東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

158 / 192
蛮奇の想い

結局影狼から話は聞けずに俺達はふらふらと辺りを飛んでいた

 

咲夜「結局、分からず仕舞いね」

零「いや、そうでもねぇよ」

 

俺の言葉に咲夜が首を傾げる

 

零「今この木刀は何らかの力によって妖気を感じ取れるみたいなんだ」

咲夜「みたいって何よ?丸で誰かに聞いたみたいな言い方ね」

零「コイツの意思かは知らねぇけど頭に語りかけて来やがった」

咲夜「ふーん・・・で、次の目的地は分かりそう?」

零「あぁ、こっから真反対だな」

咲夜「早くそれを言いなさいよ!」

 

俺は咲夜に頭をナイフで刺され気を失った

 

 

 

しばらくして目が覚める

 

咲夜「ちょうどお目覚めね。着いたわよ」

 

俺は咲夜に下ろして貰い辺りを見渡す

そこには小さな一軒家に後ろには小川が流れ、そのわきには柳が咲いている

 

咲夜「にしても驚いたわ。人里の隅にこんな所があるなんてね」

零「人里なのか?」

 

俺は更に辺りを見渡し静かな所には目立つ赤い頭を見つけた

 

咲夜「柳の下の飛頭蛮(デュラハン)・・・」

蛮奇「・・・・・・遅かったわね」

 

蛮奇が振り返ってこっちを見る

 

零「蛮奇・・・・・」

蛮奇「零、こっちに来なさい」

 

蛮奇が手を広げてそう言う

俺も自然に蛮奇に向かって歩く

 

咲夜「零ッ!」

零「ッ!」

 

咲夜に肩を掴めれ俺はハッとする

 

蛮奇「邪魔をするなッ!

 

蛮奇が咲夜に襲いかかる

咲夜はそれを避けながらナイフを投げる

 

蛮奇「零は私が護る!」

咲夜「アンタじゃ力不足よ。護られるのが関の山」

蛮奇「黙れッ!だから私は力を手に入れた!もう足手まといにはならない!」

 

蛮奇が頭を増やして咲夜にぶつかっていく

 

咲夜「ック!」

 

咲夜が倒れ、蛮奇が俺に近付いてくる

 

蛮奇「零・・・アンタは何時も私を護ってくれた。でも力が封印されて力も私と同じくらいになった。それなのになんで戦うの・・・?」

 

蛮奇が悲しそうな顔で見つめてくる

俺は蛮奇に近付いてくる抱く着く

 

零「蛮奇・・・。すまねぇ・・・。でもおれはお前に救われてんだ」

蛮奇「見え透いた嘘を付くな!」

零「嘘じゃねぇ!お前が・・・お前らが居るから俺は戦えるんだ!例え力が無くなっても関係ねぇ!相手がどんなに強かろうが立ち上がれる!それはお前が待ってくれてるからだ!」

蛮奇「・・・・・・・・・・」

零「お願いだ蛮奇・・・・。元に・・・戻ってくれ!」

蛮奇「・・・・・・・・・・」

 

蛮奇の周りを飛んでいた蛮奇のあたまが消え蛮奇が膝を付く

 

蛮奇「何よ・・・それ・・・。そんなの聞いちゃったら私・・・」

 

蛮奇の目から涙が零れ落ちる

俺は蛮奇が泣き止むまでそのまま抱き締め続けた


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。