東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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ギャーギャーギャーギャー喧しんだよ!

地獄から家に帰っていきなり小傘に抱き付かれた

 

零「ちょいちょい、小傘さん?」

 

俺が小傘に声を掛けると今度は顔を擦り付けてきた

 

零「もしかして・・・泣いてる?」

 

小傘「・・・・バカ」

そう言うと小傘は顔を上げる

 

 

小傘「零ちゃんはバカだよ!急に居なくなっちゃってたら悲しいに決まってるでしょ!」

 

俺は気付いてしまった

 

今回小傘には悲しい思いをさせてしまっていたのだ

 

零「・・・ごめん。今度から気を付ける。だから泣かないで欲しい。お前は笑ってる方が可愛いし、そっちの方が俺は好きだ」

 

俺は小傘を抱き締める

 

小傘「うん。約束だよ?」

 

零「あぁ」

 

そして今日俺達は一緒に寝た

 

勿論だが如何わしい事は何もない

 

 

 

次の日

朝御飯を食べに食べどころに向かった

 

零「さてと、好きなもん頼みな。昨日の詫びだ」

 

小傘「うん!」

 

俺がそう言うと小傘がメニューを見始めた

 

俺もメニューを視る

 

零「カレーにオムライスにスパゲッティ・・・って洋食なもんばっかだな・・・。和食は・・・あ、カルピスあった」

 

何を隠そう俺はカルピスが大好きである

 

でもカルピスはたまに流れ着く程度なのか値段が高い

 

ちなみにこの幻想郷ではお金の単位が厘、銭、円で一厘が十円、一銭が百円、一円が一万円との事だ

 

あ、右が現代、左が幻想郷ね

 

んで、カルピスは八銭と八厘つまり八百八十円である

 

家の近くの自販機のカルピスが百十円だからと言って八倍である

 

零「ま、いっか。すいませ~ん」

 

???「は~い」

 

呼んで来てくれたのは和服を来た赤い髪で紫色のリボンを着けた女の子だった

 

零「えっと、カルピスとカレーで」

 

小傘「あちきはオムライス!」

 

小傘も注文すると女の子が会釈してその場を行ってしまった

 

しばらくして料理が来て俺達は食べ始めた

 

またしばらくして大きな音が鳴った

 

見るとさっきの女の子が男二人に殴られて居る

 

男A「おいおい、何で妖怪がこんな所に居るんだぁ?」

 

男B「おい妖怪!テメェが居ると飯が不味く何だよ!分かったらとっとと死んでくれよ」

 

男が笑う

 

 

 

???視点

私はろくろ首だと言うことがバレて奴等に終われていた

 

とうとう奴等が私が働いている所にまで乗り込んできた

 

???(終わった・・・。これでここには居られない・・・)

 

いや、それ以前に今から殺される

 

そう思った時私と同じくらいの年の見た目の少年が立ちふさがった

 

男A「何者だ貴様!」

 

男B「我々が誰か解っての狼藉か!」

 

少年は腰に刺した木刀を抜く

 

零「ギャーギャーギャーギャー喧しんだよ。発情期ですか?この野郎」

 

そして少年はカルピスのグラスを前に出す

 

零「見ろこれ、テメェ等が騒ぐもんだから俺のカルピスが・・・」

 

少年は木刀を振りかざし二人の内一人の男を叩き付ける

 

零「丸々零れちゃったじゃねぇか!」

 

男B「貴様何をするか!我々は人間の害である妖怪を排除しようとしているのだぞ!」

 

男がそう言い少年が私を見る

 

零「じゃあ、言ってみろよ」

 

男B「何?」

 

零「こいつがいつ人間に害を及ぼした?時間帯、被害者、証拠品全部言ってみろよ」

 

少年が男を睨む

 

男B「そ、そんなのそいつが妖怪と言うだけで十分だ!」

 

少年がそれを聞き溜め息を付く

 

零「そんなくそったれた理由の為に通常百十円の所を八百八十円で頼んだカルピスが溢されたのか・・・」

 

少年はまた私に振り向く

 

零「立てるか?」

 

???「え、えぇ・・・」

 

そして少年は少し笑うと男を見る

 

零「俺は人間派でも妖怪派でもどっちでもねぇ。そりゃ人間を殺すのを生きがいとする妖怪も居るだろうし人間を喰わなきゃ生きていけねぇ奴も居る。そいつらなら殺そうと何しようとしても文句は言わねぇ。お互いが命を奪い合ってるんだからな。只な、今回コイツを見る限り人を殺す妖怪じゃあ断じてねぇ。そんな奴だって居るんだ。今回みたいに害のねぇ奴を殺るってんなら俺が相手をしよう」

 

少年はそう言うと男は後退り倒れた男を担ぎ逃げて行った

 

零「んじゃ俺も行くわ。勘定はそこに置いとっから」

 

小傘「零ちゃん待って~」

 

その少年は人間と言うには異常な殺気を放っておりかと言って妖怪と言うにはあまりにも優しい目だった

 

 

 

零視点

零「いや~良いことやった後は気分が良いねぇ」

 

小傘「零ちゃん!あいつらが誰なのか知ってるの?」

 

小傘が聞いてくる

 

零「知らねぇ!大体あいつらムカつくんだよ!」

 

小傘「まぁそれは認めるよ。そもそも人里は妖怪共存派と妖怪撲滅派が居るんだけどね、撲滅派が少し過激って言うか・・・」

 

零「あぁ・・・何となく分かるわ」

 

確かにあれは周り関係無しだった

 

そんなこんなで家の近くに来た

 

小傘「あれ?家の前に誰か居るよ?」

 

そんな言葉に俺は家の方を見ると確かに誰か居る

 

紫色の髪に浴衣の少女

 

零「あいつよく宴会で慧音と一緒にいるやつだな・・・」

 

彼女も此方に気付いたのか近付いて来る

 

???「あの、万事屋零ちゃんはここでしょうか?」

 

零「そうだけど家に何かようかい?」

 

???「依頼したい事があるんです」

 

とりあえず俺達は家に入りソファに座る

 

零「先ず名前から聞いて良い?」

 

???「はい。私は稗田阿求と申します」

 

零「それは風切零だ。それで依頼ってのは?」

 

阿求「実は貴方に家の資料の整理を手伝って貰いたいの

です」

 

零「?慧音が居るんじゃねぇのか?」

 

阿求「それが自衛団の方で何かあったらしくて・・・」

 

俺は何があったのか考える

 

しかし分からないので俺は考える事をやめた

 

零「よし、その依頼承った!」

 

こうして俺達は稗田の家に来た

 

零「おーい、これってどっち?」

 

阿求「それはこっちににお願いします」

 

俺は資料を言われた本棚に直す

 

ちなみに小傘は家で夕食の準備をしてくれている

 

零「よし、これで終わりっと」

 

そんな事を続けてやっと終わった

 

阿求「お疲れ様でした」

阿求が机にお茶を置く

 

 

俺はそれに手を取り飲む

 

阿求「そう言えば零さんは外来人ですよね?」

 

零「あ?そうだけど・・・」

 

阿求「どうですか?ここの生活は」

 

零「そうさな・・・楽しいよ。まぁたまに異変に巻き込まれたり地獄に迷い込んだりしたけど・・・」

 

その言葉に絶句する

 

阿求「じ、地獄にいったんですか!?」

 

零「あぁ、地獄で暴れた奴等ボコして出たよ」

 

阿求「そ、そうですか・・・」

 

あれ?俺なんか変な事言っちゃったかな?

 

阿求がメチャクチャ複雑そうな顔をする

 

そんな時

 

慧音「零は居るか!」

 

慧音が入ってきたる

 

阿求「慧音さん、どうしたんですか?」

 

慧音「今日起こった食べどころで起こった騒ぎ、零が関わっていると聞いてな」

 

零「あ~・・・・んなこと有ったかな・・・?」

 

とりあえず誤魔化す事にする

 

しかし

 

???「嘘付け!あんたが暴れた癖に私に木刀押し付けやがって!」

 

そう言った少女の手には俺の木刀がある

 

零「あ、それ俺の木刀・・・態々返しに来てくれたのか?」

 

???「違うわよ!助けてくれた事には感謝するけど私バイトクビになったのよ!どう責任取ってくれんのよ!」

 

俺は考える

 

確かに俺のせいでコイツには迷惑を掛けてしまった

 

零「じゃあお前俺の所で働くか?」

 

???「・・・・・・・・」

 

少女がいぶかしそうに見てくる

 

零「三食ご飯におやつ付き」

 

???「・・・・・まぁ、悪くない・・・」

 

少女がそう言うと木刀を放り投げた

 

俺はそれを受けとる

 

零「改めて、俺は風切零。万事屋零ちゃんの社長だ!」

 

俺は少女に手をさしのべる

 

???「私は赤蛮奇。よろしく」

 

蛮奇も手を出す

 

そんな時慧音が咳をする

 

慧音「悪いがその前に零にはキツい説教が待ってるぞ」

 

こうして俺は三時間ぶっ続けで説教されるのであった


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