東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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大バカ野郎

小傘「う、ううん・・・」

 

零の心の中に入り気を失っていた小傘が目を覚ました

 

萃香「目、覚めたかい?」

 

小傘の側に座っていた萃香が小傘が起きた事に気付いて振り向く

 

萃香「悪いが私には零を救う資格は無いらしい」

 

小傘が寝ぼけ眼で辺りを見るとそこには色んな体勢の零が浮いていた

 

萃香「零とは昔ッからの付き合いだがまさかここまで闇が深いとは・・・」

 

辺りから零の弱音が口々に聞こえてくる

小傘は生唾を飲みながら辺りを一望する

 

萃香「で、どれが本物か分かるかい?」

小傘「・・・・・・・・」

 

小傘が目を閉じて零の気を探す

それを見た周りの零が小傘に襲い掛かかった

萃香が零を殴り飛ばすと黒い霧になった

 

萃香(この霧・・・やっぱり瘴気かッ!私は大丈夫だけどコイツには毒か・・・)

 

萃香は後ろの小傘を見た後小傘を抱き抱えて飛ぶ

 

萃香「どうだい?零は見つかったかい?」

小傘「・・・・見つけた!アッチ!」

萃香「わかった!」

 

萃香が小傘の指差す方に急ぐ

零が追ってくるが萃香の速さに敵うわけも無くドンドン

引き離されて行く

しばらくして萃香達の目の前に黒い半透明の球体が現れた

中には確かに零が居る

萃香が球体に触ろうとすると球体に弾かれた

 

萃香「・・・・・・何でだよ」

 

萃香は小傘を下ろして球体に近づく

 

小傘「駄目だよ!危ないよ!」

萃香「こんな所で立ち止まっては居られないんだ!」

 

萃香が球体に腕を突っ込む

すると稲妻が走ったかのような痛みが萃香に襲い掛かる

 

小傘「萃香ちゃん!」

萃香「こんな痛み・・・おい、聞こえてるんだろ!ここから出てこいよ!」

零「・・・・・・・」

 

更に萃香は球体に身体をめり込ませる

更なる痛みが萃香に襲い掛かり萃香は気絶しそうになる

 

萃香「この・・・大バカ野郎ッ!」

 

萃香が倒れるのを踏み留まって零を殴り飛ばす

すると零は吹き飛び黒い球体から出る

萃香も直ぐ様飛び出して零の胸ぐらを掴む

 

萃香「お前に分かるか!?私含めここに集まった皆が何の為に戦っているのか!お前に分かるか!?自分に力が無いことを知っているから人に頼んだ奴の気持ちが!」

零「・・・・・・・・」

小傘「萃香ちゃん・・・・」

 

萃香が零を殴り付ける

 

萃香「何か言い返せよ!それがお前だろ!バカで純粋で!勝算が無くても向かっていく無鉄砲!それがお前、風切零だろッ!」

零「・・・・ってぇな・・・」

萃香「何だって!?聞こえないよ!」

零「痛ェなっつったんだよこのドくされ幼女!」

 

死んだ目をしていた零が目を見開き萃香を殴り付ける

 

小傘「零ちゃん!」

零「ったく、ピーチクパーチク長ッ垂れた説教はもう聞きあきたぜ」

萃香「それでこそ零だよ」

 

零は腕に力を籠める

 

零「んじゃまぁ、ここから出るか」

 

零が上を見てそれに釣られて二人も上を見る

 

濡羅吏「まさか、酒呑童子自らが助けにくるとは・・・」

萃香「残念だったね!零は返して貰うよ!」

 

萃香が叫ぶと濡羅吏が溜め息を付き消える

 

濡羅吏「今はまだ君達に預けおこう。ただ・・・いづれは我々が貰い受けるがな」

 

しばらくその場に静寂の時が流れた

 

 

 

一方その頃外では・・・

 

レミリア「?大人しくなった・・・?」

マミゾウ「と言うことは・・・」

 

零の口が開きその中から零が出てくる

 

零「お?出れた?」

神子「何故そんな所から・・・」

萃香「お、やっと出れたね」

 

次は萃香が零の股間部から出てくる

 

零「てめぇはどんなとっから出てんだ!」

こころ「先ずは自分の姿を見ろ。そっからツッコめ」

 

零が萃香を見てツッコむが零も零で完全に可笑しな所から出ているのでこころにつっこまれる

 

小傘「ふぇ~零ちゃ~ん」

 

今度は小傘が零のケツの穴から顔を出す

 

零「小傘!ちょっと待ってろよ!」

萃香「私と扱いちがくない!?」

零「お前自分で出れんだろうが!」

 

その光景を遠目で見ていた幽香が溜め息をつく

 

幽香「結局、零は何処まで行っても零ってことね」

聖「安心しました?」

幽香「まさか。寧ろこれからも拘束の必要性が高まって頭が痛いわ」

 

そのまま幽香は聖の隣を過ぎ去って帰っていった

 

紫「さて、喜んでいるところ悪いけど少し話を聞いてくれるかしら?」

 

いきなり紫の声が聞こえて全員が振り向く

 

萃香「紫、今更どうした?」

零「てか、冬眠から覚めたのか?」

紫「お陰様でね。本題に移るけど零、今から貴方の力を封印するわ」

 

そう言って紫は零達が出てきた零を触る

今やその零も黒い物体になり動かない

 

紫「フランドール・スカーレットの狂気を取り込んだ貴方はもはや幻想郷の脅威でしかないの」

 

零は目を閉じて紫の話を聞く

 

零「・・・・分かった。やってくれ」

小傘「零ちゃん!」

 

小傘が近付こうとしてマミゾウが止める

 

マミゾウ「止めてやるな。幻想郷を護る為に男が一本筋を通したんじゃ。カッコいいじゃないか・・・」

 

紫がお札を取り出す

そして紫がそのお札を零の姿をした物体に張り付ける

するとお札に黒い物体が吸い込まれた

 

紫「はい終わり♪」

 

紫がそう言うと全員が零を見て唖然とする

 

零「?どうしたよ?」

レミリア「れ、零が・・・」

小さくなった!?

零「・・・・・・はい!?」


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