デート・ア・ゼロワン   作:紫姫・真

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2話:その依頼、受けてやる

SIDE:ナレーション

 

001と闇色の少女は一時的に共闘し武装集団の相手をした。その際に001に声がかけられる。

 

「社長!伏せろ‼️」

 

「!」

 

言われた通りに伏せた瞬間、二人の武装集団のメンバーに飛んできた弾丸が命中し火花を散らす。ベルトを装着した状態でショットライザーを構えていた諌が立っている。

 

それに気づいた001は無事だったと思い安心し喜んだ。タイミングは悪いがはぐれてしまったと思われた仲間に会えた事に。

 

「不破さん!無事だったんですか⁉️」

 

「ああ。変なのに吸い込まれたあの後、気がついたら公園で倒れていた。警報が鳴ってしかも爆発したもんだから来てみればお前があの娘と武装した連中とやり合っていたから助けに来た」

 

一番信用している諌が来た事で001は勝利を確信した。『今なら誰にも負けはしない』と。

 

右手には“シューティングウルフプログライズキー”を持って変身プロセスに入ろうとする。

 

「行くぞ」

 

シューティングウルフプログライズキーを持った右手で起動させて無理矢理抉じ開けてショットライザーへ挿入した。

 

〈Barrett!〉

 

「…っ!」

 

左手に持つショットライザーを右手に持ち変えてから前に向ける。

 

〈オーソライズ!〉

 

〈Kamen Rider…Kamen Rider…Kamen Rider…〉

 

そしてトリガーを引き飛んできた青い弾丸にパンチした。

 

「変身!」

 

〈ショットライズ!〉

 

「はっ!」

 

〈シューティングウルフ!

The elevation increases as the bullet is fired.〉

 

諌は“バルカン シューティングウルフ”に変身を終えるとショットライザーで武装集団を射ちまくる。当然、彼女達は簡単に受ける程バカではない。バリアらしき物を張って弾丸を防ぐ。

 

「それにしても社長、いつものゼロワンじゃないんだ⁉️」

 

「ゼアが無いから変身が出来なかったから仕方なくフォースライザーを使いました!はっ!」

 

「成る程、そう言う事か…お前も災難だな…!ふん!」

 

普段のゼロワンじゃない理由を001から聞いたバルカンは納得し今度は逆にアサルトウルフじゃないのかを聞かれた。

 

これ迄のバルカン…諌なら最初からアサルトウルフとなっていたが今回のはシューティングウルフ。確かに気になる所だろう。

 

「そう言う不破さんこそ、アサルトウルフじゃないんですか⁉️」

 

「使おうと思ったらうんともすんとも言わなくなっちまった!使えるキーはウルフとゴリラとハリネズミとスパイダーの四つしか使えねえ!」

 

「ええ⁉️」

 

まさかのアサルトウルフプログライズキーが使えなくなったと聞き001は絶叫する。強化アイテムのプログライズキーが理由不明の使用不可になったと聞いて『もしかしたら自分の強化用のプログライズキーも使えなくなっているのでは?』と思った。

 

だが今は001であるためプログライズキーの“ハイブリッドライズ”が使えないのは分かっている。もし本当に使えなくなっているのであればシャイニングアサルトホッパー、メタルクラスタホッパーにもなれない。

 

そう考えると余計に心配になってしまう。しかしいちいちそんな事を気にしている程今の001には余裕がない。まずは武装集団をどうにかしたいところ。

 

そう思っていると奥からガキィン!と金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。見るとあの闇色の少女は白髪の少女と激しい攻防を繰り広げているのだ。

 

自分の位置からだと遠い。ここはバルカンに頼むしかないと思い声をかける。

 

「不破さん、彼女をお願いします!」

 

「ああ…分かった!」

 

〈アタッシュショットガン!〉

 

〈ショットガンライズ!〉

 

《Attache case opens to release the incredibly powerful shotgun.》

 

頼まれたバルカンは承諾しアタッシュショットガンをコール装備して闇色の少女と白髪の少女の間に入りその場で射ち込む。

 

白髪の少女…鳶一折紙はビームソードのノーペインで弾丸を弾く。自分達の間に入ってきたバルカンに目を向けると質問する。

 

「あなたは誰?」

 

「バルカンだ。そして…」

 

アタッシュショットガンを構えたまま折紙に向けて叫ぶ!

 

「同じ人間でも襲うってんなら容赦しない!お前の相手は…この俺だ‼️」

 

「!」

 

連射して折紙を追い払う。背後から闇色の少女が話し掛けてくる。バルカンはそれに対し真剣に答えた。

 

「貴様はさっきの奴の仲間か。何故そこまでして私を救おうとする?」

 

「決まってるだろ。俺は、“俺のルール”で動いているだけだ。お前が何者であれ…やる事は変わらない」

 

懐から“ガトリングヘッジホッグプログライズキー”を取り出し起動させてからアタッシュショットガンに装填した。

 

「それに、彼奴がお前を救おうとするのなら俺はそれを信じて動く!それだけだ‼️」

 

〈REVOLVER!〉

 

《Progrise key comfirmed. Ready to utilize.》

 

狙いを折紙に定め、バルカンはトリガーを引く。それにより銃口から緑色の針状のエネルギー弾が発射された。

 

《HEDGEHOG ABILITY!》

 

〈ガトリングカバンショット!〉

 

「喰らいやがえぇ!」

 

カバンショット

 

「くっ!」

 

無数に放たれた針状のエネルギー弾は折紙に降りかかる。スラスター…顕現装置(リアライザ)で回避していくがその内の五発当たってしまい壊れてしまう。

 

「ちっ…こんな時に…!」

 

苛立った折紙はやむを得ず顕現装置(リアライザ)を背中から外して飛び降りる。ノーペインでバルカンに斬りかかるがかわされた。

 

そろそろ引き際かと思ったバルカンは他のメンバーを倒した001と合流し闇色の少女と背にしてから逃げる様に言う。

 

「俺達がこいつらの相手をしている隙に逃げろ!」

 

「何?」

 

「早く!」

 

「…(コク)」

 

001の急かしに乗った闇色の少女は頷くとそのから離れて消滅した。居なくなったのを確認した二人。バルカンはアタッシュショットガンを地面に向けて射ち込み折紙と他の武装集団…AST(アンチ・スピリット・チーム )が怯んだ隙をついて逃げた。

 

元々ヒューマギアでもない相手をそれ以上攻撃する必要無かったため彼女が逃げる時間を稼げたからよしとした。

 

イズと士道も二人と一緒にその場から離脱した。近くの建物の陰に隠れると001は安堵の息を漏らす。

 

「ふう…此所まで来れば追ってこないだろ」

 

ASTが追ってくる事もないと思いレバーを押し込み、ライジングホッパープログライズキーを抜いて変身を解く。

 

「なんとか撒いたか」

 

バルカンもアタッシュショットガンを下ろし、腰に填めてあるショットライザーからシューティングウルフプログライズキーを抜き変身を解いた。

 

諌を初めて見る士道は或人とイズが知っているから味方だと認識し、名乗った。

 

「さっきは彼女を助けてくれてありがとうございます。俺は五河士道といいます」

 

「不破諌だ」

 

名前だけ名乗り終えると諌はライズフォンを取り出して画面を士道に見せつける。名前と顔、A.I.M.S.と記載された自身の所属する組織名も載っている。

 

「A.I.M.S.?」

 

聞いた事のない名前が出たため士道は頭を傾げた。それもその筈。悪事を行ったヒューマギアを倒す為の組織だと知りもしなくて当然なのだから。

 

すると、或人達の身体が浮遊感に見舞われた。

 

「「⁉️」」

 

「何だ⁉️」

 

「これは…」

 

これには或人、諌、士道は驚くがイズは余り驚かず寧ろ興味深そうだった。そして四人はそのまま姿を消した。

 

 

 

 

SIDE:或人

 

─或人…やっと会えた─

 

誰だ?頭にあのブラックホールが開いた時に聞こえた女の人の声がまた聞こえてきた。

 

─ごめんね。ずっと独りぼっちにさせたりして─

 

何の話だよ。答えてくれよ。

 

─でも、安心して。もう間違わない。きみをあの子と同じ様に手放したりしないから…─

 

あの子って誰の事だよ。訳がわからねぇ。

 

─それまで…待ってて。必ず、迎えに行くから…─

 

その時一瞬だけ、懐かしさを感じた。何でだろう…この声を聞いているとなんとなくだけど、落ち着くのは…

 

声が聞こえなくなる前に俺は呼び止めようとした。

 

「待ってくれ!あんたはいったい…⁉️」

 

そこから俺の意識は途切れた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「う…ん…」

 

意識が戻り目が覚めると眼鏡を掛けた薄紫色?の長い髪をした女の人がペンライトで俺目に当てながらジッと見つめていた。

 

「うん?」

 

「うおぉぉぉぉ⁉️」

 

思わず大声を上げて後ろへ下がった。でも下がり過ぎてベッドから転げ落ちてしまう。

 

ガタンッ!

 

「いだっ!痛っつ~」

 

やっべ、尻餅ついた!今のはマジで痛いんですけど⁉️

 

「大丈夫かい?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「私はこのフラクシナスの解析を担当をしている村雨令音だ。あと此所はフラクシナスの医務室だから安心するといい」

 

「はい、ありがとうございます」

 

女の人から差し伸べられた手を掴み立ち上がる。お礼を言うと『それは無事で何よりだ』と反された。

 

「不破さんとイズと士道は?」

 

「少年なら先に向かって貰ったよ。二人なら…」

 

そう言いながらチラッと視線を変えて指す。見ると二人共起きていた。良かった、無事で。

 

「或人社長、気がつきましたか?」

 

「全く…なかなか起きてこないもんだから心配したぞ」

 

ああ…心配かけてしまったか。なんだか申し訳ない気がしてきた。

 

「すいません不破さん。でも、この通り俺は元気です。イズも心配させてしまったな」

 

「いえ、或人社長の身体の容態を確認してただ気を失っているだけだと分かったので心配はしていませんが…何か体調に異変があれば言ってください」

 

見たところ、不破さんとイズにも特にこれと言った外傷はないみたいだし良いか。

 

「揃ったみたいだね。では向かおう。うちの司令官は君達を待っている。」

 

「「分かりました」」

 

「分かった」

 

令音さんに俺達に会いたがっている司令官の人の元まで案内してもらった。医務室から出て廊下を歩き、少ししたらスライド式の扉の前に来た。

 

扉が開き中に入ると艦橋内だと直ぐに分かった。よくテレビとかで見ていたから大体だけどな。

 

中に入り上側に進むと椅子があり、その隣には金髪の男性が立っていた。その人は笑顔で振り向き俺達に挨拶をしてきた。

 

「皆さん初めまして。私は此所の副司令官を勤めております、神無月恭介と申します。皆さんの事は士道君から聞いておりますので名乗らなくても大丈夫ですよ。」

 

一応、先に此所に向かっていた士道が俺達の名前を教えておいたんだ。

 

そう思っていると士道が声をかけてきた。

 

「或人!起きたんだな!」

 

「士道、ああ…俺はバッチリ元気だ!」

 

「イズさんと不破さんも起きたんですね」

 

「はい。一時的に機能が停止しただけですので直ぐに再起動しました」

 

「ふん。いきなり身体が浮くもんだから何事かと思ったがな。俺も特に問題ない」

 

こうしてまた四人揃ったから…よしとするか。安心していると椅子から声が聞こえた。立ち上がった人物を見て俺達は驚いてしまった。

 

「これで四人揃ったみたいね」

 

「「「うん?」」」

 

「?」

 

「ようこそ、フラクシナスへ。歓迎するわ」

 

「「「ええー⁉️」」」

 

何故なら…俺達に会いたいと言っていた人物は赤い軍服の上着を肩に乗せてキャンディを舐めている赤いツインテールの女の子だったから。

 

これには俺と不破さん、士道もビックリした。イズは声には出していないけど目を見開き口元に両手を添えていた。

 

「お前…琴里だよな?」

 

「あら士道。妹の顔も忘れたの?老人ホームにでも連絡を入れて予約しようかしら」

 

この女の子が令音さんが言っていた司令官さんで良いのか?と言うか見たまんまだけど中学生だよね?見るからに司令官ぽさが伝わってこないんだけど。しかも妹って…士道が兄貴って事か。

 

「そんな事よりも琴里、心配したんだからな!携帯のGTSで居場所を確認したらファミレス前に居るって分かった時は本当に焦ったぞ!」

 

「ああ、その事ね。言っとくけど、このフラクシナスは今ファミレスの位置にあるわ。フィルターを切って」

 

琴里ちゃんだっけか?彼女が言うと薄暗かった艦橋内は明るくなった。いや、正確には外の景色を映した様な感じになった。

 

「なんじゃこりゃ…っ⁉️」

 

「うえぇ⁉️空を飛んでる⁉️」

 

「おい、これどうなってんだ⁉️」

 

「飛電インテリジェンスの技術にも無いシステムですね。少々興味深いです」

 

士道は勿論、俺と不破さんもいきなり艦橋内が空の背景になったから絶叫する。イズは相変わらずズレた感想言うな⁉️

 

「三人共黙って頂戴。これはあくまで外の景色をそう見せているに過ぎないわ」

 

「外の景色って…」

 

「ええ。天宮市上空一万五〇〇メートル。位置的には丁度待ち合わせしたファミレスの前になるわ」

 

おいおいマジかよ…こんな凄すぎる技術は飛電にも無いぞ。それをあっさり言う琴里ちゃんはいや、フラクシナスって凄すぎる…

 

不破さんでさえ目を見開きして俺と同じ表情してるし。

背景が元に戻ると本題に入った。

 

「さて…本題に入りましょうか。まずはこれ、ASTね。正式名はアンチ・スピリット・チーム。要は精霊の天敵ってところね」

 

説明に合わせて画面は切り替わる。あの時戦った武装集団が映っていた。連中はASTって呼ばれていたのか。

 

「次は精霊がこれよ」

 

また違う画像に切り替わった。今度は一時的に俺と不破さんと共闘した紫の鎧とドレス姿の少女だ。まさかあの女の子が精霊って存在だったとは初めて知った。

 

「あの()が精霊って存在なのか?」

 

「そうよ。で、彼女達の目的はただ一つ…排除する事」

 

「排除って…まさか…」

 

「そう、要は精霊をぶっ殺す事よ」

 

「「「!」」」

 

黙って聞いていた俺や不破さんも今の言葉で反応した。琴里ちゃんは簡単に言うけど、それじゃあZAIAの社長の天津さんと何も変わらない。

 

彼女が人間にいったい何をしたんだ。あの時彼女から感じられたのはとても人間に危害を与える様な()には見えなかった。

 

悲しそうな表情をした彼女が人間を襲う様に見えない。それを士道も分かっているうえで反論した。

 

「精霊を殺す…?」

 

「精霊をぶっ殺すだと?ふざけるな!あんな悲しそうな表情をした女の子が人を襲う訳ないだろ!」

 

「確かに士道の言う通りよ。でも忘れたの?空間震の存在を。あれは彼女がこの世界に来る為に起きた物で彼女の意志とは関係なく起きるの。つまり…彼女自身は何もしてなくても結局は周りの民家やその場に居る人間を消した時点で殺った事と変わらないわ」

 

何だよそれ。もしそれが本当なら俺達の世界で言うヒューマギアの暴走と同じじゃないか!彼等も人を襲いたくて襲ってるんじゃない。滅亡迅雷.netの連中によって無理矢理させらえてるんだ。それを天津さんはヒューマギアを目の敵にして廃棄するべきだの人間社会に必要ないだの言っていたけど…そんな事、俺が止めてやる‼️

 

「だったら、俺があの精霊を救ってやる!」

 

俺が言おうとしたら士道が叫ぶ。やっぱりお前も同じ気持ちなんだな。

 

覚悟を決めた表情で士道は琴里ちゃんに向けて言う。

 

「相手は世界にとって猛毒な存在よ。喩えそれが、最悪な結末になったとしても?」

 

「ああ…やってやる。あんな悲しそうな表情をした子に人を殺せる筈がない。だから…俺が彼女を救ってやる!その為ならなんだってやる覚悟だって出来てる!」

 

真っ直ぐな瞳で琴里ちゃんを見る士道。それにクスリと笑う彼女はどこか安心した様にも見えた。

 

「なら、手伝ってあげる。元々、このフラクシナスや私達ラタトスクは士道、あなたの為にあるのだから」

 

「俺の為に?」

 

「そう。だから私達は精霊の霊力を封印出来る様に全力であなたをサポートするわ。精霊を救う手段は二つ。一つは武力による完全な殲滅。二つ目は精霊との対話で解決するの」

 

倒す以外の方法を教える琴里ちゃん。その対話はどのようなものかは俺は知らない。でも、対話で世界と女の子が救えるなら俺も協力してやりたい。

 

「琴里、肝心なその対話方法は?」

 

「簡単な話よ。デートして精霊をデレさせればいいだけ」

 

「は?」

 

今の言葉の中に受け入れがたい単語が聞こえた瞬間、俺達【イズ以外】はフリーズした。

 

いやだって今、デートって言ったよね?男女が外で買い物したり映画観たり、夜空を満喫しつつお互いの事を知るあれだよね?

 

頭がパンクしそうになった。不破さんに至っては顔をひきつってるし。

 

「デートってお前、本当にそれで良いのか?」

 

「妹の言う事を信じないの士道。言っとくけど、ただのデートじゃないわ。デートをする事で好感度が上がりデレた時が霊力を封印するチャンスになるの。それさえ出来れば晴れて彼女は狙われなくて済むわ」

 

デートをしなくてはならない理由を聞いて俺達は納得した。確かにその霊力とか言うのを封印さえしてしまえば命を狙われないというのはいい。

 

「上等だ。この際可能を救える事が出来るならやってやるよ!」

 

「ふふ…それでこそ私のお兄ちゃんね。さて…」

 

話がまとまり琴里ちゃんは目線を士道から俺達に向ける。多分話さないとならないかな。仮面ライダーの事や俺達自身の事についてを。

 

「話がまとまった事だし、次はあなた達の事を話して貰うわよ」

 

「分かった」

 

「仕方ない」

 

「分かりました」

 

振られた俺達はそれぞれの事を話し始めた。

 

「では最初は私から話させてもらいます。お二人が変身した姿は仮面ライダーと呼ばれております」

 

「俺が変身したのはこの四角いアイテム、プログライズキーとフォースライザーで変身した001って言うんだ」

 

イズの説明に合わせて俺は懐からフォースライザーとライジングホッパープログライズキーを取り出して琴里ちゃんに見せる。

 

「俺のはショットライザーとウルフのキーで変身したバルカンだ」

 

続いて不破さんも自身が持つショットライザーとシューティングウルフプログライズキーを取り出した。

 

「001にバルカンね…」

 

「まあな。本当なら…此方で変身して戦いたかったけどな」

 

苦笑いした後、フォースライザーを仕舞い代わりにゼロワンドライバーを取り出す。新たに取り出されたゼロワンドライバーの琴里ちゃんは興味深かそうにしていた。

 

「そのベルトを使う予定だったの?」

 

「うん。このゼロワンドライバーは特別でね、衛星からの交信しないと使えない」

 

「衛星?何でまた」

 

「それについては私からお答えします。ゼロワンドライバーは我々、飛電インテリジェンスが管理している人工衛星があり、名前は衛星ゼアと言いゼロワンドライバーから発信される電波を受けて変身に必要な生物型のライダモデルを送ったり新しいプログライズキーの製作にも使われています。しかし、その衛星ゼアはこの世界には存在しないためゼロワンドライバーを使う事が出来なくなっているのです」

 

途中からイズにバトンタッチした。ナイスアシストだ!

細かい所は俺にもよく分かっていない部分があるから助かった。

 

「衛星ゼアとの交信で変身出来る…ね。うん?ちょっと待って…貴女今『この世界』って言わなかった?」

 

「はい。元々私達は暴走したヒューマギアを止める為に戦っていました。勿論、戦っておられたのは或人社長と不破さんで、私はサポートをしていました。或人社長が必殺技の一つでもあるプログライジングストラッシュを浴びせた瞬間、ブラックホールが発生し私達はそれに吸い込まれました」

 

「暴走したヒューマギアを止める為にね…。そう言えば飛電インテリジェンスって会社の名前が出てきたけど或人って社長なのよね?一応、士道から聞いてはいるけど」

 

「はい。或人社長は先代社長の指命で選ばれました。見た目こそ今は高校生の姿ですがこの世界に来る前にはちゃんとした大人の姿ですので安心してください」

 

「まさか異世界からの人間に出会うなんてね。おまけに会社の社長ときたから驚くわよ」

 

流石イズ。受け答えが元から上手だから話しがスムーズに進んでいくのを感じる。てか琴里ちゃん今、俺を呼び捨てで呼ばなかった?兄妹で呼ばれるのはよく聞くけど他人にいきなり呼び捨てするとかこの子本当は精神年齢が俺より年上じゃないのか⁉️

 

まあ、この見た目【高校生くらい】がこんなんだからフレンドリーで話しているかもしれないけどせめて常識は持とう‼️頼むから!敬語までは使わなくても本当にて“さん”付けくらいはしような!な⁉️

 

「或人社長は飛電インテリジェンスの代表取締役社長でかなりの努力家です。それにヒューマギアの事を信じていて『家族だ』と仰って下さいました」

 

「そのヒューマギアって具体的にはどんな物なの?」

 

「ヒューマギアとはAIが搭載された高性能なロボットです。姿形は人間と変わらないですが、唯一違う所があります。それは…」

 

そこまで言うとイズは自らの耳元に取り付けてある“ヒューマギアモジュール”を指して言った。

 

「このヒューマギアモジュールが取り付けてあるのが何よりの証拠です」

 

「と言うことは…貴女は…」

 

自ら正体を明かしたイズに琴里ちゃんは少しだけ驚いていた。まあ無理もない。ずっと人間だと思っていた人物がロボットだなんて誰も気付かないなのは当然だし、彼女の反応が正しい。

 

「ヒューマギア…なのね?」

 

「はい、お察しの通りです。私は社長秘書ヒューマギア、イズ。そして或人社長が変身するゼロワンのサポート等を行っています」

 

やっと落ち着いた琴里ちゃんはそうかと改めてイズがヒューマギアだと認識して納得する。当然、士道や周りの人達も驚いた。

 

「マジかよ…てっきり人間だと思ったぜ」

 

「司令!凄いですよ!外見は完璧な程のもので何処から見ても普通の人間にしか見えなかったです!」

 

「異世界の技術は凄い!」

 

みんな大絶賛だ。でも一人だけ違う方向へ走る人が居るみたいだ。

 

「イズさん、もしかしてヒューマギアで生きている人間をコピーする事も可能ですか?」

 

「一応は可能です。しかし、私達の世界ではヒューマギアで人間のコピーを造る事自体が違法になっているため現状は不可能です」

 

「な、何ですと~⁉️」

 

つか、よく見たら目から血涙を流してるし⁉️怖いんですけど⁉️あなたは何を考えたんですか神無月さん!

 

琴里ちゃんも呆れてますよ!他の人達もドン引きだし‼️

 

「えっと…神無月…何でヒューマギアで人間のコピーが出来るかを聞いたか…逆に聞いて良いかしら?」

 

「待ってました司令!もしヒューマギアで人間のコピーが可能ならば私は自分専用の司令を手に入れていろいろとされてみたいと思っていいました‼️」

 

それを聞いて俺達はドン引きした。だってあれだよ?自分達の司令官をヒューマギアでコピーさせて好き放題する気だったよこの人‼️

 

見てよ琴里ちゃんなんかは額に青筋浮かべてるし!次の瞬間、琴里ちゃんは指を鳴らして黒スーツ姿にサングラスを掛けた二人の男の人呼んだ。

 

その二人はそれぞれ神無月さんの腕を掴み持ちズルズルと引きずっていく。遠ざかっていく神無月さんは必死に叫び声を上げていた。

 

「はぁ…」パチン!

 

ガシッ

 

「そんな!司令、私はただコピーされた司令に蹴られたりしたいだけなんです!お慈悲を!お慈悲を~‼️」

 

連れて行かれた神無月さんを俺達は黙って見ていた。見てはいけないものを見てしまった気がしてならないのはの俺だけか?

 

不破さんは目を見開いて固まっているし。何がどうやったらあんな事になるのか俺達にはよく分からなかった。

 

二人の男の人に連れて行かれた神無月さんを気にせずに話を再開する琴里ちゃん。

 

「話を戻すけど…貴女が人間ではなくヒューマギアだと」

 

「ここまでが我々、飛電インテリジェンスの関係する話です。次は…」

 

俺達の話しが終わり、次が不破さんが一歩前に出た。ライズフォンを持って自身の顔写真や所属先の組織の名前等が記載されているのを出して琴里ちゃんに見せる。

 

「俺の番だな。改めて名乗るぞ。俺は不破諌。内閣官房直属の対人工知能特務機関A.I.M.S.に所属で隊長をやっている。主に人工知能特別違法したヒューマギアを撃破する事だったが、後から暴走させているテロリスト、滅亡迅雷.netの仕業だと知りそいつ等を殲滅する方針で動いていた」

 

「成る程…それで滅亡迅雷.netと言うテロリストは?」

 

「具体的には通信衛星アークと呼ばれる飛電インテリジェンスが衛星ゼアを宇宙に打ち上げる前に打ち上げ予定されていたのがあった。そいつに人間の悪意をラーニングさせたZAIAの社長、天津垓がやった所為でアークは『人類は滅亡するべき』と判断し“滅”と“迅”と言うヒューマギアを中心に滅亡迅雷.netと呼ばれるテロリスト組織が生み出される要因となった」

 

そう言うと不破さんはライズフォンを操作して滅亡迅雷.netの紋章と滅と迅【復活した姿】の顔写真を出す。

 

「この二人がヒューマギアを暴走させている滅亡迅雷.netって訳ね」

 

「ああ。そいつ等は今も倒すべき敵であり、人類の敵だ。それだけは覚えておけ」

 

それだけ言うと暫く黙ってしまった。とにもかくにも、これでお互いの事は話せたからよしとしよう。

 

話が終わり、琴里ちゃんは手を差し出してきた。

 

「これでお互いの事は話せたね。改めてだけど…

飛電或人社長、あなたに依頼するわ。士道が精霊の霊力を封印が安心して出来る様に不破と一緒にサポートをお願い」

 

ふと笑い、俺は差し出された手を握り握手をする。不破さんやイズも握手した。

 

「ああ、これから頼むぜ!琴里ちゃん!」

 

「仕方ねえな。専門外ではあるが手伝ってやる」

 

「或人社長が決めた以上、私も全力でラタトスクの皆さんに力をお貸しします。宜しくお願いします」

 

こうして俺達は正式にラタトスクの協力者となり士道にサポートをする契約を完了させた。これからの精霊の攻略に殲滅しに来るであろうASTに士道の邪魔をさせない様にする事が俺と不破さんの役目。

 

目的がクリアさえ出来ればそれ以上の戦闘はしなくても良いらしい。まあ、正直言って俺も仮面ライダーでもなければレイダーでもないほぼ生身に近い相手と戦うのは気が引けてはいたしな。

 

よし、一発やるか。

 

「そんじゃあ、正式にラタトスクの協力者となった祝いにここは俺の一発ネタを見せてやるか!」

 

「一発ネタ?」

 

「まさか…」

 

俺の言葉に琴里ちゃんは頭から?を出す表情になり、士道はうげって顔を歪めていた。

 

「ラタトスクに協力すればストスト(・・・・)と解決して行く~‼️はい!アルトじゃあ~ないと‼️」

 

シーン

 

周りを見るが誰も笑っていない。イズから何時ものギャグの説明が入った。

 

「今のはラタトスクの“トス”の部分とトストスの“トス”の部分を掛け合わせたギャグです」

 

「だ・か・ら・ギャグの説明をしないでってば~‼️」

 

お約束のやり取りをやっていると不破さんは口を押さえてはいるが半分笑っていた。

 

「不破さん、今笑った?」

 

「笑ってない!」

 

もう~不破さんたら~素直に笑ったって言えばいいのに。そう思っていると琴里ちゃんの様子が可笑しかった。なぜなら…()()()()()()()()()()()()()()()からだ。

 

それも微かに、プププと声に出ている。これはもしかして…

 

「琴里ちゃん、もしかして笑ったって「笑ってないわよ!」おうっ⁉️」

 

言い切る前に怒鳴られてしまった。まあいいか。兎に角琴里ちゃんも不破さんと同じで顔には出さないけど陰では笑ってくれているタイプと俺はそう思い、イズもこれを見てラーニングした。

 

また楽しくなるなこれは。

 




2話どうでしょうか?

琴里を或人のギャグで笑う様にしたのは不破さんと同じ感じにしたかったのでそうしました。
他にも或人のギャグで笑うキャラは居ますがもう少しの先になります。

アンケートをしたりしますのでお願いします!



次回、デート・ア・ゼロワン

「俺も特訓するの~⁉️」

「やってみないと分かんないだろ…っ!」

「ゼロワンドライバーで変身出来る様にフラクシナスに接続させます」

「新しい仮面ライダー…」

3話:誰がゴリラだ‼️

敵(DEM)でドライバーとプログライズキーを作るパターンはどれが良いかです

  • サウザーと同じ様にデータを盗む
  • オリジナルキャラを出して技術を提供
  • 天津垓かゆあも参戦

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