うちの精霊が病み属性だった件について 作:ダメダメのライトニング
ロゼちゃんのリクエストに応える為にリビングで映画を漁っているが、一向に《俺とお前で超融合! 異世界の中心で痛み、苦しみ、愛を叫ぶ〜お前にモアイを与えてやろう〜》を見つけることが出来ない。
《我が名は》とか《劇場版カプセルモンスター モリンフェンの逆襲》とか《天空の居城 ヴァルハラピュタ》だとかは見つかるのだが、何故か件の映画は見つからない。必ず家に置いてある筈なのだが……。それよりも、何故か持っている映画の数より多く置かれていることが気になる。俺、こんなにいっぱい映画買った覚えないんだけど。少なくとも、《死霊ゾーマの盆踊り》なんて購入した覚えは全くない。むしろこんなもの頼まれても買わない。
「んー、どこにあんだろ」
色々ひっくり返してみるがまるで見つからない。首を傾げて考えてみるも、置き場所に思い当たる節はない。
しばらく悩んだ末、何の気無しにソファの下の隙間に手を突っ込むと何か手応えを感じた。引っ張り出してみると、それは件の映画のパッケージ。しかし、中身は空っぽ。この時点で大体察した俺は、専用機器を操作して中から入りっぱなしだったディスクを取り出してみる。
「あー、やっぱり放置されてたか……。俺は見た覚えがないけどなぁ。誰かが勝手に見たのかな?」
別に勝手に見たとしても構わない。そこまでの自由を制限するつもりはない。ただ、見終わったら元に戻して置いて欲しかった。……今、ふと思いついたが、パッケージが行方不明になっていたことでやむなく放置したのかもしれない。言ってくれたら適当なもの作ったのに。
「んー、まぁ、見つかったし問題ないか。じゃあ、早くロゼちゃん呼んでこなきゃ」
とりあえず拾い上げたケースを机に置いてロゼちゃんを呼びに行こうと動き始めた矢先、フラフラと覚束ない足取りで一人の少女が部屋に入ってきた。その姿はボロボロで綺麗な金髪の髪も霞んで見える。
「ちょっ! レイちゃん! 大丈夫⁉︎」
今にも倒れそうな彼女を咄嗟に支え、そのままソファに連行して寝かせる。おそらく状況から察するに、彼女はベエルゼに戦いを挑んで返り討ちにあったと考えるのが自然だ。
そもそも《閃刀姫ーレイ》は精霊としての格はさほど高くない。むしろ低い部類に入る。今は亡きウィンダに軽く聞いた話故に詳しくは理解していないが、精霊の格に攻撃力や効果はあまり反映されないらしい。レベルは割と関連していたりもするそうだが、中には低レベルであろうと伝説に定評のある《ハネクリボー》のようなの高位の精霊もいるらしい。むしろ、そっちの方が多かったりするのであまり当てにしない方が良いというのが真相だ。
要するに《青眼の白龍》と《溶岩魔神ラヴァゴーレム》が同格に見えるか、とそういう話だ。精霊としてはラヴァゴーレムの完敗だろう(適当)。そもそも三幻神に匹敵する白き龍に勝てるやつ殆どいない説が濃厚だから。 実際直接戦ってるの見たことないから分からないけど。意外と善戦したらゴメン。
話を戻そう。そんな高位精霊でもないレイちゃんが挑んだ相手は、邪神の分身的な決闘龍であるベエルゼ(未浄化)。……無理じゃね。無理だったわ。
当然、勝てるわけもなく彼女はボロ雑巾状態になっている。だが、殺されなかっただけマシだろう。ともかく、今はレイちゃんの無事を喜び、彼女が回復するまで看病する他ない。別に俺はそういうのは苦に思わないし。ロゼちゃんには悪いけど映画はまた後にしてもらおう。今は此方が最優先だ。
「レイちゃんはそこでちょっと休んでて。今、回復できそうなもの探してくるから」
《モウヤンのカレー》や《ギフトカード》といった回復系のカードを探しに行こうとした俺の服の裾を掴む手が一つ。誰か考える必要はない。今、この場にいるのは俺を除けば一人だけだから。
「レイちゃん?」
『もう少し……、隣にいてください。怪我は大したこと無いので……。これは疲労です。もとよりこの程度の傷はすぐ治りますから……』
服を掴み、か細い声で鳴く彼女はひどく弱々しく、朝に暴走した人物とはまるで別人のようにしおらしかった。こんな状態の彼女を放っておける筈がなく俺は彼女に寄り添う形でソファの近くに腰を下ろした。
「大丈夫……じゃなさそうだね。何か欲しいものはあるかい?最近マジック練習してるから見せてあげようか?」
彼女の手を軽く握り、彼女の欲しているものを尋ねる。相手の手を握ることで相手に安心感を与えることができるらしい。俺の前世の知識がそう言っている。そのことがあてになるかは分からないが、レイちゃんが俺に対して異常とも言える執着心を持つことは理解しているので彼女が不快感を持つことは無いだろうという保険もかけてある。
『私の……欲しいもの……それは……』
息も絶え絶えに彼女は言葉を紡ぐ。冷たいものでも、果物でも、飲み物でもなんでも頼んでくれて構わない。今の俺はなんでも願いを叶えるつもりだ。
「それは?」
彼女の言葉を促すように、しかし、それでいて急かすようなニュアンスは一切含ませずに言葉の続きを望む。
『それは…………マスターです‼︎』
「全然大丈夫じゃねぇかっ! うわっ‼︎」
今までの弱った姿は何処へやら、いきなり跳ね起きて飛びついてきたのには驚きを隠せない。まさか今までの弱った姿は演技だったとは。やったねレイちゃん! 二代目ベクター目指せるよ!
不意を突かれて床に倒れ伏した俺と折り重なるように俺を押し倒したレイちゃん。実体化しているにも関わらずそこまで体重は重くない。むしろ軽すぎるレベルだ。戦士である以上身軽である必要があるのだろう。それでもある程度は必要だと思うが。
顔と顔が触れ合うレベルの至近距離でマジマジと彼女に見つめられる。俺もそれに応えるように見つめ返す。彼女は相変わらず整った顔立ちをしている。
そして、突如として彼女はその綺麗な顔を俺の胸元へと埋め、逃げられないように俺の身体を手で固定する。
『えへへ、マスターの匂いがします』
「そりゃ本人だからね。別人の匂いがしたら怖いよ」
彼女はクンクンと鼻を鳴らしながら気の抜けたことを言うも、俺を拘束する手に益々力を込めて俺を逃がさないようにより強固な布陣を築く。
そのまま再び変態的行為に及ぶのかと思いきや、意外なことに何もせず、彼女は顔を上げずにポツリと呟いた。
『マスター、もうちょっとだけこのままでいてくれませんか? あはは……。少しハエとの戦いで疲れました。延長プリーズです』
妙に真剣味のあるその言葉を聞いた俺は頷いて抵抗を止める。もとより力で彼女に勝つ事などできない。ならば、彼女の気が済むまでやらせてあげようと思う。
「気が済むまでいつまでもどうぞ」
『じゃあ、ずっとこれで生活します』
「それは止めて欲しいな……」
軽口を叩きながら抱き枕に徹する。時間が経つにつれて抱きつかれるのにも慣れた。いっそのこと、このままでも良いんじゃないかとすら思えてきたほどだ。
しかし、レイちゃんとの戯れに時間をかけすぎた。元より俺は映画を探しにきたのだ。こんな事をして油を売っていればどうなるかなど自明の理。恐れていた事態が起こってしまった。
『マスター、映画見つかった?』
暫く放置されていたロゼちゃんが痺れを切らしてリビングまでやって来てしまったのだ。当然、彼女に今の状態を見られるわけで……
『あっ』
『あっ』
「あっ」
驚きの声三体連結。コイツは強力DAZE!
そんな事はどうでも良い(セルフツッコミ)! 今はロゼちゃんへのフォローが先だ。彼女は大人しい方に分類されるとはいえ、こんな状況では伊藤誠の後を辿ってもおかしくない。
俺は咄嗟にレイちゃんにサインを送る。レイちゃんは固い意志を感じさせる瞳でそれに応えた。よし、頼むぞレイちゃん! 俺のnice.boatは君にかかっている!
彼女は余裕を感じさせる笑みをその美麗な顔に浮かべると、近くに転がっている俺の身体を引き寄せて、俺の背中に全身を密着させる形で抱きしめた。
キミは一体俺のサインの何を読み取ってそんな行動に及んだんだ(白目)。おい、見てみろよロゼちゃんの顔。感情抜け落ちてるぜ。もう私はおしまいですね(ロジェスマイル)。
『…………るい……』
『レイばっかりずるい! 私ももっとマスターを抱きしめたい!』
そう叫ぶと、彼女は背中をレイちゃんに拘束されている俺を正面から思いっきり抱きしめた。俺はふれあい動物か何かかな? しかし、俺は急に抱きつかれようとも見逃さなかった! 今、さらっとロゼちゃんがレイちゃんの顔面に膝を入れたことを! この子たち仲良いな、本当に。
この状況、一見すれば美少女二人に挟まれている羨ましい光景。しかしそれは大いなる間違い! パラさんもそう言ってた(冤罪)。
実際のところ、捕食者二人に捕縛されただけなのだ。前門のロゼ、後門のレイ。ちょうど《はさみ撃ち》の形になるな(名推理)。
例えるなら、《ハングリーバーガー》の間に挟まれた気分だ。しかも、今の俺の心臓は爆弾を抱いているかのように心拍数を爆上げしている。もしかしてこれは……恋? いいえ、不整脈です。病院に行きましょう。
だが、デュエルにおいても日常生活においても平常心は重要だ。そう、例え相手がヌメロンからのホープゼアルに加えてドラグーンを並べてきたとしても平常心であらねばならない。必ず逆転して見せる! 俺のターン、ドロー! あっ、サレンダーいいっすか? 無意味なるシャカパチ
『レイはさっきから抱きついていたんだからそろそろ離れる頃合いんじゃないかな?』
『ふふ、ロゼちゃん。私は怪我人ですよ? マスターに何しても良いんです。というわけで、離れません。離れるなら後から来たロゼちゃんの方ですね』
俺を捕まえたまま争う2人。和やかだなぁ。
なので、俺は平常心を保ちつつ抱き枕状態から頑張って片手のみ抜け出してテレビのリモコンを操作した。ちょうどロゼちゃんもいるしこのまま映画観賞と行こう。中にはすでに件の映画が入っているのでリモコン操作だけで再生できる。
「ロゼちゃん見たいって言ってた映画見つけたから再生するね」
二人は俺に抱きつきながらも再生された映画が気になるようで、チラチラと画面を見ている。この映画はいわば《スケープ・ゴート》。俺の為の囮になって貰うつもりで再生したものだ。
その作戦は半分成功した。事実、今の彼女達の意識は映画に向けられている。これは作戦通りと言えるだろう。しかし、彼女達はそれでも俺の身体を掴んではなさなかった。作戦失敗だ。もう、こうなったら仕方ないので俺もこの状態で映画を楽しむことにする。
この後めちゃくちゃ映画を見た。
★★★★★★★★★★★★★★
夜、俺は一人ベッドに横たわっていた。だが、この一人の時間も長くは続かない。いつも必ず誰かがベッドの中に侵入してくるのだ。鍵を閉めても無意味。普通にすり抜けてくる。それどころか、既にベッドの下でスタンばってる奴らもいた。
いつもなら誰かが侵入してくる時間だが今日は珍しく誰もいない。俺が気付いていないだけで天井裏や、壁の中に入り込んでいる可能性は非常に高いが、気付いても仕方ないどころか不気味なだけなのでこの事はこれ以上考えないようにしよう。
身体からゆっくりと力を抜いて深い眠りに落ちようとしたその時、誰かが俺の部屋の窓を叩いた。
ここは二階だ。普通なら心霊現象的なアレを想像するが、俺は慣れているので普通に窓を開けて応対する。もし、一般ピーポーの皆様がこの様な現象に遭遇したならば決して窓を開けてはいけません。多分、悪霊とかそういう類いの何かが入り込んでくるだろうから。俺は別に構わない。カードの精霊がいるし、第一もう失うものが殆どない。
「誰っすか? 普通にドアから入ってきてくれると嬉しいんすけど」
窓のガラスをスライドさせて外と内を繋ぐ。外にいたのは月光に照らされて艶やかな姿を惜しげなく晒したカードの精霊。
そこにいたのは《氷の魔妖ー雪女》。その高貴な姿は月明かりの照らす夜に非常に映える。
彼女の下で何かが動くのが見えた。別の精霊だろうか。あの赤黒いボディには見覚えがある。《ブラック・ローズ・ドラゴン》さんだ! 久しぶり。
『感動の再会の最中に悪いんだけど時間がないの。早くしないとあの二人に見つかっちゃう! さぁ、急いで! 一緒に逃げよう!』
かなり追い詰められた顔で彼女は俺に手を差し伸べる。何をそこまで焦っているのだろうか。それに逃げるとはどういう事なのか。
「待って! まずは説明を……」
『それは後! いいからこっち来て!』
説明を求める声も虚しく強引に拉致られてしまった。
しかし妙だ。何故、彼女はこれほどまでにここから離れる事に急いでいるのだろうか。普段の彼女であれば外に連れ出す事などせずに部屋に侵入するだけだった筈だ。俺を連れて行く必要性が分からない。それに、壁抜けで入ってくれば良いにも関わらず、わざわざ窓を開けさせた事にも疑問が浮かぶ。
おそらくだが、俺の預かり知らぬところで何らかの事件が起きているのではないだろうか。それが、今回の拉致で抱いた違和感の原因になるのだろう。現状、俺の理解している範囲では何一つとして考察できる要素がないので推理しようにもどうしようもないのだが。
「ねぇ、俺をどこに連れて行くつもり?」
『それは愚問なのだ。着けばわかるよ』
「そりゃそうだけどさ……」
そんな会話をしていた時だった。突如としてブラック・ローズ・ドラゴンが苦悶の声を上げてバランスを崩してしまう。
「一体何だっ!」
『早い……! もう気付かれちゃったかな!』
地面に投げ出されそうになった俺は彼女に抱き抱えられる形で着地する。そんな俺達の前に一つの黒い影が降り立った。
『今すぐマスターを解放して。それ以上の乱暴狼藉は許さない』
『うーん、乱暴なのはそっちの方だと思うんだけど。 いきなり斬りつけてくるなんて流石にダメだと思うよ? 《閃刀姫ーロゼ》』
俺達の前に立ち塞がったのは、俺の見慣れた軍服を着た銀髪少女。その姿に先程までのフニャフニャに甘えた姿は無く、夜の闇を照らすかの様にその銀髪とその鋭い眼光から放たれる赤は蘭々と輝いていた。
「ロゼちゃん? 一体本当に何が起こっているんだよ……!」
しかし、その問いに答えるものはいない。彼女は対峙したロゼちゃんから視線を外さずに黒薔薇の龍に指示を飛ばす。
『ブラック・ローズ・ドラゴン! もう動けるよね! 彼を庭園に連れて行ってあげて! ホントは私が一緒に行きたいけど、ここは私が食い止めるわ!』
ブラック・ローズ・ドラゴンはその言葉に応える様に一言吠えると、俺をその身体から生えた茨で掴み、拘束して何処かへ目指して飛び立とうとする。
『させない! 《閃刀機ーイーグルブースター》!』
すかさずロゼちゃんがイーグル・ブースターを展開してブラック・ローズ・ドラゴンを追跡しようとするが、彼女を覆う様に地面から生え出した極太の檻によってその行動を阻害されてしまう。
『《悪夢の鉄檻》発動。キミはここで私とデュエルして貰うね。愛しのマスターの元へ行きたければ私を倒さなきゃダメだよ。……もっとも、キミ如きが私を倒せる筈がないし、第一、あの人はキミのマスターじゃない。彼はね、私とずっと一緒に生きてくれるって言ってくれたんだ。だからもう私の物。永遠にお世話してあげるの!』
そう啖呵を切ると彼女は自身の手からデュエルディスクを展開させる。
『妄想も大概にしておけ……。すぐに始末してマスターの後を追わせて貰う』
それに呼応するかの様にロゼちゃんもディスクをセットした。普段の気の抜けた姿や言葉遣いとは違い、真剣なその姿や冷たい語調の声に加えて《零氷の魔妖ー雪女》を見つめるその目には隠し切れないほどの明確な怒りと憎悪が見て取れる。
『あれ? もう勝った気なのかな。時間を稼ぐのは構わないけど、……別に倒しちゃっても構わないんでしょ?』
『くだらない。さっさと終わらせてマスターの方へと向かわせて貰う……。start our mission 』
その瞬間、デュエル開始の宣言をするかの様に天空を翔るブラック・ローズ・ドラゴンが嘶いた。
『『決闘!』』
戦いの火蓋は切って落とされた。
★★★★★★★★★★★★★★★
「本当に何が起こっているんだってばよ……」
俺は一人、ブラック・ローズ・ドラゴンの上でポツリと呟く。俺は間違いなく重要人物の一人であるのだろうが、全く事態を認識できない。現状、ロゼちゃんに従えばいいのか、雪女に従えばいいのかすら分かっていないのだ。
ただ、雰囲気で察しているのだがこれはいつもの様な俺の所有権を巡った争いには見えない。普段のそれよりも遥かにグレードの高い何かだと考えている。心当たりはまるで無いが。
そんなこんなで思考の渦にのめり込むうちに、雪女の言っていた『庭園』とやらに着いた様だ。夜の闇に隠れていても分かるほどの陰鬱な雰囲気。鬱蒼と茂った植物はシルエットしか分からないが、それでも背筋が凍る様な不気味さを感じさせる。
……俺はこの庭園という場所に見覚えがある。むしろ見覚えしかない。だが、その『庭園』は本来ならばこんなところには決して存在しない、むしろ存在してはいけない筈だ。
「《ブラック・ガーデン》……。何故ここに? 生えてきたのか? (カードの中から)まさか自力で脱出を⁉︎」
そんなことあってたまるか。だが、目の前の現実はここがブラック・ガーデンであると告げている。
ブラック・ローズ・ドラゴンはゆっくりと下降していき蔓延った薔薇を潰さぬ様に丁寧に着地した。
「えーっと、ありがとうで良いのかな? それともお勤めご苦労様です?」
例の言葉に照れたのか、ブラック・ローズ・ドラゴンは軽くその身体に生えた薔薇の花弁を俺に向けて飛ばして穏やかに微笑む。このドラゴン、効果とビジュアルのヤンデレ味が強いだけで性格自体は割と温厚。某決闘龍にも見習って欲しいくらいだ。
『ブラック・ローズ? あの人を連れてきてくださったの?』
黒庭の奥から声が聞こえる。黒庭、ブラック・ローズ・ドラゴンときたらもうアイツしかいないだろう。このままここに居ても致し方ない。気は進まないが直接会ってこの事件の全容を教えてもらおう。幸いな事に彼女は他の奴らに比べるとまだ穏やかな性格をしている。直接的危害を加えてこないのでいっそ天使にも見えてくる程だ。
「やあ、こんばんわ。夜分遅くに申し訳ないんだけど、どうしてここに連れてきたのか教えてくれるかな?」
黒庭を歩いて徒歩数秒。設置された噴水に腰掛けている一人の女性を発見した。一眼見たら忘れられない程に全身が病的なほど真っ白な少女。それはこの暗い闇夜でより一層際立っている。《ガーデン・ローズ・メイデン》それが彼女の名だ。
少女は俺を見つけると顔を輝かせ一目散に駆け出してきた。しかし、前だけを見過ぎでいたのか足元に生えていた茨につまづきバランスを崩してしまった。
咄嗟に駆け寄り倒れかけた彼女の身体を支える。肌と肌が触れ合い、彼女の冷たい体温が直接伝わってくる。平熱低くて大丈夫か? 大丈夫だ、問題ない(他人事)
『ありがとうございます。わざわざお手を煩わせてしまい申し訳ありません……』
しゅんとした表情で少女は俺に謝った。謝られる様な事をした覚えはかけらも無いが、今はそんな事を気にかけている場合じゃない。
「いや、大丈夫。繰り返す様で悪いけど、どうしても俺は聞きたいんだ。事の端末を何もかも。全部教えてくれないかな?」
その言葉を聞いた彼女はキリッとした表情を浮かべて俺の目を真っ直ぐ見つめる。そして俺は彼女に誘導される形で噴水の縁に腰を下ろした。やけに距離感が近いのを気にしてはならない。そんな事でおどおどしてたら精霊持ちデュエリストとしてやっていけないのだ。
『では、貴方を取り巻く事件の全容をお話しいたしましょう。そう、ことの発端はあの時から始ま……』
『《閃刀術式ーベクタード・ブラスト》』
「危ないッ‼︎」
咄嗟に彼女に覆い被さる様にして彼女を伏せさせる。ちょうど被さった俺の身体を掠める様に放たれた光線は、俺達の背後に鎮座していた噴水を跡形もなく吹き飛ばした。
あのまま俺が庇わなければ、吹き飛んでいたのはメイデンの頭部だっただろうという事に気がついて背筋に悪寒が走る。
『どうしてですか? 何故、その女を庇ったんですか? 私よりそいつの方が好きなんですか? ちゃんと答えてください。ねぇ、マスター?』
カラカラと、何かを引き摺る様な音が聞こえる。引き摺ってるその剣は確か精密機器だった筈だ。そんな雑に扱って大丈夫なのか?
『貴方も悪いんですよ? 《ガーデン・ローズ・メイデン》。余計な事を言おうとしなければ、死に方くらいは選ばせて差し上げたのに』
茨の蔓延る薄暗い庭園を悠々と歩く一つの影。自身の行手を阻む茨を手に持った赤黒い刀で切り刻んでいく。
その見慣れた姿をこの俺が分からない筈がない。
いつもの見慣れた制服に、サラサラした綺麗な金髪。いつものように可愛らしく笑みを浮かべるその姿からは、先程の凶行の主だと微塵も感じとることができない。
『お迎えにあがりましたよ、マスター。さあ、一緒に帰りましょう?』
つい、数時間前まで一緒の家で生活していたレイちゃんがそこに立っていた。
俺の休日はまだ終わらない。
《俺とお前で超融合! 異世界の中心で痛み、苦しみ、愛を叫ぶ〜お前にモアイを与えてやろう〜》
まんまGX3期の話。基本ユベル視点で話が進んでいく上にユベルの所業がなんか美化されている。愛の為ならば何をしても許されるというのが伝えたかったメッセージらしい。
ちなみに、自分が初めて見た遊戯王アニメはGXのヘルヨハンvsヘルカイザー戦の再放送と思われるもの。欠片も意味わかってなかったけど、滅茶苦茶面白くて毎週見てたのを覚えてる。当時、幼稚園児だった俺にユベリズムは多大なる影響を残していくことになったのだった。ユベルに性癖歪められた、訴訟。
《我が名は》
3000年前の古代エジプトのファラオと現代の少年が入れ替わる話。口噛み酒ではなく、千年アイテムと神のカードに加えて石版で過去に戻ってなんやかんやでゾークを倒す。
前☆速☆前☆進だ!
《劇場版カプセルモンスター モリンフェンの逆襲》
誰が攻撃力1550にしてくれと願った。誰がレベル5にしてくれと願った。これは私からKONMAIへの逆襲だ……!
《天空の浮鵺城 ヴァルハラピュタ》
主人公のシータとパズーを相手に2対1というハンデを背負っていたのにも関わらず激闘を繰り広げたムスカ大佐のデュエルスフィンクスは素晴らしいの一言。今でも評価されている名作。
ムスカ大佐の築いたガチガチロックの布陣を前にパズーとシータが長考し始めた際に放った一言、「3分間だけ待ってやる」は彼のマナーの良さを表しているともっぱらの評判。
主人公くん
ピーチ姫系主人公。真のヒロイン。
レイちゃん
登場の仕方がもはやホラー。
ロゼちゃん
真面目モード入りました!
雪女
多分カッコいいポーズを決めている筈。あんりみてっど・ぶれいどわーくす!
死亡フラグが既に立っている。
ガーデン・ローズ・メイデン
登場してすぐ殺されかけるという悲惨極まりない初シーン。植物族だけど草も生えない
デュエルで使用したカード説明について
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作中で全部書け
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カード名、攻撃力、守備力、のみで良い
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あえて何も書かなくて良い
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原作リスペクト(勝手に生える効果説明)
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我が書き換えたのだ