うちの精霊が病み属性だった件について   作:ダメダメのライトニング

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謎展開なので初投稿です

自分で書いててなんかよく分からなくなってきた


レベル6

『聞いてください、──様。これが今回の事件の真相です』

 

 レイちゃんとメイデンのデュエルの最中、双方の合意で一時的に中断して会話フェイズに移行した。彼女曰く、今回の騒動の真相だと言う。そもそも、当事者の俺が何一つ事情を分かっていなかったとか大問題でしょ。

 

『今から約1ヶ月前、──様は突然意識不明の重体となり病院へ搬送されました。原因は不明。──様をその状態から救う為に、私達精霊もあらゆる能力を駆使しましたが未だに──様は目覚めていません』

 

「ちょっと待ってくれ! 俺が目覚めていないなら此処にいる俺は一体なんなんだ!」

 

 あまりに衝撃的なことを言われて思わず叫んでしまう。未だ目覚めていないのに此処にいるとか完全にホラーじゃん。てか、精霊パワー使っても回復しないとかどんな重病だよ。何処かにドッキリ大成功とか書かれた板は隠されていないだろうか? 

 

『少し落ち着いてください。私達は必死で原因を探りました。そして、遂に発見したのです。──様の昏倒と同時期に行方を晦ました精霊が2体いることを』

 

「2人の精霊……? まさか、それは……」

 

『私とロゼちゃんのことですね』

 

 うんうん、と何度も頷きながら事も無げに肯定するレイちゃん。特に焦った様子を見受けることはできない。

 

『ええ、そうです。閃刀姫の2人組が失踪したことに暫く経って漸く気が付いたのです。本来ならもっと早くに気がついて然るべきだったのですが、その、──様が意識不明になられから私も含めて皆の気が動転していてまともな精神状態ではなかったので、誰一人として気が付かなかったのです……』

 

「あー、うん。なるほどね。確かにそうなりそう」

 

 全員何かしらヤバイ奴らばかりだからな、俺のところにいる精霊。俺が意識不明とか暴走しない訳がない。取り乱しまくっている光景が目に浮かぶ。今此処にいるメイデンでさえ本性はかなりトチ狂っている。それでも大人しめの方なのだから本当に勘弁してほしい。

 もっと、こう、今は亡きウィンダとか二次創作とかで見かける精霊みたいな良い子に来てほしいと願う今日この頃。もう慣れたけどね。

 

『マスター、今、別の女のこと考えていませんでしたか?』

 

「カンガエテナイヨー」

 

 レイちゃんサイキック族説が浮上し始めたぞ。

 

『気が付いてから、私達は閃刀姫が何かしら事情を知っていると考えて彼女達の動向を追ったのですが、随所随所に仕掛けられた罠を突破する事が非常に難しく足取りを追うだけでも困難を極めました。それでも、つい先日にようやくここまで辿り着けたのです!』

 

 メイデンの表情は変わらないが、それでも言葉の端から俺を発見するまでの苦労と、見つけたことの喜びが伝わってくる。そこまで苦労をかけてしまったとは何か申し訳ない気分だ。

 

『まさか突破されるなんて考えてもいませんでした。少々貴方達を舐め過ぎていた様です』

 

「今まで何をしてきたかは分かったけど、それとこれとがどう繋がるの?」

 

 レイちゃんの中ボス感漂うセリフをスルーしながら話を促す。俺は未だに話を完全に信じきれてはいない。どこかにドッキリ大成功の看板が隠されてあるんじゃないかと未だに考えるほどだ。

 

『ええ、全て繋がります。──様はここが何処かご存知ですか?』

 

「何処って、デンシティじゃないの?」

 

 あまりにも当然すぎる質問。これは自分の住んでいる場所を覚えているかも怪しい俺を馬鹿にした質問……ではないことは間違いない。何か嫌な予感が広がっていく。

 

『違います。ここはデンシティではありません。ここは、──様が住んでいる世界に精巧に似せて作られたネット上の特殊空間です』

 

 返されたのはあまりにも衝撃的な返答。ネット上に散乱している陰謀論や都市伝説に類する様なあり得ないオカルトじみた話だった。精霊の時点でオカルトだがそこは気にしないことにする。慣れてしまえば日常だ。

 

「なん……だと……⁉︎証拠はあるのか⁉︎」

 

『証拠ならありますよ』

 

 メイデンは事も無げにそう言うと手をかざして黒庭に蔓延る茨を操作する。動き出した茨は風切り音を鳴らしながら、黒庭のフィールド外に生えていた街頭樹を切り裂いた。真っ二つに切断された木の残骸を茨で持ち上げ切断面を俺に見せつける。そこには……。

 

「うわぁ。まさかのハリボテ……」

 

 そこに本来あるべき年輪と呼べるものはなく、断面は横から見た段ボールの様なデザインが描かれているだけだった。目につかないから適当に作ったのだろう。これは信憑性が高い。むしろ何でこんなデザインにしたんだよ。

 

『少々雑に作りすぎちゃいましたね。マスター、メイデンの語ったことは今のところ全て真実です。そうです。私、いいえ、私達がマスターをネット上の空間へと誘拐した犯人です!』

 

 ドヤァ……、という擬音語がつきそうな顔してる(小並感)

 

「まじかよ……。てか、そんな事が可能なのか?」

 

『可能だからできたんですよ?』

 

 コテンと首を傾げながらレイちゃんは答えるが、違うそうじゃない。そんな天然な解答を聞きたい訳じゃないんだ。

 

「いや、そうだけどそうじゃなくて……。具体的にどうやって連れてきたのさ。まだマジックとか手の込んだドッキリとかじゃないかと考えているんだけど」

 

『これは予測になりますが、おそらく……』

 

『ところでメイデン、貴方先程から私のマスターと気安く話しすぎじゃありませんか? 確かに説明しても良いとは許可しましたけど、貴方に私のマスターと長々と話をする権利を与えた覚えはないと思うんですけど』

 

 メイデンの話をぶった斬る形で話を変えたレイちゃん。普通ならこれは何か聞かれたらまずい話を妨害したように見えるが、そこそこ付き合いの長い俺なら分かる。これは単純に俺とメイデンが会話しているのに嫉妬して思わず口を挟んだだけだ。

 

『貴方のマスターではありません。私の──様です。貴方こそ何の権利があって私と──様の会話を妨害するのですか?』

 

『このまま話をしていても水掛け論ですね。もはや分かり合えない……という事なんでしょうか。仕方ありません。身の程を弁えない愚か者にはデュエルでお似合いのエンディングを与えて差し上げましょう。そう、あのハエの様にね』

 

『ハエ……? まさか貴方既にベエルゼを……! 斥候として送り出したは良いものの、連絡一つ寄越さず何処かに姿を晦ましたあの役立たずのベエルゼを倒したと言うのですか⁉︎』

 

 ジャンジャジャーン! ここで明かされる衝撃の真実! 話の流れから察するにレイちゃんはベエルゼを仕留めたらしい。まじかよ。てか、ベエルゼがさらっとディスられてる……。何しに来たのかと思えば斥候だったのかよ。ヒントでもくれれば良かったのに。

 

『さぁ、貴方のターンです! デッキからカードを引いてください! それともここでサレンダーしますか?』

 

『くっ! 私のターン!』

 

 そして唐突に始まるデュエルフェイズ。肝心なところをはぐらかされてる気がしてならないんですけど! 

 

「……あのー、話は?」

 

『マスター、メイデンを倒したらいっぱいお話ししましょうね!』

 

『──様、閃刀姫ーレイを倒したらいくらでもお付き合い致しますので、このデュエルが終わるまでお待ち下さい』

 

 二人ともそれぞれの返答だが、共通してデュエルが終わるまで話は聞かない様だ。俺も別に急いで全部知りたい訳じゃない。だから彼女らを急かさずに隅の方に腰を下ろして観戦モードに入ることにする。

 

『ドロー!』

 

 手札3枚→4枚

 

 メイデン LP2500 手札4枚

 

 メインモンスターゾーン

 

 薔薇恋人×2

 

『私は《ホワイトローズ・ドラゴン》を召喚! そして《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果発動! 私の手札・墓地から《ローズ・ドラゴン》モンスターを1体特殊召喚します。墓地から舞い戻りなさい、《レッドローズ・ドラゴン》!』

 

 手札4枚→3枚

 

 ホワイトローズ・ドラゴン ☆4

 攻1200 守1000

 

《ホワイトローズ・ドラゴン》

 手札・墓地から《ローズ・ドラゴン》を特殊召喚する

 

 レッドローズ・ドラゴン ☆3

 攻1000 守1800 チューナー

 

 既に数度目の召喚となる2体のローズ・ドラゴン。心なしか疲れた顔をしている。後でレッドブルを渡してあげよう。

 

『チューナー……、そしてレベルの合計は7。またブラックローズですか? 芸がありませんね』

 

『貴方に言われたくはありません。それに、まだブラックローズの出番ではありません。見せて差し上げましょう。私のリンク召喚を!』

 

 レイちゃんの得意とする召喚法であるリンク召喚を予告すると、メイデンは両手を空へ大きく広げて高らかに宣言する。

 

『現れて! 黒薔薇のサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件はチューナーを含むモンスター2体! 私は《レッドローズ・ドラゴン》と《薔薇恋人》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク2《水晶機巧ーハリファイバー》!』

 

 水晶機巧ーハリファイバー

 攻1500 リンク2

 

 半透明の水晶を肉体に持つ超汎用モンスターが召喚に応えてフィールドに出現する。ハリファイバーはシンクロ召喚を主体とするならば必須とも言えるほど強力なモンスターだ。ここに来てファンデッキの欠片も無いカードが出てきて俺は若干引いている。

 

『召喚時《ハリファイバー》の効果発動! 手札・デッキからレベル3以下のチューナーを特殊召喚します! ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン効果を発動できません。デッキより現れて! 《スポーア》!』

 

《水晶機巧ハリファイバー》

 手札・デッキからレベル3以下のチューナーを特殊召喚する。特殊召喚したモンスターはこのターン効果を発動出来ない

 

 スポーア ☆1

 攻400 守800

 

『私はレベル4《ホワイトローズ・ドラゴン》にレベル1《スポーア》をチューニング! シンクロ召喚! 昏き憎悪で呪いなさい《ガーデン・ローズ・メイデン(私自身)》!』

 

 ガーデン・ローズ・メイデン ☆5

 攻1600 守2400

 

 先程のターンでレイちゃんがしていたようにメイデンもフィールドに自ら進み出た。私自身を召喚は遊戯王界隈においてよくある事だが自重して欲しい本当に。

 

『シンクロ素材になった《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果発動。デッキからレベル4以上の植物族モンスターを墓地へ送る。私はデッキから《にん人》を墓地へ送ります』

 

《ホワイトローズ・ドラゴン》

 デッキからレベル4以上の植物族モンスターを墓地へ送る

 

『さらに《ガーデン・ローズ・メイデン(私自身)》の特殊召喚成功時に効果発動! デッキから《ブラック・ガーデン》を手札に加えます』

 

 手札3枚→4枚

 

《ガーデン・ローズ・メイデン》

 特殊召喚に成功した時、デッキから《ブラック・ガーデン》を手札に加える

 

『フィールド魔法発動。《ブラック・ガーデン》!』

 

 手札4枚→3枚

 

《ブラック・ガーデン》

 召喚・特殊召喚されたモンスターの攻撃力を半分にして《ローズ・トークン》を反対側のフィールドに特殊召喚する

 

 間髪入れずに黒薔薇の蔓延る庭園がフィールドに展開される。と言っても、既に戦っている場所が黒庭なので見た目上の変化は無いのだが。王国ルールなら地形の恩恵を受けられていただろう。

 

『ブラック・ガーデン……』

 

 レイちゃんは険しい表情で一言呟く。

 

『ここは《ブラック・ガーデン》……、モンスターの命を養分に、花咲かせる魔界の花園。中々良い口上だと思いませんか?』

 

「いいと思うよー」

 

 本当に良いと思う。カッコイイ口上だ。やはりこういった口上は恥ずかしいが人を惹きつける力が大きい。俺もなんか良い感じの考えようかな。闇に呑まれよ! エターナルフォースブリザード! とかかな(自棄っぱち)! 

 

『ふふ、気に入ってもらえた様で何よりです。早速ですが《ブラック・ガーデン》の効果を発動します。フィールドの植物族モンスターの攻撃力の合計と同じ、墓地の《ブラック・ローズドラゴン》を対象にして発動します。その後フィールド上の全ての植物族モンスター、《ガーデン・オブ・メイデン(私自身)》と《薔薇恋人》を破壊して《ブラックローズ・ドラゴン》を特殊召喚します! 返り咲きなさい! 《ブラックローズ・ドラゴン》!』

 

《ブラック・ガーデン》

 フィールドの植物族を全て破壊して、その攻撃力の合計と同じモンスターを墓地から特殊召喚する

 

 ブラックローズ・ドラゴン ☆7

 攻2400 守1800

 

 黒庭の茨が《薔薇恋人》とフィールドに出てきていたメイデンの体を囚えて宙に吊るす。掴み取られた2人はすぐにグッタリとして動かなくなり光の粒子となって消えていったが、発生した光は地面に吸い込まれるとその場から這い上がるように《ブラックローズ・ドラゴン》が姿を現した。

 

『何度も何度も性懲りもなく出てきて恥ずかしく無いんですか! それに何度召喚しても無駄ですよ』

 

『それはどうかしら? 墓地の《返り咲く薔薇の大輪》はレベル5以上の植物族モンスターが破壊された時に特殊召喚できる。《返り咲く薔薇の大輪》を墓地より特殊召喚します』

 

 返り咲く薔薇の大輪 ☆4

 攻1300 守1300

 

《返り咲く薔薇の大輪》

 レベル5以上の植物族モンスターが破壊された場合、墓地から特殊召喚する

 

『墓地から《スポーア》の効果発動。墓地の植物族モンスターを除外してそのモンスターのレベルを自身のレベルに加算して特殊召喚します。墓地から《ローズ・プリンセス》を除外して特殊召喚! 現れて! 《スポーア》』

 

《スポーア》

 墓地から植物族モンスターを除外してそのレベルをこのカードに加えて特殊召喚する

 

 スポーア  ☆4

 レベル1+3→4

 

 

『私はレベル4《返り咲く薔薇の大輪》にレベル4《スポーア》をチューニング! シンクロ召喚! 轢き潰しなさい《PSYフレームロード・Ω》!』

 

 PSYフレームロード・Ω ☆8

 攻2800 守2200

 

 降り立ったのはこれまで召喚されてきた植物由来のモンスターとは大きく趣向が異なるモンスター。この庭園の中では悪目立ちしてしまうが、そのメカニカルな身体は中々悪く無い。

 

『手札から《天啓の薔薇の鐘》を発動。デッキから攻撃力2400以上の植物族モンスターを手札に加えます。私はデッキから《光の王マルデル》を手札に加えます』

 

《天啓の薔薇の鐘》

 デッキから攻撃力2400以上の植物族モンスターを手札に加える

 

『墓地の《薔薇恋人》を除外して効果発動。手札から植物族モンスター、《光の王マルデル》を特殊召喚します。現れて! 《光の王マルデル》!』

 

 手札3枚→2枚

 

 光の王マルデル ☆9

 攻2400 守2400

 

《薔薇恋人》

 墓地からこのカードを除外して手札から植物族モンスターを特殊召喚する。特殊召喚したモンスターは罠の効果を受けない

 

 機械的な身体をしたモンスターの隣に優美という言葉が似合う女性が降り立った。その背中から生えた蝶のように透き通った翼はひどく幻想的で、その身に纏う薄い緑の服装もより一層彼女の儚さと美しさを際立たせている。

 

『《光の王マルデル》の特殊召喚成功時に効果を発動します。デッキから植物族モンスターを手札に加えます。《魔天使ローズ・ソーサラー》を手札に加えます』

 

《光の王マルデル》

 特殊召喚された時、デッキから《王》モンスターまたは、植物族モンスターを手札に加える

 

 手札2枚→3枚

 

『手札の《魔天使ローズ・ソーサラー》の効果発動! 自分フィールドの植物族モンスターを手札に戻して手札から特殊召喚できます! 私は《光の王マルデル》を手札に戻して現れて! 《魔天使ローズ・ソーサラー》!』

 

 手札3枚→2枚→3枚

 

 魔天使ローズ・ソーサラー ☆7

 攻2400 守1300

 

《魔天使ローズ・ソーサラー》

 自分フィールドの植物族モンスターを手札に戻して特殊召喚する

 

 マルデルと交代でフィールドに降り立つ堕天使。つい先程までその場にいたマルデルの様な儚く幻想的な美しさを持たない代わりに、彼女は荒々しく獰猛な美しさを持ち合わせていた。

 

「手札には自分フィールドにモンスターが存在しない時に、手札から植物族モンスターを特殊召喚する《白薔薇の回廊》がある。また特殊召喚とサーチを行える訳か……」

 

《白薔薇の回廊》

 自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札から《ローズ・ドラゴン》か植物族モンスターを特殊召喚する

 

 

 実際、特殊召喚とサーチをできるって結構強力だと思う。マルデル自身の火力も中々馬鹿には出来ないし。

 

『同じレベルのモンスターが2体……! 来ますよ! マスター!』

 

「レベル7が2体……。ビッグアイかな? 植物だしオレイアかも。いや、そもそもビッグアイってこの世界にあるのかな」

 

 レイトラルと化したレイちゃんに合わせて、出てくるであろうエクシーズの予想を立ててみたがメイデンは誰を選ぶのだろうか。

 この世界のカードは基本的にOCG世界とあまり変わらない。だが、未だにNo.を見たことがない為に存在しない可能性が高そうだ。

 余談だが、神のカードは存在しないが、四天の龍やネオスなどのカードは普通に存在している。フリー対戦よろしくお願いしますドラゴンは泣いて良い。所詮奴は神になれなかった敗北者じゃけェ。

 

『私はレベル7の《ブラックローズ・ドラゴン》とレベル7の《魔天使ローズ・ソーサラー》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! 出撃なさい! 《幻獣機ドラゴサック》!』

 

 幻獣機ドラゴサック ★7

 攻2600 守2200

 

「うわぁ」

 

 空を我が物顔で飛び回るドラゴサックを見てドン引きした俺は悪くない。奴は冗談抜きで危険な兵器だ。レイちゃんも嫌そうな顔してるし。やっぱ戦闘機繋がりでなんか感じるのかな。

 

『《幻獣機ドラゴサック》の効果発動! 1ターンに1度オーバーレイユニットを1つ使い発動します! 私のフィールドに2体の幻獣機トークンを特殊召喚します! 現れて! 2体の幻獣機トークン!』

 

《幻獣機ドラゴサック》

 1ターンに1度エクシーズ素材を一つ取り除いて発動。幻獣機トークンを2体特殊召喚する

 

 幻獣機トークン×2 ☆3

 攻0 守0

 

『《幻獣機ドラゴサック》の効果を発動します。1ターンに1度自分フィールドの《幻獣機》モンスターをリリースしてフィールド上のカード1枚を対象にして破壊する! 私は右の伏せカードを破壊します!』

 

《幻獣機ドラゴサック》

 1ターンに1度幻獣機モンスターをリリースしてフィールドのカードを1枚破壊する

 

 ドラゴサックにより生み出された幻影が、自身の生みの親であるドラゴサックの指示でその身を犠牲にして伏せカードへと突撃する。そこにはこれから死に行く悲壮感は微塵も感じられない。ひたすら自身の役割に殉じたトークンは鉄の意思と鋼の強さを感じざる負えない存在だった……。

 

『させません! 速攻魔法発動! 《閃刀機ーウィドウアンカー》を発動! 《ドラゴサック》の効果を無効にします! さらに墓地の魔法カードが3枚以上の時、そのモンスターのコントロールを得る! 私の軍門に降りなさい! 《ドラゴサック》!』

 

《閃刀機ーウィドウアンカー》

 メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時に発動できる。相手モンスターの効果を無効にする。墓地の魔法が3枚以上ならコントロールを得る

 

 しかし、そんなトークンの覚悟も指示を出していたドラゴサックが機能停止に陥ったことで無駄になってしまう。挙げ句の果てにドラゴサックも引っ張られて奪われてしまった。

 

 だが、この時この状況でメイデンの心の内にはある疑惑が浮かび上がっていた。

 

(ここでウィドウアンカー? てっきり伏せていないのだと思っていましたけど、伏せていたのなら《ハリファイバー》で止めれば展開を封じることができたはず。そうしなかったのは私にモンスターを展開して欲しかったから? 何故?)

 

 彼女は思考を張り巡らせる。必ず勝利を掴んでレイちゃんから彼女の愛する存在を引き剥がす為に。

 

(その理由は恐らく、残りの伏せカードにある筈。あれはきっとリソースを使いきった私を一気に打ち崩すためのカード。万全のフィールドをたった1枚で崩されれば精神的ダメージは計り知れない。デュエルに置いて精神攻撃は基本中の基本。となると、あの伏せカードは恐らくミラーフォースの様な逆転のカード……! 今、彼女が使っているデッキは──様のデッキに酷似している。ならば──様がミラーフォース愛好会に入っていることから考えてミラーフォース以外あり得ない!)

 

 張り巡らせた結果がコレだよ。でも、ハノイの崇高なる力だから是非もないよね。《崇高なるバリアーハノイフォース》待ってます。何度聞いても語呂が良すぎる。

 

『貴方の切り札、その右側の伏せカードである《聖なるバリアーミラーフォース》は破壊させて頂きます!』

 

 と、ドヤ顔で宣言するメイデンに対して

 

『え? 《ミラーフォース》じゃないですけど』

 

 本気で困惑顔をしているレイちゃんは怪訝に返す。

 

『私に嘘は通じません! 現れて! 黒薔薇のサーキット! アローヘッド確認! 召喚条件は機械族モンスター2体以上! 私はリンク2の《水晶機巧ーハリファイバー》と余った《幻獣機トークン》をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! リンク召喚! リンク3《幻獣機アウローラドン》!』

 

 幻獣機アウローラドン

 攻2100 リンク3

 

 レイちゃんの言葉を完全に無視してメイデンは新たなモンスターを召喚する。レイちゃんに囚われたドラゴサックと対峙する様に召喚されたのは、プテラノドンの様な姿をした戦闘機。もはやローズドラゴンどこ行ったとしか言いようがない。

 

「……《ハリファイバー》は汎用としても《ドラゴサック》といい《アウローラドン》といい、俺の使ってるカードと被ってるの多くない?」

 

 流石にデッキコンセプトが読めないのでメイデンに質問する。俺も時々変な理由でカード採用するから人のこと言えないけど。

 

「どうせなら──様と同じカードを使いたくて揃えてまいりました。お気に召しませんでしたか?」

 

「いや、全然問題ないよ。ちょっと気になっただけだし」

 

 予想以上に残念な理由だった。

 

『ふふん! 私なんてマスターのデッキそのもの使ってますからね!』

 

「遠回しに俺のデッキ強奪した事を誇るんじゃない」

 

 もっと酷いのがここに居た。それで良いのか君は(困惑)

 

『通りで……。貴方、先程から手札誘発カードが1枚も手札に来ていないのでしょう?』

 

『……何故そう思ったのですか?』

 

 レイちゃんは目を細めてメイデンを睨み付ける。この反応は手札に未だ引き込めていないという証拠に他ならない。

 

『貴方のデッキから手札誘発娘達がボイコットしている声が聞こえたからです。──様のデッキのカードであるなら他人に使われるのは相当嫌がるでしょうね』

 

『あー、そういう事ですか。しかも1回無理矢理マスターから引き剥がしましたからね。心当たりは十分あります』

 

 納得、といった感じでレイちゃんはウンウンと頷く。俺はデッキ内でカードがボイコットする事に驚愕していた。そんなのアリかよ。

 そういえば、今まで忘れていたけど奪われた誘発カード返して貰ってない。後で返してもらわなきゃ。

 

『謎も解けた事ですしデュエルに戻りましょう。《アウローラドン》のリンク召喚時に効果発動。幻獣機トークンを3体特殊召喚します! ただし、このターンこれ以上のリンク召喚はできません』

 

《幻獣機アウローラドン》

 リンク召喚された時に幻獣機トークンを3体特殊召喚する。この効果を発動した後、リンク召喚を行えない

 

 幻獣機トークン×3 ☆3

 攻0 守0

 

 アウローラドンの呼び掛けに応えて3体のトークンが生成される。その代わりリンク召喚を封じられてしまったが。強力な効果にはそれ相応のリスクが伴う。最近じゃ全く伴わないのが多いけど。《パワー・ボンド》を見習ってどうぞ。

 

『私は《アウローラドン》の効果を発動します! 私は幻獣機トークンを2体リリースしてデッキから《幻獣機》モンスターを特殊召喚します。私は《幻獣機オライオン》を特殊召喚』

 

《幻獣機アウローラドン》

 幻獣機トークンを2体リリースして発動。デッキから《幻獣機》モンスターを特殊召喚する

 

 幻獣機オライオン ☆2

 攻600 守1000

 

 トークンが2体消滅し、アウローラドンの口から新たな小型の幻獣機が出撃する。オライオンもまた強力な汎用モンスターだ。

 

『私は墓地の《ガーデン・ローズ・メイデン(私自身)》の効果を発動します。墓地からこのカードを除外して墓地から《ブラックローズ・ドラゴン》を特殊召喚します』

 

《ガーデン・ローズ・メイデン》

 このカードを除外して墓地から闇属性ドラゴン族モンスターを特殊召喚する

 

 ブラックローズ・ドラゴン ☆7

 攻2400 守1800

 

 墓地に眠る乙女の祈りで再び黒薔薇の龍が再臨する。ブラックローズ・ドラゴンは何度もフィールドに呼び出されて若干疲れ気味だ。

 

『レベル7《ブラックローズ・ドラゴン》にレベル2《幻獣機オライオン》をチューニング! シンクロ召喚! 撃墜なさい《灼銀の機竜(ドラッグ・オン・ヴァーミリオン)!』

 

 灼銀の機竜 ☆9

 攻2700 守1800

 

 有機的なブラックローズを素材に召喚されたのは、メタリックな装甲で身体を覆った機械仕掛けの龍。植物族やローズドラゴン達とは趣向が異なる姿で、Ωや幻獣機達に近いフォルムをしている。

 

『墓地へ送られた《幻獣機オライオン》の効果発動。私のフィールドに幻獣機トークンを特殊召喚します』

 

《幻獣機オライオン》

 このカードが墓地へ送られた時、幻獣機トークンを特殊召喚する

 

 幻獣機トークン ☆3

 攻0 守0

 

『《灼銀の機竜》の効果発動! 墓地からチューナーモンスター《レッドローズ・ドラゴン》を除外してフィールド上のカードを1枚破壊します。私は再び右の伏せカード、《ミラーフォース》を破壊します! ヴァーミリオン・サンダーボルト!』

 

《灼銀の機竜》

 1ターンに1度、墓地のチューナーを除外してフィールドのカードを破壊する

 

 銀龍が装備している砲台から赤雷が迸る。墓地のチューナーを贄としてエネルギーを充填し、その数値が最大限に溜まったことにより放たれた紅のレーザーが伏せカードを撃ち抜いた。

 

『いや、だからミラフォじゃないって言ってますよね⁉︎これは互いのフィールドのモンスターが全て表側表示の時に発動できます! 罠発動! 《異種闘争》!』

 

《異種闘争》

 プレイヤーは互いのフィールドに属性が1種類のみになる様に墓地へ送る

 

『《異種闘争》ですって! 《ミラーフォース》じゃないなんて……』

 

 読みが外れてショックを受けるメイデン。精神的にかなりのダメージを負った様だ。自滅でしかない。

 

『どんだけミラフォ引き摺るんですか! 《異種闘争》の効果は互いのプレイヤーは互いに属性が1種類になる様に自分のモンスターを墓地へ送ります!』

 

『ミラーフォースじゃないなんて……。せめてモンスターを逃しておきましょうか。《PSYフレームロード・Ω》の効果発動。相手の手札をランダムに選んでこのカードと共に除外します。さぁ、除外してください』

 

《PSYフレームロード・Ω》

 ランダムに相手の手札1枚とこのカードを次の自分のスタンバイフェイズまで除外する

 

『むぅ……《ホーネットビット》が……』

 

 手札3枚→2枚

 

 ミラーフォースじゃない事の衝撃で、ぶつぶつと先程から同じ事を繰り返し呟いているが、なんとかΩを異種闘争の効果から逃す事に成功した。

 

『これ以上効果を発動しないなら《異種闘争》の効果です。私は水属性の《閃刀姫ーシズク》のみを残して墓地へ送ります』

 

 罠カード、異種闘争はそれぞれのフィールドで同士討ちを発生させる恐ろしいカード。レイちゃんのフィールドでは拘束されたドラゴサックをシズクが一方的に破壊していた。

 

 対して、メイデンのフィールドでは炎属性の機械龍が風属性の幻獣機達の猛攻に耐える事が出来ずに消滅していた。流石に数の利は覆せなかった様だ。

 

『私のフィールドから《灼銀の機竜》を墓地へ送ります。破壊では無いので《灼銀の機竜》の効果は発動しません。ミラーフォースで無いなら恐るるに足りません』

 

(何故もっと早く《異種闘争》を発動しなかったのでしょうか? まさか、もう一枚が本当のミラーフォース⁉︎)

 

『ふふ、まさかもう一枚の方が本命だったとは……。まんまと騙されてしまいました。ですが私はミラーフォースには引っかかりません! 《強欲で貪欲な壺》を発動。デッキから10枚除外して2枚ドローする!』

 

《強欲で貪欲な壺》

 デッキの上から10枚裏側で除外して2枚ドローする

 

 手札3枚→2枚→4枚

 

『私は墓地の《幻獣機オライオン》を除外して手札から幻獣機モンスターを特殊召喚します! 現れて! 《幻獣機オライオン》!』

 

 手札4枚→3枚

 

 幻獣機オライオン ☆2

 攻600 守1000

 

《幻獣機オライオン》

 このカードを墓地から除外して手札から《幻獣機》モンスターを特殊召喚する

 

『私はレベル3《幻獣機トークン》にレベル2《幻獣機オライオン》をチューニング! シンクロ召喚!  破滅の未来へ加速せよ! 《アクセル・シンクロン》!』

 

 アクセル・シンクロン ☆5

 攻500 守2100

 

 F1カーの様な姿を持つシンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロンはある世界においては重要な役割を持つカードであった。そしてそれと同じくシンクロチューナーである《アクセル・シンクロン》はここでは世界線が違うので普通のシンクロチューナーでしかない。

 

 Q.世界線が違うとはどういう事ですかか? 

 

 A.世界線が違うという事です。

 

 まるで意味がわからんぞ! それはそうとして口上が酷い。未来組が聞いたら怒るぞ……。

 

『《アクセル・シンクロン》の効果を発動します。デッキからレベル1《アンノウン・シンクロン》を墓地へ送ってその分だけレベルを下げる』

 

 アクセル・シンクロン

 レベル5→レベル4

 

『私はレベル3《幻獣機トークン》にレベル4《アクセル・シンクロン》をチューニング! シンクロ召喚! 引き裂きなさい《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!』

 

 クリアウィング・ファスト・ドラゴン ☆7

 攻2500守2000

 

『《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》の効果発動! 1ターンに1度相手フィールドのモンスターの攻撃力を0にして効果を無効にします! 《閃刀姫ーシズク》の効果を無効にして攻撃力を0にする!』

 

《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》

 1ターンに1度相手フィールドのモンスターの攻撃力を0にして効果を無効にする

 

 閃刀姫ーシズク

 攻1500→0

 

 白き龍がその羽ばたきで嵐を巻き起こす。吹き荒れる突風に乗せた羽の刃がシズクの身体を引き裂きその力を大きく削り取る。効果無効に加えて攻撃力を0にする効果、透明な翼の名に相応しい強力な効果だ。

 

『これで《シズク》の弱体化は通用しません。手札から魔法発動《貪欲な壺》墓地から5枚デッキに戻して2枚ドローします』

 

 手札3枚→4枚

 

『除外されている《ガーデン・ローズ・メイデン》をデッキに戻して《ネメシス・コリドー》を特殊召喚する』

 

 ネメシス・コリドー

 攻1900 守600

 

《ネメシス・コリドー》

 除外されているモンスターをデッキに戻して手札から特殊召喚する

 

 手札4枚→3枚

 

『装備魔法《D・D・R》発動。手札を1枚捨てて除外されている《幻獣機オライオン》を特殊召喚してこのカードを装備します。私はレベル4《ネメシス・コリドー》とレベル2の《幻獣機オライオン》をチューニング! シンクロ召喚! 螺子伏せなさい《電脳堺獣-鷲々》!』

 

 手札3枚→2枚→1枚

 

 電脳堺獣-鷲々 ☆6

 攻2400 守1700

 

 現れたのは機械的な身体に緑のエネルギー体の翼を持つ名状し難きモンスター。獰猛にその身体を震わせて弱ったシズクを威嚇する。モチーフになっているのは恐らく伝説上の生物なのだろうが俺には何かよく分からない。

 

『《電脳堺獣-鷲々》は墓地に元々の種族・属性が同じでカード名が異なるモンスターが存在する時、戦闘及び効果では破壊されなくなります。さらに種族・属性が同じでカード名の異なるモンスターを除外してフィールドのカードを墓地へ送る効果もあります。これで《ミラーフォース》は終わりです』

 

『……此処ですね。《電脳堺獣-鷲々》の召喚時に罠発動! 《センサー万別》!』

 

《センサー万別》

 このカードが存在する限り互いに1体しか同じ種族のモンスターは存在出来ずに1体になる様に墓地へ送る

 

『《センサー万別》⁉︎ミラーフォースじゃない……! そのカードで一掃する為にギリギリまで《異種闘争》を温存していたのですか!』

 

 驚愕を露わにしてメイデンは叫ぶ。だからミラーフォースに何故そこまでこだわるんだ。一度思い込むと思想を変えにくいのは分からなくもないけど。

 

『はい、その通りです。《センサー万別》が存在する限り互いのフィールドにそれぞれ1体しか同じ属性のモンスターは存在出来なくなります。私は墓地へ送るモンスターは居ませんが、メイデン、貴方には同属性モンスターが1体になる様に墓地へ送って貰います』

 

『……。私は《電脳堺獣-鷲々》以外を墓地へ送ります』

 

 鷲々以外のモンスターである幻獣機はセンサーが張られた事でフィールドから隔離されて消滅する。異種闘争と組み合わせる事で一斉にモンスターを除去するコンボだ。

 

「レイちゃんは使ってるデッキが俺のデッキと同じだと認識させて、メイデンにありもしない《ミラーフォース》を恐れさせた。これだけ回せるならミラフォ食らっても立て直せただろうに。調子に乗ってリソースを使いすぎたね。もう妨害を立てる余力も残ってないし手札も割れてる。決着かな」

 

 誰に対する訳でもなく1人呟いてみる。話を聞いた限りでは俺はレイちゃん達に連れ去られたらしいからメイデンに勝って貰わなければ困る。だが、これではもう逆転は無理だろう。

 

『メイデン、貴方のデュエルは独りよがりに過ぎません。貴方はデュエル中もマスターを見ていましたね。格好良くデュエルしようとデッキをひたすら回し続けた。戦場において敵から注意を逸らすなど言語道断。それが貴方の敗因です』

 

 静かに、だがしかし、確実に見下しと嘲りの意を込めてレイちゃんはメイデンに声をかける。メイデンは俯いていて表情がよく見えない。

 

『……バトルです。《電脳堺獣-鷲々》で《閃刀姫ーシズク》に攻撃! スクリーム・スタンプ!』

 

 電脳堺獣-鷲々

 攻2400 守1700

 

 閃刀姫ーシズク

 攻0

 

 レイ LP3900→1500

 

 鷲々は自身の上空に緑色のエネルギーを球状にして凝縮すると、振り下ろす様にシズクに向けて投げ落とした。着地、そして爆発。砂煙が晴れるとそこには大きなクレーターしか残されていなかった。

 

『ううっ……!! ですが、これが最後の抵抗ですね。自分フィールドの《閃刀姫》モンスターが戦闘で破壊された時、墓地の《閃刀姫ーレイ(私自身)》の効果発動。このカードを墓地から特殊召喚します!』

 

 閃刀姫ーレイ ☆4

 攻1500 守1500

 

 一体何度目かも分からないがレイちゃん自身がフィールドに進み出る。もう反応しないぞ。

 

『さらに《閃刀姫ーレイ(私自身)》の効果発動! このカードをリリースしてEXデッキから《閃刀姫》モンスターをEXモンスターゾーンに特殊召喚します! 来てください! 《閃刀姫ーシズク》!』

 

 閃刀姫ーシズク

 攻1500 リンク2

 

『まだです! まだカードの書き換えさえ出来れば……! 私はターンを終了します……』

 

『そんな事貴方には出来ませんし、認めませんからね。エンドフェイズ、《シズク》の効果発動。墓地に存在しない《閃刀》魔法カードを手札に加えます。《閃刀機ーシャークキャノン》を手札に』

 

 手札2枚→3枚

 

 とんでもないことにを口走りながら未だ俯いたままのメイデンに対して、レイちゃんは既に勝ちを確信している様だ。

 

 

 メイデン LP2500

 

 手札1枚(マルデル)

 

 EXモンスターゾーン

 

 無し

 

 モンスターゾーン

 

 電脳堺獣-鷲々 攻2400

 

 魔法・罠ゾーン

 

 無し

 

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 手札3枚→4枚

 

『私は《マジック・プランター》を発動します。《センサー万別》を墓地へ送って2枚ドロー』

 

 手札4枚→5枚

 

『私は《閃刀姫ーロゼ》を通常召喚します。現れなさい、敗走許さぬサーキット。召喚条件は《閃刀姫》を含むモンスター2体。私は《閃刀姫ーシズク》と《閃刀姫ーロゼ》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚! リンク2《閃刀姫ージーク》!』

 

 手札5枚→4枚

 

 閃刀姫ージーク

 攻1500 リンク2

 

 再びフィールドに巨大な機械兵士が召喚される。今回は前回に使わなかった効果を使用する様だ。

 

『《閃刀姫ージーク》の召喚時効果を発動します。フィールドの表側表示のモンスターを1体次の相手のエンドフェイズまで除外します。いくら破壊耐性や戦闘耐性を有していようと除外には無力。《電脳堺獣-鷲々》を除外です』

 

《閃刀姫ージーク》

 このカードのリンク召喚成功時に発動する。相手フィールドのモンスター1体を次の相手のエンドフェイズまで除外する

 

 彼女は装備している馬鹿でかい大剣を抜き放ち空間を引き裂く。作り出された次元の裂け目に鷲々を放り込み異次元空間に隔離した。

 

『カードを1枚伏せます』

 

 手札4枚→3枚

 

『《閃刀姫ージーク》の効果発動。私は伏せカードを対象にして攻撃力を上昇してその後墓地へ送ります。《センサー万別》の制限は

 消えてしまっていますがもはや貴方には関係ない事です』

 

《閃刀姫ージーク》

 自分フィールドのカードを墓地へ送り攻撃力を1000アップ! 

 

 閃刀姫ージーク

 攻2500

 

「《センサー万別》を捨てたのか。だが、これが通ればジャストキルが成立する」

 

『バトルです! 《閃刀姫ージーク》で直接攻撃! これで終わりです。オールエクスティンクション!』

 

 閃刀姫ージーク

 攻2500

 

 メイデン LP2500

 

 ジークは自身の得物である大剣を振りかざしメイデンに斬りかかる。その巨大な剣は華奢なメイデンをすり潰して消し去る未来を暗示させた。

 

『………………』

 

 大剣がメイデンの目と鼻の先まで迫り静止する。だが、いつまで経ってもジークは動かない。

 

『なっ! 何故《ジーク》は動かないのですかっ!』

 

 困惑を隠しきれずにレイちゃんは叫び声を上げる。メイデンはまだ顔を上げない。だがその隣には発動中の罠カード《リジェクト・リボーン》が輝いていた。

 

《リジェクト・リボーン》

 相手の直接攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる。その後墓地からチューナーとシンクロモンスターを特殊召喚する

 

『フィールドで罠カードが発動している⁉︎それはあり得ません! 貴方にはもう伏せカードも手札も……っ! まさか《D・D・R》の手札コストで!』

 

『ええ、そうです。その通りです。私は墓地から《絶対王バック・ジャック》を除外して効果を発動していました。デッキトップを確認してそのカードが通常罠ならセットします。そしてそのカードは伏せたターンに発動できます。違った場合は墓地へ送られますが通常罠《リジェクト・リボーン》を引き当てたので問題ありません』

 

《絶対王バック・ジャック》

 このカードぎ墓地へ送られた時、デッキの上から3枚を確認して好きな順番で戻す。このカードを除外してデッキの上のカードを捲る。そのカードが通常罠ならセットする。そのカードはこのターン発動できる

 

『そんな……。でも《バック・ジャック》が墓地に送られたならデッキトップ操作の効果を使う筈。まさか奇襲性を高める為だけに第一の効果を使わなかったとでも言うのですか! この一撃を入れる為だけにそんな無茶な賭けを行ったと! それじゃあ、今までの狼狽は全部……』

 

 ようやく、メイデンが俯いていた顔を上げた。その万人が見惚れる様な綺麗な顔に冷たい笑みを貼り付けて。

 

『名演技だったでしょう? 貴方には私の──様を絶対に渡さない。その為ならデッキトップ操作無しで適切なカードを引き当てるなどなんの造作もありません。それでは《ジーク》の攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させます。その後、私は墓地からチューナーとシンクロモンスターを効果を無効にして特殊召喚します。現れて! 《ブラックローズ・ドラゴン》! 《幻獣機オライオン》!』

 

 ブラックローズ・ドラゴン ☆7

 攻2400 守1800

 

 幻獣機オライオン ☆2

 攻600 守1000

 

『さて、閃刀姫ーレイ、戦場においてまだ勝負がついていないのに勝ちを確信して慢心するなど言語道断。それが貴方の敗因です。何もないなら早くターンエンドなさい』

 

『私は……《ジーク》を素材にリンク召喚。《閃刀姫ーシズク》カードを2枚伏せてターンエンドです……。エンドフェイズにデッキから《閃刀術式ーシザーズクロス》を手札に加えます』

 

 手札3枚→1枚

 

 レイ LP1500

 

 EXモンスターゾーン

 

 閃刀姫ーシズク 攻1500

 

 モンスターゾーン

 

 無し

 

 魔法・罠ゾーン

 

 3枚(シャークキャノン)




主人公くん
オレはいつでも実況者よ……。スピードワゴンはクールに去るぜ……(どさくさに紛れて逃亡)回り込まれてしまった!

レイちゃん
フィールドにカードがセットされたのに無視して突っ込んだアホの子。相手が宣言しなかったし仕方ない部分はある。

メイデン
おい、発動を宣言しろよ。それ以前にデッキ構築がヤバイ。ローズドラゴン幻獣機とかいう狂気デッキ。どんだけミラフォが怖いんだよ!

デュエルで使用したカード説明について

  • 作中で全部書け
  • カード名、攻撃力、守備力、のみで良い
  • あえて何も書かなくて良い
  • 原作リスペクト(勝手に生える効果説明)
  • 我が書き換えたのだ
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