東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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今回は過去編です!


西行妖と黒夜叉

次の瞬間幽々子が浮かんだ

 

幽々子「!?」

 

幽々子にすらこの状態は分からなかった

 

しかし幽々子だけでなく零でも分かるほどの妖力が幽々子が流れていた

 

零「なんだ!?」

 

零がよく見るとそれは西行妖から出ていた

 

つまりそれは・・・・

 

零「西行妖が・・・復活しやがった!」

 

 

 

アリスが借りた歴史の本、それにはまだ続きがあった

 

しかしそれを話すには封印される少し前に遡る必要がある

 

それは鎌倉の元年俺は大江の山の頂上に華扇と住んでいた

 

華扇「兄さん!何時も言ってるけど天狗や河童にちょっかいかけるのは止めてください!」

 

今は零は華扇に説教を受けている

 

零「別に良いだろ?天魔に頼まれて文とはたて、椛とにとりを一人前になるまで育てたのは俺だし育ての親として見に行かないとだろ?」

 

華扇「なら私も育ての親です」

 

まぁ確かにそうだ

 

零「なら俺が父ちゃんでお前が母ちゃんか?」

 

華扇「そ、そう言う事になりますね////」

 

何故か華扇の顔が赤い

 

零「ま、そう言うことで俺は散歩してくるわ」

 

華扇「あ、待って!」

 

そう言う華扇を無視して家の外に出た

 

紫「良いのかしら?」

 

零「あぁ何時もこんな感じだ」

 

俺はスキマから覗いている紫に話し掛ける

 

紫「まぁ、貴方はあの娘の事頼まれたのだもね。私が口出しするのも不粋ってものですわ」

 

本当に生け簀かねぇ奴だなと思いながら俺は山を見る

紫「どう?山の妖怪達は幻想郷が出来た時に来てくれそう?」

 

零「そうさな・・・天魔はそう言ってるが下の大天狗どもはまだ納得してねぇみてぇだな」

 

俺は紫の幻想郷って言う妖怪達の居場所を作る計画に協力している

 

零「まぁ、地底に行った筈の俺と仙人になるために仙界にいる筈の華扇がまだここに居るんだ。繰り上げで地位に上り詰めた大天狗からしちゃあ俺の言う通りにするのはおもしろく無いんだろうぜ」

 

紫が溜め息をつく

 

零「それはそれとしておめぇ・・・今日は何の用だ?」

 

紫が俺の元に来るのは何か厄介事を持ってくる

 

紫は笑ったままだ

 

嫌な汗が出る

 

足元を見ると既にスキマが開いていた

 

 

 

零「う~ん・・・」

 

俺が目を覚ますとそこにはデカイ屋敷が有った

 

零「・・・・・・・」

 

紫がこの屋敷に飛ばしたと言う事は何らかの事がここで起こると言う事である

 

零「とりあえず入るか・・・」

 

俺は門を潜ろうとするすると

 

零「!?」

 

いきなり斬撃が飛んできた

 

???「何者だ」

 

そこに居たのは刀を持った老人だった

 

老人の短い言葉には普通の人間なら気絶する程の鋭い殺気が含まれていた

 

零「黒夜叉、と言ったら分かるか?」

 

???「!」

 

さらに老人は殺気を強めた

 

零「まぁそうカッカしなさんな。俺だって紫にここに連れられてここにいんだからよ」

 

???「何?紫様が・・・?」

 

老人の殺気の緩んだ

 

零「とりあえず中に入れてくんね?」

 

???「・・・・・・・」

 

老人はまだ悩んでいるようだ

 

???「入れて上げなさい、妖忌」

 

現れたのは青い浴衣の妖艶な女性

 

妖忌「は、しかし幽々子様・・・」

 

幽々子「大丈夫よ。紫から話は聞いてるわ」

 

幽々子がそう言うと妖忌が刀を鞘に納めた

 

幽々子がそれを見ると俺に向き直る

 

幽々子「当家の庭師が御迷惑をお掛けしました。私は西行寺の主、西行寺幽々子と申します」

 

零「大丈夫大丈夫。こう言うのは慣れっこだから。それに・・・」

 

俺は妖忌を見る

 

零「良い従者じゃねぇか」

 

幽々子「フフ、有り難うございますわ」

 

こうして俺は西行寺家の屋敷に入った

 

 

 

今俺は幽々子を前にして妖忌の入れてくれたお茶を飲んでいる

 

零「んで、紫が俺をここに飛ばしたって事は何か困った事でもあるんじゃねぇか?」

 

幽々子は笑顔を崩さずに頷いた

 

幽々子「えぇ、実は・・・」

 

幽々子の話によると桜が好きだった幽々子の父が桜の下で死に後を追うように従者が死んでいった

 

そんな事が続いているとその桜に自我が芽生え妖怪化してしまった

 

そして今その桜が人里に降りて人間の生気を吸いに来るらしい

 

零「じゃあ俺はその桜を封印すれば良いのか?」

 

幽々子「いいえ。封印は私がするの」

 

零「ほぉ・・・」

 

確かに普通の妖怪なら封印出来るだけの霊力は持っていそうだ

 

零「ちなみにその桜が来るのは何時なんだ?」

 

幽々子「・・・三日後よ」

 

零「は!?」

 

俺は立ち上がる

 

零「桜がある場所は!?」

 

幽々子「ここから見える丘の上だけど・・・」

 

零「俺ちょっと行ってくる!」

 

そのまま俺は飛んだ

 

妖忌「よろしいのですか?」

 

幽々子「えぇ」

 

妖忌の言葉に幽々子が笑う

 

幽々子「妖忌、貴方から見て彼はどう?」

 

妖忌「・・・・・一度手合わせ願いたいですな」

 

二人は飛んでいく俺の背中を見るのだった

 

 

 

零「ここか・・・」

 

目の前の桜を見る

 

綺麗だと見とれてしまう

 

しかし・・・・

 

零「妖気が異常だな・・・こんなの幽々子でも命使って封印出きるかどうか・・・!まさか!」

 

俺はある事が頭の中に浮かんだ

 

すると後ろにスキマが現れ紫が出てきた

 

紫「そう言うことよ。彼女は自分の命を使ってこれを封印しようとしているの」

 

バカとしか考えられない

 

普通自分の命を使ってまで封印しようと思うだろうか

 

紫「私は・・・友達として彼女に死んでほしくないの」

 

きっと幽々子は紫の始めての人間の友達なのだろう

 

紫「だからギリギリまで待って貰ってるの。必ず封印する方法を見つけ出すわ。でも・・・もし間に合わなかった時は・・・」

 

零「・・・・・分かった。そん時は俺が何とかしてやる」

 

俺の言葉を聞くと紫は笑った

 

 

 

そのまま屋敷に戻った

 

幽々子「お腹空いたわぁ・・・・」

 

帰ってきて幽々子の開口一番はこれだった

 

妖忌「では夕食をお作りしますので暫しの間お待ちを・・・」

 

素振りをしていた妖忌が刀を鞘に納め屋敷に入ろうとする

 

零「待った!爺さんはそのまま特訓しとけ。料理なら俺が作ってやるから」

 

妖忌「しかし・・・」

 

幽々子「良いじゃない。零に任せてみましょ?」

 

妖忌「・・・・・・ではお言葉に甘えさせて貰います」

 

妖忌はそのままさっきの位置に戻り俺は台所に向かった

 

そして半刻経ち俺は三人分の料理を置いた

 

焼き魚と穀物、後は漬物だ

 

全員で手を合わせる

 

零幽々子妖忌「「「頂きます(ました)」」」

 

・・・・・・・は?

 

今頂きましたと言うおかしな単語が聞こえたような・・・

 

いやいや、あり得ない

 

なぜならまだ十秒も経ってないのだ

 

俺は皆の皿を見る

 

俺の皿はある

 

爺さんの皿はある

 

幽々子の皿は・・・・・無い・・・

 

幽々子「ねぇ?」

 

零「まさか・・・・」

 

幽々子「おかわり」

 

たった一言

 

しかしそのたった一言を幽々子は屈託の無い笑みで言ってくる

 

零「・・・・・・何人分・・・?」

 

妖忌「零殿、幽々子様は最低でも三十人分はお食べになります・・・」

 

米を食べながらそう言う妖忌

 

零「・・・・・・・」

 

幽々子が笑ってこちらを見る

 

作れと言う意思表示だろうか

 

零「わぁったよ!作るよ!作れば良いんだろ!」

 

俺はそのまま走って飯を三十人分作った

 

まぁ喜んで食べてくれるだけ嬉しい

 

その後妖忌と剣の試合をしてから寝かせて貰った

 

そして俺は夢を見た

 

俺は妖気の漏れだしたあの桜の前で立ち尽くしている

 

そして目の前では目に光が灯っていない幽々子と妖忌が血まみれで倒れていた

 

零「あぁ、まただ・・・また、護れなかった・・・」

 

そう言う俺は、笑っていた

 

 

 

零「は!」

 

俺が起き上がるとまだ夜だった

 

零「夢か・・・」

 

妖忌「零殿、よろしいでしょうか?」

 

妖忌の声が外から聞こえてくる

 

零「あぁ」

 

そう言うと妖忌が入ってくる

 

零「んで、何か用か?」

 

妖忌「幽々子様の事で・・・」

 

零「幽々子の?」

 

妖忌が頷く

 

妖忌「・・・・・幽々子様は零殿と紫様には三日後に西行妖を封印すると申しました。しかし実際それは今日なのです・・・」

 

俺は立ち上がる

 

そして部屋を出ようとする

 

妖忌「何処へ?」

 

零「・・・・・幽々子を止めてくる」

 

妖忌「・・・・・・・」

 

妖忌は黙っている

 

俺はそのまま丘に飛んだ

 

そこにはたくさんの人が魂を吸われていた

 

零「・・・・・胸糞悪りぃ・・・」

 

辺りを見渡すとそこには幽々子が居た

 

幽々子は自分の手首に小刀を当てる

 

零「止めろぉぉぉぉぉ!!!」

 

幽々子の手首から大量の蝶が舞い西行妖に向かう

 

蝶が西行妖の周りを飛び始め次第に西行妖が枯れていく

 

しかし西行妖はまだ動いていて幽々子を根っ子で縛り付けた

 

俺は助けようとするがもう遅かった

 

西行妖は完全に封印され幽々子も既に死んでいた

 

零「あ、ああ、あぁァァァァァァァァァァァ

ァ!!!!!!!!!」

 

俺は膝を付き泣きわめいた

 

たった半日の付き合いだった女性の死に俺は悲しんでいるのだ

 

しかしたった半日と言っても楽しかったのだ

 

紫「・・・・・・・」

 

いつの間にか後ろには紫が居た

 

零「・・・・・紫・・・」

 

紫「・・・・・・・何かしら」

 

零「妖忌は・・・どうだった?」

 

紫は目を閉じた

 

紫「彼は半分死にそして半分は生き残ったわ。私が魂に境界を付くってね。今は彼が目覚めるのを待って彼の意思を聞くつもりよ」

 

俺は目の前で死んでいる幽々子を見ながら立ち上がる

 

零「俺は・・・やっぱ弱い・・・』

 

紫「?」

 

零「今回だって何も出来ずに幽々子が死んだ・・・」

 

俺は小傘が作ってくれた木刀を地面に刺す

 

朝日が上り封印された西行妖に影が出来俺に被る

 

零「俺は・・・もっと強くなって背負こんだもんは全部護り通してやる!例えそれが誰かの願いを踏みにじるもんだったとしても!」

 

紫「その背負い込んだ物には幻想郷は入っている?」

 

零「・・・・・・・・たりめぇだ・・・」

 

俺は紫と幽々子に誓いまた一歩を踏み出した

 

 

 

頭の中で俺の記憶が流れ込んだ

 

そして涙が出る

 

そうだ・・・俺は・・・

 

零「西行妖!幽々子の敵は取らせて貰う!」

 

そう叫んだ

 

 

 

三人称視点

藍「・・・・・よろしかったのですか?」

 

先ほど零に記憶が流れてきたのは紫が封じた零の記憶を紫本人が解いたからである

 

紫「えぇ、出ないと彼は死ぬかも知れなかったから」

 

藍「・・・・・・・・・・・」

 

藍もまた幽々子が死んだ時その場に居た

 

だから心配なのだ

 

藍(感情で動けば勝てるものも勝てないぞ。零!)

 

しかし藍は観ることしか出来ない

 

だから藍は零の無事を祈った

 




始めての過去編どうだったでしょうか?
妖忌の半人半霊の原因は想像です!
後華扇と小傘が出てきましたが零さんは顔を一切覚えておりません!
思い出してすらおりません!
何かこの子との絡みが欲しい等の意見や誤字などがあればコメントお願いします

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