東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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天邪鬼と鬼邪天Ⅱ

一方その頃お燐、お空、みとりは・・・

 

空「ねぇ、お燐。私達は何をすれば良いの?」

燐「さっきさとり様が言ってたでしょ?ハートの形をしたお香を回収するの」

空「お香?」

みとり「これよ、これ!」

 

みとりがお香を手に乗せてお空に見せる

 

空「あ、それなら私も嗅いだよ!」

 

お空の言葉に二人が目を丸くする

 

燐「ウソ!?何時!?」

空「えっとね、さっき」

みとり「冗談は止しなよ。じゃあ何でアンタは誰かしらに惚れてないのよ?」

空「うにゅ?」

 

三人が顔を見合わせていると大名行列のような長い列が向かってきた

その中には、零や小傘、蛮奇や百々世と言った面々が並んでいた

 

燐空みとり「「「!?」」」

正邪「良いぜ良いぜ!このまま地霊殿に下克上だ。・・・もちろん、お前らも一緒にな!」

 

正邪が指を指すと三人の周りに香を持った妖怪達に囲まれる

しかし次の瞬間香が入った坪が割れる

 

零「悪ィが、二度寝はしない主義なんでな。夢なら一人で見な、ハニー」

百々世「自分の娘にハニーたぁ、とんだタラシだな、ダーリン」

勇儀「そっちの方が零らしいがね!」

パルスィ「まったく、妬ましいわ・・・」

正邪「な、なんで無事なんだ!?」

 

正邪が後ずさると後ろから宣造とほかの妖怪達が飛んでくる

 

宣造「賊どもから明王様を守れぇ!」

 

しかし小鈴が宣造達を殴り飛ばす

 

小鈴「お父さん!何デレデレしてんのよ!愛染明王様、愛染明王って、前は娘ラブだったのに・・・ば、馬鹿みたい」

宣造「バッ!?」

 

小鈴が頬を赤らめ宣造から顔を反らす

 

小傘「まさか・・・」

蛮奇「惚れてたの・・・」

ヤマメ「アッチィィィィィィィ!?」

 

小鈴が宣造の玉に付いた玉を持ち上げ笑う

そのまま小鈴が逃げる宣造を追いかけ、さらに零が小鈴を追いかける

 

百々世「つか、なんでお前も参加してんだ!」

 

零の頭に百々世のシャベルが刺さる

 

正邪「まだ異分子が・・・」

神子「ここにも居るぞ」

 

神子が正邪の頭に剣を突きつける

 

神子「悪いが世の中には君の手練手管でも手に負えない輩もいるんだ。だがおかげで私も自分の気持ちに気付けた。これで私も1本だけを見て進んで行ける」

零「そうかそうか、この小説じゃそんな描写無かったけどとうとうお前もハニー達の尻を追わなくなるのか。じゃあこの際だ。1本と言わず俺がニ、三発手解きを・・・」

 

零が神子の肩を持つが神子は離れて剣で零の金玉を指す

 

神子「い、いや、1本で良い。あ、アレだけ貰えれば」

燐「1本てそっちィ!?」

 

神子が逃げる零を追いかけ、その後ろからパルスィと百々世、キスメが追いかける

 

みとり「おい!アンタら一体どんな状況で惚れ薬嗅いだ!?てか、なんで三人も参加してんのよ!?」

 

そう!小鈴は気付いてしまった!自分に絡んでくる度にウザい、キモい、臭いと思っていたが居なくなって気付いてしまったのだ!その気持ちは嫌悪から来るものではない!それはただの思春期なのだ!

 

小鈴「お父さーん!」

 

小鈴が立ち止まり宣造の玉が引っ張られる

 

小鈴「なに他の女にデレついてんのよ!アンタは二十四時間監視された檻のなかに入れられたハゲであると言う事を忘れんな!」

宣造「ギャァァァァァ!たしゅけて!あいじぇんみょうおうしゃま!とれりゅ!アレとれりゅ!」

 

それを見ていた周りの男達が騒ぎだす

 

「な、なんだあの女は!?ここは危険だ!早く明王様を・・・ギァ!」

「な、なんだ!?」

 

男の上に男が跳んできて周りの男は男が跳んできた方向を見る

そこには神子が居た

そう!神子も気付いてしまったのだ!周りの女子に持てる零に、嫉妬にも恋慕にも似た感情を抱き続けてきた神子!しかし気付いてしまったのだ!神子が見ていたのは零ではなく、零の凛とした、股に生えたあれだと言うことに!

 

蛮奇「何でよ!」

小傘「零ちゃんのアレはそんなに大きくないよ?」

蛮奇「そうそう、大きくな・・・・え?」

 

フンスと神子を見る小傘を困惑しながら蛮奇が見る

しかし神子はこう思った!股から生えたアレなら誰のでも良いと!

 

みとり「誰のでも良いんかい!チ〇コと言う存在その物に恋慕!?」

神子「一つ残らず刈り尽くしてやる・・・。金玉狩りじゃあ!」

 

神子に金玉を引っ張られる男達を見てまだ無事なら男達が慌て出す

 

「御輿を捨てろ!」

「壁だァ!」

「一歩たりとも奴らを通すな!」

 

鎖が千切れた音がなり宣造が飛んでくる

そして宣造すら気付いてしまったのだ!

 

宣造「愛染明王?何処の馬の骨とも知れん女に心を奪われるとは・・・。全て思い出した・・・。俺の心の中にあるのは、俺が惚れているのは・・・、ケツだけだ!あらぁん、ごめんなさぁい。美味しそうな男子のケツが見えたんで」

蛮奇「取れたァ!アレ取れて別の道に目覚めたァ!」

宣造「愛染明王なんかより私達ともっと楽しいことしなぁい?」

 

宣造の後ろに玉に付いた玉が無い男達がセクシーポーズを決めながら並ぶ

 

勇儀「軍団出来てる!金玉取られた連中で一大軍団が出来てる!」

 

オカマ軍団が無事男達をおい始める

 

小傘「やった!皆の協力のおかげで道が!」

蛮奇「いや、どいつもこいつも本能のまま好き勝手してるだけだけど!?」

百々世「感謝するぜテメェ等!お前らの心は絶対取り戻す!」

 

百々世達が走り出すと勇儀とパルスィ、ヤマメ、みとり、お燐が振り返る

 

勇儀「ここは私達に任せな!」

ヤマメ「皆はあの迷惑な子鬼を早く反省させてよ!」

零「あぁ、任せとけ!必ずあの寝ぼけ眼のハニー叩き起こしてくらぁ!」

 

零が百々世に抱えられた状態で叫ぶ

 

蛮奇「降りろ!」

 

 

 

そしてここは旧地獄の端の端に位置した場所である

そこで正邪は逃げる準備をしていた

しかし後ろの気配に気付いたのは正邪が笑い出す

 

正邪「ここまでか・・・」

百々世「あぁ。後はテメェを捕まえて解毒薬を奪えば全部解決だ」

 

百々世が近付こうとして零がそれを止める

 

零「娘がやった事だ。親父の俺にも責任はあるんだぜハニー」

百々世「ダーリン・・・」

正邪「親父?今の今まで私の事を放置してた奴がか?」

 

零が黙る

それを見た正邪が更に嗤う

 

零「あぁ、だからこそ、今から俺は初めて父親としての責務を全うする」

 

零は木刀を抜いて正邪に向ける

 

零「先ずは俺に下克上しやがれハニー!」

『・・・・・・・・はぁ!?』

 

全員が目を丸くする

 

正邪「な、何言ってやがる!」

零「俺に下克上出来なきゃ幻想郷に下克上出来るわけねぇだろ?」

正邪「・・・・・・・・・」

零「その間、お前が幻想郷に仇なさないなら俺が何としてでも指名手配を取り消す」

 

そう言った瞬間扇子を持った手が迫ってきた

扇子の先が喉に当たりかけて止まる

 

紫「駄目よ。ソイツには私の愛する幻想郷に仇なした。死を持って償って貰わないと」

 

零の後ろにスキマが現れ中から紫が姿を出す

 

零「・・・・・ハニー、ハニーは昔俺に言ったよな?幻想郷は全てを受け入れるって・・・。だったらさ、こいつの事も受け入れてやってくんねぇかな?」

 

零が後ろを向いて土下座する

 

正邪「おい・・・。何してやがる・・・?」

零「・・・・・土下座」

正邪「お前は、私の親父でも血も繋がってねぇ・・・。赤の他人だろ!?」

零「例えそうだとしても、親父として、家族として、ここを譲る訳にゃいかねぇんだ」

 

紫が零を冷たい目でしばらく見つめ、一つ小さなため息を付くとスキマに姿を消して行った

そして零が立ち上がり正邪を見る

 

零「ハニー、先ずは後始末だ。解毒薬は?」

正邪「・・・・・・・ねぇよ」

零「そっか・・・」

 

零が考えを巡らすなか蛮奇と小傘が心配そうに眺める

 

空「あるよ」

『え!?』

零「それは本当かハニー!?」

空「うん。私もそれで効果切れたもん」

蛮奇「それでそれ何処にあんのよ?」

空「えっとね・・・変な神様のところ!」

 

その後、変な神様大捜索網が敷かれ、ヘカーティアの家にあった愛染香と対を成す愛断香を使い異変は終息した

 

 

 

 

 

 

 

とあるカセットテープ収録

 

零「所でお空は何で愛断香がヘカーティアの屋敷にあるって分かったんだ?」

空「えっとね、教えてくれたの!」

零「誰が?」

空「お兄さんに似た男の子と女の子!男の子の方は栗色に黒色が混じった毛でお芋の匂いがしてて、女の子は私に気配が似てた!」

零「へぇ・・・」


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