鍛冶師 in Grand Order   作:あの時のアレ

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そこにあるもの

ローマ帝国

 

古代、地中海周辺を我が物としその栄華と繁栄は今もなお語り継がれている

それを実現させたのが歴代皇帝たち

 

権謀術数にたけ、数々の戦場で勝利をつかみ取った偉大なる皇帝 カエサル

 

月に魅入られ狂気へと落ちた暴虐の皇帝 カリギュラ

 

皇帝である彼らが狂化にかけられているわけでもないのにローマと敵対していた。それはなぜか。彼らよりも上のものがいたからだ。

 

神祖 ロムルス

 

国造りの槍をもって七つの丘にローマを建国した王、ローマの父と呼ばれる彼に頼まれたためあのような行動をとったのだ。

その彼が先刻の戦場に姿を現したのだという。

 

「それでネロが混乱してるってことか」

 

自分のローマともう一つのローマ、今ではどちらが真のローマなのか、自分がやっていることが正しいのかわからなくなってしまったのだ。

ああ、全く

 

「なんて愚かしいんだ」

「…………なに?」

 

俺の声がその場に響き渡り、その言葉に皆が様々な反応を示す、中でも通信越しに聞こえてくるロマンの慌てている声が耳障りだった。

皇帝陛下相手に何してるかだって?

そんなのは知ったこっちゃない。例え目の前の皇帝がどれほど偉大な存在だとしてもかの王以上に偉大な者は存在しない。

 

「お前は言ったなネロ・クラウディウス。自分の歩んできた道が、作ってきたものが間違いではないのかと、ほんの一瞬でもそう思ったと言ったな」

「…………ああ。相手は神祖だぞ!余の間違いを正してくれるというのなら今すぐにでも神祖のもとに行きたいくらいだ」

「だから愚かだと言ったんだ。偉いやつを見ては自分が間違いだと疑ってしまう、それは自分に自信がないからだ。そいつに任せてしまえば楽になれるだろう。だがな、その先には何もないんだよ。たとえ間違っていたとしても、その先にはきっとお前が求めるものがある」

「…………………」

「それともなにか?俺たちに見せてくれたローマはお前が作ったものじゃなくて神祖が作ったものだったのか?」

「………………………」

 

 

柄にもなく説教じみたことを言ってしまった。昔、ばかな考えを持っては楽な方へと逃げるだけのやつがいたから、そいつを思い出してしまった。

 

「じゃ、マスター後はどうにかしてくれ。言っておくがネロ、お前が動かなくても俺たちは神祖を倒しに行くからな」

 

そう言い残してその場を離れる。後は本人次第だ。敵に下るというのなら容赦はしないし、立ち上がるというのならその時はその時だ。

 

 

「フォーウ」

 

いつの間にか足元にフォウがいた。肩に登りその前足で俺の頬をたたいてくる。一体何がしたいのか。

気が付けばマスターやマシュの傍に現れるのはわかるのだが、なぜ俺のもとに来るのだろう。懐かれる理由は俺にないし、かといってこいつが俺に懐く理由もない。

 

「フォウフォーウ!」

「相変わらず何言ってるかわからん」

 

マシュはコイツの言うことがわかるらしいがそんなスキル俺にはない。まさかコイツ俺のことを便利な足だと思ってるんじゃ?いや、まさかな

 

「フォウ」

 

頷くなよ。え、そういう理由で来てたの?

獣を狩ってきた俺が獣に使われるなんて………

 

 

 

「待たせたな」

 

しばらくの間フォウと戯れていると答えを出したのだろう、先ほどとは全く様子が異なるネロがそこに立っていた。その姿はまさに威風堂々、今の彼女であれば何の懸念もないだろう。

 

「先ほどは無様な姿を見てしまったな。ウルガルよ、余はもう二度と迷わんぞ」

「そうか。ならさっさと神祖のとこに行って見せてやろうぜ、これが自分のローマだってな」

「うむ。この戦が終わった暁には余がお主たちのためだけに劇場を開き歌を聞かせようではないか」

 

歌?こいつ確か歌聞かせるために無理やり劇場に人入れて出させないように封鎖したんじゃなかったっけ?あっ(察し)

 

「ちなみに藤丸からはお主も是非行くものだと聞いておるが」

 

どういうことだと目を向ける。てめぇ船のこと忘れたとは言わせねえぞ

 

「ウルガルは気絶したくらいじゃないか!俺なんか、俺なんか!!ううぅ」

「ああ、ますたぁ!ウルガルさん、ますたぁが泣いてしまったではありませんか!!大丈夫ですよたとえどのようなことになろうともわたくしはますたぁのことを愛しておりますから」

「うわああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「先輩!?どこに行くんですか!?」

 

………後で謝るか

 

 

 

あの後いろいろとあったが何とか無事にことを収めることができついに神祖を倒しにいくことに。

敵の戦力は神祖と宮廷魔術師に対しこちらはデミサーヴァントを含めサーヴァント六体。向こうには聖杯があるため何が起こるかわからない。

当然のごとく道中には敵兵士たちが構えている。ここはブーディカをはじめスパルタクスに荊軻、呂布が引き受けてくれることに。俺たちは一刻も早く神祖のもとへと向かう。

 

敵兵との交戦をできるだけ避けながら目的地へとたどり着いた。煌びやかな装飾が施された部屋に佇んでいるあいつが神祖だろう。さすがというかローマを建国した王ということでその存在感はこの場のすべてを圧倒するものだ。

 

「来たか、愛し子よ」

「神祖よ、今ここであなたを超えて余が第五ローマ皇帝であることを示してみせよう!!」

 

剣を構えるネロ、それに続くようにしてマスターたちも戦闘態勢に入る。こんな状況ではあるが先ほどから気になっていることがある。

いや、本当にこんな時にこうゆうこと言うべきじゃないんだろうけど

 

「なんなんだそのポーズ」

 

ここに来た時からずっと思ってたんだよな。ネロが神祖と真面目な話をし始めたから口出しすることができなかったのだがこのままだと気になって戦闘に集中できない。

マスターも不思議に思っていたのかすごい首を縦に振ってこちらを見ている。

 

「これは偉大なるローマ、それを形どったものだ」

 

両手の先までをピンと伸ばし天へと向けている。Yの字の形である。どこにローマがあるのだろうか。

 

「ええい、そんなこと気にしている場合ではないだろう!!ちなみに余はかっこいいと思うがな!」

「まじか」

 

ローマ特有のものなのか

 

「いいから!!来るよ!!」

 

 

 

ローマポーズ(?)をやめて建国の槍を手にこちらへと向かう。受け止めるマシュが抵抗むなしく吹っ飛ばされ壁に激突する。そのすきを狙ってネロが後ろから攻撃を仕掛けるもまるで見えているかのように振り返ることなく槍で受け止める。

 

 

「どうしたネロよ。お前の力はそんなものなのか」

「そんなわけ、なかろう!」

 

一度離れて後退したと見せかけて弾丸のように飛び出していき神祖に突進を繰り出す

 

「花散る天幕!!」

 

渾身の速度を用いた一撃。その突きですら難なく防ぎ切ったロムルス。

 

「くっ、さすが神祖。余の攻撃では傷一つつけることすらできぬか」

「でもやるしかない!マシュ、清姫、ネロの援護を!」

「はい!!」

「ところで先ほどからあの人がいないのですが一体」

「そういえば、ウルガルは一体どこに?」

 

ドゴォォォォォォォ!!!

 

 

「「「!?」」」

 

突如として部屋の壁が爆発して何かが飛んでくる。それは先ほどまでその姿をくらませていたウルガルだった。

 

「ウルガル!?」

「………おぉマスターか。悪いがそっちには手を貸せそうにないわ」

「だれが………」

 

 

「全く、一介のサーヴァント風情が私の手を煩わせないでほしいものだ」

『その声は、まさかレフか!?彼がそこにいるのか!!」

「はい、姿を確認しました。間違いなくレフ教授です!」

「ロマ二にマシュ、そして藤丸立香、久しぶりだね。あぁ本当に、腹立たしいことこの上ない!!お前たちのせいで私の計画が台無しになってしまった」

 

その顔は怒りでゆがんでいる。

 

「神祖も神祖で使えない。こちらの言うことには従わない、こんな奴らの始末にも手間取っているとは」

「レフ、お前の目的は何なんだ!!」

「人理の焼却だよ。人間は愚かで間違いばかりを起こす。だから最初からやり直すのだ」

「クソったれな考え方だな、てめぇの方がよっぽど愚かじゃねぇか。もっかい来いよ。その性根叩き直してやる!」

「ウルガル!!」

「こいつは任せろ、マスターたちは神祖を頼む」

「貴様ごときにやられる私ではない」

「御託はいい。さっさと行くぞ!」

 

 

 

神祖をマスターたちに任せて目の前のコイツ、レフに攻撃する。元はカルデアにいたようだが人類を裏切った張本人、いまここで殺す。魔術を使っては近づかせないようにしているがその程度どうということもない。

 

「不意打ちじゃないと攻撃が当てられねぇらしいな」

「ほざくな!」

 

その動きはとても単調なもので実に読みやすい。だが、奴の体の動きに違和感を感じる。まるで自分の体ではないような

今は考えるよりも先にこいつをどうにかしなければ。懐に入りその体を切り裂く

体はバラバラになり、地に倒れる。これでこの特異点も修復される

後はマスターたち次第か

 

「ウルガル、無事!?」

 

どうやら向こうも終わったようだ。これにて一件落ちゃk「どこを見ている」

その言葉と同時に魔術による攻撃が襲い掛かる。運よく気づくことができたが完全に避けることができなかった。そのため

 

「ウルガル、腕が………」

「気にすんな、腕がとれただけだ」

 

爆破の影響で右腕の二の腕から先がちぎれたようだ。まだ戦うことはできるがそれより

 

「偽物だったってわけか」

「その通り、君が戦う姿はとても滑稽だったよ。だが、遊びはここまでだ。これ以上は時間の無駄。我が真なる姿によって貴様らを葬り去ってやろう」

 

『この魔力反応、一体どういうことだ!?』

『レフから感じられる魔力が増大。サーヴァント、いやこれはそれ以上、全く別のものだ!』

 

人の形を変えその姿を現す。まさしく邪悪そのもの。巨大な一本の触手、そこには多数の目玉が付いておりより一層邪悪さを表している。

 

『我が名はレフ・ライノール・フラウロス。ソロモン七十二柱が一柱。すなわち魔神である』

 

神の名を冠するだけあってその魔力はけた違い、なによりも不愉快だ。

 

『ここで消え去れ、人類よ』

 

戦いは終わらない

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