東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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幕開け

俺は今レミリアの依頼で紅魔館に来ている

 

レミリア「さて、貴方に来て貰ったのは他でも無いわ。

咲夜と一度戦って貰いたいのよ」

 

零「何で?」

 

レミリア「私達は暫く幻想郷を離れるの」

 

零「はぁ・・・・」

 

確かに紅魔館の後ろに歪なだるま落としみたいなロケットがあったがまさか月に行くのだろうか?

 

レミリア「てことで、咲夜」

 

咲夜「はい」

 

咲夜は俺の目の前に現れるとナイフを持ち出した

 

零「え!?ここで戦うの!?」

 

咲夜がいきなりナイフを投げてくる

 

俺は木刀でナイフを弾く

 

弾き終わったと思ったら次は後ろにナイフがあった

 

それを弾こうとすると木刀が消えていた

 

この距離はもう避けられないと思い腕をクロスしてガードする

 

腕や足などにナイフが刺さる

 

俺は辺りを見渡し咲夜を探す

 

居た

 

懐中時計とナイフを持って立っている

 

零「全く、だから嫌だったんだ。服なんて毎回縫って血も生姜使って落としてんだぜ?」

 

咲夜「あら、それは大変ね。でも私には関係無いわ」

 

そう言って咲夜はまたナイフを投げてくる

 

俺はそれを無視して後ろを向いて飛ぶ

 

咲夜「なッ!」

 

そこに居たのは咲夜だ

 

咲夜も後ろに飛んで避けようとする

 

俺はその瞬間に咲夜の懐中時計を奪った

 

零「ハァハァ・・・・・。お前の能力はこの懐中時計の物だったんだ・・・。俺の勝ちだ!」

 

咲夜「いえ、まだ「貴女の負けよ。咲夜」・・・・」

 

今まで黙っていたレミリアが口を開いた

 

レミリア「咲夜の時計を奪った時点で零の勝つ運命運命に変わったわ。そこから貴女が懐中時計を取り返せない運命も、ね」

 

レミリアがそう言うと咲夜がナイフをしまう

 

レミリア「さて、零。貴方を見て面白いことに気付けたわ」

 

零「面白いこと?」

 

レミリア「えぇ、近々私達は月に行くのだけれどもそこで面白そうな事があるわ。その中心にいるのは・・・貴方よ、零」

 

零「・・・・・・・・・」

 

俺はそれだけ聞くと踵を返す

 

レミリア「帰るの?」

 

零「あぁ。月で俺がどうしようとそれは未来の俺だ。今の俺にゃ関係無いね」

 

そのまま俺は部屋を出て門に来る

 

案の定美鈴は寝ていた

 

零「たく・・・。おい美鈴起きろ」

 

俺が揺すると美鈴が起きた

 

美鈴「あ、零さん。もう帰るんですか?」

 

零「あぁ、お前も昼寝せずに頑張れよ」

 

俺は美鈴を撫でてそのまま家に戻るのだった

 

 

 

三人称視点

藍「紫様。紅魔館の吸血鬼は既に月へ行く準備を始めています」

 

紫「そう・・・・・」

 

紫はスキマを開いて零を見る

 

紫「藍、私が零と会ったのは何時だと思う?」

 

藍「?私と零が出会う前ですから大化の改新の頃でしょうか?」

 

藍の答えに紫は少し笑う

 

紫「そうね。私としてはそこで合っているわ。八雲紫としては、ね」

 

藍「それは・・・どういう・・・」

 

紫「蓮子、零は今も昔も、そして未来も変わらないままよ」

 

紫は藍に聞こえないようにそっと未来の友人の名を呟くのだった


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