東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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能楽舞う面霊気

マミゾウに連れられて人里に来た

そこには何とも無表情な人達が外に居た

 

零「アンタらいったい何して・・・」

マミゾウ「待て」

 

人里の人に近付こうとしてマミゾウに止められた

 

マミゾウ「あそこを見てみぃ」

 

マミゾウの指を辿るとそこには面を被った少女が居た

 

零「誰だ?」

???「・・・・・・」

零「無視?」

マミゾウ「んじゃまぁ、ワシはお暇するとするかの」

 

マミゾウが消えてもう一度少女を見る

 

???「私は秦こころ」

零「あ、喋った」

こころ「博霊の巫女に退治され私は更正した。そして我は気付いたのだ。目眩ましのような弾幕、ド派手な光線、圧倒する体術!感情をかき乱していたのはお前達宗教家ではないか!」

零「おら何も知らん」

こころ「私はそれを正さねばならぬ」

 

俺の主張を無視するこころに少しムカッとしながらも俺は木刀を構えた

 

零「やるしかねぇか・・・」

神子「その決闘、私達も一つ噛ませて貰おうか!」

 

空から神子と聖が降りてきた

 

聖「零、貴方はまだ身体が治りきっていないのにどうしてここに来たの?」

零「いや、マミゾウに連れて来られた」

マミゾウ「来る気満々じゃったくせによう言うわい」

 

何処かに行った筈のマミゾウが建物の屋根からこちらを見る

 

マミゾウ「何かおもしろくなりそうじゃから物見させて貰うぞい」

神子「うむ。まぁ、戦いの支障にはならなそうですし良いですよ。ではこころ、行きましょうか」

零「へ?」

こころ「おー?」

 

神子がそう言うとこころの前に出る

 

聖「零、貴方は言葉では分からないみたいだから少し力ずくにすることにしたわ」

零「聖まで・・・」

マミゾウ「ニャッハッハッ!こりゃ面白い事になったのう」

 

俺はマミゾウに弾幕を飛ばした後に木刀を抜いて走り出す

 

神子「聖、遅れを取るなよ」

聖「誰に言っているのかしら?」

こころ「宗教家を根絶やしだ!」

 

こうして俺達はぶつかった

 

 

 

マミゾウ「イタタ、もう少しワシを労って欲しいもんじゃ・・・」

 

マミゾウが起き上がって額を撫でる

 

勇儀「何だい。一番乗りだと思ったら誰かいるじゃん」

 

そこに着物を着た勇儀が歩いてくる

 

マミゾウ「なんじゃ?お主も観戦かの?」

勇儀「そりゃ、弟分の大舞台を見ないわけにもいかないだろ。あ、あと二人来るからね」

マミゾウ「その二人は酒呑童子と茨木童子かの?」

勇儀「ん?あぁ、そういやアンタは佐渡の狸の大親分だったか」

マミゾウ「これ、ワシの事よりちゃんと勝負を見んか」

 

 

 

神子とこころが剣と薙刀を振ってくる

俺は木刀でそれを受けて凪払う

 

神子「クッ!一旦引こう!聖、任せる!」

聖「あらもう?それじゃあこころちゃん。行きましょう!」

こころ「おー!」

 

聖が殴りかかってきてこころのお面から弾幕が撃たれる

 

零「あーもう!しゃらくせぇ!」

 

 

 

勇儀「零、押され気味だな・・・」

マミゾウ「先ほどまで寝ておったんじゃ。それに加えて相手は幻想郷主要勢力のトップ二人、劣勢なのも無理は無いのぅ」

 

勇儀とマミゾウが酒を呑みながら俺達の戦いを見る

 

萃香「もう!華仙がグズグズしてるからもう始まってるじゃんか!」

華仙「萃香が酒を呑んでるからでしょ!」

萃香「何お~!」

華仙「なによ」

 

二人が胸を擦り合わせる

これがいわゆる胸囲格差

 

マミゾウ「これこれ、鬼の頭領と副頭領が聞いて飽きれるぞい。それよりほら、零の観戦に来たんじゃろ?」

 

マミゾウが指を指すと二人がこちらを見る

 

萃香「押されてるじゃん!」

華仙「しかも何ですかあれ!多勢に無勢ですよ!?」

マミゾウ「この劣勢をどう切り抜けるかが彼奴の腕の見せ所じゃのう」

 

 

 

零「おら!」

聖「ッ!」

 

聖の足をはらってこころに斬りかかる

しかし神子に防がれて俺は一旦下がる

 

神子「こうなれば三人で一斉攻撃だ!」

聖「仕方ありません」

こころ「やるぞー!」

 

三人が一斉に弾幕やらレーザーやらをハナッテクル

 

零「こっからが本番ってか?なら!」

 

俺はポケットからメダルを取り出す

 

零「憑依『佐渡の大親分』!」

 

俺はマミゾウを憑依させて立ち上がる

正直この憑依、作者すら忘れていた技であるの

ONE PIECEで言うところのゴムゴムのピストルだからね

 

 

 

マミゾウ「ヌオッ!?零がワシそっくりになったぞ!」

萃香「お!久し振りに零の憑依が見れたよ」

 

 

 

三人が弾幕を撃ってきて俺はそれをギリギリで避ける

そのまま丸薬を口に含んで噛み砕く

 

零「零さん化弾幕七十変化ッ!」

 

俺から煙が出て張れると俺が70人に増えていた

 

神子「増えた!?」

聖「いったい本物は何処に・・・」

 

二人が混乱しているとこころが薙刀で一気に10人の俺を斬り捨てた

 

こころ「全員斬れば解決する」

神子「それもそうだ!」

聖「いざ、南無三!」

 

二人もこころに続きどんどん俺を倒さしていく

とうとう最後の一人となって、憑依を解除した

そしてまたメダルを取り出す

 

零「憑依『小さき百鬼夜行』!」

 

今度は萃香を憑依する頭に二つ額の右に一つ角が生えた

 

 

 

勇儀「あの角・・・何だか昔の零を見てるみたいだねぇ」

 

不意に勇儀がそう漏らす

 

マミゾウ「ワシもいっぺんしか屋根八津を見たことが無かったがあの黒く輝く角はよう覚えておるよ」

萃香「いや~、零のすがたを見てると何だか昔に戻ったみたいだね」

華仙「兄さんは角があっても無くてもそのまま何ですね・・・」

 

華仙が自分のシニョンを触りながら呟いた

その時、何かどす黒い妖気が辺りを包み込んだ

 

 

 

神子「何だ・・・先程までの澄んだ妖気じゃない?全てを怨むような、そんな感じだ」

こころ「あいつの姿が変わった辺りから変わったぞ?」

 

七人が零を見る

しばらく力無く項垂れていた零が顔を上げると血走った目と狂気の笑みを浮かべた零が顔を見せた

 


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