東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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人と鬼の間

日も暮れて来たのでそろそろ博麗神社に向かうことにした

 

零「なぁなぁ~」

針妙丸「ん~?」

零「とうとうオカルトボールが後一個な訳何だけど・・・どうすれば良いと思う?一応博麗神社に向かってんだけどよ・・・」

 

針妙丸が頭に座って足をバタバタさせて考える

 

針妙丸「う~ん、今ね、博麗にちょうど穴が開いてるの。そこを守ってる山の仙人もね、オカルトボールをもってるの」

零「華仙が?・・・んま、とにかく博麗神社が次の目的地で間違いは無さそうだ」

 

俺はまた歩き始める

しばらく針妙丸と雑談しながら歩いて人里を抜け、参道を抜けてとうとう博麗神社の階段まで来た

 

針妙丸「・・・何か騒がしくない?」

 

耳をすませてみると確かに爆発音が聞こえる

俺は急いで階段を登りきる

そこにいたのは妹紅と華仙だった

 

妹紅「何だよ!別に良いだろ!?」

華仙「駄目よ!これ以上誰かに誰かに引っ掻き回されたくはないの!大体アンタ一回行ったでしょ!」

 

二人が戦いをしながらなにやら言い合いをしている

 

針妙丸「どうする?」

零「どうするってお前・・・」

 

俺は二人を見た後溜め息を付いて遮断機を持つ

遮断機を二人の間投げると二人が気づいたのかこっちをみる

 

零「まぁまぁ、二人とも落ち着いて、ここは折衷案で俺達が行く。異論は・・・妹紅華仙「「ありに決まって(るでしょ)んだろ!」」・・・あ、やっぱり?」

華仙「大体兄さんは何時も何時も異変に首を突っ込んで!異変解決は博麗の巫女である霊夢の仕事です!あまり霊夢を甘やかさないで下さい!」

妹紅「これに関わるなとは言ねぇけどお前も分かるだろ?不老不死にとって暇は一番の天敵だ。私の暇潰しを邪魔すんじゃねぇ!」

 

妹紅がいきなり蹴ってくる

俺はそれを避けて無数の遮断機を飛ばす

 

零「つまり暇が潰せれば良いわけだな?上等だ。俺がお前の相手になってやんよ!」

 

妹紅が遮断機を全部燃やして突っ込んでくる

俺は妹紅を向かえ打とうと木刀を構えた瞬間妹紅が全身を燃やした

 

妹紅「*こんな世は燃え尽きてしまえ!*」

 

炎が広がり俺を包み込む

炎が収まって前を見ると既に瀕死の妹紅が居た

 

零「なるほど、人体発火現象か・・・」

妹紅「今のは・・・渾身の一撃だったんだけどなぁ・・・」

零「妹紅、お前さんはもう戦え無さそうだな」

妹紅「・・・・あぁ、参った。私の敗けだよ」

 

妹紅がそう言うと妹紅のオカルトボールが俺の懐に入ってきた

俺は妹紅を木陰に寄せると肩に針妙丸を乗せた華仙をみた

 

零「・・・・針妙丸?」

針妙丸「いやぁ、あのままだったらもやされそうだったから・・・」

零「たく・・・・華仙、これでオカルトボールは七つ集まった。これで俺にも行く権利はあるんだろ?」

 

華仙が俺をあきれた目で見て溜め息を付く

 

華仙「詰めが甘い!」

 

華仙がそう言った瞬間後ろからでかい手に捕まえられた

 

針妙丸「零!」

華仙「兄さん、確かにオカルトボールを七つ集めればここを通ることが出来ます。しかしそれだけ。通ることは出来ても私が通すことはありません!」

針妙丸「え?でも私が行った時は勝ったら通してくれたじゃない?」

華仙「あの時は状況が状況だったわ。でも今は違う。既に手は打ってある」

 

俺は華仙を見てから俺を掴んでいる手を見る

 

華仙「大体兄さんは幻想郷のパワーバランスの一角を担う存在なんですよ?」

零「え?待ってそれ知らないんだけど!?」

華仙「はぁ、良いですか?今や万事屋零ちゃんは相当な勢力になりました。妖怪三人、小人一人、付喪神四人・・・兄さん含まず内二人は各勢力トップに互角とは言わないものの渡り合える力があります。もう既に万事屋零ちゃんは・・・兄さんは・・・幻想郷の重鎮なんです!」

 

今初めてそのことを聞き俺は頭をかく

俺はただ自由気ままにやってただけだ

異変解決はただの暇潰しだし、家に皆を住まわせてるのは大勢居た方が楽しいからだし・・・つか、俺人の上に立つ性分じゃないし・・・

 

針妙丸「・・・・・ちなみに内二人って?」

華仙「貴女と和太鼓の付喪神よ」

 

華仙がそう言うと針妙丸がドヤってこっちを見てくる

 

零「あ~、ハイハイ!悪いがな、俺は行くぞ!そとの世界からここに干渉する無茶苦茶な奴に会ってみたいんでね・・・」

 

華仙が俺を睨むがしばらくしていつもの呆れ顔に戻る

 

華仙「もう何を言っても聞きそうにありませんね・・・。分かりました。行きたいならどうぞ」

 

針妙丸が頭の上に乗ってくる

 

零「・・・・今度人里の甘味奢ってやっから勘弁してくれ」

 

俺がそう言うと華仙の目が光る

 

華仙「じゃ、じゃあ、南門近くの甘味処のトロピカルワガママフルーツパフェを!」

零「おぉ、良いぞ」

 

あれ糞ほど高いからあんまり嫌なんだけど・・・

ついでに家は蛮奇がお金の管理してて小遣い制何だよなぁ・・・

 

針妙丸「大丈夫?」

零「あぁ、俺の財布にゃ大打撃だな。こりゃ・・・」

 

俺は目の前の地面に広がる都会の夜景が写る穴を見据える

 

零「さて、針妙丸。覚悟は?」

針妙丸「正直、向こうで待ち構えてる変態とは会いたくないけど・・・大丈夫!」

零「よし!行くぞ!」

 

俺は穴に飛び込む

そこで気づいた

さっき針妙丸が言ったことばを・・・

 

零「今、変態って言わなかった?アァァァァァァァァァァァ!!!!」


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