この作品は深い設定がありません、あたまのわるいひと、みたいな顔で書いてます
疑問に思ったことがあってもこの作品のオリジナル設定ということで
「さあ、タグ欄を見るがいい読んでくれている皆様よ!そこに、作者の逃げの一手が書かれているぞ!!」
疲れた
………………………いやぁ、ねぇ?
女神がいるらしいからって船を暴走させてまで行ったり、魔神とかいうえぐい見た目の奴相手にして腕ちぎれたり、とどめに神の鞭よ。
なんなん、ほんとなんなん?
あぁ!?(半ギレ)
七つある特異点のうちまだ二つ目でこれとかこれから先どんな奴が出てくるんだよ
意味わかんねぇんだけど!!(ガチギレ)
もうお家帰りたい………あ、俺の家無いじゃん
………やめよう。
現実逃避はやめて目の前の事実に目を向けないといけない。
認めたくないことっていうのは人生でいろいろある、でもいつかは目を向けないといけないんだ。たとえそれが
「あら、ようやくこちらを見てくれたのね」
大嫌いな女神が目の前にいたとしてもだ。
そう、ローマから帰ってからすぐに召喚を行うことにしたのだ。そろそろアーチャーが来てくれてもいいんじゃないか、アーチャーがいいと念押しして召喚を行ったのだがその結果がこれだよ。
俺の幸運、低すぎ…?
「私が来てあげたのだからむしろ幸運でしょ?」
「はっはっは、女神も冗談を言うなんてな」
「ん?」
「あ?」
さっきから笑顔で魅了をかけてきているが俺には効かない。俺には
「ステンノ様、お茶とお菓子をお持ちいたしました」
「ありがとう、マスター」
この通り、召喚されたと同時に魅了をかけて小間使いのような扱いをしている。
まぁ狙いはそこではないんだろうが
「ぐぬぬぬぬ」
「先輩っ」
部屋の入り口から恨めしそうに見ているマシュと清姫、彼女たちに反応を楽しんでいるのだろう。
人の様子を嗤っては楽しむとは
愉悦部………麻婆……うっ、頭が
現界するにあたって変な知識まで与えられたようだ
ロマンから聞いた話によると希にサーヴァントではなく麻婆豆腐が出てくるそうで、しかもメチャクチャ辛いらしい。職員の一人が食べたときは意識がぶっ飛んでうなされてしまうほどだとか
どうでもいい事だが、その職員は「どうせ死ぬなら最後にへそ出しセーラー服とメイドの男の娘が見たかった」とかいってたらしい
一体どこの何エルさんなんだ
そういえばもう一つ、ステンノが召喚されたときにかつてないほどに喜んで舞い上がっていたドルオタを殴ってしまったが俺は悪くない
ハーレムを作っているマスターを放っておいて部屋へ戻る
ローマでの戦いは想像以上に壮絶なものだった。これからの戦いに備えてより入念な準備をしないといけない。が、その前に一つどうにかしないといけないことがある。
「その右腕のことでしょう?呪いをかけられているなんてかわいそうね」
「ああ。ま、このくらいなら少し時間はかかるが解呪はできるさ」
「何だったら私がしてあげましょうか?」
「いや、大丈夫だ。………何でここにいる?」
マスターたちと一緒にいたはずのステンノがいた。部屋の場所を教えたというわけでもないのに、気が付けば対面に座ってこちらを見ている。
「貴方が出ていくのが見えたからよ」
「気配遮断使ってストーカーとは趣味が悪いな」
「私の行く先にあなたがいただけよ」
「………それで、何の用だ?」
こいつの愉悦を満たすようなことはできないのだが
「さっき言った通りよ」
………………………………は?
「なんて?」
「だから、私がその呪い解いてあげてもいいと言っているの」
「何が欲しいんだ?」
何の対価もなしにする理由がないはずだ
「あなたが欲しい、なんて言ったらどう?」
「何言ってんだ」
「だってあなたって面s、興味深いんだもの」
「何言ってんだ(二回目)」
完全に遊ばれるやつじゃねぇか、ふざけんな
いいからさっさと部屋から出ていかねぇかな
「まあいいわ。それよりもいいことを教えてあげましょう」
「そういうのいいんで」
「あなた、神から祝福されてるわよ」
こっちの話は全く聞かないのね………今なんて言った?
「言っておくけど私じゃないわよ」
「ああ、それはわかってる」
スキルが働いている以上そういったものは効果がないが解除すればその限りではない。解除するときはそうないがしなければそういったものを知ることはできない。
というわけでスキル解除
………………………………あ゛?
主に効果は二つ。一つは戦力の向上。こっちはまだいい、解除中でしか意味はないが。問題は二つ目の方だ。
なんだ神から好かれるって、嫌いな奴らから好かれるようになるなんて、ガチでただの呪いじゃねぇか。
しかも名前が名前だ。金星の祝福って犯人あいつしかいねえよ。俺があったことのある金星を冠する女神なんて一人しかいねえよ。
いつだ?いつやられたんだ?
あいつに会ったことなんて片手で数えるくらいだったはずだ。最初に会ったのはいつだったか………
もしかしてあのときか?
「ほわんほわんほわんうるがる~」
「え?いきなり何を言っているの?」
「いや、わからんがなぜか言わないといけないと思って」
あの日は確か王サマから渡されたラピスラズリを使って装飾品を作れと言われて出来上がったから持って行ったんだ。
「王サマー、言われたもの出来たんで持ってきた、ていねぇじゃんか」
またサボってエルキドゥとどっか行ってんのか。小さい時から見てきた俺からしたら友達ができて楽しそうにしているのを見て嬉しい反面、ちゃんと仕事してほしい気持ちもある。いや、むしろそっちの方が大きいな。サボり癖を何とかしてもらわないといけないな。
「ギルガメッシュ王はおられますか?」
「ん?シドゥリか。いつものことだ」
「はあ、またですか」
どうやら彼女も来るように言われていたようだ。彼女と一緒になる機会は役職上重要なことを除けば滅多にない。ということはこれから何か起きるのだろう。
「ほう、来ておったか」
「ギル、君が来るように言っていたんだろう。やあ、ウルガル、シドゥリ」
「よお、エルキドゥ。あんまり王サマにサボらせないでくれないか?いろいろと大変なんだ」
「はは」
笑い事じゃないんだが。ニコッ、じゃねよ。
「そんなことはどうでもいい。貴様、ちゃんと持ってきたのだろうな」
「持ってきてますよ、ほら」
「ふむ」
作ったものは首飾りだ。渡したそれを見ている。
「…………適当で良いと言ったはずだが?」
「俺のプライドが妥協を許さなかった」
「ハッ、まあいい。貴様らを呼んだのはこれから会うやつに関することだ」
鼻で笑われたんですがそのことは置いておくのか。解せぬ。
一体誰のことで呼ばれたんだよ。大したことじゃなかったらその面殴ってやる。
まあ、やったら殺されるからやらないけど。別にビビってねえし。
「そいつはとても面倒くさいやつでな、何をしでかすかわからん。こちらとしても穏便に事を済ませたいのでな」
「それで、その方とはどういった方なのでしょうか?」
「…………どうやら彼女が来たみたいだよ」
彼女だと?見た感じ辺りには俺たち以外誰もいないのだが………………!?この気配、女神か?しかもかなり速い。
女神で王サマが面倒くさいというとなると考えられるのは
「あなたが、ギルガメッシュ王かしら?」
天の女主人、金星の女神イシュタル。なんでそんな奴がここにいるんだ。
「イシュタル様!?どうしてここに?」
「あらシドゥリじゃない。ごきげんよう。今日はそこの王に用があるの。あなた私と婚礼の義を行いなさい」
「断る、疾く失せろ」
「そうね、美の女神である私から求婚されて夢みたいだと思っているのでしょう?でもこれは事実、私があなたを………なんて言ったのかしら?」
「児戯に付き合ってやる道理はない。これを持って早々に失せるがいい」
目の前ですごいことが起こっている。突然女神が現れたと思ったら王サマに求婚してフラれてやがる。
そのことが受け入れられてないのかイシュタルもイシュタルで面白い顔をしている。当分酒の肴には困らねえな。
というか王サマ、俺に首飾り作らせたのはこのためなんですか?せっかく作ったものを女神に渡すくらいなら返してくれませんかね。それ交換してバターケーキ食べたいんですが。
「なに?どうゆうこと!?この私の求婚を断った上にそんなものでこの私の気を静めようっていうの!?考えられないわ!」
「これはいらないということか?」
「もらうわよ!!ていうか欲しい!なにそれ、すっごいきれいじゃない」
相手が女神とはいえそう言われると照れるな。ラピスラズリの加工に研磨といった工程一つ一つに至るまで手を込み着けた者を健康にし幸運にするというおまけもついている。いつかは量産したいのだが素材が素材なだけに叶わぬものとなったが。
「これあなたが作ったの?………どこかで会ったかしら?」
「…………いや、初対面だ」
「ふーん、そう。それよりもあなた、私のものにならない?」
何言ってんだコイツ。さっき王サマに求婚してたじゃん。いや、そういう意味じゃないな。キレイなものが好きらしいから私のもとで作りなさい、一生な。てことか。
ふざけんな
「何を言うかと思えば。残念だがこいつは我のものだ、貴様にはやらん」
言葉遣いがひどいが訳すと「こいつは我の大切な部下だから貴様のもとへは行かせられない」てことか?そういうことだと思いたい。
「まあいいわ。ギルガメッシュ、そしてそこのあなた。また会いましょう」
飛んで自分の神殿へと帰っていったイシュタル。それからも何度かウルクに来ては好き勝手に振る舞っていた。そのたびに俺のもとに何かを作って機嫌をとるようにとの命令が来る。そしてたまにイシュタルも来る。工房を汚いって言うなら来るなよ。叩くよ?槌で。
王サマを自分のものにしようと画策しているようだがうまくいかないからと相談しに俺のもとへときている。わかれよ、王サマも俺も嫌いなんだよ。
「どうしてこの美の女神である私が嫌われているのかしら?」
「簡単だ、タイプじゃねえんだよ」
「じゃあアイツはどんなのがタイプなのよ」
王サマの好きなタイプか。………………好きなものは好きだが嫌いなものはとことん嫌いなんだよな。
長いこと仕えてきたがあの人の考えていることは未だに、いやこれからもわからないだろうな。
「ま、お前はないな」
「女神に向かってなんて態度を、どれだけ私が嫌いなのよ」
「お前がってよりかは神がだけどな。今すぐエビフ山に帰れよ」
「嫌いなんじゃない。どうしてなの?」
「…………………いろいろあったんだ」
ふーん、と適当に返してくる。興味ないなら早く帰れ、こちとら仕事詰めで疲れてんだよ、寝させろ。
「そう、悪いことしたわね。これお詫びとして受け取っておいて」
そう言って宝石をこちらに渡してくると同時に立ち去っていく。
ここで不思議に思わなかったのが間違いだったのだろう。あのイシュタルが他人に自分のものをタダであげるのだろうか、去り際に見せた不敵な笑みに疑念を抱かなかったこと。
次に会ったのはグガランナを連れてウルクを襲撃した時だった。
思い出してみたのだが、確かに上げるとは言っていたが誰も宝石のことだなんて言ってなかったな。祝福を授けることを隠すためにそのようなことをしたのだろう。
そうした動機は王サマが自分のものにならなかったことへの八つ当たりか?
待て、そうなると俺はあいつの八つ当たりを二回も受けたということになるのだが………………はっ
「ふざけんなよあのクソ女神がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「きゃっ」
まじでふざけんなよ、あの野郎今度会ったらその面ぶんなぐってやる。女神は禄でもないな。
………さっき目の前の女神かわいい声出さなかったか?
「………」
「………」
「………忘れなさい」
「無理だわ」
忘れろって言われても無理なもんは無理だな。おい待て、右手に魔力をためてこっちに来るな。アルカイックスマイルってやつか?怖いんだが
「大丈夫よ、すぐに終わるわ」
やめっ…やめろー!
この後ロマンが来て無事に済んだ。解呪?自分でやりました
カン カン カン カン
真夜中、職員のほとんどが眠りについている頃、工房で一人ウルガルは鉄をたたいていた。炉に入れては取り出し冷めぬうちに叩き強度を上げてはまた熱する。そしてまた繰り返す。生前自らが打ち上げた至高の一振り、それを完全に再現することはできないがそれに近づけることはできる。
神代には程遠い魔力、そして何より素材がないためだ。
カン カン カン カン カン
それでも彼は叩き続ける。人が築き上げてきたものを無かったことにしないために
夜が明けても鉄をたたく音は鳴り響いていた。
率直に言って、(イシュタル)好きです