東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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恐怖の菫子探検記

俺は電車の扉を閉めて適当な席に座る

それを床に尻を着けたままの菫子が怪しい目で見てくる

 

零「まぁまぁ、座んなさいよ。旅はまだまだ序章も満たしてないんだぜ?」

菫子「アンタ何なの?」

 

菫子が立ち上がって俺を睨み付ける

 

零「華仙から聞かなかった?俺は旅先案内人だよ」

菫子「今すぐ解放してよ!犯罪よ!?」

零「先に幻想郷を脅かした罪人はそっちだろ?俺達はそんなお前に念願の幻想郷旅行を企画してやっただけ」

 

俺は立ち上がって菫子の顔を掴み自分の顔に近付ける

 

零「あんまガタガタ抜かしてると殺すぞ、ガキ」

 

ドスの聞いた俺の脅しにビビったのか菫子はそのまま座って震えていた

 

零「・・・・・・(やべ、やり過ぎたか?)」

 

心の中で菫子に謝りつつ俺は窓を見る

外に見える人里を背にまた菫子を見る

 

零「まもなく~人里~人里~。本線は各駅停車、必降車です。お降りの方は人里の大通りを真っ直ぐお進み下さい」

 

電車が人里に着いて菫子が降りる

それを確認して電車の扉を閉める

そのまま電車がうごきだし人里の反対側に止まった

 

萃香「いや~、流石の迫力だったよ」

 

萃香が現れて俺の隣で酒を飲み始める

 

零「一様逃げないように布石を打ったつもりだったけどやり過ぎだった」

萃香「いや、零は正しかった。あのままだったら十中八九ここから逃げるだろうからね」

 

今は一輪とこころが菫子と対峙している頃だろう

俺は欠伸をしながら人里を見る

たまに段幕の光が見えたり銃声が聞こえてくる

光も音も無くなったタイミングで俺はいつの間にか座っていたぬえの頭を撫でる

 

零「じゃ、よろしく頼むぜ。ぬえ」

ぬえ「うん!」

 

俺はぬえに帽子を被せて電車の先頭に向かった

 

 

 

菫子「ひ、ひどい目にあった・・・」

 

菫子がようやく電車にたどり着くとぬえが電車から出た

 

ぬえ「ようやく来たわね!私はぬえ!兄貴の代わりにアンタを案内して上げる!」

菫子「まだあるのぉ?お願いもう帰してよ!」

 

菫子が地面にへばっているとぬえが菫子を持ち上げる

 

ぬえ「ホラホラ!へばってないで乗りなさい!」

菫子「ま、待ってぇ~」

 

二人が乗り込み菫子の前にぬえと萃香が座る

 

萃香「私は伊吹萃香。泣く子も黙る鬼さ」

菫子「・・・・・・・」

萃香「緊張なんてしないで良いよ。それに零には普通に話してただろ?」

 

萃香が盃の酒を煤って菫子を見る

ぬえはベントラーに乗りながら辺りをクルクルしていた

 

菫子「ねぇ、あの子何なの?バカみたいな事するのに勝負は強いし・・・」

 

菫子がうつむきながら言葉を紡ぐ

それに盃を持っていた萃香の手か止まった

 

萃香「・・・・・お前がどう思ったかは知らないし興味は無いけどこれだけは言える。お前は死なない」

 

萃香の言葉に菫子が思わず頭を上げる

いつの間にかベントラーが止まっていてぬえが萃香をじっと見つめていた

 

萃香「零はあんな事言ってたけど人一倍死には敏感だ。仲間が死ぬことも殺す事も許さない」

菫子「そうには見えなかったんだけどなぁ・・・」

萃香「いづれ分かるよ」

 

萃香が静かに酒を飲み始めるとチャイムがなった

 

零『次は~霧の湖~霧の湖でございます。お降りの方は真っ直ぐ紅い館の前にお向かい下さい』

 

放送が終わると扉が開いて菫子とぬえが外に出た

 

萃香「・・・・・余計なことだったかね?」

 

俺はまた席に戻って萃香の入れた酒を呑む

 

零「あぁ、本当にな・・・」

 

俺は窓から戦っている菫子を見る

今戦っているのは魔理沙だろうか?

スッゴいビームが出ている

 

萃香「にしてもこんな面白いことが起こってたなんて知らなかったよ」

零「寝てたのか?」

萃香「勇儀と呑んでてね。上の事なんて知りもしなかったさ」

 

俺は鼻をほじりながらそとを見る

 

零「さて、俺は神社に戻るから後は頼むぞ」

萃香「お~」

 

俺はそのまま神社に飛んで戻った


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