暁の水平線に勝利を刻めるか   作:ジャーマンポテトin納豆

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第52話

 

 

 

 

 

作戦を決行するに当たり、北海道へ全投入予定師団を輸送しなければならない。

そうなると、本土近海で輸送任務に従事している輸送艦隊では足りない。

であるなら、南方方面へ向かう輸送艦隊から輸送船と護衛艦隊を丸々引き抜かなければならない。

 

しかし、そうなると南方方面に展開する第3、第4、第5軍が干上がりかねない。

現状陸軍は、本土防衛を担う第1軍集団、第4、第5、第7、第8軍集団。

南方方面に展開する第2軍集団。

フィリピン奪還に投入する予定である第6軍集団。

その他攻勢作戦や奪還作戦に動員する為の第3軍集団。

 

の8個個軍集団構成される。

1個軍集団は10〜15万人程度を擁し、それら軍集団がそれぞれ3〜4個軍を有する。

南方方面を例に挙げれば、

カリマンタン島、パラワン島 第8軍6個師団12万人

ジャワ島 第12軍3個師団6万人

スマトラ島 第15軍4個師団8万人

 

となっている。

陸軍総兵力は160万ほどなので、南方方面だけで飛行戦隊など諸々を含めると陸軍だけでおよそ26万人以上を数える。

実に1割以上の陸軍将兵が展開している事になる。

 

規模は差があるが、本土防衛の軍集団が最も多く、ここから師団を引き抜いて増援などを送り込んでいる。

 

フィリピン攻勢に投入する第6軍集団は今回は投入しないと決まった。代わりに第5軍集団から引き抜いて北海道へ送る。

 

 

 

と、南方方面だけで陸海合わせて約30万人以上に膨れ上がる兵士達を食わせなければならない。

莫大な量だ。

 

軽く150隻を越す輸送船が入れ替わり立ち替わりで護衛艦隊が随伴して輸送している。

今の日本が保有する輸送船の数は1300隻。

その内の1000隻余りが南西諸島、南方方面への輸送に従事しており残り300隻が日本本土や硫黄島への輸送に従事している。

しかし南方方面や南西諸島の航路は勿論だが本土近海にも敵潜水艦が通商破壊に出て来ている。

毎月の被害は総トン数で100万t以上の輸送船が沈められている。

 

戦時急造型だから、毎月50隻ほどが就役しているが輸送の度に多い月だと20隻以上が撃沈されている。

 

しかし輸送船の数が維持出来るのには理由がある。

単純な話であるが輸送船の造船数が増えたのだ。

 

と言うのも明らかに必要輸送能力と、損失に対する補填数が軍の建造能力だけでは到底、足りない事は明らかであった。

当初は出来る限り民間人には食料生産に従事してもらうべく軍が全てを建造するべく采配をしていたのだが、はっきり言えば直ぐに限界が来てしまった。

 

軍は輸送船の建造だけではなく戦闘艦艇の修理や維持の為の整備、更には航空機や戦車、野戦重砲と言った各種武器に使用する砲弾薬、予備を含めた必要部品の生産をも行わなければならず、到底輸送船建造に回せるだけの十分なリソースが無かった。

 

しかも戦闘艦艇の修理や整備ともなると、整備だけで艦種にもよるが戦艦や空母と言った大型艦艇にもなると短くても2週間、長期航海後になれば1ヶ月以上なんて当たり前だ。

毎回の輸送船団護衛任務で第一護衛艦隊は常に重整備状態。

海に出た艦艇は、余り知られてはいないが防錆塗装などを施されているとは言ってもかなり錆が浮き出る。艦全体が錆色に見えるぐらいには。

 

それら錆を全て落とし、必要ならば装甲を張り替える、なんて事もしなければならない。

装甲張り替えまで行くと流石に修理扱いだが。

 

しかも今現在海軍は、多数の浮揚作業を完了した艦艇の修理をしており、更には戦艦大和、武蔵の超弩級戦艦2隻を浮揚作業中でもある。

この作業には、とんでもない金と労力が費やされていることは以前話たが、具体的には大和だけで建造費約3兆円の凡そ2倍。

2隻合わせて12兆円にもなる金額と、海軍浮揚作業要員や各種作業員がそれぞれ2000人以上が従事している。

 

これに加えて艦艇の修理、整備、生産が加わるともなればどう考えても建造能力が低くなるのは仕方が無い事だった。

 

故に、軍は政府、簡単に言えば現状日本のトップである天皇陛下にその旨を伝え輸送船建造のための労働力として国民を募集し、建造を進める事の許しを頂いたのだ。

 

現在、20万人を超える人員が昼夜問わず入れ替わり立ち替わりで輸送船建造に従事している。

 

ただ、それによって弊害も起きている。

賃金が低いだとかそう言う問題はどこの世の中でもある問題だし、この国の経済状況を考えれば今すぐに改善する、なんて事は到底出来る事では無いので置いておこう。

 

問題は、医薬品が不足するのではないか、と言う事だ。

まず第一に痛み止めなど、手術に使う為のモルヒネや南方方面などのマラリア対策のキニーネなどの麻酔薬を含めた各種医薬品の備蓄量が低下し始めていることだ。

これが意味する事は単純に生産量よりも消費量が多く備蓄に回せていない、と言う事に他ならない。

 

最も多く使用されているモルヒネの話だ。

このモルヒネの原料はケシ、分かり易く言うならばアヘンやヘロインと言った薬物と同じ原料だ。

このケシの栽培と言うのは戦前ならば少なくとも表のルートだけならば日本、インド、中国、北朝鮮のみにモルヒネ用としてケシの輸出が認められていた。

しかしながらこの4カ国の中で国内消費量を合わせて国外輸出を行えるだけの生産量を持ち合わせていたのはインドのみ。当然シーレーン頼みの日本はすぐさまその供給が絶たれたのだ。

当然、日本も生産していたのだから問題が無い、と言う訳では無かった。

 

何しろオーストラリアなどでは比較的大規模な生産が行われていたがそれでも国内需要の一部しか満たすだけの生産量が無いのだから日本だって同じだ。

となればどうしていたか?

答えは明白、インドからの輸入である。

しかしシーレーンどころか各国との連絡すら完全に分断状態である昨今ではどうやったって輸入する事は不可能。

それでも戦線が広がり戦争が激化する度にその必要量はどんどん膨れ上がる。

 

国内生産量を増やしはしたが、それでも足りないのだ。

現在日本国内で最も生産量があるのは和歌山県なのだが、この和歌山県、太平洋側に面している。

と言うことはその生産施設などが深海棲艦の爆撃などの被害をもろに受けている。

 

それでも全国で六割の生産量を誇る。

今では生産したケシを日本海側に移された生産施設に鉄道輸送で送り込んでいるのだが足りない。

流石に違法薬物の原料ともなる為に無闇矢鱈に生産させる訳にも行かず、政府の許可が必要になってくるからおいそれと生産量を増やせなのが現実だ。

と言ってもモルヒネだけならば備蓄量を考えればあと一年ほどは問題無いだろうがそれ以上になると各地への補給が次第に困難になっていくだろう。

 

今も北海道が戦場となり消費量が爆増、南方方面も毎日の敵爆撃機などの迎撃や対空戦闘で一定以上の消費量がある。

本土だって爆撃や迎撃に出た搭乗員、兵士、民間人が怪我をして治療が必要となったら必要だし、それが毎日だ。

 

どれだけあっても足りない。

モルヒネだけではない、先ほども言ったが南方方面で発生するマラリア対策にキニーネが必要不可欠、その他の伝染病にも治療薬が必要だし、一応南西諸島や南方方面に配属される兵士達には予防接種を受けさせているがそれだけでは足りない。

 

 

輸送船建造に従事する民間人が多くなればなるほどその生産を担う人間の数が低下し、結果的にそれ以外の必要物資の生産が大幅に低下してているのだ。

 

その問題を解決するにはやはり人口増加が最も望ましいのだが、この日本の状況ではそれは望めないし今すぐに、と言う訳にも行かない。

 

 

まぁ、ともかくだ。

輸送船の数は増えたは良いが、次は護衛するための艦艇がとにかく不足していて、しかも増やせないときた。

流石に南方方面への輸送航路は未だ安全とは言い難く、その証拠が毎月の輸送船損失数だ。だから第1護衛艦隊を戦艦込みで丸々張り付けている。しかし足りない。圧倒的に足りない。

戦艦を組み込む事で足りない数を質で少しでも補おう、と言う意図もあって長門達を護衛艦隊に編成している。

 

 

アンドレアノフ諸島攻撃を行うには、北海道での反抗作戦を実施し得る陸上戦力を揃えてからで無いと出来ない、と前述したがその解決策が無い訳ではない。

ただ、かなりの博打、賭けになってしまう。

 

まず第一に、南方方面への補給を一ヶ月に限定して止める。

何故ならば日本本土近海の輸送船だけでは北海道での反抗に必要であろう十数個師団の一斉、もしくは大規模輸送に足りないからだ。

しかも中には機甲師団、砲兵師団と歩兵よりもずっと嵩張るものが多い師団も複数存在している。

少なくとも歩兵1個師団を輸送するのに、完全装備の歩兵を2万人で考えても歩兵のみで輸送船の大きさにもよるが人間だけで10隻は下らない。

そこに車両や迫撃砲、重迫撃砲、擲弾筒、重擲弾筒、対戦車火器、燃料弾薬食料を込み込みで考えれば間違い無く最低でも20隻以上は必要になる。

 

戦車師団ならばもっと増える。

何せ戦車などの重機材を大量に運ばなければならないのだからどう考えたって1個戦車師団辺りを輸送するには規模が大きくなるしその分手間やコストが掛かる。

 

 

1個戦車連隊で100両以上の戦車を有している。

基本的に戦車師団は4号戦車ないし3号戦車どちらかを4個戦車連隊+2個機械化歩兵連隊を中心に、

 

駆逐戦車大隊

4号駆逐戦車ないし3号突撃砲装備。

 

 

補給大隊

本来の正式名称は輜重大隊なのだが、分かり易さの為補給と記述している。

4号給弾車及び一式半装軌装甲兵車(通称ホハ)をそれぞれ2個中隊。

 

 

対空大隊

4号対空戦車ヴィルベルヴィント2個中隊

低空から侵入する敵機を担当

防御力向上為に天蓋を設置、機銃座は完全に装甲板で覆われている。

装弾方式を弾倉方式からベルトリンク方式に変更、50発ベルトリンクを各門750発づつ、3000発。

それに伴い狭くなった砲塔を広くするべく、砲塔リンクをティーガー戦車と同じ直径、同じものに変更。

 

 

88mm高射砲2個中隊

高高度から侵入する敵機を担当

 

 

 

偵察大隊

オートバイ及びケッテンクラートを主装備とし、ホハ、Sd.kfz.251ハノマーク装甲兵員輸送車を少数装備

 

 

1個大隊〜連隊規模の砲兵

弾着観測等に使用するべく、オートバイを装備した専門家一個偵察小隊を独自に保有

 

 

工兵大隊

4号架橋戦車、各種爆薬、地雷、測量機器等。

 

 

整備大隊

4号戦車回収車、ガントリークレーン等整備機材一式多数。

 

 

とまぁ、あげたらキリがないのでざっと主要なものだけだが、それでもこれだけの数になる。

各種部隊を少なくとも大隊規模で保有し、それら全てを纏めて戦車師団となる。

これによって1個戦車師団のそう人員数は3万人にまで膨れ上がるのだ。

 

戦車師団よりも小さい旅団や連隊と言った規模の部隊もあるにはあるが、そちらはどちらかと言うと単体で動く事はほぼ無い。普通なら敵の規模によって投入戦力を大きくしたり小さくしたりするのだが、そもそも深海棲艦の敵部隊の規模が、最低でも師団規模だから、旅団や連隊規模での投入なんて自殺行為にも等しい。

 

まぁ、もしかすると有り得るかもしれないし、と言う事で編成はしている。

この部隊らは大抵が本土駐留で師団規模の部隊のみが南方方面などに展開している。

 

単純に人員だけで3万人。

そこに戦車などの各種重機材を大量に、となると必要となってくる輸送船の数は歩兵師団輸送の比じゃない。

 

 

戦車揚陸を最も簡単に行える101号型輸送艦で輸送することを考えると積載量の関係で4号戦車ならば1隻辺り5両しか輸送出来ない。

 

師団で400両を超す戦車を輸送するには戦車だけで80隻の101号型輸送艦が必要だ。

その他に駆逐戦車、対空戦車、対空砲、ホハ、ハノマーク、ガントリークレーン、戦車回収車、架橋戦車等々……、と全てを込み込みで考えたら200隻の101号型輸送艦、それに戦時急造型輸送船を20隻ほど。

 

しかもこれを3個機甲師団分用意しなければならない。

まぁ、一つ分用意して繰り返し送り込めばいいのだがそれだと兎に角急がなければ時間が掛かる。

 

まぁ機甲師団だけならばまだいい。

101号型輸送艦は作戦の時以外は本土近海でしか活動していないから集めるのに苦労しない。

 

問題は輸送船の方だ。

一応、本土近海にもあるだけ掻き集めればそれでも300隻ぐらいはある。

 

1300隻ある内の300隻だから多い様に感じるが、砲兵師団の事も考えると足りない。

一度では無くとも、せめて2回程度で全ての部隊を輸送し切ってしまいたいのだ。でなければアンドレアノフ諸島攻撃作戦が間に合わない。

 

足りない輸送能力をどうするか?

新たに建造される輸送船を待っている時間は無い。

 

ならば答えは簡単、南方方面への輸送に従事している輸送船を引き抜くしかない。

 

1000隻が入れ替わり立ち替わりで南方方面へ向かっているのでその内の250隻ぐらいなら引き抜いても問題は無いであろう、と判断。

無理をさせてしまう事は重々承知の上だが、それでもやらねばなるまい。

 

「通信長」

 

「はっ」

 

「中代大将に連絡。輸送船250隻を南方方面へ向かう輸送船の中から引き抜いても良いか聞いてくれ。返信は早急に」

 

「それと長門以下第1護衛艦隊に次の南方方面への輸送は常時の2倍の輸送船を伴わせろ。何がなんでもこの作戦には第1護衛艦隊が必要だ」

 

「あとは全国の北海道増援に向かう各師団や部隊に準備を1週間で終わらせ、指定された港湾に直ちにに向かう様に命令。全て暗号で送る事を忘れるな」

 

「了解しました」

 

通信科長に急ぎ送るよう、言うと駆け足で通信室に走って行った。

 

「提督、反撃の時間ってこと?」

 

「そうだ」

 

飛龍に聞かれ一言、頷くと艦橋で歓声が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

すぐに作戦会議を始める。

作戦の準備に取り掛からねばならないからだ。

 

「さて、では作戦説明をするが、今回の作戦は秘匿性が高く皆に詳細に知らせる事は出来ない」

 

騒つく会議室の皆を手で制し、言葉を続ける。

 

「申し訳ないと思うが、これが必ず勝利へと繋がると信じて耐えてほしい」

 

頭を自然と下げてしまう。

頭を軽々と下げるのは良くない、と鳳翔に散々言われたがやはり尊大な態度って言うのは慣れない。

 

「提督、頭下げちゃダメって鳳翔さんにまた怒られるよ?」

 

「分かっている。だが下げる時に下げて何が悪い」

 

「今は下げる時じゃ無いでしょ。今は、提督が私達に命令を下せばいいだけ。違う?」

 

「……そうだな、その通りだ」

 

「ほら、なら作戦説明して命令出さないと。じゃないと誰も動けないって」

 

飛龍に後押しされる形で作戦説明が始まる。

 

「諸君らには、囮になってもらいたい」

 

「我々一航戦が、ですか」

 

「いいや、一部を除いて第一機動艦隊全てだ」

 

「なっ……」

 

「それは……」

 

「提督、詳細な説明をしてもらっても良い?」

 

「あまり詳しくは言えないが、深海棲艦の連中に主力がここに居る、と誤認させ、大規模反抗作戦を企てていると思い込ませたい」

 

この作戦は、アンドレアノフ諸島の件を伏せて説明せねばならない。

 

それらを省いて説明したとしても少なくともここにいる面々は、

 

(ははぁ、なるほど。提督は何処か別の場所、恐らく敵の後方拠点への攻撃をする為にこの作戦を練ったのだな?)

 

と感づいている筈だ。

でなければ艦隊の参謀なんかに選ばれたりはしない。

 

「第一機動艦隊には、俺の将旗を掲げて第一護衛艦隊共々、敵艦隊をどうにかして引き付けておいて欲しい。方法はなんでも構わん。出来るだけ受ける被害を少なくしてくれればいい」

 

「将旗を掲げるのは納得ですが、提督は何方へ?」

 

「それは言えん」

 

「失礼しました」

 

「構わん」

 

「提督、一部と仰られましたが、その一部とは?」

 

「金剛、霧島、リシュリュー、ビスマルク、ティルピッツ、ヴァンガードの6隻を主力とした高速艦隊だ。空母は防空と対潜目的で隼鷹のみ。随伴艦は一水戦。以上だ」

 

「戦艦主力、ですか」

 

「我が艦隊の防空は?」

 

「第一護衛艦隊を穴を埋める形で付ける。艦隊速力は遅くなるだろうが敵を引き付けるだけなら問題あるまい」

 

第一護衛艦隊を引き抜いた艦の代わりに防空に当てるのだ。

単純にただ引き付けるためだけなら数が多い方がより目を引く。

 

艦隊の最高速力は一番遅い艦に合わせるとしても、回避運動の為に陣形内で増速する分には問題無い筈、と判断したのだ。

 

要は、本来の目的さえ悟られなければ構わない。

 

 

「なるほど、気を引きつけさえすれば良いのだから単純に数を増やす、と言う事ですか」

 

「そうだ。陸軍師団の輸送護衛は作戦決行までに終えるもの、とする。そうすれば輸送船団の事を気にせずに戦える」

 

「提督、なんで隼鷹なの?」

 

「どうした、不満か」

 

「あぁ、えっと不満とかじゃなくて単純に空母一隻だけなら搭載数の多い瑞鶴とかそれこそ信濃の方が適任なんじゃないの?」

 

「隼鷹を選んだ理由は単純に大きさの問題だ。流石に陽動してくれ、と言っているのにそこから信濃や瑞鶴と言った大型空母を引き抜いたら少なからず不審に思われるかもしれない。本来なら空母も付けずに戦艦のみで行きたいが流石にそれは不味いからな」

 

「なるほどねー……。了解。ごめんね、変な質問しちゃって」

 

「構わんさ。他にも疑問があるなら聞いてくれて構わん。答えられる範囲で答えよう」

 

会議はその日の真夜中まで続くことになる。

 

作戦名アンドレアノフ諸島攻撃作戦をホ1号作戦、陽動作戦はホ2号作戦、とされた。

 

 

 

編成は以下の通り。

 

アンドレアノフ諸島攻撃ホ1号作戦参加艦艇

 

 

戦艦

金剛 霧島 リシュリュー

ビスマルク、ティルピッツ、ヴァンガード

 

空母

隼鷹

 

1水戦

軽巡洋艦

能代

駆逐艦

秋月 照月 Z3 初月 陽炎 雪風 浦風 萩風 初梅 初雪 浦波 菊月 

 

 

 

 

 

 

 

ホ2号作戦参加艦艇

 

 

第1機動艦隊

 

第1航空戦隊

飛龍 蒼龍 瑞鶴 加賀 

 

第1戦隊

戦艦

無し

 

重巡洋艦

鈴谷 ザラ ポーラ

 

 

 

第2航空戦隊

大鳳 信濃 阿蘇 葛城

 

第2戦隊

戦艦

無し

 

重巡洋艦

熊野 アドミラル・ヒッパー プリンツ・オイゲン 

 

第2水雷戦隊

軽巡洋艦

矢矧 

駆逐艦

若月 霜月 春月 村雨 時雨 響 朧 

 

 

 

 

第3航空戦隊

隼鷹 飛鷹 グラーフ・ツェッペリン アークロイヤル

 

第3戦隊

戦艦

リットリオ ローマ 

重巡洋艦

青葉 古鷹 

 

第3水雷戦隊

軽巡洋艦

多摩

駆逐艦

宵月 満月 Z1 初雪 浦波 菊月 望月 望月 Z3 村雨 霜月 春月

 

 

 

 

 

第4航空戦隊

 

鳳翔 大鷹 神鷹 海鷹 龍驤 千代田 

 

第4戦隊

 

戦艦

長門 日向 クイーン・エリザベス ウォースパイト ラミリーズ ネルソン デューク・オブ・ヨーク

 

重巡洋艦

那智 羽黒 愛宕 摩耶 最上 キャンベラ ゴトランド デ・ロイヤル

 

軽巡洋艦

名取 鬼怒 天龍 龍田 神通

 

駆逐艦

花月 涼月 グレカーレ リベッチオ ジャーヴィス マエストラーレ 

東雲 白雲 浦波 狭霧 子日 有明 海風 江風 峯雲 霞 藤波 沖波 清霜 白雲 有明 長月 荒潮 親潮 黒潮 竹 桃 椿 楓 樺 楠 

 

 

 

 

 

以上の様になった。

一航戦は二、三と行動を完全に共にして引き抜かれた艦艇の不足を第一護衛艦隊の各艦が補う形になる。

 

何故一航戦から丸々一水戦を引き抜いたのか、と言う疑問に関しては単純に各戦隊から引き抜くと個艦単位での連携などに不安が残るからだ。

 

水雷戦隊単位ならば今までの作戦で何度もやってきたから問題ないだろうが、それぞれから引き抜くとなると不安なのだ。

本来ならばそうした方がいいのだが今回は連携訓練が出来ない。

ならば水雷戦隊単位で引き抜いてしまった方が手っ取り早く尚且つ確実なのだ。

 

こちらは常に余裕の無い戦いをせざるを得ない状況だから、致し方無くと言う訳だ。

 

 

 

 

これらが決まってからは兎に角早かった。

中代大将からの許可も得て、長門達は通常の2倍の数の輸送船を伴い次の船団護衛任務で本土を出港。

 

既に輸送船を引き抜き部隊や機材の大規模な積み込みを始めていた陸軍師団は翌月頭には出港可能となるだろう、と連絡を受け取った。

 

 

さて、その前に。

第35特別戦車隊隊長ツェーザル・ベルガー大佐

 

第2実験戦車大隊隊長マルクス・ランゲ大佐

 

両名からの要請である補充機材を先に送り込まねばならない。

この両名とは、電話によって話をしただけだが部隊の状況を把握するべく各部隊長と面談をした時の事だ。

 

はっきり言って、この両部隊は酷い有様だった。

深海棲艦からの度重なる侵攻を何度も何度も食い止め続けた彼らは消耗し、辛うじて戦車搭乗員や歩兵の損害は少なかったものの失った機材があまりにも多すぎた。

 

第35特別戦車隊はティーガー15両中11両が行動不能状態、戦車回収車に引っ張られこの部隊の防衛戦である場所にまで撤退したは良いが駆動系をやられてしまい野戦整備ではどうしようもなく本格的な整備をせねばならない状況に陥っている。

戦闘によって3分の2以上が行動不能になってしまったと言うことだ。

 

第2実験戦車大隊はパンター30両中13両が擱座、ないし撃破されて行動不能。

現在修理中の車両が4両なので現在動かせるのは僅か13両のみ。

 

両部隊とも大幅な戦力低下を強いられてしまっている。

しかしだからと言って撤退することも出来ない。

 

幸いなのはどの車両も非戦闘時の損耗が無かった事だろうが慰めにもならない。

そこに俺から電話が掛かって来たのだから、補充機材を兎に角大至急寄越して欲しい、と泣き付かれたのだ。

 

このままでは防衛線の維持どころか戦闘すらままならない、人員、機材全てを兎に角早く寄越してほしい、と。

 

あんな悲壮な声で言われてはこっちも堪らない。

元々補充の人員や機材を送り込む手筈は整っていた。

 

ただ、生産が追い付いていなかった事、戦車兵達の練度が若干不足気味であり戦線投入が憚られた事などが重なって出来なかったのだ。

 

しかし流石に前線の指揮官からそこまで言われてはどうしようもない。

取り急ぎ、人員はともかく失った分の戦車だけはなんとか数を揃えて送り込むことに。

戦車兵達は脱出するなりして生き残っているから、戦車さえあれば戦える、と言う状況だからだ。

 

増援のパンターとティーガーは訓練をあと二週間施せば前線投入しても問題無い、と聞かされているからそれまで保たせればいい。

今現在、それぞれ30両ずつが訓練中なので、訓練が終わればティーガーとパンター、30両ずつ増える事になる。

整備兵も纏まった数を育てているし整備機材の方も数は揃えてある。

 

他には防衛線に展開している3個歩兵師団へ武器弾薬を大量に送り込んだりすればいい。

兎に角防衛に努めよ、と命令してあるのと、前述の両戦車部隊が進軍中の敵部隊を航空戦力と共同して攻撃して減らしているのもあって確かに損害は負っていたが、それでもまだ戦える状況だ。

 

兎に角、あと最低でも半月程度は彼らになんとかして防衛線を維持し続けてもらわねばならない。

 

 

 

 

 

 






修理及び浮揚作業中艦艇一覧


戦艦5隻
 
大和(浮揚作業中)
 
武蔵(浮揚作業中)
 
比叡(訓練中)
 
榛名(訓練中)
 
山城(修理中)
 
 
 
重巡洋艦3隻
 
足柄(訓練中)
 
筑摩(訓練中)
 
加古(訓練中)
 
 
 
 
 
軽巡洋艦4隻
 
大井(訓練中)
 
阿賀野(訓練中)
 
酒匂(訓練中)
 
由良(訓練中)
 
 
 
 
 
駆逐艦19隻
 
磯風(訓練中)
 
時津風(訓練中)
 
山風(訓練中) 
 
江風(修理中)
 
初春(訓練中)
 
若葉(訓練中) 
 
初雪(修理中)
 
綾波(訓練中) 
 
夏雲(訓練中) 
 
暁(訓練中)
 
雷(訓練中)
 
電(訓練中)
 
夕雲(修理中)
 
長波(訓練中)
 
大波(訓練中)
 
涼波(訓練中) 
 
柿(訓練中) 
 
梨(訓練中) 
 
雄竹(訓練中)
 
 
 
 
 
潜水艦9隻
 
伊154(訓練中) 
 
伊158(訓練中)
 
伊174(訓練中)
 
伊175(訓練中) 
 
伊176(訓練中)
 
伊178(訓練中) 
 
伊179(訓練中) 
 
伊183(訓練中)
 
伊185(訓練中)
 
 
 
海防艦7隻
 
占守(修理中)
 
国後(修理中)
 
石垣(修理中) 
 
松輪(修理中) 
 
佐渡(修理中) 
 
対馬(修理中)
 
三宅(修理中)
 
 
 
給油艦6隻
 
神威(訓練中) 
 
速吸(訓練中)
 
鷹野(訓練中)
 
龍舞(訓練中)
 
塩瀬(訓練中) 
 
高崎(訓練中)
 
 
 
給料艦1隻
 
間宮(訓練中)
 




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