うちの精霊が病み属性だった件について   作:ダメダメのライトニング

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初デュエル回が遅すぎたので初投稿です

原作リスペクト(雑効果記載&唐突に発生する隠された効果)でカード説明を記載していきます。思ってるのと違うと結果になるかもしれませんけど、模索中なのでよろしくです(予防線)

自分で書いといてアレだけどなんか違う(確信)

気に食わなかったら言ってください


レベル5

『お迎えにあがりましたよ、マスター。さあ、一緒に帰りましょう?』

 

 優しげに微笑むレイちゃんから遠ざけるように、メイデンは俺を後ろに下がらせる。それを見た彼女は途端に不機嫌そうな顔になって言葉を吐き捨てた。

 

『メイデン、そのふざけた行為を止めてください。そんな事をしてもなんの意味もない事ぐらい貴方なら分かる筈です。早くマスターを解放してください。断ると言うのであれば……、分かっていますよね?』

 

 明確な殺意を持って刀を突きつけられたメイデンは、その色白の額に冷や汗を浮かべながらも気丈に言葉を返す。

 

『ふざけているのはレイさん、貴方の方です。こんな事をしてただで済むと思っているのですか⁉︎今すぐこんな事は止めるべきです!』

 

『ふざけてなどいません。私は何を犠牲にしてでもマスターを取り戻します。ですが貴方は私の邪魔をするんですね。分かりました。なら、仕方ありませんね。大人しく……』

 

 

 

 

 

 

『————死んでください』

 

 瞬間、レイちゃんはメイデンとの距離を一瞬にして詰める。元が戦闘タイプではないメイデンは咄嗟の出来事に対応できずに固まってしまう。

 そんな事お構いなしにメイデンに向かって振るわれる凶刃。その刃がシルクのように白く柔らかい彼女の肌を切り裂いて、純白の布地を真紅に染め上げるかと思われたその瞬間、地面から生え出した太く刺々しい茨がレイちゃんを突き飛ばした。

 

『私のことは構わないので、ブラック・ローズは──様を守ってください!』

 

 ブラック・ローズに俺を守る様に指示するメイデン。その指示を忠実に聞き入れた黒薔薇の龍は俺を囲う様にしてその身を盾とした。一方、俺は唐突なリアルファイトについて行けずに困惑していた。

 

 茨に弾かれた後、空中で回転する事で勢いを殺して安全に地面に着地する事に成功したレイちゃん。しかし、そんな彼女を追撃するかのように次々に生え出した茨が襲いかかる。

 

 一転攻勢、先程まで不利だったメイデンは《ブラック・ガーデン》を操る能力を活用する事で形勢をひっくり返していた。彼女はレイちゃんやロゼちゃんの様に戦闘技能に秀でているわけではない。だが、彼女には彼女にしか出来ない事がある。それがこの特殊能力だ。メイデンは確かにこの瞬間、生まれ持った能力を使い戦闘技術で劣るレイちゃんを圧倒していた。

 

 しかし、それは本当に一時にしか過ぎなかった。

 

 突如としてレイちゃんを取り囲んだ茨の牢獄から爆音が鳴り響く。視線を向けると、そこには焼け爛れた牢獄の跡地を踏み越えて悠々と此方に向かう彼女の姿が見つけられる。ただその姿は先程までとは違い、近代的で機械的なデザインの赤い鎧を身に纏っている。

 

『《閃刀術式ーアフターバーナー》……。どうやらこの庭の攻撃は私とは相性が悪かった様ですね。貴方達が奪った私のマスターを返して貰いますよ』

 

 そんな事を一言呟いて彼女は武装を変更する。刀滅モードから普段の制服姿に。メイデン相手に武装など必要ではないと言わんばかりの行動だった。

 

 その姿を見たメイデンは彼女らしくもなく歯噛みする。

 

 そして俺は全くついて行けずに取り残されていた。おい、デュエルしろよ……。頼むからディアハじゃなくてデュエルしてくれ。リアルファイトは遊戯王アニメでよく見かける光景だけれども、実際目の前でやられると反応に困るんだよ。

 

 そんな俺の切なる想いが天に通じたのか、メイデンとレイちゃんの二人は何処からともなくデュエルディスクを生み出して互いに構え合う。デュエルしてくれと頼んだけど唐突だな、おい。

 

『本当に……退く気は無いのですね?』

 

 レイちゃんはメイデンに最終通告を行う。メイデンはその問いをデュエルディスクを構える事で肯定した。

 

『なら、ルールは海馬スぺシャルで……』

 

『一般的なマスタールールの方でお願いします』

 

 真顔でとんでもない事を言い始めたメイデンを対して冷たくあしらうレイちゃん。そもそも、海馬スペシャルって何よ(純粋な疑問)

 

『準備は良いですね? それでは、デュエル開始の宣言をしてください! マスター‼︎』

 

「えっ⁉︎俺がやんの⁉︎デュ、デュエル開始ィィィィィィ!!!」

 

 

 

 

 

『『決闘!!』』

 

 

 閃刀姫ーレイ LP4000 手札5枚

 

 VS

 

 ガーデン・ローズ・メイデン LP4000 手札5枚

 

 

 

 

 

 

「こんな始まりで良いのかなぁ……」

 

 たぶん良くない。

 

 

 

 

 

『私の方が早くドローしました。よって私が先行です。手札から《増援》を発動。デッキからレベル4以下の戦士族である《閃刀姫ーレイ(わたし)》を手札に加えます』

 

《増援》

 レベル4以下の戦士を手札に加える

 

『なんですって! 先行、後攻はデュエルディスクが決めるのではないのですか⁉︎』

 

 先行を取ったのはレイちゃん。マスタールールで行うと宣言したのにも関わらず、クラッシュタウンルールで先行をもぎ取るとは中々の強かさだ。そんなやりたい放題な彼女の姿に驚くメイデンだったが、やがて気を取り直してレイちゃんの一挙一動に注視する。

 

『手札から2枚の魔法カード《成金ゴブリン》と《盆回し》を発動します。《成金ゴブリン》の効果で貴方を1000ポイント回復する代わりに私は1枚ドローします。そして《盆回し》の効果で互いのフィールド魔法ゾーンに違う名称のフィールド魔法をセットします』

 

《成金ゴブリン》

 相手ライフを1000ポイント回復させて1枚ドローする

 

《盆回し》

 互いのフィールドに名称の違うフィールド魔法を2枚選んでセットする。セットされたカードが存在する限り新しいフィールド魔法は発動出来ない

 

 手札5枚→4枚

 

 メイデン LP4000 →5000

 

『私のフィールドに……?』

 

 自分のフィールドにセットされたカードを訝しげに見るメイデン。だが、この《盆回し》は彼女にとって厄介な行動だ。《盆回し》の効果でセットされたカードがセットされている限り、新しいフィールド魔法は発動できない。彼女が使っているデッキが俺の組んだローズ・ドラゴンならこれはかなりの痛手だ。おそらく、レイちゃんはメイデンのデッキの動きを見越してこのカードを発動したに違いない。

 

『まだ、終わりでは、ありません! 魔法発動! 《閃刀起動ーエンゲージ》! このカードは自分のメインフィールドゾーンにモンスターが存在しない時、デッキから《閃刀》カードを1枚手札に加えます。私はデッキから《閃刀機関ーマルチロール》を手札に加えます』

 

《閃刀起動ーエンゲージ》

 メインフィールドにモンスターが存在しない時、デッキから《閃刀》カードを手札に加える。

 

 手札4枚→3枚→4枚

 

《エンゲージ》の能力は恐ろしいことに条件付きとはいえ万能サーチ。《閃刀》はこれがあるから強いと言っても過言ではない。しかも《エンゲージ》にはまだ隠された効果があり、今、その条件を満たしてしまっている。

 それに加えて、メイデンはこれを止めなかったあたり《うらら》は握ってないと考えられる。

 

『《エンゲージ》の第二の効果! 私の墓地に3枚以上魔法カードが存在するならば1枚ドローする。私の墓地には3枚の魔法カードがあります。よって1枚ドロー!』

 

《閃刀起動ーエンゲージ》

 墓地に魔法が3枚以上の場合、1枚ドローする

 

 手札4枚→5枚

 

『さらに永続魔法《閃刀機関ーマルチロール》を発動します。今は《マルチロール》の効果はありません。続けて《閃刀姫ーレイ(わたし)》を通常召喚!』

 

《閃刀機関ーマルチロール》

 自分フィールドのカードを対象にして発動。このターン、魔法の発動に相手はいかなる効果も発動出来ない。その後対象にしたカードを墓地へ送る

 

 5枚→3枚

 

《閃刀姫ーレイ》 ☆4

 攻 1500 守 1500

 

 フィールドに自ら進み出たレイちゃん。まさかとは思っていたがそのまさかだった。モンスターとデュエリストを兼任するってこういう事なの? 

 

『現れなさい、敗走を許さぬサーキット。アローヘッド確認。召喚条件は炎属性以外の《閃刀姫》モンスター1体。私は《閃刀姫ーレイ(わたし自身)》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚! 一刀火葬! リンク1《閃刀姫ーカガリ》!』

 

《閃刀姫ーカガリ》

 攻1500 リンク1

 特殊召喚された時、墓地から《閃刀》魔法を手札に加える。墓地の魔法の数かける100ポイント攻撃力がアップ! 

 

 早速召喚された閃刀姫のキーカード《閃刀姫ーカガリ》。《レイ》の効果による特殊召喚ではなくリンク召喚による登場だ。何故かフィールドにそのまま召喚されるのではなく、デュエルしていたレイちゃん自身が刀滅モードになってフィールドに現れたが気にしてはいけない。いけないったらいけないのだ。

 

『《カガリ》の召喚時効果発動。墓地の《閃刀》魔法カードを回収します。墓地の《エンゲージ》を回収。このカードには1ターンに一度の制約がない。故に発動。デッキから《閃刀機ーウィドウアンカー》を手札に加えて1枚ドロー!』

 

 手札3枚→5枚

 

《閃刀》魔法を発動したことで既に発動済みの《マルチロール》に光が点る。カウンターが溜まったわけではないが厄介なことになる事は確実だ。流石《閃刀姫》、相変わらず頭おかしい動きをしているな。手札が減ってないじゃん。

 

『再び現れなさい。敗走を許さぬサーキット。召喚条件は水属性以外の《閃刀姫》モンスター1体。私は《閃刀姫ーカガリ》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚! 行雲流水! リンク1《閃刀姫ーシズク》!』

 

《閃刀姫ーシズク》

 攻1500 リンク1

 墓地の魔法の数かける100ポイント相手モンスターの攻守をダウン! 

 

 レイちゃんは、自身が身に纏う《カガリ》の装甲をパージして新たに赤い敵陣殲滅型の《カガリ》とは異なった、青くメカメカしい姿が目立つ拠点防衛型の《シズク》を装備し直した。アーマーパージだ! 

 この《シズク》だが、こいつも《カガリ》に負けず劣らずな性能を持つ。

 

『私はカードを2枚セットします。そしてエンドフェイズ《閃刀機関ーマルチロール》の効果を発動します。このターン《マルチロール》発動中に使用した《閃刀》魔法カードの数だけ墓地から《閃刀》魔法カードをセットします。私が使用したのは《エンゲージ》一回のみ。よって墓地から1枚セットします。私は《エンゲージ》をセット』

 

《閃刀機関ーマルチロール》

 エンドフェイズにこのターン発動した《閃刀》魔法の数だけ墓地から《閃刀》魔法をセット。セットされたカードが墓地へ行く時、除外される。

 

 手札5枚→3枚

 

 ただし、この効果でセットしたカードはフィールドを離れた場合除外されてしまう。あまり調子乗って使いすぎるとガス欠になってしまうのだ。

 

『そして同じくエンドフェイズに《シズク》の効果発動。墓地にない《閃刀》魔法カードをデッキから手札に加えます。《閃刀起動ーエンゲージ》を手札に加えます。私はこれでターンエンド』

 

《閃刀姫ーシズク》

 エンドフェイズに墓地に無い《閃刀》魔法を手札に加える

 

 手札3枚→4枚

 

 レイ LP4000 手札4枚(エンゲージ)

 

 EXモンスターゾーン

 

 シズク 攻 1500 (相手モンスターの攻守300ダウン)

 

 モンスターゾーン

 

 無し

 

 フィールドゾーン

 

 セットカード1枚

 

 魔法・罠ゾーン

 

 マルチロール

 

 伏せカード3枚(エンゲージ)

 

 

 いつ見てもアドの取り方が酷すぎだ。しかも《シズク》には墓地の魔法の数かける100ポイント相手の攻撃力を下げる地味デバフを持っている。伏せてあるうちの1枚はおそらく効果を無効にしてコントロールを奪える《ウィドウアンカー》。これはフィールド魔法を封じられたメイデンにとって厳しい戦いになりそうだ。

 

 この状況を確認して暫く悩んでいたメイデンは、やがて顔を上げるとデッキに手をのせて優雅にカードを引き抜いた。

 

『まぁ、悩んでいても仕方ありません。引いてから考えましょう。私のターン。ドロー!』

 

 手札6枚

 

 ふむ、と顎に手をやり手札を睨みつけるメイデン。彼女の姿は誇張表現無しの絶世の美女である為、非常に絵になる光景だ。

 

『なら、こうしましょうか。私は《レッドローズ・ドラゴン》を通常召喚。そして手札の《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果を発動。ドラゴン族、または植物族のチューナーが私のフィールドに存在する場合に特殊召喚できます。来てください! 《ホワイトローズ・ドラゴン》!』

 

 手札6枚→4枚

 

 レッドローズ・ドラゴン ☆3

 攻1000 守1800 チューナー

 

 ホワイトローズ・ドラゴン ☆4

 攻1200 守1000

 ドラゴン族、または植物族チューナーが存在する時、手札から特殊召喚する

 

 メイデンの呼び声に応えて、赤と白の小さな龍が彼女の足元に召喚される。《ブラックローズ・ドラゴン》のミニサイズ版ともいえるその子龍達は、無邪気にフィールドを飛び回って大変可愛らしい。しかし可愛いだけでは終わらない。この子たちに与えられた効果はかなり強力なものだ。

 

『私はレベル4《ホワイトローズ・ドラゴン》にレベル3《レッドローズ・ドラゴン》をチューニング! 冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け! シンクロ召喚! 咲き乱れよ! 《ブラック・ローズ・ドラゴン》!』

 

 ブラック・ローズ・ドラゴン ☆7

 攻2400 守1800

 

 先程まで俺のすぐ隣にいた黒薔薇の龍が俺のそばから離れて、鮮血の様な花吹雪と共にフィールドに君臨する。

《ブラックローズ・ドラゴン》、その能力は単純でありながら強力無比なもの。一度場に呼び出されるだけでフィールドの全て一掃してしまう恐ろしい効果だ。おそらく、メイデンはその効果でレイちゃんの布陣を吹き飛ばそうとしている。しかし効果を無効にできる《ウィドウアンカー》がある事は彼女も知っているはず。何かあるのだろうか。

 

『シンクロ素材として墓地へ送られた《レッドローズ・ドラゴン》と《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果発動。まずは《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果! デッキからレベル4以上の植物族モンスターを墓地へ送る! 私は《返り咲く薔薇の大輪(リバイバル・ローズ)》を墓地へ送ります!』

 

《ホワイトローズ・ドラゴン》

 シンクロ素材にされた時、デッキからレベル4以上の植物族を墓地へ送る

 

『続けて《レッドローズ・ドラゴン》の効果発動! 手札・デッキから《ローズ・ドラゴン》と名の付くモンスターを特殊召喚します! 現れよ! 《ブルーローズ・ドラゴン》!』

 

《レッドローズ・ドラゴン》

 手札・デッキから《ローズ・ドラゴン》を特殊召喚する。デッキから《冷薔薇の抱香》か《漆黒の薔薇の開花》を手札に加える

 

 ブルーローズ・ドラゴン

 攻1600 守1200

 

 墓地へ行った子龍を養分として新たな子龍が召喚される。しかし、赤い薔薇の子龍が残したのは後続だけではない。地面から湧き出る様に現れた赤い薔薇がメイデンに新たなカードを供給する。

 

『条件を満たすことで第二の効果を使うのは閃刀姫の専売特許ではありませんよ? 《ブラック・ローズ・ドラゴン》のシンクロ素材に使われたことで《レッドローズ・ドラゴン》のもう一つの効果を発動します。デッキから《冷薔薇の抱香(フローズン・ロアーズ)》か《漆黒の薔薇の開花(ブルーミングローズ)》を手札に加えます。《冷薔薇の抱香》を手札に加えます』

 

 手札4枚→5枚

 

『最後に《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果発動! シンクロ召喚に成功した時、フィールドの全てのカードを破壊する! ブラックローズ・ガイル!』

 

《ブラック・ローズ・ドラゴン》

 シンクロ召喚された時、フィールドの全てのカードを破壊する。

 

 

 赤い薔薇の花弁が混ざった破壊の嵐がフィールドを根こそぎ滅ぼそうと吹き荒れる。しかし、突如として飛んできたクモの足の様な機械によって破壊の嵐の中心に存在した黒薔薇の龍が絡めとられたことでその動きは一時停止してしまう。

 

『速攻魔法《閃刀機ーウィドウアンカー》を発動しました。《ブラックローズ・ドラゴン》の効果を無効にします。そして私の墓地に魔法が3枚以上存在するので、第二効果として《ブラックローズ・ドラゴン》のコントロールをエンドフェイズまで得ます』

 

《閃刀機ーウィドウアンカー》

 メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、モンスターの効果を無効にする。墓地に魔法が3枚以上の場合、無効にしたモンスターのコントロールを得る。

 

 それだけではウィドウアンカーは止まらず、ブラックローズを無理矢理レイちゃんの側へと引っ張り始めた。

 

 このままではブラックローズを奪われてしまう。エンドフェイズまでではあるがこのターン攻めることが出来なくなってしまう。そうすれば次のターン、レイちゃんに巻き返されるのは確定。メイデンから勝ちの目は無くなってしまうだろう。

 

『迂闊でしたね。《ウィドウアンカー》があるにも関わらずモンスター効果を使おうだなんて無謀ですよ』

 

『……それはどうでしょうか?』

 

 それはどうかな、という個人的に言ってみたいセリフ五本指に入る言葉。メイデンが突きつけたその言葉と同時に、ウィドウアンカーが捕らえていたブラックローズの姿が光の粒子となり消えてしまった。捕らえるべき対象を見失ったウィドウアンカーは行き場をなくして右往左往している。

 

『《ウィドウアンカー》がブラックローズを見失っている⁉︎一体何が……!』

 

『《ウィドウアンカー》の発動に対して手札から速攻魔法《冷薔薇の抱香(フローズン・ロアーズ)》を発動しました。このカードの発動で《ブラックローズ・ドラゴン》を墓地へ送ります。そして墓地へ送ったのが植物族以外だったのでデッキからレベル4以下の植物族モンスターを手札に加えます。私は《ローズ・プリンセス》を手札に加えます』

 

《冷薔薇の抱香》

 植物族以外を墓地へ送った場合、レベル4以下の植物族を手札に加える

 

『くっ、ならば速攻魔法発動! 《閃刀機ーイーグルブースター》! このカードの効果で《閃刀姫ーシズク》に《イーグルブースター》以外の効果を受けない耐性を与えます! さらに、墓地の魔法が3枚以上存在するので戦闘破壊耐性も付与!』

 

《閃刀機ーイーグルブースター》

 メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、モンスターにあらゆる効果を受けない耐性を付与。墓地に魔法が3枚以上の場合、戦闘破壊耐性も与える

 

 対抗してレイちゃんも《シズク》を守る為に《イーグルブースター》を発動する。これでブラックローズの効果によって《シズク》が破壊される事はなくなった。

 

『これで捕縛対象を見失った《ウィドウアンカー》は不発。《ブラックローズ》の効果でフィールドの全てのカードは破壊されます』

 

 ブラックローズの巻き起こした暴風が、味方である筈の《ブルーローズ・ドラゴン》すら巻き込んでフィールドのあらゆるカードを破壊した。しかし、《イーグルブースター》の効果を受けた《シズク》は空中に退避することで難を逃れた。

《マルチロール》の効果でセットされていた《エンゲージ》は破壊された時にゲームから除外される。だが、2枚のフィールド魔法と《マルチロール》は破壊されてしまい、さらに《シズク》の地味デバフが強化されてしまう。

 

『ですが《シズク》は《イーグルブースター》の効果で破壊されません。さらに破壊されたフィールド魔法《閃刀空域ーエリアゼロ》の効果でデッキから2枚目の《閃刀姫ーレイ(わたし自身)》を特殊召喚します!』

 

《閃刀空域ーエリアゼロ》

 墓地へ送られた時、デッキから《閃刀姫》を特殊召喚する

 

 閃刀姫ーレイ ☆4

 攻1500 守1500

 

《盆回し》で仕込んでおいた《エリアゼロ》の隠された効果により彼女自身が再びフィールドに進み出る。ただし、ブラックローズの第二効果を警戒して攻撃表示による召喚だ。

 

『布陣を崩されても即座に立て直すとは流石ですね。しかし私も立て直しの布石は既に打ってあります。破壊された《ブルーローズ・ドラゴン》の効果発動。このカードが破壊されて墓地へ送られた時、墓地から植物族モンスターか《ブラックローズ・ドラゴン》を特殊召喚します。再び狂い咲きなさい。《ブラックローズ・ドラゴン》!』

 

 ブラックローズ・ドラゴン ☆7

 攻2400 守1800

 ↓

 攻1600 守1000

 

 焼け野原のフィールドから共に後続を呼び出した2人。だが強力なブラックローズの効果は発動できず、攻撃力は《シズク》の地味デバフによって破壊できるギリギリのラインにまで引き下げられてしまった。

 

『手札から《ローズ・プリンセス》を捨てて効果を発動します。デッキから《白薔薇の回廊》を手札に加えます』

 

《ローズ・プリンセス》

 このカードを手札から捨てて、デッキから《白薔薇の回廊》を手札に加える

 

 サクサクとデュエルが進む中、俺は2人のデュエルの邪魔にならない様に隅の方へ移動してデュエルを観戦している。何度も言うが、未だにどっちを応援すれば良いのか分からない。勝った方が私の敵になるだけですパターンかなぁ。

 

『弱体化が厄介ですね。一体どちらを狙いましょうか? ……バトルです。やりなさい《ブラック・ローズ・ドラゴン》! 《閃刀姫ーレイ》に攻撃! ブラックローズフレア!』

 

 ブラック・ローズ・ドラゴン

 攻 1600

 

 閃刀姫ーレイ

 攻 1500

 

『くっ……!』

 

 レイ LP4000 →3900

 

 弱体化したとはいえ、まだ攻撃力は《ブラックローズ》の方が上。荒れ狂う薔薇の奔流でレイちゃんを戦闘破壊してフィールドゾーンからデュエリストが立っている位置まで押し戻す。もうずっとその位置で戦ってくれ。

 

『カードを2枚伏せてターンを終了します』

 

 手札5枚→3枚

 

 メイデン LP5000 手札3枚

 

 EXモンスターゾーン

 

 無し

 

 モンスターゾーン

 

 ブラックローズ・ドラゴン 攻1600 守1000

 

 フィールドゾーン

 

 無し

 

 魔法・罠ゾーン

 

 セットカード2枚

 

 

 

 

『随分と派手に荒らしてくれましたね……。このターンで巻き返します! 私のターン! ドロー!』

 

 手札4枚→5枚(エンゲージ)

 

(さて、どれを狙うべきなのか……。《エンゲージ》で除去カードを持ってこれる事が分かっているにも関わらず伏せカードを残している。効果を知らないというのは流石に楽観思考が過ぎますし、あれは両方とも《やぶ蛇》の様な破壊をトリガーにする効果か、破壊自体を無効にする効果を持つと考えるのが自然でしょう)

 

『私は魔法カード《閃刀起動ーエンゲージ》を発動。デッキから《閃刀術式ーアフターバーナー》を手札に加えて1枚ドローします! そして《アフターバーナー》を発動! 《ブラックローズ・ドラゴン》を対象にして破壊する!』

 

《閃刀術式ーアフターバーナー》

 メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、相手フィールドの表側モンスターを破壊する

 

 手札5枚→6枚→5枚

 

 レイちゃんが刀を振るってブラックローズに炎を纏った剣技を浴びせかける。ブラックローズといえども所詮は草タイプ。炎タイプの攻撃であるアフターバーナーは効果抜群だ。なす術なく焼き尽くされてしまった。

 

『発動はありません。お疲れ様でした《ブラックローズ》』

 

『さらに墓地の魔法カードが3枚以上なので第二効果! フィールドの魔法・罠カードを破壊する! 破壊するのは右のカードです!』

 

『伏せてあった《リ・バウンド》は破壊されます。そして破壊されたことでカードを1枚ドローします』

 

《閃刀術式ーアフターバーナー》

 墓地に魔法が3枚以上の場合、フィールドの魔法・罠を破壊する

 

《リ・バウンド》

 このカードが破壊された時、1枚ドローする

 

 手札3枚→4枚

 

 焼き払った炎が飛び火してメイデンの伏せカードに引火する。伏せカードを警戒したプレイング。しかし、伏せられていた《リ・バウンド)の効果でメイデンの手札を潤してしまう結果となってしまった。

 

『やはりブラフでしたか……。とはいえ私のやる事は変わりません。私は《閃刀機ーホーネットビット》を発動します。メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、私のフィールドに《閃刀姫トークン》を特殊召喚します。そして墓地の魔法が3枚以上の時、第二効果でトークンに攻撃力と守備力を与えます』

 

《閃刀機ーホーネットビット》

 メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、閃刀姫トークンを生成する。墓地に魔法が3枚以上の場合、トークンの攻守を1500にする

 

 手札5枚→4枚

 

 閃刀姫トークン

 攻1500 守1500

 

『現れなさい。敗走許さぬサーキット。アローヘッド確認。召喚条件は《閃刀姫》モンスターを含む2体のモンスター。私は《閃刀姫ーシズク》と《閃刀姫トークン》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン。リンク召喚! 抜山蓋世! リンク2《閃刀姫ージーク》!』

 

 閃刀姫ージーク

 攻1500 リンク2

 このカードが特殊召喚された時、フィールドのモンスターを次の相手のエンドフェイズまで除外する

 

 レイちゃんが新しくその身に纏ったのは、黒々とした機械を彷彿とさせる様な巨大な装備。本来彼女の使用する閃刀の装束では無いにも関わらずその身に纏ってしまっている。レイちゃん本人も黒紫のスーツに赤いバイザーという普通じゃ見られないレアな姿だ。

 

「あれはロゼちゃんの……」

 

『私にも《ジーク》を扱う資格はありますよ? ……前は装備の交換なんてする事が無かったので不思議な感じですね』

 

 軽く《ジーク》の動作確認を行った後、すぐさまメイデンに向き合うレイちゃん。やはり普段の装備よりも遥かに大きな《ジーク》は普段と勝手が違い扱いにくいのだろう。

 

『私は装備魔法《閃刀機構ーハーキュリーベース》を《ジーク》に装備。《ハーキュリーベース》には2つの効果があり、一つは直接攻撃を封じる代わりに二回攻撃を与える効果。もう一つは、墓地へ送られた時に墓地の《閃刀》カードを回収する効果です』

 

《閃刀機構ーハーキュリーベース》

 装備されたモンスターは直接攻撃が出来なくなるが二回攻撃出来る。モンスターを破壊する度に1枚ドローする。

 このカードが墓地へ送られた時、墓地の《閃刀》カードを3枚デッキに戻す

 

 手札4枚→3枚

 

『私は《ジーク》の効果を発動! これは1ターンに一度自分フィールドのカードを対象にして発動できる効果。《ハーキュリーベース》を対象にします。《ジーク》の攻撃力を1000ポイントアップする! その後、対象となった《ハーキュリーベース》は墓地へ送られます。ダムド・チャージング・ランス!』

 

《閃刀姫ージーク》

 1ターンに1度、自分フィールドのカードを墓地へ送って攻撃力を1000ポイントアップ! 

 

 閃刀姫ージーク

 攻1500→ 攻2500

 

《ジーク》はその大きな剣を振り払い、空中に浮かんでいた《ハーキュリーベース》を有無を言わさず粉砕してその力を吸収する。力を吸収した《ジーク》の体は輝き、先程までとは比べ物にならない程の威圧を放ち始めた。

 

『墓地へ送られた《ハーキュリーベース》の効果! 墓地から3枚の《閃刀》カードをデッキに戻します。私は《ウィドウアンカー》《カガリ》《ホーネットビット》の3枚をデッキに戻す』

 

『バトルです! 《閃刀姫ージーク》で直接攻撃! オールエクスティンクション!』

 

《ジーク》がメイデンに対してその手に持った大剣を構える。それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた 。これまでの《閃刀姫》の装備と異なり、大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた 。それは正に鉄塊と呼べるものだった 。……なんか急に世界観変わった? 

 

《ジーク》はその鉄塊をメイデンに向けて振り下ろし容赦なく叩き潰す。その衝撃で周囲の地面は抉れ、大地に大きな傷痕を刻み付けた。

 

『くっ……! これは結構効きますね』

 

 メイデン LP5000→2500

 

 尋常ではないダメージを受けたにも関わらず、メイデンは再び立ち上がる。身体がボロボロになっても心を折らずに戦い続けるべく前を見つめた。

 

『受けたダメージを実際に負うのは深窓の御令嬢には少々キツイのでは? ここでサレンダーすることをオススメします』

 

『……ご冗談を! この程度で諦めるなら最初からここに乗り込んだりしません! 直接攻撃によって私がダメージを受けた時、手札のレベル1モンスターである《薔薇恋人(バラ・ラヴァー)》を見せて罠発動《無抵抗の真相》! 見せた《薔薇恋人》とデッキから同名モンスターを特殊召喚します! おいでなさい! 2体の《薔薇恋人》!』

 

《無抵抗の真相》

 直接攻撃によってダメージを受けた時、手札のレベル1モンスターを見せて発動。見せたカードと同名モンスターを特殊召喚する

 

 手札4枚→3枚

 

 薔薇恋人 

 攻800 守800

 

 薔薇恋人

 攻800 守800

 

 俺の組んだデッキかと思ったらそうでも無かった件について。俺は《無抵抗の真相》は入れてなかったからな。わざと隙を見せて無抵抗であった真相を告げ、新たなモンスターの召喚に繋げたメイデン。《薔薇恋人》は墓地から除外することで植物族の特殊召喚をする効果を持つ。次のターンの展開に役立つだろう。

 

『まだ粘りますか。早く楽になれば良いものを……。私は《閃刀姫ージーク》をリンクマーカーにセット。リンク召喚。現れなさい。《閃刀姫ーカガリ》! 《カガリ》の効果で墓地から《閃刀起動ーエンゲージ》を手札に戻します』

 

《閃刀姫ーカガリ》

 攻1500 リンク1

 

 手札3枚→4枚

 

『《エンゲージ》発動。デッキから《ウィドウアンカー》を手札に加えて1枚ドローします!』

 

 手札4枚→5枚

 

『続けて《カガリ》をリンクマーカーにセット! リンク召喚。現れなさい。《閃刀姫ーシズク》! カードを3枚伏せてエンドフェイズ。墓地に存在しない《閃刀》カード、《閃刀機ーホーネットビット》を手札に加えてターンを終了します』

 

《閃刀姫ーシズク》

 攻1500 リンク1

 

 手札5枚→4枚

 

 レイ LP3900 手札3枚(ホーネットビット、ウィドウアンカー?)

 

 EXモンスターゾーン

 

 閃刀姫ーシズク (効果による相手モンスターの攻守900ダウン)

 攻1500

 

 メインモンスターゾーン

 

 無し

 

 フィールドゾーン

 

 無し

 

 魔法・罠ゾーン

 

 伏せカード3枚(ウィドウアンカー?)

 

 

 

 レイちゃんのターンが終わりメイデンにターンが渡される。しかし、メイデンは中々ドローしない。

 

『──様。私は貴方にお話したい事があります。今、貴方様を取り巻く現状についてです。このことを話しても構いませんね?』

 

『構いませんよ。好きに話してください』

 

 それ、俺が一番知りたいやつ(迫真)

 

 メイデンはレイちゃんに話の許可を取ろうとする。流石に受け入れて貰えないだろうと考えていたが、どうやら許可が下りたらしい。そんなあっさりで良いのか(困惑)

 

『聞いてください、──様。これが今回の事件の真相です』




主人公くん
やる事ないので解説役に回った。一応主人公……ですよね(確認)?

レイちゃん
リアルファイター。クラッシュタウンルールでデュエルを始める。その上、メイデンに闇のゲームを仕掛ける。

ガーデン・ローズ・メイデン
名前が長い。海馬スペシャルってなんだよ、本当に。

デュエルで使用したカード説明について

  • 作中で全部書け
  • カード名、攻撃力、守備力、のみで良い
  • あえて何も書かなくて良い
  • 原作リスペクト(勝手に生える効果説明)
  • 我が書き換えたのだ
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