鍛冶師 in Grand Order   作:あの時のアレ

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ローマを何としても引き当てたいという思いをVの体勢をとり股間の紳士に、なんてやってる間にこの作品の評価バーに色が付きました。これが色彩かぁ
評価してくださった方々ありがとうございます!
これからも頑張っていくのでよろしくお願いします

イベントでキリ様来ないかな


悩んで迷ってその次へ

気が付くとそこは知らない場所だった

 

覚えている限りだと確かローマ特異点を攻略して戻ってその後マイルームに戻って寝ることにしたんだ。まあ、途中修羅場のようなものがあったような気がするけど。

 

ということはこれは夢、なんだろうか。見た感じ今いるのは石造りの建物の中だろうか。周りには誰も見あたらないからそれ以外のことはわからない。

 

カン カン カン

 

この音は、鉄をたたく音?近くに誰かいるのだろうか。とりあえず音のなる方へと向かってみよう

 

 

建物は思っていたよりも広く複雑であったためたどり着くまでに思っていた以上に歩いた気がする。

音はこの部屋からする。ドア、というよりかは仕切りのようなものをどかして中へと入っていく。

 

「!?」

 

中に入ったと同時に超高温の熱が襲い掛かってくる。室外と違いここは灼熱。体は焦げるように熱く、息をするたびに喉が焼けるように痛い。

そんな中で一人槌を上げては振り下ろし続けている男がいた。ウルガルだ。

一心不乱に同じ動作を機械のように繰り返すその姿に熱を忘れる。

上げては下ろし、上げては下ろし、上げては下ろし、まるで映画のワンシーンを切り取ってループしているような光景にもかかわらず目を離すことができなかった。

 

その中で、鍛えられているそれが異様な存在感を放っている。今目に見える部分は特にこれと言って派手な装飾が施されているというわけでもないのにだ。おそらく、それの本質である何かに、

 

『ほう、やはりまたここにおったか』

 

!?すぐそばに誰かいることに気が付かなかった。この人は誰なのだろう。身にまとっている布は一目でとても良質だとわかるほどのもの、何より日本ではあまり見られない黄金の髪、そして真紅の瞳。見ているだけで屈服させられそうなほどの威圧感を放っている。

 

『相も変わらずここは息苦しいな』

『……………………………………』

『………………………ハッ』

 

その人物は部屋の隅に置いてあった椅子に座ってウルガルを見ている。その姿はとても退屈そうに見えるが彼はここから離れようとはしなかった。ウルガルを見て彼はいったい何を思っているのだろうか。

 

そこからも作業は続き長い時間が経過した。

 

『……………ふぅ。?ああ、王サマか。もしかしてずっとそこにいたのか?』

『ああ。本来ならこの我を待たせた罪として罰を与えるところだが、今の我は少しばかり気分がいい故特別に許してやろう』

『それはありがたいことで。それで、一体何の用だ?』

『暇なのでな、少し付き合え』

『……………仕事はどうした』

『我がルールだ』

 

とにかく付いてこい、そういって彼らは場所を移動する。その後をついていくことにした。

部屋を出て建物を出ていく。今までいた建物はとても大きなものでここがこの街、いや都市の中心なのだろう。

さっきのウルガルの呼び方からしてやはりこの人がギルガメッシュ王その人なのだろう。

 

英雄王ギルガメッシュ、幼いころは名君として、その後は暴君として君臨した半神。唯一無二の友であるエルキドゥを失い不死の旅を行ったその後は再び名君として国を治めた最古の王。

彼が歩く後ろをウルガルが追従している。それを見た人たちの目には恐れが見える。

 

『相も変わらず民たちに恐れられてますね、王サマは』

『下らんな。それに貴様へのものもいくつかあるだろう。ああ、貴様のものは少し違うか』

『それは言わない約束でしょ』

『我がそれを聞く道理はない』

『それもそうだ』

 

二人はその後も歩き続けていった。

しばらく歩いて中心部からかなり離れた場所に廃墟が建っていた。

 

『ここに連れてくるなんて、嫌がらせか?』

『時には思い出に浸るのも一興というものだろう?』

『いい思い出だったらの話だろ』

 

二人の会話に遠慮は見られない。それほど信頼しあっているということなのだろうか。

廃墟の中を歩いていく二人。しばらく進んだ先には大きく開けた場所がある。ちょうど太陽が真上に来ているようで日の光が天井から差し込んでいる。

壁には多くの人々が何かに対して地に這い頭を下げている絵が描かれている。もしかしてここは祭壇のような場所なのだろうか。

 

『どうだ?ここに戻ってきた感想は』

『最悪だな。いい加減壊したらどうなんだ、ここ』

『そうしたいのだがな。反感、いや、癇癪を起こされては面倒なのでな』

『癇癪だ?ああ、そういうことか』

 

癇癪?いったい何のことを話しているのだろう

 

『それで、どうするつもりだ?』

『何がだ』

『とぼけるな。貴様自身のことだ』

 

そういえば清姫が召喚されたときウルガルに対して嘘つきだと、何か隠し事をしていることを指摘していたがあの時は敵ではないとはっきりしたから特に言及しなかったんだ。

そのこととなにか関係がある?

 

『それのことなら問題はない。すでに自分の中でけりは着けたつもりだ』

『先ほどのものか』

『ああ。わかってて聞いたんだろ?』

『さて、どうだろうな』

 

笑ってそう告げるギルガメッシュ王。それに対して呆れの表情を浮かべるウルガル。その様子は友と呼べるような関係に見えるが以前聞いたことがある。自分はギルガメッシュ王の臣下に過ぎないと。例えどのようなことがあったとしても彼の王の友はエルキドゥただ一人しかありえないと。

 

王と臣下。言葉で表せばそれだけのはずなのに彼らの間にはそれ以上のつながりが見られる。現代では決してみられることのないそれが、あまりにも遠いもののように感じた。

 

『――――――――――』

『―――――――――――――』

 

言葉を聞き取ることができない。意識がそこから遠のいていくのを感じるとともに視界が黒に染まる。

 

 

 

 

「……………」

 

目が覚めれば見慣れた天井が視界に入ってくる。ドクターが言っていた、マスターは契約しているサーヴァントの生前の出来事をパスを通して夢として見ることがあると。さっき見たことをウルガルに伝えるべきなのだろうか。

彼を召喚して合計で三つの特異点を攻略してきた。信頼はしているし信頼されている、のだと思いたい。誰にだって言いたくないことはある、ならいつか向こうから話してくれるのを待っているべきなのだろうか。

 

「ますたぁ様、顔色が優れない様子ですが何かあったのですか?」

「少し、悩みごとがあってね」

「そうですか。お力になれるかはわかりませんがこの清姫でよろしければ相談に乗ります」

「ありがとう」

 

そうだ、悩んだのならだれかに相談をすればいい。………………ん?どうして清姫がここにいるのか

 

「もう、ますたぁ様ったら。わたくしにそれを言わせるのですか?」

 

はっは~ん、いつものことだな、これ(白目)

部屋の扉には鍵をかけているのになぜか侵入してくる。ということはそろそろ

 

「先輩、朝ですよ。おはようございます、て清姫さん!また勝手に先輩の部屋に入ったんですか!?あれほど言ったのに」

「わたくしとマスターは強い絆で結ばれているためこのくらい当然でしょう」

 

目の前で言い合っている二人を見ているとこんな朝にも慣れてしまった

………………いや、慣れちゃだめだな

 

 

特異点を攻略して次の特異点へと行くまでの間、休息以外に俺がやることは主に二つ。一つはサーヴァントたちとのコミュニケーション。共に戦う以上良好な関係を築いておいて損はない。だけど新しく召喚したステンノ、彼女は少し難しいところがある。

神霊という強力な立ち位置での召喚だが彼女自身に戦闘能力が無いためそちらでは役に立てないと、自分にできるのは誰かに愛されることだと。

 

直接戦闘ではなくそれ以外のことでの協力を求めている。彼女の魅了は特に強力なものだ。

そこ、お前が一番魅了されてるとか言わない。

 

そしてもう一つのことは

 

「そら、動きが鈍くなってきているぞ」

 

スカサハによる戦闘訓練だ。戦闘訓練といってもそのほとんどは自衛が主である。いくら攻撃の手段を増やしたところでこちらはただの人間、敵はサーヴァント、その戦力差は歴然で攻撃を仕掛けた瞬間こちらの死が確定するようなものだ。

実際にやってみたからわかる。敵が油断や情けを持ってない場合、殺す気で来ているのならこちらが認識する暇もなく首と胴体が分かれることになる。

 

だから防御や回避の術を身に着ける、というよりかは体に覚えさせると言った方が正しいか。最初に訓練を始めるときこっちは素人だから徐々に段階を踏んでいくものだと思っていたがそんなことはなかった。ケルト式はそんなに甘くなかったんだ。

 

開始の合図もなしに飛んでくるいくつもの槍。転がりながらもそれを避けた先から繰り出される蹴り。飛ばされ空中で受け身をとることもできないため叩きつけられては衝撃をもろに受ける。

傷を受け体が動かなくなるまで行ったら魔術で回復、少し休憩を入れたらまた繰り返してていく。

だが時には攻撃をすることもある。そうすることで攻撃側の動きも知ることでより回避の精度を上げていくためだ。

 

文字通り血反吐を吐くような訓練を繰り返したおかげで体力が付き特異点の攻略の一助となっている。

それだけのことをしないと特異点では生きていけない。俺は、人類最後のマスターなのだから。

 

――――――本当にそうか?

 

「!?」

「ほう、他のことを考えている余裕があるようだな」

「あ、ごめん」

「ふむ、では今日はここまでだ。しっかりと休んでおけ」

 

気を使わせてしまったのだろうか。先に部屋を出ていく彼女の背中を見てそう考える

ふと、思うときがある。こんな役目を背負うのが俺じゃなきゃいけないのか。からだ中を駆け巡る痛み、脳裏に刻まれる凄惨な光景、いつ命を落とすかわからないことへの恐怖。

 

ただ、カルデアに来ただけだった

 

ただ、高いマスター適正があっただけだった

 

ただ、生き延びただけだった

 

偶然に偶然が重なっただけなのに、世界を救わないといけない重責を背負わされた。

スタッフの人たちに不満がある訳ではない。サーヴァントのみんなが頼りにならない訳でもない。

ただの一般人である俺には荷が重すぎるだけの話。

 

――――――そうだ、俺以外にも代わりの人間はいる

 

――――――今からでも遅くない、誰かに代わってもらおう

 

そんなことばかりが頭をよぎってしまう。

彼らだって身を削って取り組んでいるんだ。辛いのは自分だけじゃない、わかってはいるんだ。

だけど、それでも、この状況から逃げ出せることができるならいっそ

 

――――――――■■■■■■■■

 

 

陰鬱な気分を拭い去れないまま時間だけが過ぎていった。

本来であればレイシフトはAチームという選りすぐりのメンバーが先行して行う予定だったらしい。マシュもそのチームの一人だった。魔術の総本山である時計塔でも一目置かれていた彼らがいてくれたらと思ってばかりだ。

 

「先輩、大丈夫ですか?」

 

いつの間にか目の前にマシュが来ていた。彼女はこの状況をどう思っているのだろうか。俺と違って前に立って実際に戦ってくれている彼女は怖くないのだろうか。

 

「マシュは……さ、この戦いのこと怖くないの?」

「そうですね。怖くない、と言えば嘘になります」

 

怖い、それならどうして戦えるのだろう

 

「怖いですけど先輩がいてくれるから私は戦っていけるんです」

「俺が、いるから?」

「はい。どんな時でも先輩とならやっていけるような気がするんです」

 

そう言ってくれる彼女は少し震えているように見えた。

同じなんだ。誰だって恐怖を押し殺して自分を奮い立たせているんだ。

自分一人じゃない。そう思うと少しだけ肩の荷が軽くなったような気がした。

 

「マシュ」

「先輩?」

 

これからどんな困難が立ちはだかったもマシュが、みんながいてくれたら乗り越えられるはずだ

 

「これからもよろしく」

「はい!」

 

必ずやり遂げれるのだとそう思えた




水曜か、木曜までにもう一話上げたい
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