うちの精霊が病み属性だった件について   作:ダメダメのライトニング

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疲れてきたので初投稿です


レベル10

「俺の方が早くドローした。故に俺が先行を貰う。俺のターン!」

 

 手札5枚

 

『まさかまさかのレイの真似⁉︎』

 

 クラッシュタウン式の先行宣言を行いデュエルを開始する。俺の方が早くドローしたかは定かではないが、まぁ、ええやろ(適当)

 そんな俺の姿を見て愕然とした表情をロゼちゃんは浮かべている。

 

「モンスターを裏守備表示でセット。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 手札5枚→3枚

 

 ── LP4000

 

 手札2枚

 

 EXモンスターゾーン

 

 無し

 

 フィールドゾーン

 

 裏側守備 ×1

 

 魔法・罠ゾーン

 

 伏せカード ×2

 

 他のデッキなら先行で制圧盤面を使っても良いが、このデッキは実質闇鍋ハイランダーとは言え名目上はガスタデッキ。ガスタの強みは途切れない連続リクルートによる継戦力だ。派手に動かず、攻める時を待つ必要がある。

 

『随分と静かな立ち上がりだね。そんな調子で本当に私を倒せると思っているの? 私のターン、ドロー』

 

 手札5枚→6枚

 

 前のターンで碌に展開しなかった俺を軽く挑発して、彼女はデッキからカードを引き抜く。

 

『《ガスタ》にはリクルーターが多い。だからそのまま攻撃しても意味がない。大方、そのセットモンスターも何かしらのリクルーターでしょ?』

 

「……」

 

 肯定も否定もしない。無駄に彼女に情報を与えたくないからだ。とは言えどの道、攻撃してみれば何を伏せたのかなんてバレてしまう。まぁ、頑張って秘匿する程の物じゃないという事だ。

 

『私は《閃刀姫ーレイ》を通常召喚』

 

 手札6枚→5枚

 

 閃刀姫ーレイ

 攻1500 守1500

 

 眩く輝く金髪をたなびかせながら、赤黒い刀を装備した制服姿の美少女が召喚される。俺を見ても無反応なのでおそらく本人じゃない。そう言えば、本人はどこに行ったのだろうか。

 

『現れて、勝利すべきサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件は風属性以外の閃刀姫モンスター1体! 私は《閃刀姫ーレイ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! hurricane now《閃刀姫ーハヤテ》』

 

 閃刀姫ーハヤテ

 攻 1500 リンク1

 

 レイの真横に現れた緑色の魔法陣が彼女を呑み込むようにして通過すると、制服姿だった彼女の姿は緑の近未来的な鎧へと変貌を遂げた。そして、俺はまさかのシャバドゥビ式変身に驚愕の意を隠せない。

 

『バトル! 《閃刀姫ーハヤテ》は直接攻撃が可能! 《ハヤテ》でマスターにダイレクトアタック! ベクタードブラスト!』

 

 閃刀姫ーハヤテ

 攻1500

 

 ──

 LP4000

 

 レイがその手に装備した巨大な銃を展開して狙いを付ける。標的は勿論、プレイヤーである俺一択。セットモンスターを無視した一撃が凄まじい速度で目前まで迫ってくる。

 

「させないよ。罠発動《ガード・ブロック》受けるダメージを0にしてカードを1枚ドローする」

 

 手札2枚→3枚

 

 噴水を一撃で粉砕する程の威力を持つ一撃を、首を傾けるという最小限の動作で難なく躱す。ロゼちゃんの攻撃はこれで終わり。だが、ここで油断してはいけない。

 

『なら、ダメージ計算後に《ハヤテ》の効果を発動。デッキから《閃刀》カードを1枚墓地へ送る。デッキから《閃刀起動ーエンゲージ》を墓地へ』

 

『現れて、勝利すべきサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件は炎属性以外の閃刀姫モンスター1体。私は《閃刀姫ーハヤテ》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク 1flame now 《閃刀姫ーカガリ》!』

 

 閃刀姫ーカガリ

 攻 1500 リンク1

 

 ハヤテを装備した彼女を、今度は真後ろに現れた深紅の魔法陣が呑み込むようにして包み込む。魔法陣が霧散したと同時に現れた彼女は、先程とは異なり赤い装甲に太刀を身につけた姿へと変化した。

 

『《カガリ》の効果で墓地から《閃刀起動ーエンゲージ》を手札に加える』

 

 手札5枚→6枚

 

『《テラ・フォーミング》を発動。デッキからフィールド魔法《暴走魔法陣》を手札に加える』

 

 手札6枚

 

 淡々と処理を進めるロゼちゃん。だが、そこに聞きなれない単語が混ざる。

 

「《暴走魔法陣》だって……⁉︎」

 

《暴走魔法陣》。それは確か《召喚獣》という融合召喚主体のテーマが使用するカード。ならば彼女のデッキは純粋な閃刀姫ではない……? 

 

『そう。私のデッキはレイ(マスター)のデッキと同じ閃刀姫だけど、その実態はまるで違う。油断しない事だね』

 

 そう言うと、彼女は胸を張ってフフンと笑ってみせた。レイちゃんの様にコロコロと表情が変わるタイプではないので中々新鮮な感じだ。

 

『《暴走魔法陣》を発動。その発動処理によってデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える。まだ《アレイスター》の出番じゃないけどね』

 

 手札6枚

 

『《閃刀術式ベクタードブラスト》を発動。これは私のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時に、互いのデッキトップから2枚のカードを墓地へ送るカード。墓地に魔法が足りてないので本来の力は使えない』

 

 手札6枚→5枚

 

「良いのか? 俺に墓地へ送らせて。墓地こやし出来ちゃうよ?」

 

 一応ロゼちゃんに聞いておく。だがこの質問に意味はない。《ベクタードブラスト》を使うということは俺に墓地肥やしさせても問題ないと彼女が判断したからだ。おそらく、俺の墓地を肥やす事より自分の墓地の魔法を増やすことを最優先としたのだろう。

 

『別に構わないよ。最後に勝つのは私だから。私は手札から《閃刀起動ーエンゲージ》を発動。デッキから《閃刀機ーウィドウアンカー》を手札に加える。更に墓地に魔法が足りているので1枚ドローする』

 

 手札4枚→6枚

 

『現れて、勝利すべきサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件は水属性以外の閃刀モンスター1体! 私は《閃刀姫ーカガリ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク1water now《閃刀姫ーシズク》!』

 

 閃刀姫ーシズク

 攻1500 リンク1

(相手モンスター攻撃力500ダウン!)

 

 今度はカガリの左側に現れた魔法陣がカガリを呑み込んで新たな姿へと変貌させる。ハヤテ、カガリとも異なる閃刀姫の第3の姿。蒼い装甲に大きな盾を装備して防御に秀でたフォームである《シズク》だ。

 

『私はカードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、シズクの効果で墓地に存在しない《閃刀》魔法を手札に加える。私はデッキから《閃刀機ーホーネットビット》を手札に加える』

 

 手札4枚→5枚

 

 ロゼ LP4000

 

 手札5枚(ホーネットビット、アレイスター、ウィドウアンカー?)

 

 EXモンスターゾーン

 

 閃刀姫ーシズク 攻1500(500ダウン!)

 

 モンスターゾーン

 

 無し

 

 魔法・罠ゾーン

 

 伏せカード2枚(ウィドウアンカー?)

 

 暴走召喚陣

 

 

 

 

「……手札が全然減ってない。まぁ、それは覚悟の上さ、俺のターン! ドロー!」

 

 手札3枚→4枚

 

「モンスターを反転召喚! 《ガスタの希望カムイ》!」

 

 ガスタの希望カムイ

 攻200 守1000

 

 裏側表示から姿を見せたのは緑の髪を束ねた少年。彼は気合を入れて目の前で武器を構える《シズク》に臨戦態勢を取った。

 

『リクルーターじゃない……』

 

「レイちゃんはリクルーターがいても恐れず攻撃をする。ロゼちゃんはリクルーターがいる時には安全重視で攻撃を取り止める。俺は君たちのことそれなりに分かってるつもりだよ」

 

 リクルーターに対する対応は性格が分かれるところだ。躊躇なく破壊する人もいれば、安定をとって攻撃を中止する人もいる。レイちゃんは攻撃し続ける派だが、ロゼちゃんは攻撃をしない派だ。これに関しては、どちらが良い悪いは無い。人による、としか言えない。

 

「《カムイ》のリバース効果発動。デッキから《ガスタ》名称のチューナーを特殊召喚する。《ガスタ・ガルド》を特殊召喚」

 

 ガスタ・ガルド

 攻500 守500

 

 少年が杖を掲げると、空の彼方から緑の体色を持つ小柄な鳥が救援に駆けつけた。《ガルド》は勇ましく一声挙げると《カムイ》の隣に並び立ち《シズク》を威嚇する。

 

「さぁ、シンクロだ! ……と行きたい所だけど、先ずはリンク召喚しておきたいね。《レアル・ジェネクス・ターボ》を通常召喚」

 

 手札4枚→3枚

 

 レアル・ジェネクス・ターボ

 攻1500 守1300

 

 いざ、シンクロ! という雰囲気に呑まれず冷静に召喚権を使用する。一度リンクモンスターを介さなければ、EXモンスターゾーンが埋まってしまう。その為の布石として機械仕掛けの戦士を呼び出した。

 

『《ジェネクス》⁉︎』

 

「そう《ジェネクス》さ。《レアル・ジェネクス・ターボ》の効果発動。デッキからレベル1の《ジェネクス》を手札に加える。《レアル・ジェネクス・オラクル》を手札に」

 

「そして手札に加わった《レアル・ジェネクス・オラクル》の効果発動。このカードを手札から特殊召喚する」

 

 レアル・ジェネクス・オラクル

 攻300 守300

 

《ターボ》の呼び声に応えて、《ターボ》より小柄な機械である《オラクル》がフィールドに呼び出されて浮遊する。《ターボ》と《オラクル》のコンボは強力だ。これで一気にリンクまで繋げられる。

 

「現れろ! アメイジングでスプレマシーな良心回路! アローヘッド確認。召喚条件はチューナーを含むモンスター2体。俺は《レアル・ジェネクス・オラクル》と《レアル・ジェネクス・ターボ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク2《水晶機巧ハリファイバー》!」

 

 水晶機巧ハリファイバー

 攻1500 リンク2

 

 水晶の様に煌めく姿を持つハリファイバー。その撒き散らされた輝きが光を反射してキラキラと光る。それはもはや見慣れたと言っても過言では無い程の汎用性を持つモンスターだ。シンクロを使用するなら誰しもが入れると言っても過言では無いだろう。

 

「《ハリファイバー》の効果発動! デッキからチューナーを特殊召喚する!」

 

『させない! 手札から《灰流うらら》の効果発動! デッキからモンスターを特殊召喚する効果を無効にする!』

 

 手札5枚→4枚

 

《ハリファイバー》が空中に描いた魔法陣を何処からともなく現れた少女が蹴り飛ばして破壊する。彼女の名は《灰流うらら》。その麗かな名前とは異なり凶悪な効果を持つ最強汎用モンスターの一角だ。

 

「ロゼちゃんはレイちゃんみたいに手札誘発に制限が無いのか。だけど問題はない。レベル3《ガスタ・ガルド》にレベル2《ガスタの希望カムイ》をチューニング! シンクロ召喚! レベル5《ガイガスタ・ガルドス》!」

 

 ガイガスタ・ガルドス

 攻2200 守800

 

 巨大化した《ガルド》の背中に《カムイ》が颯爽と乗り込んで構えを取る。本来なら操縦者は《ウィンダ》の筈だが、今回使用した素材が《カムイ》と《ガルド》であったことによりこの姿になった。デュエルディスクは時々こういった粋な計らいをしてくれる。いい仕事してますね。

 

「《ガイガスタ・ガルドス》の効果。墓地の《ガスタ》を2枚デッキに戻して発動する。相手フィールドの表側表示モンスターを破壊する! 《シズク》を破壊!」

 

《ガルド》に乗った《カムイ》がエネルギーを充填して《シズク》へと攻撃の狙いを付ける。《シズク》はその攻撃を睨みつけたまま動かない。

 

『速攻魔法発動! 《閃刀機ーウィドウアンカー》! 《ガイガスタ・ガルドス》の効果を無効にする! そして墓地に魔法が3枚以上存在するので追加効果で《ガイガスタ・ガルドス》のコントロールを得る!』

 

 閃刀姫ーシズク(相手攻撃力600ダウン)

 

 それもその筈、《シズク》は動く必要などまるで無かったからだ。《ガルドス》の死角である真下から伸ばされた《ウィドウアンカー》のワームが《ガルドス》を捉えて、強引にロゼちゃんのフィールドへと引き摺り込んだ。その強引な移動で、《ガルドス》が溜め込んでいたエネルギーは空中に霧散してしまう。

 

「まだだ、まだ終わらんよ。墓地の闇属性モンスター《レアル・ジェネクス・オラクル》と風属性モンスター《レアル・ジェネクス・ターボ》を除外してこのカードを手札から特殊召喚する。来い、《ダーク・シムルグ》!」

 

 手札3枚→2枚

 

 ダーク・シムルグ

 攻2700 守1000

 

 しかし、その程度では諦めない。墓地の怨念を受け継いで漆黒の闇に染まった神鳥を召喚する。コイツはその身に強力な効果を秘めている。特に閃刀姫にはキツい効果だ。

 

『それは……ッ!』

 

「閃刀姫には厄介だね。《ダーク・シムルグ》が存在する限りロゼちゃんはカードをセットできない」

 

 これが闇に堕ちた《シムルグ》の恐ろしい力。何人たりとも《ダーク・シムルグ》の前で隠密する事は不可能なのだ。

 

「更に俺は《ベクタードブラスト》で墓地へ送られた《ガスタ・イグル》をゲームから除外して《風の精霊ガルーダ》を特殊召喚する!」

 

 風の精霊ガルーダ

 攻1600 守1200

 

 手札2枚→1枚

 

 突風と共に降臨したのは鳥の頭部を持つ風の精霊。傲岸不遜な態度を隠そうともせずに《シズク》に対して挑発を仕掛けている。まぁ、コイツはただのリンク素材なんですけどね。

 

「来い! アメイジングでスプレマシーな良心回路! アローヘッド確認! 召喚条件は鳥獣族モンスターを含むモンスター3体以上! 《水晶機巧ハリファイバー》と《風の精霊ガルーダ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク3《王神鳥シムルグ》!」

 

 王神鳥シムルグ

 攻2400 リンク3

 

《シムルグ》の正統なる風の力と《ダーク・シムルグ》の持つ闇の力を受け継いだ真の《シムルグ》である《王神鳥シムルグ》が《ダーク・シムルグ》の斜め前に君臨する。光と闇が交わり最強に見える。

 

「バトルだ! 《ダーク・シムルグ》で《閃刀姫ーシズク》を攻撃! ダークテンペスト!」

 

 ダーク・シムルグ

 攻2100 守1000

 

 閃刀姫ーシズク

 攻1500

 

 ダーク・シムルグの翼によって引き起こされた暴風が漆黒の竜巻の形を取り《シズク》の身体を装甲もろとも打ち砕く。

 

『くっ……!』

 

 ロゼ LP4000→3400

 

『残念だけど無意味だよ!! 墓地の《閃刀姫ーレイ》の効果発動! 閃刀姫モンスターが破壊された事で墓地から特殊召喚する!』

 

 閃刀姫ーレイ

 攻1500 守1500

 

 しかし鎧が盾となったのか、鎧の装備者であるレイは無事だ。空中からフィールドに降り立つと、自身を破壊した《ダーク・シムルグ》に大きな警戒心を見せた。

 

 だが、攻撃はまだ続く。

 

「続けて《王神鳥シムルグ》で攻撃! ストーム・オーバー・テンペスト!」

 

『その前に《閃刀姫ーレイ》の効果発動! 自身をリリースしてEXデッキからリンク1の《閃刀姫》を特殊召喚する! 現れて! 《閃刀姫ーシズク》!』

 

 閃刀姫ーシズク

 攻1500 リンク1

 

「《王神鳥シムルグ》は自身を含むリンク先の《シムルグ》を相手の効果の対象から防ぐ力を持つ。だから《カイナ》は使えない。《シズク》のデバフなら差し当たり問題はない。攻撃続行だ! 《シズク》に攻撃!」

 

 王神鳥シムルグ

 攻1800

 

《王神鳥シムルグ》は先程の《ダーク・シムルグ》が作り出したものよりも遥かに大きな竜巻を作り出して《シズク》にぶつける。しかし、攻撃力だけで見るなら《王神鳥シムルグ》の方が負けているのはご愛嬌だ。

 

 閃刀姫ーシズク

 攻1500

 

『油断したね、マスター。速攻魔法発動! 《閃刀機ーイーグルブースター》! 《シズク》にあらゆる効果を受け付けない耐性を与えて、追加効果で戦闘耐性を付与する!』

 

「だが、切れ味は受けてもらう」

 

 ロゼ LP3400→3200

 

《シズク》は《イーグルブースター》を展開して《シムルグ》の生み出した風の刃を一つ残らず躱し切り、気流が暴れる暴風地帯からの脱出に成功する。モンスターを守れたロゼちゃんはダメージを受けても満足そうだった。

 

「俺はカードを1枚伏せて、エンドフェイズに《王神鳥シムルグ》の効果発動。使用していない互いの魔法・罠ゾーンの数以下のレベルの鳥獣族をデッキ・手札から特殊召喚する。空きフィールドは8、よってデッキからレベル8以下である《魅幽鳥》を特殊召喚する」

 

 手札1枚→0枚

 

 魅幽鳥

 攻1300 守1500

 

 シムルグが風をフィールドに巻き起こすと、そこに1体の鳥獣が呼び出される。これこそが鳥獣の王たるシムルグの能力。条件さえ整えば高レベルモンスターをも呼び出せる凄まじい力だ。

 

『私もエンドフェイズに《シズク》の効果を発動する。デッキから墓地に存在しない《閃刀》魔法を手札に……加えられない?』

 

「《シズク》のサーチ効果を使用する為にわざわざ一度破壊させる事は読めていた。《魅幽鳥》はEXモンスターゾーンの縦列に存在する時、その列で発動する効果を発動不能にする効果を持つ。今、《魅幽鳥》は《シズク》と同じ列にいる。これで《シズク》を封じた訳さ」

 

『ガスタデッキじゃないよ、その動き……』

 

「それな」

 

 何処か呆れを滲ませたロゼちゃんの声に、俺は静かに同意した。

 

 ── LP4000 手札0

 

 EXモンスターゾーン

 

 王神鳥シムルグ 攻2400→1700

 

 モンスターゾーン

 

 ダーク・シムルグ 攻2700→2000

 

 ガイガスタ・ガルドス 攻2200→1500

 

 魅幽鳥 守1500→800

 

 魔法・罠ゾーン

 

 伏せカード×2

 

 

 

『手札0で大丈夫なの? 私のターン、ドロー!』

 

 手札4枚→5枚

 

 彼女の言う通り、俺の手札は0枚。これは非常に不利な状況だ。一部のデッキを除いて、手札は多ければ多い方が使える戦術が増えて良い。故に、今の俺はほぼ何の戦術も取れないという訳だ。

 

 だが、手札を補充出来なくともロゼちゃんの動きを封じる事で、此方に有利に持って行くことくらいなら今の俺でも出来る。

 

「スタンバイ、罠発動! 《魔封じの芳香》! この罠の効果でロゼちゃんはセットしなければ魔法を発動できない」

 

『やっぱり引いていたんだ……』

 

 罠カード《魔封じの芳香》。このカードは相手は魔法を発動する際にセットして次のターンまで経過しなければ発動出来なくするカードだ。これに加えてセットを封じる《ダーク・シムルグ》がある事で魔法・罠を完全封鎖することが出来る。

 

「これでロゼちゃんは魔法・罠を封じられたも同然。閃刀姫にはかなりキツイんじゃないかな?」

 

『確かにセットを封じる《ダーク・シムルグ》と魔法発動の為にセットを強要する《魔封じの芳香》のロックは強力。けど、それには明確な弱点がある。それが今。発動したこの瞬間こそがこのコンボの弱点! 手札から速攻魔法発動! 《サイクロン》! 《魔封じの芳香》を破壊する!』

 

 手札5枚→4枚

 

 ロゼちゃんの手元から発生した竜巻がプレイヤーを惑わせる香りを撒き散らしていた器を打ち砕き破砕する。一瞬の隙を突かれて強力なロックを失ってしまった。

 

「《サイクロン》をさっきのドローで引き当てたのか? いや、この感じだと、前のターンに温存しておいたのか!」

 

『マスターが私の手の内を読んでいた様に、私もマスターの行動を読んでいたからね』

 

「成る程、流石だね。けど、この展開も想定内だとしたら……どうする?」

 

 そう言うと、俺は彼女に向けて不敵に笑ってみせる。強キャラ感がしていい感じでしょ? 

 

『……へぇ。じゃあ、何をしてくれるのかな?』

 

「いや、だからと言って破壊を防げる訳でもないんだけど……」

 

『ええ……』

 

 呆れた様にジト目で此方を見てくるロゼちゃんから目を逸らし、伏せてあったもう一枚の罠を起動させる。大体、相手の行動が読めていたからといって対策を常に握ってる訳じゃないんだよ。

 

「俺のフィールドのカードが効果で破壊された時、罠発動《融爆》。相手フィールドのカードを対象にして破壊する。《シズク》を破壊する!」

 

『破壊を防ぐ手立てはないよ。《シズク》が破壊された事で墓地より《閃刀姫ーレイ》を蘇生する』

 

 閃刀姫ーレイ

 攻1500 守1500

 

《魔封じの芳香》が破壊された事をスイッチとして《シズク》の足元に仕掛けられた爆弾が誘爆する。だが、装備を犠牲にした事で中身であるレイは無事。殆ど意味のない結果に終わってしまった。

 

『メインモンスターゾーンにいられると邪魔。現れて、勝利すべきサーキット。アローヘッド確認! 召喚条件は地属性以外の閃刀姫モンスター! 《閃刀姫ーレイ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! land now リンク1《閃刀姫ーカイナ》」

 

 閃刀姫ーカイナ

 攻1500 リンク1

 

 レイの足元から昇ってきた黄色の魔法陣が彼女の身体を通過すると、彼女は巨大なアームが特徴的な黄色の鎧である《カイナ》へと換装を終えていた。《カイナ》はどちらかと言えば防御寄りのカード。おそらく、今召喚したのは場繋ぎの為だ。

 

『《カイナ》は特殊召喚成功時に発動する効果があるけれど……』

 

「《魅幽鳥》と同じ列に存在することで発動を封じられる」

 

『そう。その通り。だけど問題ないよ。《閃刀術式ーアフターバーナー》を発動。《魅幽鳥》を破壊する』

 

 手札4枚→3枚

 

 ロゼちゃんが刀を振るって今まで閃刀姫の邪魔をしてきた鳥獣を、こんがりと焼けた焼き鳥へと調理する。美味しそうだな。これで閃刀姫リンクの効果が発動できる様になってしまった。

 

『そして《閃刀機ーホーネットビット》を発動。《ホーネットビット》の効果でメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、《閃刀姫トークン》を1体特殊召喚する!』

 

 閃刀姫トークン

 攻0 守0

 

 手札3枚→2枚

 

『現れて! 勝利すべきサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件は戦士族モンスター2体! 私は《閃刀姫ーカイナ》と《閃刀姫ートークン》でリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク2《聖騎士の追想イゾルデ》』

 

 聖騎士の追想イゾルデ

 攻1600 リンク2

 

 召喚されたのは閃刀姫とは異なるカテゴリのモンスター。ロゼちゃんによって呼び出された2人の女性が静かに此方を見つめている。俺に何を求めているんだ。

 

『《イゾルデ》の召喚時効果発動。デッキから戦士族モンスターを手札に加える。ただし、このモンスターはこのターン召喚、特殊召喚出来ず、効果も発動出来ない。私は《閃刀姫ーロゼ(私自身)》を手札に加える』

 

 手札2枚→3枚

 

《イゾルデ》は召喚されただけで戦士族をサーチする効果を持つ。可愛い顔に見合わず凶悪な効果だ。

 

『続けて《イゾルデ》の効果発動。1ターンに1度デッキから装備魔法を墓地へ送り、その数のレベルを持つ戦士族モンスターをデッキから特殊召喚する。私は4枚の装備魔法を墓地へ送り《閃刀姫ーレイ》を特殊召喚』

 

 閃刀姫ーレイ

 攻1500 守1500

 

 イゾルデが両手を組み、祈りを捧げると空中に描かれた魔法陣から《閃刀姫ーレイ》が呼び出されてフィールドに降り立つ。着々と整っていく布陣に俺は恐怖を隠せない。

 

『私は墓地へ送られた《妖刀竹光》の効果発動。このカードが墓地へ送られた事でデッキから《黄金色の竹光》を手札に加える』

 

 手札3枚→4枚

 

『《妖刀竹光》を《イゾルデ》に装備。そして《黄金色の竹光》を発動。《竹光》が存在するのでデッキから2枚ドローする!』

 

 手札4枚→2枚→4枚

 

『悪くないね。《貪欲な壺》を発動。墓地から《カイナ》《ハヤテ》《シズク》《シズク》《カガリ》をデッキに戻して2枚ドローする!』

 

 手札4枚→5枚

 

「手札が戻ったんだけど……」

 

 恐ろしいほどのドロー加速。俺じゃなくても絶望しちゃうね。

 

『悪いけど手加減はしないからね。んー、どうしようかな。レイを素材にリンク召喚。リンク1《閃刀姫ーカガリ》』

 

 閃刀姫ーカガリ

 攻1500 リンク1

 

 再び赤い魔法陣の力によってレイは《カガリ》へと武装を転換する。今回の役割も回収効果を利用するためだけの所謂繋ぎ。《カガリ》が真に刀滅の力を発揮できる日は来るのだろうか。

 

『《カガリ》の特殊召喚成功時に効果発動。墓地から《閃刀起動ーエンゲージ》を手札に加える』

 

 手札5枚→6枚

 

『現れて、勝利すべきサーキット! 召喚条件はリンクモンスター2体以上! 《閃刀姫ーカガリ》と《聖騎士の追想イゾルデ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク3《聖杯戦士ニンギルス》!』

 

 聖杯戦士ニンギルス

 攻2500 リンク3

 

 降臨したのは質素な武装をその身に纏った男の戦士《ニンギルス》。自身の得物を構えて臨戦態勢を取っている。これまでが全て女性モンスターばかりだった為に新鮮だ。

 

『これでメインモンスターゾーンが空いた。永続魔法《閃刀機関ーマルチロール》を発動。続けて《閃刀起動ーエンゲージ》を発動。デッキから《閃刀術式ーシザーズクロス》を手札に加えて1枚ドロー』

 

 手札6枚→5枚→4枚→6枚

 

「うわっ……。なんなのその動き……」

 

『私の持てる全ての力を使ってマスターを引き留める。もう失うのは嫌だから。貴方を決して逃しはしない。このデュエルに勝って必ず貴方を手に入れて見せる!』

 

「なんかもう色々な部分で負けそうな気がしてきた……」

 

 強い決意を抱いて彼女は引き留めにかかって来ている。何か主人公っぽい様な台詞回しをしてるし。もうダメかもしれない。本気で。

 

『私は負けない。絶対に。《聖杯戦士ニンギルス》の効果発動。1ターンに1度互いのフィールドのカード1枚を墓地へ送る。《暴走魔法陣》と《ダーク・シムルグ》を墓地へ』

 

「でも、《王神鳥シムルグ》のリンク先にいる《ダーク・シムルグ》は効果の対象にならない!」

 

『この効果は対象をとる効果ではない。よってその耐性は無意味』

 

「くっ……」

 

 シムルグが張った防壁を溶けたバターの様に軽々と切り裂いてみせた《ニンギルス》は、目標であるダーク・シムルグに剣を突き立ててその命を終わらせる。

 

『《閃刀術式ーシザーズクロス》を発動。墓地の魔法が3枚以上なので墓地から《閃刀姫ーレイ》を特殊召喚する』

 

 手札6枚→5枚

 

 閃刀姫ーレイ

 攻1500 守1500

 

 何度も何度も墓地とフィールドを行き来して過労死寸前の雰囲気を漂わせているレイちゃん。流石にこれは可哀想。

 

『現れて! 勝利すべきサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件はカード名のことなるモンスター2体以上! 《聖杯戦士ニンギルス》と《閃刀姫ーレイ》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク4《トロイメア・グリフォン》!』

 

 トロイメア・グリフォン

 攻2500 リンク4

 

 過労死寸前のレイちゃんとやる気満々だった《ニンギルス》を素材にして、伝説上の生き物を象った悪魔が君臨する。《トロイメア・グリフォン》は不気味なその顔かどうかも分からない様な部位を歪めて此方を嘲笑ってみせた。

 

『《トロイメア・グリフォン》が特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて墓地から魔法・罠1枚をセットする。ただし、セットしたカードはこのターン使用できない。《閃刀起動ーエンゲージ》をセット』

 

 手札5枚→4枚

 

『やっと出番だよ。《召喚師アレイスター》を召喚。《アレイスター》の召喚成功時に効果発動。デッキから《召喚魔術》を手札に加える』

 

 手札4枚

 

 召喚師アレイスター

 攻1000 守1800

 

 2人目の男である《召喚師アレイスター》。学者然とした姿をしている彼は不敵に笑うと、空中に魔法陣を描き出した。

 

『そして《召喚魔術》を発動。《アレイスター》と墓地から《灰流うらら》を除外して融合召喚を行う。融合召喚! レベル7《召喚獣プルガトリオ》!』

 

 手札4枚→3枚

 

 召喚獣プルガトリオ

 攻2300 守2000

 

《アレイスター》が描いた魔法陣に彼自身が墓地から《灰流うらら》と思わしき少女を引き摺り出して、共に吸い込まれていく。空に輝く魔法陣が赤く染まったかと思うと、次の瞬間には体型がバラバラで、表情の読めない不気味な姿をした3人組がフィールドに現れていた。

 

『《プルガトリオ》は相手フィールドのカードの数かける300攻撃力をアップさせる。マスターのフィールドには2枚のカード。よって攻撃力は600アップ』

 

 召喚獣プルガトリオ

 攻2900 守2000

 

『墓地の《召喚魔術》の効果発動。墓地のこのカードをデッキに戻して除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加える』

 

 手札3枚→4枚

 

『バトル! 《召喚獣プルガトリオ》は全てのモンスターに1度ずつ攻撃出来る! 《王神鳥シムルグ》と《ガイガスタ・ガルドス》に攻撃! この瞬間、手札から《召喚師アレイスター》を墓地へ送り、《プルガトリオ》の攻撃力を1000ポイントアップさせる!』

 

 手札4枚→3枚

 

 召喚獣プルガトリオ

 攻3900

 

 王神鳥シムルグ

 攻2400

 

《アレイスター》の援護を受けて強化された《プルガトリオ》は、1人が囮になっている隙に《シムルグ》をもう1人が強引に取り押さえるという連携プレーを発揮。そして、残る最後の1人が炎纏し蹴りを仲間ごと叩き込み《シムルグ》を木っ端微塵に爆散させた。

 

「つああっ! やっぱ本当にダメージが実体化しているのか!」

 

 ── LP4000→2500

 

 

 召喚獣プルガトリオ

 攻3600

 

 ガイガスタ・ガルドス

 攻2200

 

 そのままの勢いで《プルガトリオ》が《ガルドス》にも攻撃を仕掛けようとするが……

 

「それ以上は食らえない! 墓地から《SR三つ目のダイス》を除外して効果発動! このターンで1度だけ攻撃を無効にする!」

 

 墓地から現れたサイコロが展開する障壁に阻まれて目的に到達する事を防がれてしまう。

 

『躱されちゃった。《トロイメア・グリフォン》で《ガイガスタ・ガルドス》に攻撃!』

 

 トロイメア・グリフォン

 攻2500

 

 ガイガスタ・ガルドス

 攻2200

 

 しかし、俺はこれで完全に防御策を失った。そのため、《ガルドス》を食い千切る《グリフォン》の攻撃を防ぐ事が出来なくなってしまった。

 

「くっ……! だけど耐えた!」

 

 LP2500→2200

 

『手札0、ライフも僅かで、フィールドにカードは存在せず、墓地発動もない。そんな焼け野原の状態で本当に耐えたって言えるの? 早くサレンダーして。私もマスターを好きで傷つけてる訳じゃないから』

 

「……それでも答えは変わらないよ」

 

『そう……。なら、次のターンで終わらせてあげる。カードを1枚伏せる。そしてエンドフェイズに《マルチロール》の効果が発動。《ウィドウアンカー》と《イーグルブースター》をセットしてターンエンド』

 

 ロゼ LP3200 手札2枚

 

 EXモンスターゾーン

 

 トロイメア・グリフォン 攻2500

 

 モンスターゾーン

 

 召喚獣プルガトリオ 攻2300

 

 魔法・罠ゾーン

 

 マルチロール

 

 ウィドウアンカー

 

 イーグルブースター

 

 エンゲージ

 

 セットカード×1

 

 

 

 ── LP2200 手札0

 

 EXモンスターゾーン

 

 無し

 

 モンスターゾーン

 

 無し

 

 魔法・罠ゾーン

 

 無し




主人公
今のところ汎用カードを加えたガスタシムルグ。しかしまだ、このデッキの全貌を明かしてはいないのだよ。

ロゼちゃん
閃刀召喚獣に汎用カードっぽいものを加えたデッキ

デュエルで使用したカード説明について

  • 作中で全部書け
  • カード名、攻撃力、守備力、のみで良い
  • あえて何も書かなくて良い
  • 原作リスペクト(勝手に生える効果説明)
  • 我が書き換えたのだ
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