」なのか。

蒼影の言葉に俺はガゼル王と一緒にいたドワーフ族の1人の言葉を思い出す。

 

「ま、敵対は無さそうで助かりましたがね」

 

紅丸の熱い視線が痛い。何なら他の連中もカイジン含めて皆こっちを見る。

コイツら、俺が不貞寝してる間に情報共有しやがったな。

 

「何なら天人次第でミリムの行動自体は抑えられそうだな」

 

と、リムル。それに対し全員うんうんと頷く。

 

「お前らなぁ……」

 

俺が呆れた風に釘を刺そうとした時───

 

「タカト!リムル!ここの風呂は泳げるのだな!凄いのだ!!」

 

バァーン!!と扉を開けて出てきたのはタオルで上と下を隠したミリムちゃん。貴女には恥じらいはないのですか?いや、自信満々な彼女のことだから例え俺に対しても見せて恥じる身体ではないとか思ってそう。てかよく思い出したらあのタオルの布量だと普段の服とそんな変わらないわ。腕の部分だけ少ないけど。

 

「ミリム様!まだ御髪を洗えていないでしょう」

 

と、こちらはミリムよりはタオルで身体を隠せている朱菜。けどこっちは普段が露出少なめな分よりえっちぃ気がする。ちなみに紅丸さんは目がまん丸になってます。コイツのこんな顔初めて見たな。面白い顔だぜ。

 

「おお、済まぬ。感動して思わずマブダチと恋人に真っ先に伝えたくなったのだ」

 

と、奥へ引っ込みかけたミリム。

 

「じゃあなリムル、タカト。次は一緒に入るのだ」

 

どうやら恥じらいというものが少しはあったらしいミリムはタオルを抑えながら撤収。

あと次お風呂入るとしてもリムルは連れていきませんよ。このスライム、現状身体に性別は無いし見た目は可愛らしいけど中身オッサンだからな?多分ミリムは知らないからああ言ったんだろうけど。

 

「リムル、駄目だからな?」

 

「お、早速芽生えてるな?」

 

「しまいには焼くぞお前」

 

 

 

───────────────

 

 

 

そういやリムルは炎に耐性があったな、ということを思い出しながら次の日の朝食。リサの作ってくれたそれをミリムも含め3人で頂いていると、ミリムがその野菜の美味しさに感動していた。

さて、今後どうするか。世話係とか言われても、魔王の価値観なんて分からんしなぁ……。そういやジャンヌが前に言ってたな。「服が嫌いな女はいない。これは世界共通の鉄則だ」とかなんとか。その「世界」とやらがどこまで含まれているのか知らないけど、一応ミリムも女の子なわけで。それに今も朱菜から渡された服を着ているし、全く服に頓着しないというわけでもなさそうだ。

そして幸いにもこの街には服が大量にある。何せ、シズさんの姿を借りたリムルを着せ替え人形にするため、また著しく増えた人口に「お洒落」という文化をリムルが少しずつ植え付けているため、衣類をまとめて扱っている工房があるのだ。

 

「ミリム」

 

「ん?」

 

シチューに軽く漬けたパンを頬張りながらミリムがこちらを見やる。

 

「飯食ったら服でも見に行くか?」

 

「おぉ!」

 

決まりだな。

 

 

 

────────────

 

 

 

「おおーー!!」

 

主に朱菜とリサの管理する工房。そこでは大量の服が掛けられていた。

それを目を輝かせて見回るミリム。こうしていると(見た目の)年相応って感じがするんだけどな。

 

「意外とちゃんとしてるんですね」

 

リサと一緒にミリムの様子を見ていた朱菜が寄ってくる。意外とってなんだ意外とって。これでもリサとの付き合いだって長いんだ。これくらい分かってるさ。

 

「凄いのだ!!服だらけなのだー!」

 

「選んであげないんですか?」

 

どうやら服に興味津々なミリムを優しげに見つめながら朱菜がせっつく。

 

「俺はセンス無いんだよ……」

 

これは昔理子やジャンヌにも指摘されたことがある。基本的に自分の服はリサに選んでもらってるし、リサは基本的に何着ても似合うから俺はどれを見せられても全肯定していた。ちなみにそれを見た理子とジャンヌには「いい加減にしろ」と怒られたことがある。そんなこと言われたってなぁ……。

 

「ここにセンスの無い服があると思っているんですか?」

 

いやそんなことは言ってないだろう。というか朱菜の顔が怖い。笑ってるように見えて目だけが笑っていないぞ。

 

「なぁタカト、どっちが良いと思う?」

 

ミリムが2着ほど服を掲げてこちらに呼びかけてくる。柄物のTシャツとワンピース。ミリムならどっちでも似合いそうなもんだけどな。

 

「ほらほら、呼んでますよ?あ、「どっちも」なんてのは駄目ですからね?」

 

……読まれてるし。

本当はリサに丸投げしようと思っていたのだが、俺の水溜まりより浅い考えはリサには秒で見破られていたらしく、「ご主人様が選んでくれるそうですよ」と、釘を刺されてしまっている。リサさん?貴女俺が服選びのセンス無いの知ってるでしょ?

なお後でこっそり文句をつけたところ、「選んだことがないだけでセンスが無いとは限りません」と一蹴された。割と誰か助けてほしい。

 

「あぁ、そうだな……」

 

 

 

────────────

 

 

 

「ん?」

 

「あ?」

 

服をあれやこれや見ながら試着しては次のを試しと繰り返していたミリムだったが、何やら急に顔を上げると脱兎のごとく駆け出した。

 

「あ、おい!」

 

「侵入者というやつだぞ!」

 

「はぁ?」

 

とにかく、ミリムを1人にしたらどうなることか分かったもんじゃないので俺も着いて行く。

後ろから朱菜とリサも追いかけようとしているが、さすがに俺達のペースには追いつけない。というか、ミリムはさらにスピードを上げ、もはや地に足を付けることなく飛行の体勢に入っている。俺も強化の聖痕を開き、陸路でミリムに追随する。すると、街の中央広場に着いたところで、複数人の魔人と思われる集団がいた。

 

「誰だあれ」

 

「ここはいい街だな。魔王カリオン様が支配するに相応しい。……そう思うだろ、そこのお前も」

 

魔王の手下なのか何だか知らんがやたらと偉そうでガラの悪い奴がたまたまその場にいたらしいリグルドに絡んでいく。だがそこは流石リグルド。笑顔で「ご冗談を」と流す。しかしそう返したは良かったが、それが気に食わなかったのかガラの悪いそいつに思いっきり顔面をぶん殴られる。

 

「っ!大丈夫か?」

 

まさかいきなり殴ってくるとは思わなくてフォローが遅れてしまった俺が駆け寄ると「タカト様」と顔を上げるリグルド。だが言葉とは裏腹にその顔は───

 

「いや何、この程度どうってことはありません」

 

───顔の半分が焼け爛れ肉が見えていた。

 

「……。お前は」

 

「あ?人間風情が獣人に盾突こうってのか?」

 

「はっ。俺がテメェの知る人間かどうか───」

 

「───おい貴様」

 

「ん?───ッ!?魔王ミリム!?───豹牙爆炎掌!!」

 

その横暴さに俺が半分キレて叩き潰してやろうかと思った瞬間、ミリムが間に入ってきた。さらにその姿を見て瞬時にそのツインテールガールが魔王ミリムだと気付いたその男が技を放つが───

 

「はっ」

 

ミリムはそれを鼻で笑い、妖気だけで炎ごとその自称獣人様を空へ巻き上げ、落ち際にそいつの顔面に拳を叩き込んで地面へと叩きつけた。

 

「貴様、この街やタカトをそれ以上愚弄するなら今すぐ殺すぞ?」

 

ミリムさんや、そいつもう気絶してて聞こえてませんぜ。

 

「タカト。これは……」

 

すると、街の周りの警邏に当たっていた蒼影もようやこちらへやってくる。どうやら、警備網を抜けた奴らがいたらしくそれを追ってきたのだとか。まぁその下手人は今しがたミリムにボコられて寝てるけどな。

 

「あぁ、まぁだいたいあそこで落ちてる奴が悪い」

 

俺も仲間を殴られた挙句自分のことも悪く言われてる手前、とくに庇おうとも思えなかった。恐らくリムル辺りはミリムを叱るんだろうが、今回はミリムの味方をしてやんなきゃな。

 

「ソウエイ!……何だこの騒ぎは」

 

「リムル様。はい、どうやら……」

 

と、カイジンとベスター(前にリムルと一悶着あったらしくドワーフ王国を追放された優秀な研究者らしい。ガゼル王が唐突に拉致って簀巻きにして連れてきた。俺は何も知らなかったのでまるで意味が分からなかった)の工房から帰ってきたリムルも騒ぎを聞きつけたらしくやって来た。

それに対し状況の説明をする蒼影。

 

「リグルドは大丈夫か!?」

 

「リムル様。えぇ、何のこれしき」

 

いや、それは大丈夫ではないと思う。ターミネーターみたいになってるぞ。

 

「私達を庇ってくださったのです。叱らないであげてください」

 

と、騒ぎの中心にいたリグルドはリムルに回復してもらいながらも出来た発言。

 

「天人、お前が止めろよ……」

 

と、リムルは頭を抱えながら俺に振る。まぁ、確かに俺の管理不行き届きと言えばそうなんだが……。

 

「いやまぁミリムがやらなきゃ俺がやってたしミリムは叱らないでやってくれ」

 

「タカト……」

 

ガビルのやらかした時ならまだしも、今回はどう考えても向こうが悪いのだから今回はミリムの側に立つ。しかしどうやらミリムにとってはそれはそれで意外だったらしく、思いがけないという顔をしていた。

 

「リムル様」

 

と、今度は朱菜とリサが追いつく。

 

「申し訳ございません。侵入者に気付いたミリム様が飛び出してしまい、止める間もなく」

 

「まぁ、そもそも止めるのは天人の役割だしな」

 

「俺だって侵入者が来たら行く役目だからな?」

 

「しかし、先に手を出したのが向こうとはいえ、奴は魔王カリオンの部下だと言っていたようです。報告次第では……」

 

「部下を魔物の街の偵察に出して、殴られて泣きながら帰ってきた程度で目くじら立ててるような奴と仲良くする義理はねぇだろ」

 

「天人、お前なぁ……。……あぁもう、お前ら2人とも今日の昼抜きな!」

 

「あ!横暴だぞ!」

 

「そうだぞ!侵入者をやっつけたのだぞ!酷いのだ!」

 

俺とミリムが判決に納得いかず駄々をこねるがリムルはうるさいうるさいとでも言いたげに耳を塞ぐ。まったく、甘いったらないぜ。

 

「しかしまぁ場所を移そう。一応向こうさんの言い分も気になる」

 

と、争いには参加しなかった他の獣人達を見てリムルはそう言う。問題は俺たちの昼飯だな……。そろそろ腹が減ってくる時間だ。

 

 

 

───────────────

 

 

 

「で、君達は何しに来たんだ?」

 

結局リムル邸に場所を移した俺達は、意識を取り戻したフォビオとか言うらしい獣人から話を聞くことにした。なお俺とミリムのお昼ご飯はサンドウィッチがそれぞれ用意された。ただし、席ではなく端のソファーに。反省席だそうだ。

だがフォビオはプイとそっぽを向いて「スライム風情に答える気は無いね」といまだに強気な対応。これには鬼人たちも殺気立つがこれはリムルが抑える。

 

「はっ!こんな下等な魔物に従うのか。雑魚ばかりだと大変だな!」

 

と、あくまでこちらを見下す姿勢は変わらない。コイツ、マジで1回シめた方が良いんじゃないか?だがリムルもイラついてはいるようだがあくまで口調は冷静さを保つ。

 

「そこまで言うんだからお前の主はさぞかし大物なんだろうな」

 

あぁけどやっぱりイラついてるわ。

言葉にいつもより刺がある。

 

「あぁん?当たり前だろ。お前、魔王カリオン様を知らないのか?」

 

知らねぇよ。ミリムや鬼人達ならともなく、俺や恐らくリムルも魔王なんて一々知るか。

 

「では言葉に気をつけろ。そもそも先に手を出したのはそっちだ。こちらはお前しだいでいつでも臨戦態勢になる。このジュラの大森林全てを敵に回す判断を、カリオンではなくお前が下すのか?」

 

「ちっ……。スライム風情が吹かしやがって」

 

流石にそこまで豪胆ではないらしく、さしものフォビオもやや引き気味になる。

 

「なんなら樹妖精を呼んで俺の支配領域を証明しようか?」

 

リムルが立て続けにカードを切る。

 

「フォビオ様……」

 

と、後ろに控えていた猿っぽい獣人がフォビオに耳打ち。どうやら話し合いに応じる気になったらしい。

 

「……ここへはカリオン様の命令で来た」

 

「おいフォビオとやら。スライム風情と言ったな。ワタシの友人をそれ以上見下すよな発言は許さ───」

 

「ミリムお前次何かしたらマジで晩飯抜くからな」

 

サンドウィッチを食べ終えたミリムが割って入るがそれはリムルにカットされる。ミリムは飯を人質に取られてシュンとしながらソファーに戻り俺にしなだれかかる。

 

「遮って悪かったな。続けてくれ」

 

フォビオの話によると、俺たちとオークロードの戦いで生き残った方をスカウトして配下に加える、というのが魔王カリオンとやらの狙いらしい。そして生き残った方である俺たちの街へ来た、ということだ。なるほど、結構色んな奴があの戦いを見ていたんだな。ということはやっぱりあそこでは力を隠しておいて正解だったかもな。あそこで全開を出してオーク軍皆殺し、なんてやってみろ、今以上に魔王だの魔人だのが押し寄せてきていたかもしれない。

 

「魔王カリオンに伝えてくれ。日を改めて連絡をくれれば交渉には応じる、と」

 

配下、にはならなくとも友好を結ぶ程度なら特に損は無いかもしれないというリムルの判断なのだろう。まぁわざわざ敵対する必要も無いのは確かだが……。

すると、フォビオは雑に立ち上がり───

 

「きっと後悔させてやる……」

 

と、歯痒そうに捨て台詞を残しながら(そして部下らしき奴らもその場に残しながら)帰って行った。あーあ、これ絶対面倒事になるやつだ。俺は詳しいんだ。

 

「……天人」

 

「あいよ……」

 

で、ミリムからの情報収集は俺の出番なのね。

 

「いくらタカトと言えど教えられないぞ。邪魔はしないという約束なのだ」

 

はい、秘密があることの自白は頂きました。ちなみにこのミリム、(言ったらキレそうなので言わないけど)流石年の功と言うべきか、達成したい目的とそれに対して妥協しても良い部分の見極めが非常に上手い。だが逆に言えばその約束を反故にしようと思えるだけの物を提示できればいくらでも聞き出せるというわけだ。ま、そんなの他の魔王を歯牙にもかけない実力があればこそ成し得る技なんだけどな。そしてさらに逆を言えば、ミリムの戦闘力を増す手段以外で聞き出せたのなら、それは俺たちを監視していた魔王達全員を相手取ってもミリムは勝てるというわけなのだろう。俺としてはあんまりミリムを最前線には出したくないがな。

 

「それはカリオンとだけの約束か?それとも他の魔王とも関係しているのか?」

 

「うっ……それは……」

 

言えない、ということは他に最低1人は魔王がいるわけだな。そもそも魔王が何人いるのかは知らないが、これでミリム、カリオン、そして最低もう1人の3人は確定。それがシズさんの仇のレオン何とかさんかどうかは知らんけど。ま、魔王が10人も20人もいるのかは分からないし、何よりその全員が今回の覗き見に加担しているとも限らないが。さて次のカードはどうするかね。

 

「ミリム……」

 

「うっ……」

 

つい、指先でミリムの顎をこちらに向け、ミリムの目を見つめる。あーあ、こんなんしてると俺まともな死に方できないな。多分馬に蹴られて死ぬ。

 

「ミリム、教えてくれないか?なぁミリム、俺だってミリム達の邪魔をしたくはないんだ、ミリム。そうだな、今度ミリムが欲しいものを何か上げるよ。物じゃなくてしてあげるでも良い。ミリム、ミリムは彼らとどんな話になっていたんだ?」

 

わざとらしくしつこいくらいにミリムの名前を呼びながら聞き出す。それも耳元で、わざと低音で囁くように。これ、ちゃんとした理由があるのだ。これは「呼蕩」とかいう技で、人間は異性のある一定(というかやや低め)の声で名前を呼ばれるのに弱いらしい。それを利用し耳元でこのように囁いて催眠術のように言う事を聞かせる技術なのだとか。ちなみにこれ、後でアリアから愚痴られて聞いた話なのだが、キンジが新幹線をジャックされた際に白雪にやっていたらしい。俺は聞いた話からそれを真似してみたのだ。もちろん悪用は禁止。というかフラグ立つやつなのであんまりやりたくないしミリムにこれやるのは卑怯以外の何物でもないのだけれど、一応他の釣り針もあるから許してほしい。え、周りの視線?すっげー冷たい目で見られてますよ?「うっわコイツさいてー」って顔されてます。

 

「うん……」

 

なおミリムは顔どころか耳まで真っ赤にして顔を伏せてしまっている。不味い、効きすぎたかもしれない。

 

「約束、なのだぞ……?」

 

「あぁ、もちろん」

 

我ながら俺は馬に蹴られ死んだ方が良いな。それが全世界のためだと思う。

で、俺が罪悪感に苛まれながらも聞き出した情報によると(あと武器と書いておもちゃと読むやつも作ることも約束させられた)どうやら今回の計画には4人の魔王が関わっている。そしてその4人で新たな(傀儡の)魔王を作り出すことが目的だったのだとか。で、何故傀儡の魔王が欲しいのかと言えば、どうやら魔王間での拘束力のある協定はそれを提案した魔王以外に2人の魔王の賛同が必要となるらしい。また、現状の魔王は10人であることも聞き出せた。どうやら今回はオークロードを傀儡魔王にするという計画でスタートしたのだが、それを持ち込んだのはあの小物魔人ゲルミュッドなんだとか。それに魔王クレイマンと魔王フレイという2人の魔王、あとはカリオンとミリムが乗っかり動き出したらしい。だがオークロードは俺達に倒され、トドメを刺したリムルと明らかに人間ながらオーク共を薙ぎ払った俺にそれぞれ興味を示した魔王4人がそれぞれの手段で俺たちに接触を図っているらしい。つまり、この先クレイマンとフレイなる魔王からの干渉も有り得るという訳だ。

 

「なるほどな、ありがとう、ミリム」

 

「あぁ。約束の方も忘れるでないぞ」

 

「分かってるさ」

 

それはまぁ大丈夫として、問題は……。

 

「俺達が魔王たちの計画を邪魔したってこと、だよな……」

 

と、リムルが呟く。それに紅丸も「ですね」と頷くしかない。

 

「想定していた状況とは違いますが、他の魔王もここへ干渉しに来るでしょうね」

 

と、紅丸。

 

「大変なことですよ。トレイニー様にも相談しなければ」

 

リグルドも頭を抱える。

 

「問題ありません!リムル様なら他の魔王なぞ恐れるに足りません!」

 

なお紫苑はこれ以上ないくらい楽観的。

まぁ紫苑はいつものペースなので放っておくとしても、ミリム襲来から巻き起こされた魔王旋風に、俺たちの魔国連邦は否応無く巻き込まれ飲み込まれていくのだった……。

 

 

 

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