暁の水平線に勝利を刻めるか   作:ジャーマンポテトin納豆

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第39話

 

 

 

 

 

深海棲艦の大規模な、それこそ総攻撃と言っても良い程の攻撃が始まってから既に一時間が経っている。

継続的な烈風と流星の爆撃支援や物資の空中投下によってどうにかこうにか前線は持ち堪えてはいるものの、それもやはりギリギリ、一歩間違えれば戦線崩壊を起こす可能性がある。

 

一か所でも防御陣地を食い破られれば、橋頭保の確保すら危うくなるほどだ。

 

 

「提督、現状を説明させていただきます。先ず、敵部隊の規模は凡そ6万から8万程度で敵の残存兵力のほぼ全てがこの総攻撃に参加しているものと思われます」

 

「全戦力を投入して、最後の賭けに出たという事か」

 

「いえ、それがどうにも賭け、と言うにはおかしいのです」

 

「おかしい?何がだ?」

 

「敵の発砲する回数が極端に少ない、と報告が上がって来ております」

 

「発砲回数が少ない、だと?こんな大規模な攻撃を仕掛けてきてか?そんなこと有り得んだろう。何かの間違いではないのか」

 

「はい、前線のほぼ全ての部隊から連絡を密に、と言う指示に従って上げられてきた報告ですので、間違いないかと。1つや2つの部隊ならばまだ間違いの可能性の方が大きいと切り捨てる事も出来ましょう。ですが交戦中の部隊のほぼ全てからの報告、となるとそれはもはや疑いようも無い事実です」

 

「……そうだな。では、何故そこまで敵の発砲が少ないのか、理由を予測出来る者は居るか?」

 

そう、俺が問いかけたとき次席参謀が手を挙げた。

本来であれば主席参謀が発言をするべきではあるのだろうが、そんなまだるっこしい事をする必要は無い。

人にもよると思うが、俺は上下関係にとらわれず思った事を口に出して意見を述べてくれる部下こそが真に必要だと考えているからだ。

俺は直ぐに次席参謀に意見を訪ねた。

 

「次席参謀、意見を聞かせてくれ」

 

「はい、私としてはかなり確証を持っていますが皆様はあくまでも推論である、と言うだけに留め置いてお聞き下さい」

 

「分かった」

 

「恐らく、敵は弾薬を殆ど使い切ったのではないか、と考えます」

 

「ふむ、その理由は?」

 

「理由は今までの敵の、我々に対する攻撃の激しさと頻度です。幾ら無尽蔵と言えるほどの戦力を有する深海棲艦と言えども砲弾薬や燃料の補給、と言うものからは今までの戦いを通して見ても逃れられません。それを考えると補給も無く今まで、一時とは言え橋頭保の確保すら危ぶまれるほどの攻勢を仕掛けて来ていたのですから寧ろ砲弾薬が底を着いている、と考える方が極々自然なのではないでしょうか?」

 

「ふむ……」

 

確かに今までの攻撃の激しさや頻度を考えると次席参謀の意見には確かな説得力があるだろう。

 

本来、防衛側は水際での防衛を捨てた場合徹底した持久戦、ゲリラ戦を展開すべきだ。

理由としては防衛をしなければならない、という事はその辺り一帯の支配権、制海権や制空権を完全にとは行かずとも大陸での戦いならばまだしも太平洋の島々での戦いではそれら支配権を奪われている状況が殆どだからだ。

 

そんな状況下の中で、友軍艦隊や航空隊の援護や補給は到底望めるものではない。

上陸を許した状況である事を考えると、既に友軍艦隊は敵艦隊と戦闘を行い、そして負けている。

必ずしも、とは言えないがそんな艦隊がすぐさま救援に来られる筈が無い。

 

損傷艦の修理、新兵の訓練や再編などの艦隊の立て直しに要するのは我々で考えれば最短でも半年は掛かる。

それら諸々の事を考えれば、どうやったって防衛側が積極的攻勢を仕掛けるのは明らかに間違いなのだ。

確かに攻勢を掛けるべき時もあるだろうが、そんな機会は99.99%やって来ない。

 

ならば、味方の救援を信じて1分1秒でも長く持久戦を組織立って継続し、敵に出血を強いるのが最良の策と言えるだろう。

 

特に、島嶼帯で戦う事が主な太平洋戦線はどの方面のどの島で戦うにしても海を渡らなければならない。それは深海棲艦であっても同じだ。

陸地であればまだ幾らかの補給を行うために敵の目を欺く手段はあるだろうが周りを海に囲まれた孤島ばかりの敵に囲まれた島に補給を、それも全部隊が満足に食って戦える物資を送り込むのは殆ど不可能だ。

潜水艦や爆撃機による夜間強行補給であったとしても、運べる量は1隻当たりの輸送船と比べると高が知れる。

 

何より、制海権も制空権も奪われていては夜間と言えども困難だ。

しかも、潜水艦による補給が成功する為の絶対条件として、最低でもすぐに身を隠す事の出来る場所があり物資を揚陸するに支障無い面積の海岸、若しくは河口から島の奥まで通じる河川がある事が条件だ。

 

これらさえあれば、潜水艦と言えど極貧も良い所だが最低限、持久戦を行うだけの物資は運び込める。

河川があれば島奥地に撤退した部隊に、夜間と言えどもジャングルの密林内よりは断然危険だが小型の機械動力にしても人力で扱ぐにしてもボートの様なもので徒歩と比べればずっと迅速に安全に運び込むことが可能だ。

 

輸送機や爆撃機による空中投下も制空権が握られていては夜間でも相当危険が付き纏う。

なにせ、投下するのは結局の所、島の上空なのだから電探には察知されてくる方角は丸分かり、深海棲艦の電探ならば凡その高度ぐらいまでなら探知出来る。

 

そうなれば後はもう簡単だ。

島の上空にタイミング良く吊光弾なり照明弾なりを投下、探照灯を撃ち上げたり灯火してしまえば大した面積の無い太平洋の島々の上空なぞ簡単に照らすことが出来る。

昼間よりも明るいかもしれん。

そうなれば物資の投下地点の目印も下から照らされては光で照準が付けられなくなるだろうし一時的に視力を奪われるだろう。なんなら失明の可能性すら有り得る。

攻撃を加えるのは簡単だ。

照らされた敵機に目掛けて対空砲を撃つも良し、戦闘機を事前に発艦させて下から突くような形で迎撃するでも良しとなってしまう訳だ。

 

それらの包囲された島への補給の難しさを考えれば実行するほどのものでは無い。

だからこそ、徹底して持久戦やゲリラ戦を展開してこちらの損耗は最小限に留めつつ敵に最大限の出血を強いるのだ。

 

鼠輸送?

あんなもの、確かに前線将兵からすれば数少ない恵みではあるだろうが到底、補給計画も考える事のある俺としては輸送、などとは言えない。

結局のところ鼠輸送とは正規の手段、輸送船が無く護衛艦艇も無い、状況で輸送が出来ないからやらざるを得なかった苦し紛れの策でしかない。

今後俺がそれを行わざるを得なくなる状況が必ずしも無い、とは言い切れない。

それを言うのは余りにも連合艦隊を預かる前線最高指揮官として現状、戦況を理解せずに放つ無責任な発言だからだ。

 

 

 

それら考えると、本土の政治家や陛下の傍で甘い汁ばかりを吸っている奴らは本当に邪魔でしかない。

無駄に前線を押し上げろ、他国に艦隊の派遣を、などと声高らかに叫ぶがそんな余裕は無い。

作戦にも口出ししようとするし、『餅は餅屋』と言う諺を知らないのか?無知な奴が立てた作戦なんぞどんな奇跡が起きようとも成功するわけがない。

よしんば成功したとしても、それは作戦が良かったのではなく前線将兵がどうにかこうにか捥ぎ取った勝利だ。

作戦を立てるならば、如何に兵の損失を少なく、そして敵にどれだけ多くの出血を強いりつつも勝てるか、という事を念頭に考えなければならない。

 

本当に怒りで殴りそうになったのは、無茶苦茶な作戦を立てて、俺が補給計画はどうするのか、と聞くと、

 

「そんなものお前達でどうにかしろ。それが仕事だろう」

 

となんとも思わずに言い放たれた事だ。

流石の市木大将も相当頭に来たのか、俺が怒鳴る前に怒鳴っていた。

 

それで、作戦を成功全責任はする事が出来なかった全責任は軍にあると言われたら溜ったもんじゃない。

 

 

 

 

今の日本陸海軍には、先に説明した作戦立案すら出来ない程に余裕がないのだ。

確かに南方方面を奪還したことで資源は日本本土に送ることが出来ている。

だが、どれだけ資源があったとしても兵士が居なければ艦は動かせず、砲も撃てない。

 

 

作戦を成功させたとしてもこちらが被る被害は甚大で、立て直しが可能なのも辛うじて、と言うだけで薄氷を踏み進めるほどなのだ。

それを理解もせず間断ない攻勢を、と言われても無理に決まっている。

 

確かに文民統制、所謂シビリアン・コントロールは必要不可欠であろう。

軍とはどこぞの誰かが言ったように国家が有する絶対的な暴力装置であるからだ。

 

狂暴な犬、それこそ狼やライオンを枷や鎖無しで檻から解き放つ大馬鹿者がこの世界のどこにいると言うのだ。

まぁ、非常識な連中はするだろうが……。

それが満足に行えなかったからこそ、かの大戦で軍部が暴走したのだ。

 

軍とは、国家の独立と平和を保つ為の手足であると同時に、理性ある脳みそともいうべき制御機構が無ければそれはただの殺戮マシーンにしかならない。

 

一流の権力者の目的とは、その持てる権力で何を成すか、という事を考えるものだ。

自称一流の奴らは何処まで行っても権力を保持し続ける事自体が目的であって、そしてその手段しか考えない二流でしかない。

いや、無意味な犠牲を払ってまで権力を保持したいと考えているのであれば三流以下の害悪、そもそも権力者に値しない。

 

当然、現在の日本の権力者と言える人間は明らかに、三流以下の害悪である。

 

 

俺は俺の事を一流とは絶対に言えない。

何故ならば海軍に入ったのだって結局はこの世界における戸籍も身分も無い自分の保身の為だったからだ。

それに下手に俺が海軍を離れれば馬鹿どもがどんな暴走をするかは目に見えているからだ。

それでも中代大将や広野中将が居てくれればまだ、マシではあるだろうがそれでも悪夢でしかない。

 

そうなれば地獄を見るのは、深海棲艦に対して全く戦う術を持たない国民と、そして俺の部下達だ。

そんなことになるぐらいならば、最低でもこの連合艦隊司令長官の席を離れる訳にはいかない。

 

軍は政治家の私兵ではないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

話を戻そう。

補給が出来ないのであれば、深海棲艦ならば艦隊がその無尽蔵ともいえる戦力で攻撃を仕掛けられるだけの準備を整えるまで持ちこたえればいいのに、確かに硫黄島の敵兵は死に物狂いともいえる程に毎日毎日攻撃を仕掛けて来ていた。

そう思えば、明らかにおかしい。

 

それに、あれほどの攻撃を仕掛けて来ていたのならば各種物資が尽きていてもおかしくはない。

12万もの兵士を戦わせるだけの物資の備蓄があったとすれば、それが8万~7万に減ったと考えると、その失った兵力に回すはずだった物資を回せるから1、2か月は更に持ち堪えられる。

態々兵力も物資も無駄に使う、あんな無茶苦茶な攻撃を仕掛ける必要性が無いのだ。

 

それがただ一、二度程度ならばまぁ出来なくもないかもしれないが毎日毎日昼夜問わず攻撃を仕掛けているのだから当然、物資は尽きるに決まってる。

 

更に付け加えて言えば、あくまでも予想でしかないが我々が行った艦砲射撃や爆撃によって敵の物資集積所を吹き飛ばされていた、と考えると更にあれほどの攻撃を毎日行っていては遠からず全ての物資が底を着く。

 

 

 

 

「理由も大事だが今一番に大事なのは兎に角、敵の攻勢を凌ぐ事だ。航空隊には交代で支援に当たらせろ。夜間は照明弾を撃ち上げて視界を確保するのだ」

 

「照明弾は敵にも視界を与える事になりますが」

 

「敵は発砲してきていないのだろう?ならば一番に恐れるのは白兵戦に持ち込まれて泥沼にされてしまう事だ。近づかせずに撃破出来るのならばそれに越したことは無い」

 

「了解しました。直ぐに全部隊、全艦隊に通達します」

 

俺の命令により、徹底的に支援を行う事となった。

後方にも現れてきているし、対応は難しいが勝たなければ硫黄島から追い出されてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「隊長!新手です!」

 

「なんだと!?ついさっき一個大隊を殲滅したばかりなんだぞ!?」

 

「敵戦力、一個大隊と見積もられる!」

 

「弾薬の補給は!?」

 

「まだ終わっていません!」

 

「クソ!仕方が無い!総員着剣、白兵戦用意!」

 

「敵、前方60mに接近!」

 

「撃てる奴は撃て!出来るだけ近づかせるな!」

 

とある前線ではつい数十秒前に最初の敵部隊を撃破したばかりだと言うのに新たな敵部隊が、それも先程と同等程度の部隊が現れた。

つい先ほどまで戦っていたから当然、弾薬は消費してしまっているし、それぞれの兵士は空中投下による補給で送られてきた簡易物資備蓄所から補給を待っている状態だった。

中にはこの間に食事を済ませてしまおうと缶詰に手を付けようと蓋を開けたばかりの者すらいた。

 

そこに新手である。

当然、混乱する。

それでもどうにかこうにか戦闘準備を整え、迎え撃つ。

 

元々、Stg44は銃剣を着剣出来るようには設計されていなかったが元来白兵戦を行う陸軍としては余り宜しくなく、着剣出来るように強度設計を見直し、着剣出来るように改造を施した。

 

とはいえ、三十八式歩兵銃ほど強度は無い。

三十八式歩兵銃は、刺突を行う上であの形状はとても理に適っている。

 

Stg44は最初からそう設計されたわけではないので仕方が無い。

それでも改造を施されたのには、白兵戦になった場合に、態々ナイフを取り出す、なんて余裕は無くしかも面倒、と言う理由がある。

最初から着剣しておいてしまえば少なくとも白兵戦の初動に置いて決定的な遅れをとる事は避けられる、と言う理由でこのように改造された経緯がある。

 

 

 

 

 

 

あちらこちらでは、戦闘の様相は様々だ。

 

「これで最後の弾倉だ!」

 

「弾が無い!弾が無い!」

 

「補給係の奴、何やってやがんだ!?このままじゃ本当に白兵戦をしなけりゃならなくなるぞ!」

 

「遅れました!」

 

「遅せェ!早く寄こせ!」

 

紙一重で補給が間に合い白兵戦を避けられた部隊もあれば。

 

 

 

「クソ!全員白兵戦用意!突っ込んでくるぞォ!」

 

「うぉぉぉ!!」

 

「畜生!補給係の奴ら戦闘が終わったら一発殴ってやる!」

 

「ガァ!?」

 

「死ねッ!このバケモンが!」

 

補給が間に合わず白兵戦を挑まれる事になった部隊もあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵の大攻勢が始まってから、丸々2日が経った。

それでも硫黄島と言う狭い場所での8万もの大軍を投入した総攻撃だ、そう1日2日程度で終わるわけがない。

寧ろ、これほどの規模ともなれば最低でも5日は続くだろう。

 

「提督、一部の防御陣地が突破されています!」

 

「すぐに後方の防御陣地に後退させろ。兎に角、耐え続けて貰わねばならん」

 

悲鳴のように上げられてくる報告に対して指示を飛ばす。

前線の状況は、敵が殆ど発砲しないとはいえ敵の数に押されて芳しくない。

空中投下による補給は行き届いてはいるが、戦闘の混乱によってそれを適切にそれぞれの兵に行き渡らせることが出来ていない状態があちこちの部隊で問題となっている。

それの問題によって白兵戦に持ち込まれてしまっている部隊が数多い。

白兵戦になれば数の差がモノを言う。数の暴力、とはよく言ったものだ。

 

それでも、何とかして持ち堪えて貰うしかない。

 

 

 

 

さらに3日が経った。

未だに敵の攻勢に陰りが見える事は無く、前線のあちこちで爆撃、銃撃戦、白兵戦問わず激しい戦いが繰り広げられている。

 

 

 

 

8日目になった。

前線の補給係も、慣れて来たのか弾薬の補給が遅れる、間に合わないと言う事態が減ってきたようだ。

それに伴って白兵戦の頻度が大きく減少しつつある。

ただ、未だに敵の攻勢に陰りは見えない。

 

 

 

 

 

14日目。

漸く敵の攻撃に陰りが見えて来た。

そろそろ戦力に限界が来ているのか、それとも息切れを起こし始めているのか。

どちらにせよ、今はまだ徹底して防戦に努めているが、この敵の勢いの落ち込み方であれば数日以内にこちらから打って出ても問題無いかもしれない。

 

 

 

19日目。

撃破した敵の数が、凡そ7万5000ほどにまで登った。

それでも敵は攻撃を仕掛けてきてはいるが今では敵との戦闘は殆ど戦闘と呼べるものでは無く、こちらが一方的に射撃をして殲滅をしているような状態だ。

それに伴い、こちら側が攻勢に転じる事を決定。全部隊に通達をした。

 

 

その命令が出たのは朝8時頃の事であったがその日の内に、敵の殲滅が完了した、との報告が上がって来た。

その報告と同時に残敵掃討に移る事になった。

 

あれだけ苦労していたのに、こんな終わり方をするとは思っても居なかった。

何しろ、こちらは最低でもあと2、3か月は猛烈な抵抗を受けるだろうと予測していたのにこんな終わり方をすれば肩透かしを食らったような気分である。

 

まぁ、早く終わり、想定よりもこちらの損害が少なかったから喜ぶべきなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘終結後、2個師団を硫黄島の守備に置き、飛行場の修理と整備を行って連山がマリアナ諸島に対する爆撃に行く途中や帰りに何らかの故障や損傷によって不時着しなければならないとなったときの為に不時着が出来る程度にまでは仕上げるつもりだ。

それに伴って工兵隊を送り込み、北飛行場を優先して修理を行っている。

と言うのも、南飛行場は摺鉢山が近く、飛び立つ方向や着陸する方向によっては連山だと摺鉢山に激突、若しくは掠る可能性があるからだ。

 

それを鑑みて、硫黄島の飛行場は戦闘機専用となり、北飛行場のみ連山の不時着滑走路を兼ねる事となった。

 

 

硫黄島に配備されない残りの師団は日本本土で再編と訓練を実施、次の作戦に備える事となった。

艦隊は数カ月ぶりに日本本土へ戻り、全艦艇が長期間の作戦行動で、簡易な整備はしていたとはいっても機関部などは碌な整備が行えていなかったので大至急、整備を行う事になっている。

 

必要とあらば入渠して機関や主砲などを総取り換えする事も視野に入れていたのだが、敵艦隊との戦闘行動が全く生起しなかった為に全力で機関を回す事が無かったからそこまではやらなくても済みそうだ。

 

そして、俺は相変わらず膨大な量の書類に追われている。

しかも、この書類とも格闘しなければならないのにこの4週間後に南方方面と南西諸島方面、特に沖縄本島に対する視察が入っているのだ。

 

その際に、第三航空戦隊丸々と第二戦隊の戦艦3隻が態々俺を護衛する為に出張る事となっている。

選ばれた理由としては、一、二航戦が俺の視察を行うその期間に対抗演習を行うからである。

万が一、俺が指揮を執ることが出来ない状況下である事と、敵よりも戦力が劣っている、と言う想定で演習を行う事、となっていたのでそれならばちょうどこの期間に入れてしまおう、という事だった。

 

第二戦隊の戦艦4隻に関しては、戦力が敵よりも少ない状況を創り出すために引き抜かれた事と、もう一つ理由がある。

それは、遠洋航海訓練を行うためだ。

 

確かに南方方面や今回の硫黄島奪還に置いて長期間遠隔地で経験を積んだとはいえ、元合同艦隊所属の艦全てに言えるがその経験は元々日本海軍所属の艦娘や妖精達に大きく劣っている。

そこで日本本土の防衛や各地に対する防衛の為に全艦とは行かないまでも、戦艦4隻だけでも連れて行くことになった。

 

 

 

 

 

俺の予定としてはこんなものだ。

 

ともかく、硫黄島奪還作戦が成功して良かったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










お久しぶりです。
他の作品を投稿していたら思ったよりも日数が経ってしまいました。
申し訳ありませんでした。












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