暁の水平線に勝利を刻めるか   作:ジャーマンポテトin納豆

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第75話

 

 

 

 

 

 

合戦飯を食い終え、1時間半ほどした頃。

 

「江風より入電!『我対空電探感有リ!方位045、距離280km、高度約4000、約350km/h、機数230~250機!』」

 

「浦風より入電!『我対空電探感有リ!方位091、距離300km、高度約3500、約350乃至370km/h!機数200~220機が急速接近中!』」

 

艦隊外苑を守る7水戦が敵機を見つけたらしい。

 

「方位045の敵編隊を1群、方位091の敵編隊を2郡とし、以降の呼称とする」

 

「戦闘機は全機発艦、こっちは空母3隻、それも打たれ弱い

 

「機数が多い、心して掛かれ!」

 

「提督、試製陣風も向かわせますか?」

 

「当たり前だ、その為の増加試作機だぞ」

 

「はっ、了解しました」

 

「陣風と、薄殻榴弾搭載の烈風は2郡へ、残りは全て1群に向かえ。輸送船団に敵機迎撃開始を打電、警戒させよ」

 

「はっ」

 

186機の戦闘機全てが全力出撃だ。

 

2郡には84機の陣風と烈風が、1群には102機の烈風が迎撃に向かった。

数の上ではそこそこのものだし敵機もただでは済まないだろうが、これが2波3波と続けば不味い。

 

次々と突破されてしまう。

 

「この攻撃隊の規模から見て、間違いなく空母が4隻、いや5隻は確実に居るな」

 

「そうだね。この攻撃隊の機数を考えたらもう1波ぐらい来そうなもんだけど」

 

「多分な。残りの2隻は護衛の戦艦と言ったところか」

 

恐らくは、随伴艦の中に今まで確認されている中でも最も強力な対空火力を持つ、防空巡洋艦辺りが多数含まれている筈だ。

戦艦の対空火力がずば抜けて高い事は言わずもがなであるが、今回はその戦艦が少ないから穴埋めをするために必ず多数いる。

 

しかもその防空巡洋艦はこちらの20.3cm砲よりも小さく、単発の火力ではこちらが勝る。

しかし15cm砲ほどの口径に加え、優秀な各種装填機構や射撃装置、薬莢方式による装填によってこちらの防空の要である秋月達の主砲射撃速度を凌ぐ。

 

それに射撃速度が速い事と、初速が速いために対艦火力も高い。

投射火力量と、攻撃力だけでは主砲5基を搭載していた頃の我が重巡組を凌ぐ。

 

戦艦であれば相手取るのはなんてことも無いが、艦上構造物が軒並み大損害を食らうのは間違いない。

そうなれば長期の入渠を余儀無くされてしまう。

 

そんなのに守られている空母への攻撃など、攻撃兵力である流星の数が少ない現状では攻撃隊の事を考えれば出来る事ならやりたくないのは事実だ。

 

「今は防御に徹する他、無いか」

 

「攻撃隊を編成する事は出来ますが、対潜警戒中の流星全機を呼び戻し全力出撃としても、36機しかありません。これでは敵艦隊に有効打を与えることは望めないでしょう」

 

「温存するしかあるまい。対潜警戒の方は?」

 

「今のところ報告はありません。潜水艦による迎撃網を張っていてもおかしくは無いと考えたのですが……」

 

敵潜水艦の動向が相変わらず不明だ。

潜水艦はその特性上、敵味方双方の動向を掴み辛いが、今回ばかりは艦隊に襲い掛かってくるであろうと読んでいたのだ。

 

なんせ豪州作戦、正確には豪州方面へ向かう我が輸送船団に対する敵潜水艦の活動が余りにも低調であるから、どこかに隠して別の機会を狙っているのではないか、と考えていた。

仮に温存策を採っていたとすれば、そこにパラオを目指す我が艦隊と輸送船団があるのだから、どちらかを狙ってくると考えたのだ。

 

しかし敵潜は1隻も見つからない。

流石に、こちらに都合が良過ぎるのではないか、と皆が何かの罠であることを警戒しているのだ。

 

「兎に角今は、敵潜の警戒を怠るな。空襲中ならまだいいが、迎撃隊の収容中に襲われたら堪ったもんじゃない」

 

「はっ」

 

「迎撃隊より入電!『我敵機ト会敵、コレヨリ戦闘開始ス!』」

 

「続けて報告!迎撃隊よりト連送受信!」

 

「始まったか」

 

艦隊に到達するまで、迎撃隊を加味すれば30分と言ったところ。

 

「対空戦闘用意、今回は装甲艦隊とは違って大鳳以外は打たれ弱い。1機も通すな、全て叩き落せ」

 

隼鷹と飛鷹は正規空母に負けぬほどの能力を有しているが、それでも大鳳や信濃と言った装甲空母と違って兎に角撃たれ弱い。

一応全空母には250kg爆弾ぐらいならばギリギリどうにかなる程度の装甲が飛行甲板に備えられているが、今の深海棲艦の急降下爆撃は500kg爆弾が主武装だ。

 

元々の設計が装甲空母ではないから下手に飛行甲板に装甲を施してしまうと、トップヘビーになり過ぎてしまう。

それだと、被弾や波浪の際に復原性能が低下し簡単に転覆してしまう。

バルジがあるとはいえ、ギリギリのところが対250kg爆弾と言うわけだ。

無いよりはマシ、それぐらいの認識だ。

 

とは言え、今回も狙われるのは大鳳だろう。

なんせ大和並みに大きい艦隊に加え、飛行甲板は防弾積層ゴムを張り巡らせているから木目では無く、難燃性の軍艦色で塗られているから、それはもう兎に角目立つ。

 

一度、本土各地の視察で彼女らの上を連山で飛んだことがあるが、大和や武蔵は確かにその巨体故に目立つのだがそれ以上に大鳳と信濃は目立っていたし、なんせ見てしまう。

周りの艦の甲板が木製であるのに、2隻だけが違うのだから目立って当然だ。

勿論心理的には、どうしても大鳳を狙いたくなる。

デカく、周りと違う見た目をしているからだ。

 

だから今回も大鳳が集中的に狙われるだろう。

勿論、そのための装甲空母なのだが。

 

機銃や対空砲は勿論装甲に守られているし、それらが備え付けられているスポンソンは突貫ではあるが装甲で覆っている。

乗組員が露出するのは見張り員や飛行甲板で作業する整備員、応急班などぐらいだ。

大鳳と信濃はその特性故に狙われ易く、そしてこちらも狙われても問題無いように飛行甲板や機銃、対空砲には装甲を施していたが、それ以外の通路など戦闘中に乗組員が行き来する場所は剥き出しであった。

 

これでは機銃や対空砲を守る事が出来ても、伝令や機銃弾を運ぶ兵士達は守ることは出来ない。

生身では爆風や爆炎ですら致命傷になり得る。

 

これで弾を運ぶ兵士が死んでしまっては弾が届かなくて結局戦えなくなってしまう。

だからスポンソンやそれらを繋ぐ通路を全て装甲で覆ってしまえ、と言う事になったわけである。

バリクパパンでそれらの改装を修理と同時に受け、今回が初実戦である。

 

同様の改装は信濃も受けている最中である。

 

単純な装甲では防ぎ切れないので防弾ゴムと装甲を3層に重ねた多層装甲でもって薄くても機銃弾は十分に防ぐことが出来る防御力を有している。

とは言え爆弾やロケット弾の直撃は防げないので、あくまでも爆炎爆風、破片と銃弾を防ぐのが主目的だ。

 

 

 

「全艦対空戦闘用意!各艦三式弾撃ち方用意!戦艦は距離300に初弾照準、次弾照準250、最終弾は200。重巡は150、次弾100に照準合わせ。軽巡、駆逐艦は100に合わせよ。照準距離に入り次第各艦は撃ち方始め。4号対空戦技の準備」

 

その命令が伝えられると、各艦の主砲が敵機編隊方向へ向けられ、主砲身は仰角を取る。

100で敵機に対して各艦の対空砲に加え、軽巡と駆逐艦の主砲である10cm連装高角砲が一斉に火を噴き弾幕を形成することになる。

 

敵機は高速、一々照準を追っていては狙いなど付けられない。

であるならば、敵機の進行方向の空域全てを切り取るようにそこに対空砲弾と機銃弾を撃ち込んで網を張り絡め取ってしまえばいい。

 

そうすれば全てとは行かぬとも、普通に狙って撃つよりは撃墜は容易になる。

 

『新たな敵編隊を確認、方位063!距離290km、高度3500~4000!速度約370km/h、機数約150!』

 

「やっぱりまだ居たかァ」

 

「迎撃隊は、艦隊が対空射撃開始後、速やかに第3群の敵機編隊を迎撃するよう打電」

 

「やっぱ空母3隻じゃ5隻の敵空母相手はきっついねぇ」

 

「敵機を全て叩き落してしまえばいいだけのことだ。艦載機の無い空母はただの浮かぶ箱でしかないのだからな」

 

「そりゃそうだ」

 

「迎撃隊より入電、『敵敵第1群約100機艦隊ヘ向カウ、警戒サレタシ!』」

 

「迎撃隊より更に入電!『敵第2郡約70機迎撃ヲ突破、艦隊ニ向カウ、警戒サレタシ!』」

 

どうやら、試製陣風と薄殻榴弾搭載型の烈風は遺憾無くその威力と実力を発揮したらしく、数は少ないながらも3分の2を撃墜破したらしい。

薄殻榴弾の攻撃力は折り紙付きで、敵の4発重爆でも主翼を狙えば一撃で叩き落せるし、胴体でも当たり場所と命中した弾数によっては機体が真っ二つになるほどの威力だ。

問題は、数を揃えられていないと言う点であるが、それも解決の目途は立っている、と言うより既に生産工場は多数が建設済みで、後は陣風の生産と烈風の改装を施せばよいだけだ。

 

 

 

敵機の来襲を構えていると、戦艦3隻の主砲による対空射撃が始まった。

その砲声は何時もと違い3隻だけではあるが、あまりにも大きくそして頼もしいものだ。

 

距離は離れている筈なのに、身体の内側を揺さぶられるような衝撃と音は何度体験しても慣れることは無いだろう。

 

双眼鏡で覗くと、弾着と同時に30km先の空に次々と三式弾が炸裂し周囲を3000度で焼き払う。

 

結果的に30機ほどを撃墜破させる事が出来たが、70機がこちらへ突っ込んでくる。

 

艦隊の対空砲の射程に入ると、陣形外苑の駆逐艦から次々と10cm連装高角砲が発砲炎を次々と噴かす。

硝煙によって辺り一帯が煙くなっているのは何時もの事だろう。

 

双眼鏡を覗くと対空砲の弾幕に絡めとられた敵爆撃機が次々と落ちていくが、全てと言う訳ではない。

低空から迫る敵雷撃機には大量の機銃火箭が伸びている。

 

「上手い事機能してるみたいだね」

 

「あぁ」

 

この対空射撃の肝の部分は、単純なものだ。

1機事に狙いを付けられないと言うのならば、空域を切り取るように敵機進路上に機銃、対空砲弾を大量にばら撒き、絡め獲る。

 

とは言えこの対空射撃の本来の目的は、敵機の撃墜では無く敵機の妨害にある。

CIWSの様に火器そのものが高性能なレーダーや射撃指揮システムに制御されている訳ではない、今の艦隊は結局装填を自動化しても照準や射撃は人力に頼らねばならない。

 

しかも電力で動いていると言っても、やはり最高速度に近い速度で突っ込んでくる敵機に照準を付けるのは至難の業、しかもそれが回避を行いながらなのだ。

予測進路を立てる事がどれだけ難しい事か、当事者にならなければ到底理解し得ない。

 

そこで、敵機を撃墜すると言う考えではなく敵機の攻撃さえ阻止してしまえば良い、と発想そのものを大きく変えたわけである。

結局のところ、敵機に爆弾や魚雷を捨てさせるか突入を妨害して失敗させてしまえば、無力化となる。

撃墜そのものに固執しなくても、より有効に対空火力を迅速に目標へと割り振り、早期の無力化が出来る訳である。

 

 

 

これの発案者は艦隊防空の要の一翼を担う涼月だ。

 

元々彼女を始めとした防空駆逐艦に類別される艦娘達は、砲雷撃戦に置ける戦技研究に対しては他艦隊に任せ、要とされている対空、防空にその全てを注いで貰っていたし、彼女達もそれが本懐である、として乗組員一同航空機の脅威を、実戦や演習で嫌と言うほど叩き込まれた連中だからこっちが引くぐらいの熱意を以て当たってくれていた。

 

ただ、その彼女達でもやはり次々と高速化する敵機への対応には苦慮するしか無く、どれだけ図上演習や洋上を重ねても一定以上の効果を発揮する事が出来ないでいた。

想定している状況の中でも、特に厳しいのは戦闘機による航空支援、所謂エアカバーが無い時は兎に角酷い、と秘書艦を務めていた時に聞いたら零していた。

 

船団護衛任務を、エアカバー無しの状況とし、その状況で敵機に襲われた場合を想定した。

 

洋上演習では20隻の船団を護衛した状況を作り、護衛には秋月達10隻を筆頭に戦艦4隻、重巡3隻、軽巡3隻、駆逐艦6隻の計26隻による護衛艦隊を編成し、護衛に当たった。

護衛戦力としては、額面上の数は輸送船団よりも多い数であるから中々充実した戦力と言えよう。

まずもって中々無い状況下の、数だけで見ればかなり良い条件の船団護衛任務だと言える。

 

 

 

開始された演習は、攻撃側空母4隻と戦艦2隻が参加した。

他には重巡が2隻に一個水雷戦隊と、機動部隊にしろ船団攻撃任務にしろ、ごく普通のなんら特別でもない編成と言える。

 

敵機は3波に分かれての計360機、1波当たり120機ほどと空母対空母の戦いからすればそう多くは無い機数ではあるが、輸送船の足に合わさざるを得ない最高速力25ノットの航空支援の無い輸送船団にとっては「死」そのものと言ってよい。

 

輸送船団にこれほどの戦力を出すのか、と言う疑問であるが、恐らく軍事教育をしっかりと受け、補給の重要性を重く認識している指揮官ならば例え正規空母を含めた艦隊を投入してでもこの船団を叩く筈だ。

 

なぜなら、この20隻の船団に、例えば食料や水、燃料弾薬各種部品が満載されていたとして、その送り届ける先が戦況逼迫下にあり、

 

『その補給があれば適切な治療で傷病兵を救うことが出来、戦線復帰や必要ならば後送と将兵の命を救う事も、そして戦線崩壊そのものを防ぐことが可能である』

 

と想定すれば、正規空母や戦艦を何隻も投入してでも叩く優先順位度は遥かに高い。

想定し易い状況下としては、かの大戦におけるフィリピン決戦や、それこそガダルカナル攻防戦を想定しても良いかもしれない。

いや、戦略上の重要度を考えればマリアナや硫黄島の方が正しいかもしれない。

これらの戦いも、海上での戦いはまだしも陸上の戦いは、特に初期段階での航空兵力は、米軍側250~300機、日本側170機と語られるほど旗色の悪い戦いでは無かった。

寧ろやりようによっては各地から精鋭を掻き集めた部隊でもあったから十分に可能性は有り得たと言えなくもない。

 

これに十分な補給と増援があれば、戦いに勝つことは出来なくても最低限拮抗状態に持ち込める。

そう仮定した場合、輸送船団の重要度は遥かに高くなる。

 

この輸送船団を叩けば、真っ向から戦った場合、陸戦で消耗する兵力や装備、時間等と考えればその損耗を被らずに、もしくは遥かに少ない損耗で突破が出来ると考えれば戦果は単純に戦艦を何隻沈めただとか、空母を何隻沈めた、敵機を何十機落としただとかよりも圧倒的に戦略や戦術上での意味は大きい。

後々の戦いに、損耗しなかった分の兵力をそれだけ投入出来るし、物資の消耗も抑えられるから作戦の前倒しやより入念な作戦準備に作戦立案だって出来る。

 

360機もの航空機を投入する物量はあるのか、と言われれば深海棲艦の物量であれば、全く可笑しくない規模の航空攻撃だ。

実際問題、スラウェシ島を奪還するまでの、輸送船団に対する攻撃はこの想定すら甘い、倍の数による攻撃などザラであったのだから、母艦航空兵力だけでも十分以上に捻出は出来るだろう。

 

それに、航空支援が無い艦隊への攻撃など、実戦経験の乏しい新兵達からすれば貴重な実戦経験に加えて敵艦隊を撃滅したと言う確固たる自信を与えることになる。

自信過剰や自信欠乏と言うのは毒であるが、適度な自信を持つと言うのは悪い事ではなく、これが敵にあった場合なんとも恐ろしいことだ。

 

 

 

結局この洋上演習の結果がどうなったか、と言うと輸送船団20隻中18隻が轟沈、残る2隻も大破によって物資全損と言う、消滅に等しい損害を被った判定を下された。

戦艦が4隻居ようが、船団よりも多い数で護衛しようが結局航空機による波状飽和攻撃の前では全く無力に等しいと言う事が証明された訳である。

護衛艦隊も殆ど大打撃を被り、生きて帰ってこられたとしても向こう1年は行動不能の痛手だ。

 

この演習で得た戦訓は、例え30機程度の少数であろうと空母乃至基地航空隊による航空支援は必要不可欠、そして従来の方法では艦隊防空、特に艦隊による対空戦闘は効果薄と言う重大且つ早急に対策をせねばならない、と言うものであった。

 

結果として、防空の要を担う秋月達防空駆逐艦と各艦種より2名づつを出した防空戦技科が本格的に組織され、そこで防空、対空戦闘の研究が始まることとなる。

そこで涼月が考案したのが、今我々が行っている対空射撃だ。

 

正式な名前は付けられていないが、仮称として四号対空戦技と呼ばれている。

 

 

 

今のところの問題点としては、消費弾薬が多い事と、確実に防ぐには戦力不足であることぐらいだろう。

実際火力不足であることは事実であるし、結果として先の海戦で一航戦は防空網を飽和攻撃によって突破され、軒並みやられている。

 

解決策は単純に、各艦の対空火力を増強することであるが、これは無理だと言わざるを得ない。

現状各艦には運用上の問題が出ない程に機銃や対空砲を所狭しと増設しているのだ、これ以上やるとなれば運用に支障を来たしてしまう。

 

今のところの案としては、重巡か軽巡の中から数隻、防空特化に改装を施しては、と言う案が出ている。

主砲を全て降ろして、その代わりに連装高角砲や機銃を載せる訳である。

こちらの方が現実的であるし、何より実現そのものが十分に可能であると試算されている。

 

問題と言えばどの艦が、その改装を受けるのに適当であるのか、と言う事だ。

重巡にしろ軽巡にしろ雑に選んでは意味が無い。

 

纏まった数を搭載可能で、何よりも艦隊防空の要を担い易い艦でなければならない。

 

 

砲戦火力が減ってしまうのは不味いのではないか?と危惧する者もいるが、結局航空機による夜戦が可能になった今、砲雷撃戦を態々挑んでやることも、挑まれてやる必要も無い訳だ。

ならば33隻とそれなりに纏まった数の巡洋艦の中から数隻ぐらいを防空巡洋艦にしてしまっても良い、と言う考えだ。

護衛艦隊、補給艦隊の3個艦隊に編成されている重巡乃至軽巡を1隻づつ、1~3航戦に編成される重巡を1隻づつ防空巡洋艦に改装することが検討されている。

 

重巡は主砲20.3cm連装砲と水上機を全て降ろし飛行甲板も廃止、代わりに10cm連装高角砲を前部3~4基、後部3~4基をそれぞれ搭載する。

これで既に搭載されている片舷側4~5基から、前後部3基づつとしても戦闘時には片舷11基にまで増える。

 

搭載した16基の10cm連装高角砲は、秋月型駆逐艦4隻分に匹敵し、対空火力不足は完璧とは行かずともかなり解消されるだろう。

今の我が軍の信管技術では言い方は悪いが極論、数撃ちゃ当たる、方式に頼らねばならない。

 

今のところ考えられているのは、重巡の中での候補として愛宕、摩耶、鈴谷、熊野、青葉辺りだ。

軽巡では能代、阿賀野、矢矧、酒匂辺りが適当ではないかとしている。

 

実際に改装が行われるのは、恐らく豪州作戦中盤以降、ある程度戦いが落ち着いてから順次となる。

 

 

 

 

 

敵機が侵入してくる進路へ、大量の砲弾と機銃弾がばら撒かれる。

どうやら多方向からの飽和攻撃を意図していたらしいが、正確な防空指揮の下で各艦の対空砲火が敵機に襲い掛かるから、殆ど艦隊外苑で食い止められている。

 

時折侵入してくる敵機もいるが、近距離での火力を担う25mm、20mm機銃の大量の火箭に絡めとられて投弾前に海の藻屑になっている。

 

空が一面黒煙で覆われ、これでよく狙いを付けて敵機を撃てるなと思ってしまうほどだ。

 

「敵機直上!」

 

「高高度からの侵入で取り逃がしたか!」

 

「機銃指向急げ!狙いはアタシら空母だよ!」

 

敵機の進路から推測するに、どうやら狙いは信濃らしかった。

 

「敵機急降下!目標信濃!」

 

「信濃艦上に弾幕!登弾を妨害しろ!」

 

信濃の真上に、とんでもない量の弾幕が形成される。

艦隊内側を向いている機銃の殆どがたった数機の敵機に対して射撃しているのだ。

 

当然、火箭に絡めとられた敵機が次々と火を噴く。

 

「敵機投弾!」

 

「問題無い、あんなフラフラで投下したんじゃ当たりゃしないよ!」

 

隼鷹が声を張り上げて次の敵機を狙うように指示を出す。

敵機が投弾した爆弾は、言った通り信濃よりも50mほど外れたところに大きな水柱を立てるだけで終わった。

 

「信濃より入電!『我敵機ヨリ3発ノ投弾ヲ受ク。ナレド損害無シ。援護ニ感謝ス』以上!」

 

「迎撃隊より入電、『我敵第3群トノ戦闘開始ス』!」

 

今のところ、被害は無い。

上手い事艦隊防空が機能してくれている。

 

「敵第2群急速接近!」

 

「対空砲、指向急げ!艦隊外苑で食い止めろ!」

 

空一面、真っ黒な黒煙で覆われ真っ赤な火箭が敵機に向かって伸びていく。

勿論それで敵機の大部分は攻撃を諦めて爆弾や魚雷を投棄して逃げていったり、撃墜することが出来るがそれでもうまい事対空砲火を掻い潜って艦隊に近付いてくる敵機もいる。

 

「敵雷撃機6、突っ込んでくる!」

 

「目標は日向の模様!」

 

「日向より入電、『我コレヨリ個艦回避運動実施、衝突ニ注意サレタシ』!」

 

「魚雷を見逃すな、確実に位置方位を伝達!各艦への報告も忘れるな!」

 

日向の艦首が向きを変える。

そのすぐに敵機投弾の無電が日向より発せられた。

 

どうやら輪形陣中心の、敵機に対して最も近い位置にある日向が狙われたようだ。

 

艦首を右に大きく振りながら、日向は回頭するが、6機同時に、それもどうやら投下の際それぞれの魚雷が絶妙に違う角度を付けての投弾だったらしくその内の1発が日向の右舷中央後部に命中、艦橋よりも高い大きな水柱を上げた。

 

被雷した衝撃で日向の対空砲と対空機銃が一瞬撃つ手を止めてしまった。

そこを、練度がある敵機は見逃しはしてくれなかった。

 

被雷した日向を集中的に攻撃を加え始めたのだ。

第2郡の残りの敵機約30機が全て日向に向けて突っ込んでいき、次々と周りに爆弾の水柱が上がる。

 

「日向上空に援護射撃!好き放題させるんじゃないよ!」

 

「敵機第3群、急速接近!既に対空砲の射程内!」

 

「撃ち続けろ!」

 

最後の敵編隊にも、猛烈な射撃が浴びせられるが、それでも全てを撃墜とは行かない。

結局二十数機の突破を許し、爆弾の直撃と被雷をして黒煙を上げる日向に攻撃が集中することとなった。

 

「日向、速力低下、26ノット!」

 

速力も既に大分低下している。

回避をするのも一苦労だろう。

 

「日向、更に被弾2!」

 

「日向への被雷1を確認!速力低下!」

 

次々と被弾と被雷の報告が上がってくる。

 

「耐えろ、日向……!」

 

水柱で日向の姿が、何度も何度も隠されるほどに攻撃は激しかった。

 

 

 

結局、空襲をどうにか日向は切り抜けたが、左舷に1発、右舷に3発の被雷、艦首から艦尾までに掛けてまんべんなく7発の被弾となった。

被雷による浸水によって右舷に8度の傾斜がある状況であった。

これではどう考えても作戦への参加を続行出来る事は不可能だ。

 

それでもバルジの防御力と決死のダメージコントロール、機関部への浸水だけは死守したことで24ノットの発揮は可能であったが、対空機銃と対空砲は被弾の際の断片や爆風で殆ど使い物にならず、主砲こそ4基とも全て射撃可能であったがこれ以上の被弾、被雷は危険であると判断し、春月と満月、有明を伴っての後退を命じた。

 

兎に角、敵空母の数の予想からして、これで一旦攻撃は打ち止めであろうと判断、最低でも5時間ほどの猶予はあるとし、迎撃隊を収容、すぐさま補給と休息を取らせて次の攻撃に備えさせた。

 

しかし敵もそれで攻撃を終わらせてくれるような相手ではなかった。

 

次に攻撃を受けたのは輸送船団だった。

航空攻撃ではなく、敵潜水艦群による攻撃である。

 

船団を護衛していた千代田の艦載機が比較的離れたところで発見し、即座に対潜警戒態勢を敷いた事で、今のところ被害は出ていないが数が多く何時何が起こるか分からないと言う逼迫状況である。

千代田艦載機は対潜爆弾を装備し、引っ切り無しに発艦しては敵潜の捜索と爆撃を行い続けているらしく、対潜爆弾の数も余り余裕が無いと緊急電を打って来た。

 

「今すぐに各母艦から流星を4機づつ応援に出せ。輸送船団がやられるのは不味い」

 

「了解」

 

流星に対潜爆弾を装備させ、すぐに発艦させる。

輸送船団は数の割に、護衛をする艦艇の数は多くない。

 

波状攻撃を仕掛けられては、幾ら航空機があると言っても無傷では済まない。

 

5時間は猶予があるのなら、流星を出来る限り応援に出しておいた方が良いだろう。

 

「それともう4機を対潜爆弾を装備させて待機させておけ。今出て行った流星が戻ってきたら、すぐに出すぞ」

 

「我々の対潜警戒網が薄くなってしまうのでは?」

 

「こっちは守るべき船団は伴って居ない。攻撃を仕掛けられたとしても、12機の流星がまだある。駆逐艦を含めて考えれば必要最低限の兵力はある」

 

「うちらは潜水艦の魚雷を一発ぐらい喰らっても何とかなるけど、輸送船はそうもいかない。輸送船団には、戦う術の無い兵士を乗っけてんだ、アタシらが責任持って守んなきゃなんないんだよ」

 

隼鷹が中々良いことを言う。

これでは俺は形無しだな。

 

まぁ、別に良いが。

 

「敵潜水艦群の数は?」

 

『今確認されているだけでも、20隻、恐らくまだまだ増えるかと』

 

無線電話の相手は敵潜水艦狩りを行っている大井だ。

鬼怒とそれぞれ2隻づつ駆逐艦を伴ってあっちへこっちへ潜水艦に対して爆雷を落としまくっているらしい。

 

「持ち堪えられそうか」

 

『航空支援があるので、なんとか。ただ、爆雷の数にも限りはありますし、余り長くは続きませんね』

 

「この状況じゃ、爆雷の補充も受けられないしな……」

 

『どうされますか?』

 

「兎に角、そのまま敵潜水艦を狩り続けてくれ」

 

『了解しました』

 

そういうと電話を切る。

大井も昔に比べて随分と態度が柔らかくなったものだ。

 

今でこそ普通に接してくれるが、昔はまぁ、何というか恐ろしいものだった。

 

「提督、敵艦隊はどうするよ?」

 

「このままじゃぁ、こっちのジリ貧だな……」

 

どうするか。

このまま受け身で敵機を削るのも可能ではある。

 

報告によれば、迎撃に出た戦闘機は修理可能な機体ばかりで撃墜こそされていない。

 

今すぐに敵機が来襲しても120機は迎撃に出せる。

他にも修理と補給待ちの機体が100機。

 

修理不可能として部品取りと投棄が決まったのが31機。

撃墜された機体が29機で、搭乗員の救助を駆逐艦が直掩機を12機付けて行っている。

 

120機、それも全部烈風と試製陣風だから対艦攻撃能力は精々翼下に懸架出来る噴進弾か、胴体下に25番が1発。

敵艦隊に対する物としては、余りにも不足し過ぎている。

 

なにより防空を主に考えていたから50番こそ100発ほどあるが、25番は補給で受け取ればよいとして第1補給艦隊に殆ど積載している。

弾火薬庫の中には25番が30発と碌な数が無い。

 

それともう一つ別の爆弾の様なものもあるが、あれに攻撃能力は一切存在しない。

 

噴進弾は対地攻撃用にかなりの数を積載しているが、これで撃沈出来るのは駆逐艦ぐらいだ。

 

かといってこのまま敵機が来襲するであろう4時間後を呑気に待っていられるほど、輸送船団に余裕は無い。

 

「隼鷹、あと1時間でどれだけの烈風と試製陣風を揃えられる?」

 

「んぇ?そうだね……。まぁ、ざっと各艦合計で50機は出せる、かな」

 

「そうしたら、あの爆弾を流星に搭載してくれるか」

 

「えぇ?アレ使うの?」

 

「勿論だ。実験と演習では効果有りだったからな」

 

「りょーかい。何機出す?」

 

「4機でいい。護衛に烈風を2個小隊付けて、半包囲上に、30度の角度を付けて4方向から投下させたい」

 

「発艦は何時にする?」

 

「1時間後。それと同時に戦闘機隊も上げられるだけ上げるぞ」

 

「……あいさー」

 

成程隼鷹は何をしようとしているのか理解してくれたらしい。

 

俺がやろうとしているのは単純な話で、戦闘機隊を使って敵航空兵力を叩こうと言うだけの話だ。

 

戦闘機隊を敵艦隊方向へ進出させる。

勿論敵は機種など分かるはずもないから、迎撃機を出さねばならない。

 

これで正面からぶつかれば、良くて互角で、数的不利は否めない。

そこで敵戦闘機隊を分散させるのだ。

 

勿論こちらが戦闘機隊を分散させれば敵戦闘機も分散するだろうが、それでは結局意味が無い。

そこでこちらは分散せず、敵機にだけ分散を強いる方法として、陽動を行うのだ。

 

当然敵だって馬鹿じゃない、数が少なければ艦隊の対空砲火で撃墜出来るから食いついてなんて来ない。

ならどうすればよいか?

 

単純な話、敵に見えるこちらの機数を多く見せて誤魔化せばいい。

 

レーダー画面に映る機影と言うのは、基本的にレーダー波の反射を受け取って映し出している。

これはどれだけ精度が良くても、レーダー波を反射する物であれば反射したレーダー波を受け取ってしまうのだ。

 

それを逆手に取って、敵にこちらの数を多く見せるのだ。

早い話が、チャフの応用だ。

 

チャフとは対レーダー用のデコイ、囮である。

勿論金属製でレーダー波を反射するから、敵のレーダー画面には敵機が居る様に映る筈だ。

これを使って、こちらの機数があたかも数百機は居るように見せればいい。

 

そうすると、敵はどうしてもこれらを迎撃する必要がある。

なんせ、仮にチャフを使っていたとしても本当の敵機かどうかは分からないのだからな。

そうすれば必然的にそれぞれの機影群に対して割り振る戦闘機の数は少なくなる筈だ。

 

となれば、こちらは本命の戦闘機隊に向かってきた敵戦闘機を叩いた後でチャフに向かって行った敵機を各個撃破すればよい、と言う戦法である。

 

このチャフを搭載した爆弾は、10号爆弾と呼ばれている。

防御用のチャフを攻撃用に転用しただけで、実際に攻撃力は全くない。

重量があるから機銃ぐらいなら直撃させれば壊すことはできるだろうが。

 

大きさとしては80番を流用しているから、大きさは同じだが内部には薄いアルミ片を束ねた、ポンポン状のものが100個入れられている。

これを空中に散布すると開いて、ゆっくりとふわふわ落下していくのだ。

 

するとレーダーにはこれが反射して映る、と言う寸法だ。

目視するまで何が映っているのか分からない今のレーダー技術なら、十分に騙せる。

 

投下し終えたら、母体の弾殻をさっさと放り捨てて逃げてしまえばいい。

 

 

 

 

 

 

 

一時間後、まず最初に10号爆弾を搭載した流星4と、護衛の烈風8機が飛び立っていく。

すぐに流星1機と烈風2機の3機毎ばらけて、敵艦隊へ向かう。

 

そのすぐあとを170機の烈風と試製陣風が追い掛けるように敵艦隊へ向けて飛び立っていく。

これで敵には600機近い敵機がばらけて向かってくるように見える筈だ。

 

勿論仕掛けが分からないのであれば大慌てになるだろう。

なんせ空母3隻しかいないと思っている所に、どうやったって3隻どころではない数の攻撃隊が多方向から同時に向かってくるのだからな。

もし俺だったら、撤退も視野に入れるぐらいだ。

 

ついでに第1潜水艦隊と第2潜水艦隊に網を張らせてある。

混乱の最中に、雷撃を食らわせてやろうと言うわけである。

 

勿論無線暗号でやり取りすれば、解読するタイムラグはあるだろうが連携は取れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後、どうやらこの策は大成功した。

本隊である170機の我が編隊に向かってきたのはたった50機程度の敵戦闘機で、勿論170機に袋叩きにされて全機撃墜。

 

残る4方向に分散した敵機も精々40機~50程度で勿論、3倍近い我が戦闘機隊に囲まれて次々と各個撃破されていった。

これを受けて敵艦隊は撤退の動きを見せたが、そこに網を張っていた2個潜水艦隊による雷撃が加えられ、53cm酸素魚雷を数本食らった敵空母3隻を撃沈。

どうやら他にも何発か命中したらしいが、敵駆逐艦による反撃を警戒して戦果確認は出来ていない。

 

これで敵艦隊は完全に戦意を喪失したらしく、撤退を開始。

 

輸送船団を攻撃していた敵潜水艦隊によってタンカー2隻と輸送船3、輸送艦2が撃沈されたが早期に脱出したお陰で乗組員、陸海軍兵士の被害は100名ほどと数十隻の潜水艦に狙われたにしては完勝に近しい損失で乗り切った。

 

勿論臨時艦隊も駆けつけ、即座に対潜狩りを開始。

空からの脅威がある中では流石に敵潜水艦も逃げるか隠れるかをするしか無く、速力を最大にして振り切った。

 

また襲われては面倒だから、パラオ諸島に対して艦載機と艦砲射撃による絨毯砲爆を3日間行った後に陸戦隊が次々と上陸。

敵地上部隊の抵抗こそあったものの、どうやら地下陣地などの構築はまだまだであったようで3週間もすれば組織的抵抗が終わり、残敵掃討に移ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2週間もすれば、パラオの残敵掃討も終わり、整備と部隊配置を進める事が可能になった。

 

進出部隊は海軍基地航空隊を4個。

紫電改144機に、対重爆用として震電装備の航空隊1個が進駐予定だ。

 

水上機基地には哨戒と対潜用に二式大艇を8機。

 

陸上兵力は海軍陸戦隊を4個隊、1万4000名。

作戦に参加した陸戦隊をそのままと幾らかの工兵を追加で駐屯させている。

部隊の主力は歩兵と砲兵、そして対空戦車となっており、戦車は72両、自走対戦車砲は配備されていない。

代わりにパンターの砲塔を流用したトーチカを多数配備している。

 

 

工兵にはバベルダオブ島に繋がる環礁から物資揚陸用の港湾施設の建設を急がせている。

環礁にさえ入ってしまえば敵潜水艦の脅威は無い。

 

今のところ物資揚陸は大発と小発によるピストン輸送に頼っている。

と言うのも大型の輸送船やタンカーが停泊することのできる港湾施設が無いからだ。

 

正確にはコロール島とバベルダオブ島に港があったが、深海棲艦が我々の上陸前に徹底破壊をしたことで全く使えなくなってしまった。

それも輸送船やタンカーが同時に停泊することは出来ない。

 

と言うのも二つの港はどちらも浅瀬にあり、座礁してしまうから入れないのだ。

そこでサンゴ礁を爆破するのも手間が掛かるとのことで、環礁内部の沖合に向けて桟橋を建設することになったのだ。

勿論物資を運ぶトラックが並んで通れる幅に、パイプラインも引いて簡単に燃料を輸送することも出来るようにしてあるので、それなりに大きな桟橋になる。

 

今は燃料タンクも建設出来ていないので、ドラム缶に燃料を詰めてそれを大発や小発に載せてタンカーから島まで運ぶと言う方法を取っている。

勿論保管方法もドラム缶にそのまま詰めて置いてあるので、万が一そこに爆弾が直撃でもすれば辺り一帯火の海、大惨事待った無しである。

 

今最優先で行われているのはバベルダオブ飛行場のコンクリート舗装と、地下埋設型燃料タンクの建設、そして桟橋の建設だ。

 

バベルダオブ飛行場は震電が駐屯するから、コンクリートで舗装しておかないと離着陸が出来ない。

アンガウルとペリリューの飛行場は駐屯するのが紫電改だけだから転圧さえしておけばいい。

 

急いでコンクリート舗装を終えないと、震電装備部隊が進駐出来ないのだ。

 

他の2つの飛行場は後々舗装するかもしれないが、優先度は一番低い。

燃料タンクと桟橋は言わずもがなである。

 

それらが終われば、島内の防御陣地構築が最優先で進められるだろう。

太平洋における最前線なのだから、そのままと言うわけには行かない。

 

それでも各島の飛行場を整備し、3つの飛行場と1つの水上機基地が稼働状態にある。

 

敵潜水艦の攻撃で失った兵員、物資、機材は第1補給艦隊によって既に補充済み。

各種車両も十分な数がある。

 

本来はパラオを前哨基地、太平洋の監視に使用するぐらいだったのだが、太平洋側、特にマリアナへの圧力と中部太平洋方面などに攻勢を仕掛ける場合にここを補給などの後方拠点とすることが決定された。

流石にこれ以上の兵力配備は不可能であるし、輸送能力としてもこれ以上は増やせない。

だから常に稼働させるのではなく、いざと言う時、使いたいときに使える状態にするのだ。

 

こうすれば維持に必要な人員をだけを置いておけばいい。

運用に必要な人員はその時に送り込めばいい。

 

 

 

 

 

パラオが落ち着いたのと同時に、豪州でも動きがあった。

その対応をするべく、急遽豪州へと向かうことになる。

 

 

 

 

 

 

 








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烈風61機 流星12機 彩雲9機 計78機

飛鷹
烈風61機 流星12機 彩雲9機 計78機

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烈風106機 流星12機 彩雲6機 計124機


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