所どころ文章がおかしいところがあるかもしれませんがよろしくお願いします。
古代 ウルクにて
今日もまた同じ日々を繰り返していくものだと思っていた
目を覚まし、飯を食べて生計を立てるためにただ働いていく、そんな毎日
だがそんな日々は終わりを迎える
金色に輝く髪に宝石のような紅い瞳を持った少年によって
「その才能を腐らせるくらいなら僕の下でぞんぶんに発揮してください」
俺はその光景を、黄金に輝くそれを生涯忘れないだろう
ウルク第一王朝
その都市の一角で俺の父は鍛冶師として武器を作っていた。ある日、王であるルガルバンダより都市中の鍛冶師たちに武器を作るようにと命令が下された。そこで父から「お前も作ってみないか」と言われ作ることにした。それで終わると思っていたのだが、、
「なるほど、こういうものも作っているんですね」
俺の目の前には次期王であるギルガメッシュがいる。見た目は子供であるのに言動が大人びており子供だとは到底思えない、そんな人物が俺の目の前で俺が作ったものを興味深そうに見ている。意味が分からん。どうしてこうなったのだろうか。
「聞いていますか、ウルガルさん?」
「ごめん、何も聞いてない。ていうか聞きたくない。」
「現実逃避はやめてくださいよ。この僕が話しかけているんですから。」
一応ことの顛末を語ると、俺が作った剣がルガルバンダ王のお眼鏡にかなったらしくそこで製作者である俺が王のもとに行く途中にギルガメッシュと邂逅、王宮専属の鍛冶師となったうえにギルガメッシュの世話役をやるように言われた。拒否権はなかった。父の喜んでいる姿をみると断るに断れなかったのだ。
それ以来ギルガメッシュに連れられていろいろなところに駆り出されては無理難題を押し付けられる。
中には魔獣の討伐といったものもあった。その功績から戦士長に任命された。
超出世コースでうれしいな(白目)
そして本日ついにギルガメッシュが王位を継いだ。次代の王としてもとより振る舞っていたため特にこれといって大きな変化はない。それに伴って俺が専用の鎧を作ったくらいだ。といってもまだ一部だけだが。
「ふむ、なかなかいいじゃないですか。」
「それはとても光栄なことで。」
夕日がさす部屋の一室で王サマが俺が作ったものを見て感想を述べている。
「でもどうして腰の部分だけなんですか?」
「王サマは一応まだ子供ですからね、成長に害が出たらだめでしょ。王サマが小さいとか威厳が出ませんからね。」
「お気遣いありがとうございます。ところで本音のほうはどうなんですか?」
「全身分作るとか疲れるからですけど。」
「前にも言ったはずですが、僕に嘘を言っても意味ないですよ。」
「…………。」
「沈黙ということはそう言いうこと、てそんな嫌そうな顔しないでくださいよ。」
「あんま言いたくないんですけどね。ただ単に俺のプライドですよ。」
「プライド、ですか?」
そう、これは俺のくだらないプライドだ。王サマの側付きとして、世話役としてここ数年過ごしてきたがぽっと出の俺に対する評価はあまりよくない。
だから
「俺があんたにふさわしい人間になったその時に俺の最高傑作をあんたに献上したい。」
俺の言葉を切ってギルガメッシュは口を閉ざす。
短い時間ではあったが俺たちにとってはそうではなかった。その静寂の中ギルガメッシュは俺に対して口を開ける。
「いやですね。」
絶句である。俺の意見を完全否定、一蹴しやがった。
「話し聞いてましたか、王サマ。」
「ちゃんと聞いたうえでのことです。なんでこの僕があなたの我がままに付き合わないといけないんですか。」
その言葉には俺への怒りが感じられた。
確かに考えてみればそうである。子供とはいえれっきとした王であるギルガメッシュとその部下である俺が対等に話し合えることなんて出来ない。
「ですからこうしましょう。僕が王として最初にあなたに命令を下します。命令は僕への献上品、それもそこらの鍛冶師が作ったもののような粗末なものではなくこの僕を認めさせるほどの、あなたの生涯においての最高傑作と呼べるものを。期限としてはこれより数年の内です。」
言ってやったとばかりにこちらを見つめる王。自分が恥ずかしくなる。自分が選んだ男が不出来であると知られればそれすなわち王の目が曇っているということ同義である。俺の行動の一つ一つが王の顔に泥を塗りかねないのだ。
「できないなんてことは言わないですよね?」
そこまで言われたらやらないわけにはいかないだろう。この人は本当に人を動かすのが上手い。
あの日のことが脳裏に浮かぶ。忘れることのできない一時が。
俺は膝をつき首を垂れる。
「王命しかと承りました。ギルガメッシュ王よ。」
「ええ、期待していますよ、ウルガル。」
俺の言葉に満足そうに返す王サマ。
この人の期待に応えるためにも励まないといけないな
「ちなみにできなかったらその時はその時で覚悟しておいてくださいね。」
何としてでもやらないといけない理由がもう一つ増えた。
あれから数年の時がたった。数年のうちにギルガメッシュは成長した。それもすごいくらいに。俺が世話役として剣術の指導をしていたこともあったがさすが半神半人、もとの身体能力がとても高いために剣は勿論のことほかの武器もそれなりに使えるようになっている。問題は当の本人が自分は王であって戦士ではないからとあまり訓練をしないことか。そのことに対して口を出すが「貴様がいれば問題なかろう。」と多大な信頼(笑)とともに膨大な量の都市周辺での危険生物や敵対勢力の排除といったものを押し付けられる。断れないのがつらいことだ。
俺自身も立場はかなり上のほうへと上り詰めた。軍事関係でいえば俺の意見はギルガメッシュの次に発言力を持ったものとなったほどだ。政治のほうはだめだがそちらのほうは祭祀長であるシドゥリが王サマの補佐役となっている。彼女だけだろうこの都市内で彼相手に怒れるのは。
ちなみに王からの命令は無事に果たすことができた。献上したときは何も言わなかったが俺が部屋を出てからしばらくの間見ていたことからどうやらお気に召したようだった。その様子を外からシドゥリとみていたのだがばれてしまい俺だけ業務が倍になった。理不尽極まりないな。
だが一番の変化といえばやはりあの人だと皆は口をそろえて言う。
王サマに友達ができたことだ。
エルキドゥ 天の鎖として神より遣わされた一つの神造兵器、最初はギルガメッシュと敵対をしていたが三日三晩による闘争の果てに二人はかけがえのない友となったのだ。
とても楽しい日々だった。執務中の王サマに暇だからどこかへ出かけようと誘うエルキドゥ、それに応え抜け出そうと笑いながら部屋を抜け出していく王サマ、それを止めようと後を追ってい言うシドゥリに、馬車を出せと命令される俺。時には二人の無茶ぶりによって災難な目にあったがそれでも確かに楽しかった。今までの人生では得ることのできないものを彼らはくれた。王ではなく一人の人として生きているギルガメッシュを見ることができた。エルキドゥ、シドゥリ、彼らには感謝しかない。
それでも、終わりはやってくる
女神イシュタル すべてを自分のものとしてきた彼女にとって自分のものにならなかったものに対し怒り、その結果としてウルクに災厄が落ちてきた
天の牡牛、グガランナ シュメル最大の神獣でティグリス川を干上がらせることができるほどの力を持つ無敵ともいえる神獣である。
それに対してウルクは一丸となって対応にあたろうとしたが彼我の力の差に絶望を隠せないでいた。
それでも
「俺が行く。少しの間くらいなら足止めくらいはできるだろう。」
周りのものは俺の言葉に理解を示さない。いやできないといったところだろう。
「何を言っているんですか!いくらあなたが強いからと言ってもグガランナ相手では無理です!!」
ここまで声を荒げる彼女を見るのは初めてだ。心配してくれているのだろう。だが
「大丈夫だ。何も考えもなしに突っ込んでいくってわけじゃないさ。ちゃんと奥の手がある。あまり使いたくないが。」
そう俺には切り札ともいえるものがる。今まで使ったことはあまりないがこの状況を打開する一手、もしくはその一助となるだろう。
「それでよいのだな?貴様がいかずとも我が行ったほうが勝率は高いが。」
王サマがこちらに問いかけてくる。
「ああ。それに王サマがいっても確実に倒せるという保証はないわけだし王が死ぬくらいなら家臣が一人死んだほうが都市としてもダメージは少ないだろう?」
少しおどけるように発言をする。俺の言葉にシドゥリは反対しいようとするがその前に止める。
「王サマ、あんたが命令すればいいんだ。王として。」
王サマはこちらに目を向け、そして
「ウルガルよ、かの天の牡牛を討伐してウルクを守れ。」
その命令はいつもより弱弱しく聞こえた。彼も俺を心配しているのだろうか。それだと少しうれしく思えてくる。
「必ずや、その命果たして見せましょう。」
「なら、僕も行こうか。」
エルキドゥがそう申し出る。
「いいのか、帰ってこれないかもしれないんだぜ?」
俺はそういうが、
「それを言ったら君もそうだろう。原因の一端は僕にもあるからね。それにウルガルが死ぬとギルだけじゃない、僕もシドゥリも悲しむからね。」
「そうだな。シドゥリだけじゃなくて王サマも寂しがり屋だからな。じゃあ頼むぜ、エルキドゥ。」
「ああ。グガランナ、というよりあの女神に天の鎖がどういったものか見せてあげようじゃないか。」
俺とエルキドゥは王サマを見る。そして
「ハッ、そのような戯言を申せる余裕があるなら問題ないな。では、とっととあれをどうにかしてこい!!」
「「ああ」」
天の鎖によるグガランナの足止め、そして俺の切り札によって討伐は完了、ウルクは無事に守られた。だが、どうやらここまでらしい。グガランナからエルキドゥへの攻撃、それをかばった。それが致命傷になった。ただの致命傷だ、と見栄を張ってみたものの終わった後には立つこともままならないようになっていた。地に倒れる。地面がとても冷たい。意識が保てない。
「 」
誰かが何か言っている。でもよく聞き取れない。視界に映るのは、王サマ、か?
「は、王サマがそんな顔するなんて 明日は空から魔獣でも降ってくるんですかね……」
「ふざけたことを抜かすな戯け!!貴様、我の命令を守らず逝くことは許さんぞ!」
視界が霞んではっきりとは見えないがエルキドゥも近くにいるらしい。
「エル、キドゥも無事、だったか。」
「ああ、君のおかげだ。」
エルキドゥの声が震えている。
「俺さ、最初お前に嫉妬してたんだぜ。一番、付き合いが長い俺、が笑わせることができなかったってのに、たった三日で簡単に、やったんだからな。」
二人は黙って聞いてくれている。もう話す力もあまり残ってない。だが
「それでもさ、うれしかったんだ。ずっと世話してたガキが声上げて笑うようになった。いろいろな表情を見せるようになったんだ。それが、とてもうれしかった。」
体から血が抜けていく。ほとんど感覚がなくなってきている。まだだ、まだ、
「お前らのおかげで毎日が楽しかった、幸せだったんだ。だから……」
視界は何も映していない、それどころか体の感覚はすべてなくなった。文字通り死力を尽くしてギルガメッシュがいるであろう方向へ向き
「あの日、俺のもとに来てくれてありがとう。」
あの日、俺は運命に出会った
「今までのすべてが、あなたのおかげだった。」
あと一言、今まで恥ずかしくて言えなかった、ずっと思っていたことを
「あなたに仕える、ことが、できて、幸せでした。」
さようなら世界で最も偉大な王よ。
ウルクの王ギルガメッシュの専属鍛冶師、後の世に「剣の王」と呼ばれるウルガルの生涯はここで閉じた。しかし
「サーヴァント、キャスター。真名ウルガル。得意なことは剣とか武器作ること、そしてそれを振ること。趣味は散歩がてらに獣を狩ること。命令にはきちっと従うつもりだからヨロシク。」
鍛冶師の人理修復の旅が始まる。