東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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人里の小鬼、リュウグウノツカイ

あの後結局幽々子に捕まって抱き枕にされて早朝に抜け出して三人の飯を作り終わって紅魔館に戻る

 

零「あ~、どっと疲れた・・・」

 

美鈴「や、やっと帰ってきましたね

 

そこに居たのは凍えている美鈴だった

 

零「ちょ!何でそんな凍えてんだよ!?」

 

美鈴「れ、零さんが帰ってこないからじゃないですか~

 

零「わ、悪い!ちょっと冥界で帰れなくて・・・」

 

俺は美鈴に上着を着せて入る

 

美鈴「・・・・やっぱり優しいですね、零さんは」

 

改めて美鈴の言葉を聞き足を止めて美鈴を見る

 

零「なんで・・・・」

 

美鈴「その不思議な気は零さんしか無いですしね・・・」

 

俺は溜め息を付いて美鈴の前に戻る

 

零「その事を皆には?」

 

美鈴「言ってませんよ。お面で顔を隠してるのはバレたくない理由があるからでしょ?」

 

零「あ、あぁ・・・」

 

美鈴「なら、私は何も言いません。あ、それと」

 

零「?」

 

美鈴「今から人里の貸本屋に本を返しに行きなさい、とお嬢様の言付けです」

 

そう言うと美鈴が胸の間から本を取り出した

 

零「何でそんなところに・・・」

 

美鈴「中華服なんでここくらいしかありませんでした」

 

美鈴は満面の笑みだが俺はただただ苦笑いするしかなかった

 

 

 

人里に来て俺は目を疑った

 

一週間前の静けさが何処に行ったのやら賑わいを見せている

 

俺は鈴奈庵の暖簾を潜る

 

???「いらっしゃい!」

 

そこには小鈴そっくりのポニーテールに鈴をくくりつけた黒髪の少女だった

 

零「えっと、紅魔館からこの貸本を返しに来たんだけど小鈴は居る?」

 

???「えっと、お客さん。小鈴は私の母です。でもずっと前に亡くなりました・・・」

 

俺はとんでもないことを聞いてしまった

 

ここは100年後の幻想郷、小鈴が生きている訳が無い

 

零「ごめん。悪ぃ事聞いちまった」

 

???「だ、大丈夫!半妖の父もこの空の下の何処かに居るはずですし!それまで私、本居鈴音が店番です!」

 

俺は小さな息を漏らす

 

その父がおそらく自分だとは言える訳もないのだ

 

鈴音「それに私、四半妖ですから普通の人間よりは寿命も長いですし」

 

鈴音は笑ってそう言うが一人の寂しさは生半可な物ではないのを俺は知っている

 

小鈴も一人で貸本屋を切り盛りしていたが母親や毛根元死刑囚も居た

 

俺はコイツの側に居ることも出来ていない

 

例えそれが未来の俺だとしても、だ

 

俺は知らぬ間に鈴音を撫でる

 

鈴音「あ、あの・・・」

 

零「あ、悪い!そう言えば外の賑わいって何なんだ?」

 

鈴音「あ!今、仙人様と天人様がいらっしゃるんです!」

 

零「仙人と天人?」

 

鈴音「はい!しかも仙人様は父の妹、つまり私の叔母なんですよ!」

 

と言う事は仙人は華仙の事なのだろう

 

零「んじゃ、邪魔したな。・・・父親、帰ってくると良いな」

 

鈴音「え!?」

 

そのまま俺は店を出た

 

 

 

しばらく歩いていると人集りが見えた

 

遠巻きから見ているとやはり華仙と天子、衣玖と衣玖に似た黒髪の少年が居た

 

「仙人様~、畑が妖怪に襲われて大変なのです!どうにかして頂けませぬか!」

 

華仙「分かりました。何とかしましょう」

 

「ありがとうございます!」

 

零「へぇ、仙人ってあんなこともやるんだな・・・」

 

衣玖「仙人に興味がおありで?」

 

零「ウオッ!」

 

後ろから衣玖に声をかけられて尻餅を突く

 

零「いつの間に・・・」

 

衣玖「空気を読んで退散しました。ところで、この辺りでは見かけない方ですね。面霊気何ですか?」

 

零「その面霊気とやらは知らんがおら只の半妖だよ」

 

衣玖「今時半妖とは珍しい・・・」

 

零「そうなのか?」

 

衣玖「はい。今、幻想郷はその殆んどを百鬼夜行に蹂躙されている状態です。だからこそ、人間と妖怪の間は広がる一方何ですが・・・」

 

衣玖が天子と少年を見る

 

衣玖「やはり中にはそう言う妖怪も居るんですね・・・」

 

零「アンタの息子さんかい、ありゃ?」

 

衣玖「はい。永江一鬼と言います」

 

零「・・・・旦那は?」

 

衣玖「・・・・今は何処に居るのやら。でも、きっと何処かを呑気に歩いているんじゃないですかね」

 

衣玖が空を見上げながら遠い目をする

 

衣玖「・・・・・あ、すいません。貴方には関係の無い話でしたね」

 

零「いや、参考になった。ありがとよ」

 

衣玖「いえいえ」

 

俺は歩いて紅魔館に帰る事にした

 

 

 

しばらく森の中を歩いていた時だった

 

零「・・・・・あれ?ここ、どこだ?」

 

迷った・・・・・

 

零「いやいや、流石にこの年で迷子って無いわ~」

 

俺は辺りをみわたす

 

全く見覚えがない

 

藍「・・・・何をしている?」

 

声が聞こえて後ろを見るとそこには藍が居た

 

藍「お前が居るべきはここじゃないだろ?」

 

藍は俺の溝内を殴って仮面を取る

 

額に札を張られ俺は気を失った

 

 

 

私は零を元の時代に戻して零の封印場所に向かう

 

零の封印にはあの忌々しい殺生石が使われている

 

私はその前に仮面を置いて立ち上がる

 

藍「紫様と幽々子様も戯れが過ぎる。何故零を今の時代に連れてきたのだ・・・」

 

紫「それは、零にはこの現状を知って欲しかったからよ」

 

紫様がスキマから現れる

 

紫「今回の件で零は少なからず自分の置かされた状況は理解したはずよ。後は、零に任せましょう」

 

そう言って紫様はスキマに消え、私も橙のご飯を作るために帰路に突いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その殺生石にひびが入っているとも知らずに・・・

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