目が覚めるとそこはごみ捨て場だった
零「・・・・何で俺こんなごみ捨て場で寝てるんだ?」
とりあえず起き上がってゴミを払う
零「・・・・・帰ろ・・・」
てことで家に帰ってきた
零「ただいまー・・・・」
ドアを開けて靴を脱ぐ
零「零さんが帰ってきたぞー!居ないのかー?」
何時もなら小傘が走ってくるのだが・・・
零「思春期か?」
俺はリビング兼事務所に歩を進める
零「は~い!蛮奇っき、小傘ちゃんただいま~!帰ってこなくてメンゴメンゴ。ほらこれ土産!地霊温泉の地霊饅頭!」
俺が二人を見ると様子が可笑しかった
俺の言葉に反応するでもなく只キッチンを見ている
蛮奇「も~、何やってんのよ、遅いわよ?」
小傘「早く来て。お客さん来てるよ」
零「お、おぉ・・・悪い悪い。まさか客が皿洗いしてくれてるとは・・・「「百(ちゃん)!」」・・・・へ?百?」
俺は気になってキッチンを覗き見た
百「おぉ、悪ぃ悪ぃ。昨日ちょっと呑みすぎちまって・・・頭いたくてよ」
そこに居たのは俺と服は似ているものの黒ではなく白で髪も白く、更には俺とは違い寝癖一つ無い髪の少年だった
百「すいませんお客さん。見苦しいとこお見せして。俺が万事屋の風切百です。どうぞお掛けになってください。お客さん」
そう、これこそ風切百の新たな物語、東方機真録の始まりである!
零「すいません・・・。間違えました・・・」
俺は外に出る
零「んだよ、おい。寝ぼけて他所様の小説ん家に突撃朝ご飯しちゃったよ・・・。あ~、ビックリした。知らなかったぜ。あのバカ作者が新しい小説書いてたなんて・・・。かなり打ち切り臭漂ってたけど大丈夫か?第一回目からここまで死臭を漂ってんのはネタが全て他所の作品とか言う俺達以来だよ・・・。アドバイスしといてやれば良かったかな。女の子の気持ちは分かり辛いって・・・。タイトルも東方機真録って、ワケわかんな過ぎるだろ・・・。ここはメカの祓魔師(エクソシスト)ぉとかおしゃれな感じで、あの人里に居たらモブみたいな赤髪にメガネ掛けさせてホクロめっちゃ着けて主人公の妹とかにしないとお気に入り一万件は狙えねぇよ。あのオッドアイもどうせカラコンだろ・・・。どうせガキならもっとマスコットレベルまで小さくして何かの動物と一緒に踊らせときゃぁ良いんだよ。極めつけは主人公で何だぁ、あの滑かなフォルム?髪整ってたら印象に残らねぇだろ。主人公はやっぱ寝癖だよ寝癖。しかし・・・どっかで見たことあるような顔してたなアイツら・・・新小説なのに・・・」
俺は万事屋百ちゃんの看板が付いた建物を一目見てまた歩き出す
零「まぁ、良いや。帰ろ帰ろ」
そして念のためもう一度建物を見る
そろそろ本気で帰らねぇ、と・・・・何処に?
そこにあったのは紛れもなく俺の家だった
確かに青の祓魔師でもない、赤の祓魔師でもない、只の可愛いと可愛いのヘクソシストだったが・・・
あれは紛れもなく蛮奇と小傘だった
確かにタイトルこそ鬼神から機真に変わった
時代が進んだようで実際は退化した
だがしかし、この駄文に駄文を重ねた駄文!紛れもない、東方鬼神録だ
てことはこいつって爽やかな白髪さらさらヘアーって・・・風切百って一体誰なんだ!?
昨日のうちに一体何が?
俺が考えていると中から三人が出てきた
蛮奇「ねぇ、さっきの人一体なんだったんだろう・・・」
小傘「何か百ちゃんと雰囲気似てたね」
百「そうか?俺の頭はあんな飛んでないぞ?」
蛮奇「そうよね。あんたは髪も性格も生まれついてのサラサラヘアーだもんね」
三人が笑っている
いつの間にか主人公の玉座が寝癖からサラサラヘアーに変わってるゥゥゥゥ!!!!!
蛮奇「何だ、やっぱり仕事の依頼なんじゃない。急に帰るから何か言いづらい依頼内容なの?」
とりあえず俺はまた三人に話しかけて鯨呑亭に来ていた
小傘「気にせずに言って!私達万事屋は困ってる人が居たら何でも力になるよ!」
小傘って万事屋の従業員だっけ?小傘って鍛冶師兼ベビーシッターじゃなかったっけ・・・
零「へぇ・・・そうなんだ・・・。じゃあ思いきって相談しちゃおうかな・・・。実はね、あのね、一晩家を開けて帰ったら家がおかしくなったって言うか・・・小説がおかしくなったって言うか・・・、俺の居場所が無くなってて・・・」
蛮奇「なるほど・・・」
小傘「それって一晩出張に行ったら奥さんが男の人を連れ込んでたみたいな?」
零「そうそう・・・。知らねぇ男が俺のバスローブ着て勝手に冷蔵庫開けて俺のおやつ食ってたぁ、みたいな・・・」
小傘「それはムカつくね!」
零「そうでしょ?ぶっ殺したいでしょ?」
テメェら貞操概念ガッバガバのヤリマン淫乱団地妻をな!ちょっと家開けてる間にあんなヤリチンセールスマン部屋連れ込みやがって!なに考えてんだコイツ!※既にSAN値は振りきられてます
俺は百を睨み付ける
蛮奇「ま、とにかく依頼書作るから名前教えて貰える?」
零「風切零です・・・」
小傘「名前まで百ちゃんと似てるね!ひょっとしたら生き別れの兄弟だったりして」
完全に主人公の事丸々忘れてんじゃねぇか!
美宵「止めときなって。百さんと兄弟にされたんじゃお兄さんに迷惑だよ!」
百「おいおい、ひでぇなぁ・・・」
み、美宵まで、俺の事忘れてやがる!
文「百より零の方が知的そうです!」
零は文まで・・・
たった一晩の間に皆、零から百に鞍替えしてんだけど!?どうなってんだこれ!零さんとの一年間の思い出何処のマンダラケに売り払ったテメェラ!零さんとの思い出を!どうやって塗りつぶしたテメェ!しかもコイツ・・・
百「まぁまぁ、呑みねぇ、零さんとやら。血なんざ繋がって無くてもさ、酒一杯で繋がるのが男って奴さ。困ってんなら何でも言ってくれ。兄弟!」
零さんよりよっぽど主人公っぽいんだけど!?
小傘「さすが百ちゃん!だから大好き!」
蛮奇「よ!男だね、百!」
そして零さんよりよっぽど慕われてるゥ!
百「よし!今回は俺の奢りだ!たらふく食え!」
金の景気も流石は百さんだぁ!
こうして俺達は目的地もなく歩くのだった