というわけで早速冬木です。戦闘シーン初めてなんだなにとぞご容赦を
召喚されてから今がどのような状況なのかマスターである藤丸から聞いた。というよりかは彼の上司にあたるオルガマリーとロマンからだが。今から俺たちがやることはこの特異点の元凶である聖杯の回収、なのだが。
「相手はアーサー王とその従者だ。」
「聖剣の担い手か。」
これはとても厄介なことになった。エクスカリバーという超一級宝具を持っているだけでも脅威であるのにその上聖杯による魔力のバックアップもある。
「とりあえず相手の宝具は嬢ちゃんの宝具で防いで、そのすきに俺が宝具を使う段取りになっている。」
『その隙を作るためにもウルガル、君にも一役買ってもらいたい。』
「ちょっと待ちなさいよ。ウルガル、あなたが戦えるのはギルガメッシュ叙事詩に書いてあったから承知していますが、見たところ武器の一つも持っていないように見えるのですが、そこはどうなんですか剣の王?」
「剣の王とかいうその呼び方が気になるところだが、武器を持ってないのはちょっとした理由があるからではあるが、だからと言って戦えないことにはつながらなぜ。」
オルガマリーは詳しく話せと言わんばかりにこちらをにらみつける。
「俺は鍛冶師だ。武器をその場で作るくらい簡単だ。」
そう言って俺は手に持っているものを見せる。
「それって」
「そうだ。そこらの竜牙兵から拝借したものだ。今はあまり余裕がないからこれに魔力を流して強化して何本か持っていく。クーフーリンには槍を渡しておく。その杖でも代用できそうだが、あるに越したことはないだろ。」
「おっ、サンキュー!贅沢言うならもうちょい長いほうがいいんだがなぁ。」
「そこは勘弁してくれ。これでどうだカルデア所長さん?」
「わかりました。それで、藤丸。あなたの方はどうなの。」
「俺も、大丈夫です。」
最初見た時よりかは幾分かましになっているもののまだ少し心配だな。
「マスター、あまり無理はしないでくださいね。」
「ありがとう、マシュ。所長、行きま「マシュ、マスターを守れ!!」」
遠くから飛んでくるそれに気づいたおれとクーフーリンが周囲の警戒に当たる。一瞬でしかなかったがとんできたものを見て相手の正体に違和感を覚えた。
「おい、クーフーリン。お前のところのフェルグスは自分の剣を投げてくるのか?」
俺が見たあれは間違いなく
「あれはアーチャーのものだ。あの野郎どういうわけか叔父貴の剣を撃ってきやがる。どういう原理か全くわかんねえがな。」
剣を瞬時に作り出せるとかなんだそれずる過ぎるだろ。いやー、ずるい。ずるいわぁ。
「あいつとはちょっとお話しないといけないから先行ってくれ。後から追いかけるさ。」
少し生前を思い出したが問題ないだろう。
「わかった。待ってるよ、ウルガル。」
「ああ、今度はちゃんと行くさ。」
さてと、行くって言ったからにはちゃんとしないとな。マスターたちがいったのを確認した後、
「待たせて悪かったな、出てきていいぞアーチャー。」
「何、君ほどの人物のためだこれくらいは問題ないさ。」
物陰から出てくるそいつは影を覆っていいるように見える。それにしても
「盗み聞きとは人が悪いんじゃないか、嫌われるぜ。」
そう言ってみたもののこいつ異様に好かれてそうだな。主に女性から、具体的にはおなかをすかせた青い王とか、ツンデレな赤い悪魔、ちょっと黒いところもある後輩系ヒロイン当たりとか。
「盗み聞きをするつもりはなかったんだがね。ただ私の耳に入っただけ。といいたいところだが、実は君のことを以前聞いてね。」
「?いったい誰からだ.」
「君のところの王様さ。」
あ~なるほど。
「どっかの聖杯戦争でか。」
「その通り。彼曰く君が私を見ると発狂するだろう、と。」
「まじか。」
確かにこいつの能力を知って現実逃避したくなったが。
「個人的に君とは話してみたいことがあるんだが、お互いそうはいかないだろう。」
奴は両手に剣を作り出し構える。それに合わせてこちらも竜牙兵の剣を両手に持つ。
「鍛冶師泣かせに痛い目見せてやるよ、覚悟しろ。」
「それは遠慮したいところだね。」
両者激突
お互いの得物で切りあうたびに得物が損傷、破壊される。ここは同じだが一つ違う点を挙げれば俺のものには限りがあるが奴にはそれがない、もしくは俺のものより多いことだろう。また破壊される。そのたびに構えなおすがまた破壊される。そしてとうとう最後の一つが壊されこちらに得物はない。そんな絶好の機会を相手が見逃すはずもなく切り込んでくる。だが甘い。こちらに踏み込んできたアーチャーのその顔に一発入れる。
「!!」
アーチャーは宙を舞うが空中で体勢を立て直して着地する。その顔に余裕は見られない。
「まさか。私としたことがまんまと騙されたよ。」
「勝手に騙されただけだろ。だれも得物がなくなったから戦えない、なんて言ってないぜ。そんな理由で見逃してくれるほどあまい世界じゃなかったからな。それに、こっちのほうが楽なんだよ。」
こぶしを構えてそう告げる。
「それにおまえも弓兵ならそれらしいことしろよ。」
戦っていて思ったことだがあまり弓を使わないからクラスを偽っているものだと思っていたのだが、
「なら私もアーチャーとしての本分を全うさせてもらおうか。」
そう言って剣を消し距離をあけて大弓を構える。
「I am the bone of my sword」
その詠唱とともに奴は矢を放ってくる。その一つ一つが周囲の建物に刺さると同時に爆発を起こし容赦なく破壊していく。こちらが近づけばその分向こうも距離を取る。奴の真名については全くわからないままだが奴の能力、魔術についてはある程度分かった。
なら打つ手はある。俺はそこらへんに転がっている瓦礫を手に取り魔術を行使する。俺の魔術起源は「改変」。これを使えばたとえ石だろうが獣は簡単に殺すことができる。そのままたたいてもいいのだが、一番のやり方は
「フッ!!」
投擲だ。
「!?」
さすがに今のは向こうも予想していなかったらしい。それもそうだろう。こんな戦いする奴はそういないからな。だから王サマからは獣だといわれていたが俺は勝てるのなら何でも使うだけだ。むしろより知性を感じさせる戦いをしているからヒトらしいだろう。
遠くの方で大きな魔力のぶつかりを感じる。おそらくマスターたちの方も佳境に入っているのだろう。ならこちらもそろそろ終わらせよう。
瓦礫を投げる、蹴り上げてはとんでくる矢を避け少しずつ距離を詰めていく。徐々に焦りを見せ始めるアーチャー。ビルの壁面を伝って上空に逃げる。そこに追い打ちをかけるように石を飛ばしていくが、身を翻すことで器用に避けていく。
「それほどの身のこなしに剣の腕も弓の腕もいい。楽しませてくれるじゃないかアーチャー!!」
戦闘により身が奮い立つ。こちらも壁の罅を利用して少しずつ追い詰めていく。
「そういう君こそキャスターというにはいささか無理があるのではないかね。」
一度に数本の矢を打ち放つ。少しかすりはしたもの彼我の距離はすでに10メートルを切った。
「I am the bone of my sword」
再びアーチャーがあの詠唱を唱える。先のように虹霓剣を作り出すのか。しかし形状からして違うものだ。
「
それはまっすぐにこちらに向かわずまさに猟犬がごとく狙いを定めながらこちらに向かってくる。3メートル、2メートル、そして1メートル。目前にまで来たそれに対して手の打ちようがない。だが
「いっただろう。そんな甘い世界じゃなかったって。」
体制を変えて力を入れる。体全体にではなく右足にだ。
「オラッ!」
ビルの壁を蹴りつける、いや右足を突き刺す。それによって空中でもある程度自由に動くことができる。体をねじりそれをつかみ上げる。それと同時に奴に投げ返す。強化魔術も併用して先ほどの一撃に勝るとも劣らない一撃を繰り出す。全く予想だにしていなかったのだろう。一瞬の不意を突かれて判断が多くれたその結果、
「 」
アーチャーの体に猟犬が喰らいついた。
戦闘の終了と同時に当たりを見渡すと、どうやら目的地である柳洞寺の近くまで来ていたようだった。
「私としたことが二度も君の策に溺れるとはね。」
体の一部が消えつつあるアーチャーがそう呟く。
「ま、ただの初見殺しってやつだ。もう一回戦ったら勝てねえだろうな。」
「いや何回やっても私は君に勝てないだろう。君も本調子じゃないのだから。いや正確にいうのであるならば君は宝具である魔剣を所持していないのだから。」
「驚いた。それも王サマ言ってたのか。」
「ああ、君が自身で作り上げたあの魔剣はギルガメッシュの蔵の中にあるからだと、聞いている。」
そう、それこそが俺が武器を持っていない理由。生前王サマに渡したものだから所有権は王サマにある。
「それの力も見させられたよ。とてもではないがあれは人の身では作ることは不可能だ。」
そう言ってこちらを見てくるアーチャー
「君はいったいなんだ」
鋭い眼光でを見定めるようにこちらに目を向ける。別に答えてもいいのだが同時に応える理由もない。が
「俺はただの鍛冶師だ。仕えた王が英雄王で、生まれが特殊なだけのな。」
「そうか。」
俺の返しにそう返すアーチャー。その表情にはどこか納得してないところが見られるがその言葉を最後に消えた。
「よし、マスターたちのところに向かおうとするか。て、ん?」
世界が先ほどのアーチャーと同様に消え始めている。どうやら向こうも無事に騎士王を倒し聖杯の回収に成功したようだ。戦いに夢中でまんまとアーチャーの時間稼ぎに付き合わされたということだろう。
「あいつとはまだ話してみたいからな、マスターに召喚してもらうか。」
ついでにあの顔にもう一発ぶちかますと決めて俺は光に包まれて消えていく。
俺は知ることになる。
カルデアに到着したそのあとで
これがただの始まりに過ぎなかったということを
いかがだったでしょうか
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