パルスィ「それでそんなに小さくなっちゃったの?」
パルスィが橋の取っ手に凭れながら聞いてくる
零「あぁ。まぁ、力が衰えた以外何の支障も無いから良いんだけどな」
パルスィ「で、何で地底に来たのよ?」
零「お前、今日が何日か知ってるか?」
俺はパルスィに自嘲気味な笑みを見せながら質問を質問で返す
パルスィ「何日って如月の14・・・あ」
零「つまりはそう言うことだよ」
今日は如月、つまり二月の14日な訳で察しの良い君達なら分かるだろう
そう今日はバレンタインである
パルスィ「何か勇儀が柄に無くチョコを作ってたのはそう言うわけだったのね。そう言えばヤマメとかキスメとかさとりの所とかも作ってたわね・・・」
零「逆にそれでも気付かなかったのかよ・・・」
俺はパルスィに呆れながら人里の風景を思い出す
昨日から道一杯のリア充共が辺り構わずイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ・・・何度暴れてやろうと思った事か
たまらず夜明け前に地底に来た次第だよ
零「つか、勇儀もチョコ作ってんのか?へぇ~、アイツも乙女だねぇ」
パルスィ「言っとくけど勇儀って意外と乙女なのよ。どっちかって言ったらあのロリ鬼の方がガサツよ」
意外な事実に驚きながりも俺は地上から差し掛かる太陽を見る
零「アイツらに好かれるなんざその男共は幸せ者だねぇ」
パルスィ(アンタの事だっての・・・)
パルスィが微妙な顔をしているが俺は気付かずに欠伸をしながら太陽を見続ける
零「あ、俺今日は晩まで橋の下に居るから宜しく」
パルスィ「はいはい」
はい、てことで橋の下に移動
まぁ、橋の下に居るわけで上の話しも聞こえてくる
勇儀「お、パルスィじゃないかい」
どうやら勇儀が来たみたいだ
パルスィ「また地上に行くの?」
勇儀「あぁ、コイツを届けたくてね」
コイツとはおそらくチョコの事だろう
勇儀「ほら、アイツ周りに女多いし早めに渡したいしさ」
そう言って勇儀は橋を渡っていく
それにしても勇儀の好きな奴は中々の色男のようだ
女性比率が多い幻想郷の女性は一癖も二癖もあるくせ者揃いだ
そんな奴らが好いてるんだからきっとその男もくせ者なのだろう・・・妬ましい
ヤマメ「お~、パルスィ。今日もやってるんだ」
パルスィ「それが仕事だしね。ヤマメとキスメも外に行くの?」
どうやら次に来たのはヤマメとキスメらしい
ヤマメ「も?てことは先越されちゃったか。多分姐さんかな?キスメ、急ご!」
そう言うとヤマメとキスメが走っていってしまった
パルスィ「・・・・・私ちょっと用があるから離れるけど大人しくしてなさいよ」
パルスィが行ってしまい俺は一人になる
しばらく堀の川を見ていると何やら声が聞こえた
空「さとり様!早く行きましょうよ!」
さとり「こらお空、走らないの」
燐「まぁまぁ、さとり様。お空はこれを渡すためにずっとチョコを作れ練習をしてたから緊張してるんですよ」
こいし「そうだよお姉ちゃん!空気読もうよ」
次に来たのはどうやら地霊殿の面々らしい
燐「あれ?パルスィさんが居ませんね」
こいし「あの人にチョコでも私に行ったんじゃない?」
空「エヘヘ~、これあげたら喜んでくれるかな~♪」
さとり「きっと喜んでくれるわよ」
四人が行ったのを見て俺は橋の下から出て橋の上に行く
零「何やってんだろうな・・・」
俺は頭をかきながら皆の行方を考えてみる
きっと好きな奴に想いを伝えて笑っていれのだろう
パルスィ「あら、もう良いの?」
後ろを振り向くとパルスィが立っていた
零「悪ぃな。やっぱ帰るわ」
パルスィ「・・・・・そう」
パルスィが懐から何かを取り出して投げてくる
俺はそれを受け取ってみるとそれはチョコだった
パルスィ「一応言っておくけど義理だから・・・」
零「それでもうれしいぜ!有り難う!」
俺はこうして飛び立った
そして幻想郷に来て一年、今までで一番皆と笑い会った