東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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万事屋零ちゃん旧作篇
ヒロインって、何なんだろうね


星「朝ですよ。起きてください」

 

星の声が聞こえて俺は目を覚ました

 

零「あれ?膝枕のまま・・・・」

 

星「あの後貴方が寝てしまってそのまま宴会はお開きになったのだけど気持ち良く眠っていたので・・・」

 

零「そりゃ、悪かったな」

 

俺は起き上がる

 

星「いえ、私も久しぶりに零に膝枕できて嬉しかったですよ」

 

星が笑って言ってくる

 

星「あの・・・一つ良いですか?」

 

零「ん?」

 

星「その・・・踏ませてください!」

 

零「へ?」

 

何を言っているのだろうか?こいつはSか?サディストか?と思ったが思い出した

 

こいつは毘沙門天の代理だ

 

毘沙門天と言ったら何か天邪鬼を踏んだ伝説があった

 

零「あー、うんまぁはい。・・・どうぞ」

 

これも星に迷惑かけた分、こんなので許されるなら安いものだ

 

村紗「星~、外に零の客が・・・・」

 

そんな時だった

 

村紗が部屋に入ってきた

 

村紗「ま、まぁ、人それぞれ趣味はあるよな。悪かったな」

 

零「待って!何かとんでもない誤解してらっしゃる!」

 

襖を閉めようとする村紗を止めて俺は状況を説明した

 

村紗「なるほど、理由は分かった」

 

零「良かった・・・・で、俺に客って?」

 

村紗「今聖がはなしを聞いてるけどそれじゃあ収まりそうもなくて・・・」

 

と、言われたので敷地まで出てみれば・・・

 

静葉「だから、まだ秋じゃない!」

 

レティ「こんなに寒いのだから冬に決まってるでしょ!」

 

聖「お二人とも落ち着いて・・・」

 

零「なーにやってんだ二人とも・・・」

 

俺は二人に話かける

 

静葉レティ「「零(零) さん!今は秋か冬、どっち!」」

 

零「どっちっつわれてもな・・・」

 

静葉「もちろん秋よね?まだまだ実りはあるのだし!」

 

レティ「なに言ってるの?今辺りの実りは冬に食べるものよ?冬に決まってるじゃない」

 

聖「と、このような言い争いが続いていまして・・・」

 

零「なるほどねぇ・・・・」

 

俺は今も睨み合う二人を見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「てことで第一回、秋冬決定戦!」

 

『いぇーい!』

 

俺の言葉に周りが叫ぶ

 

零「はい、始まりましたこの戦い。司会は私風切零と・・・」

 

文「射命丸文がお送りします」

 

ナズーリン「な、なんだいこれは・・・?」

 

一輪「秋と春を決める戦いだって・・・」

 

聖「争いは駄目ですからね!」

 

聖が手を合わせながら言ってくる

 

零「分かってるって・・・じゃあ、審査員!」

 

文「あ、はい。審査員は貸本屋の看板娘、本居小鈴さん!そして現稗田家当主、稗田阿求さん!」

 

小鈴「よろしくお願いします!」

 

阿求「頑張ります!」

 

零「じゃあ一回戦!季節の料理対決!」

 

文「今回は冥界の魂魄妖夢さんと紅魔館の十六夜咲夜さんが一品ずつ料理を作ってくれますのでお二人はそれぞれの季節に会った食材を提供してください。それではスタート!」

 

零「てかさ、何で稔子は参加しないんだ?」

 

稔子「私はそこまで秋に執着ないから」

 

零「秋の神様としてそれで良いのか・・・」

 

稔子「私は秋じゃなくって稔の神様だから!」

 

零「ふ~ん」

 

しばらく雑談していると料理が出来たようで二人に運ばれてくる

 

妖夢「秋はやはり食欲と芸術です。なので私は柿をふんだんに取り入れたケーキを作ってみました!」

 

妖夢が出したのは色合いが綺麗なケーキだ

 

咲夜「冬はやっぱりこれね。外の世界のクリスマスの料理に色合いを足してみたわ」

 

咲夜の七面鳥も上手そうに出来ている

 

阿求「では、ケーキから」

 

二人が妖夢のケーキを食べ始める

 

小鈴「美味しい!柿のケーキって食べたことないから不思議な感じ!」

 

阿求「ほんと!これを食べたら普通のじゃ満足できないかも!」

 

妖夢「当然です!剣と同じくらいに料理も精進していますから!」

 

咲夜「なら、次は私の番ね」

 

咲夜がそう言うと二人が七面鳥を食べた

 

阿求「!何このお肉。全然油がしつこく無い・・・」

 

小鈴「それで持ってあっさりともしていない・・・なんて絶妙なバランスなの・・・」

 

咲夜「当たり前でしょ?完全で瀟洒なメイドは料理にだって余念がないのよ」

 

文「さて、それでは結果を見ていきましょう!・・・て、あれ?零は?」

 

文がそう言って辺りをキョロキョロ見渡す

 

ナズーリン「零ならあそこだよ」

 

ナズーリンが指差したほうを見ると俺が料理していた

 

聖「零、何をしているんですか?」

 

零「料理」

 

聖「いや、そうではなくて何故料理をしているんですか?」

 

零「いや、柿の皮やら盛り付けの残りやらが勿体無いからこれで料理しようかなって・・・よし」

 

俺は出来た料理を二人に出す

 

零「柿の皮の唐揚げだ。トッピングは咲夜が残したやつね」

 

そして二人がそれを食べる

 

阿求「!これ、本当に残り物で作ったんですか!?」

 

零「ん?おん」

 

小鈴「じゃあ決まりましたね」

 

阿求小鈴「「優勝は零さんです!」」

 

俺はドヤ顔で両腕を上げる

 

文「なんと!零さんが勝ってしまいました!」

 

零「いや~、アハハハ!って、あれ?」

 

俺は殺気に気付いて後ろを向く

 

零「あの・・・咲夜さん?妖夢さん?」

 

俺が逃げ出すと後ろからナイフや段幕が飛んでくる

 

零「にゃァァァァァァァァァ!!!」

 

星「いいんですか?助けなくて?」

 

聖「えぇ、二人とも本当に殺す気は無いみたいですし、見てください。皆、笑っています」

 

ナズーリン「人と妖怪が手を取り合う世界、聖が望んだ世界・・・」

 

村紗「なんか、アイツはアイツで結構頑張ってたんだよな・・・」

 

一輪「そうね・・・」

 

こうして幻想郷に命蓮寺が出来たのだった

 

静葉「そう言えば何でこんなことしてたんだっけ?」

 

レティ「さあ?」


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